独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

宅建本試験 点数計画は柔軟に

本試験を受ける際、ある程度の「点数計画(得点予想)」は、胸算用するかと思います。

たとえば、「民法」で最低「5問」を取る、「その他の権利関係」で「3問」を、「法令上の制限」では「7問」を、そして「宅建業法」で「16~18問」、「その他」で「4問」取る、といった塩梅です。

これはこれでいいのですが、本試験では、「柔軟に」という文言を、“強く意識して”おくべきです。

というのも、試験年度によっては、得点状況が、大幅に変わりうる可能性があるからです。

宅建の試験制度からすると…

個人的な意見ですが、宅建試験は、「傾向が固定化されるのを、意図的に、避けている」ように、見受けられます。

毎年、本試験に“何かしらの変化”を持ち込むのが、昨今の傾向であり、「傾向が一定しないのが傾向」といった感が強いです。

んなもんで、受験生が「科目○○では5~6点くらい取る」と考えているようなら、出題者は、“意図的に”、その『裏』をかくように思われるのであります。

一応、これまでの本試験では、だいたい同じような得点状況ですが、今後、大きく変わる可能性を捨てきれません。

というのも、宅建には、科目別の「足切り点」がないからです。

足切りがない

宅建には、4科目ありますが、科目ごとに「足切り点」が設けられていません。

ご存知のように、「最終得点(全体得点)」だけで、合否が決まっています。

ですから、極端な話ですが、出題者は、たとえば、「民法」を、メチャクチャに難しくして、「0点」にすることができるのです。

んで、同時に、「宅建業法」などの他科目を、メチャクチャに簡単にして、ほぼ満点取れるような問題にすることもできるわけです。

出題者には、試験問題の難易度について、かなりの『裁量』があるわけです。

仮に、足切り点があると…

仮に、です。宅建に足切り点があれば、各科目とも、受験生がそこそこ正解できる問題に『調整』しなくてはならなくなります。

でないと、受験生全員が「足切り」にかかって、全滅する=合格者大激減する可能性があるからです。

試験をする以上、出題者側は、そこそこの数の合格者を出さなくてはならず、受験生が全滅するような失態は、絶対に犯せないはずです。

もし、合格者がゼロにでもなったら、来年、その出題者(試験委員)に、問題作成の依頼は絶えるでしょう。

んなもんで、もし、「足切り点」があるとすれば、各試験科目ごとに、最低限度の点数が取れるような出題(難易度)となる、ってな寸法です。

しかしながら、先に見たように、宅建には、「足切り点」がありません。

固定観念は持たない

「足切り点」がない以上、出題者は、好きなように、問題の難易度をいじる事ができます。

先に述べたように、極端な例ですが、「民法」を司法試験レベルの難問ばかりにして「0点」にするも、他の科目では、定番問題・頻出問題ばかりにして「35点前後」を取れるようにするといった出題も、否定できない、といった次第です。

最初から、「この科目で、このくらいの点数を取る」と、“前もって、決め付けていると”、傾向がガラリと変わったときに、もの凄く動揺してしまいます。

その動揺こそ、ケアレスミスの元凶であり、そして、出題者の欲したものであります。

固定化された先入観を持っていると、「脆い」ことを念頭に、本試験に臨んでください。

宅建の本試験 点数計算は柔軟に・・・「35点」を意識しない

結論を言うと、本試験の時は、何点取れたかより、取れる問題を1問も落とさない方が大事、といった次第です。

試験問題を解き終えると、自己採点用に、自分が何点取れているか、数えるかと思います。

その際の注意事項を、以下に述べておきます。直前対策に。

『35点』は、仮の数字

宅建の合格基準点は、おおむね「35点」と言われています。

しかし、本試験を受ける際は、この数字に拘泥してはいけません。

過去10年の試験データを見てみれば、合格基準点は、「31点から37点」と、かなりの「幅」があります。

つまりは、「35点」取れても、落ちている年度もあるわけです。

挙げるなら、平成30年度(37点)、平成23年度(36点)がそうです。

傾向がいつ変わるか、誰にもわかりません。昨今では、おおむね「35点」もあれば、受かりますが、皆さんが受ける試験でそうなるとは、断言できません。

『35点』に、こだわらない

先入観に囚われず、本試験に臨むべきです。

点数を勘定して、「35点」取れたからといって、安心してはいけません。

合格基準点が、36点、37点、または、それ以上になる可能性は、厳然として、あるからです。

安心するのは、試験が終わってから。

徹底的に見直しして、ケアレスミスを根絶し、1点でも多く、点を確保してください。

反対に、「35点」取れなかったからといって、“勝手に”絶望してはいけません。

過去のデータからすると、「35点」を下回る年度の方が、多いです。

過去のデータを見ると、平成27年度(31点)、平成26年度(32点)、平成25年度(33点)、平成24年度(33点)、平成22年度(33点)、平成21年度(33点)、平成20年度(33点)の試験では、「35点」取れなくても、受かっています。

