このページは、免許の欠格要件のうち、「本人以外」に原因があるものを挙げています。
論点としては、「未成年」が一番大事です。
「役員・使用人」の連座規定は、考えてみれば、その通りなので、理屈さえ押えておけばいいでしょう。
「その他」の規定は、その存在だけを、押えておけばいいでしょう。
「未成年」にも、いろいろあるので、注意が必要です。
前提にあるのは、「成年者と同一の行為能力を有しない未成年」です。
言うなれば、「ふつうの未成年」なのですが、「ふつうではない未成年」もいるので、話がややこしくなります。
まず、民法の成年擬制です。
結論から言うと、結婚した未成年者は、免許が受けられます。
民法 第七百五十三条・・・『未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。』
んなもんで、未成年でも、結婚すれば、「成年」扱いとなり、免許を受けることができます。
また、民法には、「営業の許可」制度がありました。
民法 第六条・・・『一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。』
んなもんで、法定代理人から、営業を許可されたなら、未成年者でも、営業が可能になります。
まずは、この2規定を、頭に入れましょう。
結論から言うと、ふつうの未成年者は、「法定代理人」が欠格要件に該当しないならば、「未成年」のまま、免許を受けることができます。
免許基準は、申請者本人たる「未成年者」ではなく、「法定代理人」だからです。
過去問参考‐「H27 問27」の選択肢3
『営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第247条(背任)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなければ、Fは免許を受けることができない。』
刑法の背任罪で罰金刑は、欠格要件です。よって、免許が受けられません。「○」です。
注意してほしいのは、宅建士制度との違いです。
宅建業の免許は、ふつうの未成年でも、法定代理人が欠格要件に該当しないなら、受けることができるのです。
しかし、宅建士だと、ふつうの未成年なら、宅建士の登録もダメだし、宅建士にもなれないし、専任の宅建士にもなれないのです。
「ふつうの未成年」の扱いは、免許と宅建士とでは、絶妙に異なるので、確認しておきましょう。
条文を挙げるとややこしいのですが、要は、「脱法行為」を防ぐためです。
たとえば、あるズルイ人が傷害罪で罰金刑に処せられたとします。その人は、欠格要件に該当するので、当然、免許が受けれられません。
しかし、誰か代わりの人に、“名目的に”免許を取らせて、自分が役員や使用人になって経営に参加すれば、そのズルイ人が免許を取ったのと、実質的に同じことになります。
んなもんで、こういう欠格要件の「脱法行為」を防ぐため…、
「七 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者のあるもの」
「八 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者のあるもの」
…と、定められました。
理屈を考えれば、脱法予防の意味が、すっとわかるはずです。
その他の規定には…、
・暴力団員等がその事業活動を支配する者
・事務所について、法定数の専任の宅建士を置いていない者
…があります。
あまり試験には出ないでしょうが(問題を作り難いので)、念のため、押えておきましょう。
前者は、暴対法関連なので、理解できると思います。
言うなれば、「脱法対策」の追加規定です。
使用人・役員が欠格要件に該当すれば、免許が下りません。
よって、潜在的な悪意者は、使用人や役員にはなれないことになりますが、逆を言えば、使用人・役員でなければいいわけで、株主や出資者になったり、相談役や顧問役になったりして、経営に参画します。
こうした、表に現れず、影で営業すればいいってな脱法行為を、「実質基準=実際にその企業を支配しているかどうか」で、取り締まれるようにしている、ってな塩梅です。
後者は、宅建制度の根幹なので、設置の法定要件を満たしていなければ、当然、ダメだとわかるはずです。
本ページは、以上です。
個々の欠格要件の詳細ページは、以下のとおりです。
インデックスは、「欠格要件 基本分類」です。
んで、個々の記事を、カンタンな順番で、並べています。
なお、これらのほかに、横断まとめとして、「暴力団員系のまとめ」もあります。併せて、お目汚しください。
また、ある程度、慣れて来たら、「宅建業法「免許」の過去問リスト」で、知識を確認してみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐宅建業法, 宅建ノート‐免許, 宅建ノート‐宅建業法 | 2019年9月17日 10:49 AM |
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このページは、免許の欠格要件のうち、「本人」に原因があって、「年」が出てこないものをまとめています。
数も少なく、憶えやすいので、ここから着手するのもいいでしょう。
本人年なし系には、「3つ」の規定があって…、
・成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
・心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定める者
・宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者
・現役の暴力団員
…となっています。
見てのとおり、文言に「5年」うんぬんの数字が“ない”規定です。
欠格要件には、「5年」の数字がついたものが、たくさんあります。
しかし、先の規定は、5年云々がないわけですが、ゆえに、出題者は、ひっかけ問題を出しやすくなっています。
たとえば、「成年被後見人の審判が下りても、5年を経過すれば、宅建業の免許を受けることができる」などと、「ひっかけ」てくる、ってな寸法です。
もちろん、「×」です。
成年被後見人・被保佐人は、何年経っても、免許が受けられません。
(成年被後見人・被保佐人ですが、改正によって、当該規定が削除されました。以前のように、一律にダメなわけではなく、免許が受けられる可能性があります。)
成年被後見人・被保佐人ですが、それぞれ、何らかの事情で、後見開始の審判・保佐開始の審判が取り消されたならば、宅建業の免許を、受けることができます。
言うまでもなく、もはや、成年被後見人・被保佐人ではないからです。
ここでも、「5年ひっかけ」に注意しましょう。
たとえば、「成年被後見人Aは、後見開始の審判が取り消されても、その取消の日から5年を経過しないと、免許が受けられない」などと、出るおそれが“かなり”あります。
いうまでもなく、「×」です。審判が取り消されたなら、翌日から、免許が受けられます。
先に述べたように、欠格事由の「成年被後見人・被保佐人」は、改正により削除されました。
現在では、「心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定める者」と規定されています。
よって、「成年被後見人・被保佐人」でも、免許が受けられる可能性があります。
制限行為者のうち、「被補助人」は、欠格要件に入っていないので、注意してください。
たとえば、「補助人の審判が下ったAは、宅建業の免許が受けられない」などと、出る可能性があります。
「×」です。補助人は、欠格要件に該当しません。補助人なら、いつでも、受けられます。
復権を得ない破産者が欠格要件に該当します。
よって、破産者でも、復権を得れば、翌日から、免許を受けれます。
先に挙げた「宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」ですが、個人的には、文言だけ、押えておけばいいと思います。
注意すべきは、類似規定です。
類似規定に、「免許の申請前“五年以内”に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者」があるので、混同しないようにしましょう。
実際にやった人(クロ)は、「5年以内」という期限が切られます。対して、おそれのある者(グレー)は、期限が「ない」です。
たとえば、鼻くそのような問題例ですが、「免許の申請前五年以内に、宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」などと出ても、判別できるようになっておきましょう。
暴対法で規定されている暴力団員は、つまり、現役のヤクザは、欠格要件に該当し、免許が受けれません。
現役のヤクザには、数字は出てきません。
しかし、ヤクザを止めると、数字規定が出てきます。
暴力団員でなくなった日から「5年」は、欠格要件に該当するので、注意してください。
本ページは、以上です。
個々の欠格要件の詳細ページは、以下のとおりです。
インデックスは、「欠格要件 基本分類」です。
んで、個々の記事を、カンタンな順番で、並べています。
なお、これらのほかに、横断まとめとして、「暴力団員系のまとめ」もあります。併せて、お目汚しください。
また、ある程度、慣れて来たら、「宅建業法「免許」の過去問リスト」で、知識を確認してみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐宅建業法, 宅建ノート‐免許, 宅建ノート‐宅建業法 | 2019年9月17日 10:29 AM |
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「免許」の「欠格要件」は、毎年のように、出題されています。
当該欠格要件のコツは、『分類』です。
ぜんぶを一時に憶えようとすると、実に厳しいのですが、整理・分類して憶えると、かなり、楽になります。
とりあえずは、この分類で、頭に入れてみてください。んで、各ページへのリンクは最後に挙げています。
「欠格要件」を、まずは、以下のように、大きく分けます。
・本人5年系
・本人年なし系
・本人以外系
・その他
テキストには、グダグダと羅列されていますが、ざっくり言えば、この「4系統」がある、と頭に入れます。
「本人5年系」とは、欠格要件が「申請者本人」に由来するもので、「5年」という数字が出てくるものです。
例を挙げれば、「免許が取り消され、取消の日から5年を経過しない者」とか「禁錮以上の刑に処せられ(略)5年を経過しない者」といった、定番のアレです。
規定の中で、一番数が多く、また、クソややこしいため、最も出題される要注意論点となっています。
そのため、さらに、分類するのが吉です。
当該宅建ノートでは…、
「5年以内」系
「5年経過:免許取消」系
「5年経過:禁錮」系
「5年経過:罰金」系
…と、さらに4つに分けてみていきます。
「本人年なし系」とは、欠格要件が「申請者本人」に由来するもので、数字が出てこないものです。
例を挙げれば、「成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者」や「宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」です。
このように、「5年」という数字が出ない規定は、「本人年なし系」に分類して、憶えるようにします。
数は少ないのですが、先の5年系と絡めて、ひっかけ問題化することがあるので、気が抜けません。
「本人以外系」とは、欠格要件が「申請者本人以外」に由来する規定です。
本人以外の一定の人が、欠格要件に該当すると、免許が受けられなくなる規定です。
例を挙げれば、「未成年の法定代理人」や「法人の役員、使用人」などが該当します。
そこそこ、ややこしい規定のため、よく出ます。
「その他系」とは、先の分類に、当てはまらない欠格要件です。
例を挙げれば、「暴力団員等がその事業活動を支配する者」や「事務所に法定数の専任の宅建士を置いていない者」が該当します。
出ることは出ます。押さえておくべきです。
個々の欠格要件の詳細ページは、以下のとおりです。
インデックスは、「欠格要件 基本分類」です。
んで、個々の記事を、カンタンな順番で、並べています。
なお、これらのほかに、横断まとめとして、「暴力団員系のまとめ」もあります。併せて、お目汚しください。
また、ある程度、慣れて来たら、「宅建業法「免許」の過去問リスト」で、知識を確認してみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐宅建業法, 宅建ノート‐免許, 宅建ノート‐宅建業法 | 2019年9月17日 10:24 AM |
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