35点取れてないからといって諦めるのではなく、それでも、1点が取れるよう・確保するよう、見直しに全力を上げるべきです。

1~2問は、解ける問題があるものです。

繰り返しますが、「35」という数字は、「仮の数字」でしかありません。

試験の傾向が変われば、点数が大幅に落ちて、「30点」になってもおかしくないですし、上がって「38点」「39点」「40点」となっても、少しも、遜色ないです。

宅建初級」等々で述べていますが、宅建の合格は、点数ではなく、目の前の試験問題のうち、取れる問題をいかに落とさなかったかで決まることを念頭に、本試験に臨んでください。

本試験中は、無闇に安心するのも、勝手に絶望するのも、ご法度です。

管理業務主任者試験の論点「集会・総会」のまとめ

区分所有法と、標準管理規約での「集会・総会」の違いをまとめています。

まず、試験には問われないでしょうが、集まりの名称から異なります。

「区分所有法」では、「集会」です。

んで、「標準管理規約」では、「総会」です。

両方とも、ほぼ同じ取扱いなので、名称については、そう神経質にならなくていいです。

出題者の脳が凍傷にでもならない限り、「区分所有法上、管理者は、“総会”を、少なくとも毎年1回、招集しなければならない」といった枝葉末節な問題は、出ないと思います。

試験に出そう・出たものは、以下の通りです。お気に入りにでも入れて、通勤・通学時に消化をば。

集会・総会の充足数

集会・総会の充足数ですが…、

区分所有法では、規定がありません。「規定なし」です。

よって、「区分所有法においては、集会には、議決権の過半数の有する区分所有者の出席が必要」などと出たら、「×」となります。

そもそも、「規定」がないからです。

対して、標準管理規約では、「議決権総数の半数以上を有する組合員の出席」が求められています。

標準管理規約の場合、具体的な数字が決められています。

注意すべきは、「議決権総数の半数以上」の「半数」のところです。

「過半数」ではないので、注意してください。

「半数以上」は、100の場合、50以上となります。

「過半数」とは、全体の半分より多い数です。100の場合、51になります。

数字が絶妙に異なっているので、整理して覚えてください。

決議要件

決議要件ですが…、

区分所有法では、「区分所有者および議決権の各過半数」となっています。

注意してください。“各”過半数となっているので、区分所有者と議決権との両者を、満たさなければなりません。

対して、標準管理規約では、「出席組合員の議決権の過半数」となっています。

んなもんで、議決権さえ、満たせばよくなっています。しかも、“出席”組合員なので、すべての議決権の過半数でなくてもよくなっています。

これも、微妙に、要件・数字が異なっているので、正確に憶えましょう。

通常総会の招集

通常総会の招集ですが…、

区分所有法では、「管理者・理事が、少なくとも、毎年1回、集会を招集」と、定められています。

対して、標準管理規約では、「理事長が、通常総会を、毎年1回、新会計年度開始以後2ヶ月以内に招集」となっています。

標準管理規約だと、「新会計年度開始以後2ヶ月以内」と、具体的に決められているので、きっちり憶えましょう。

臨時総会

臨時総会ですが…、

区分所有法では、「管理者・理事は、必要があるときは、いつでも、臨時総会を招集できる」と、決められています。

んなもんで、言うなれば、FAX1枚・メール1本で、臨時総会が開けることになります。

対して、標準管理規約では、「理事長は、必要があるときは、理事会の決議を経て、いつでも、臨時総会を招集できる」となっています。

標準管理規約では、理事会の決議が要件です。注意してください。

招集通知

招集通知ですが…、

区分所有法では、「会日より、少なくとも、1週間前に発する(規約で、“伸縮”できる)」と決められています。

対して、標準管理規約では、「少なくとも、会議を開く日の2週間前に発する(緊急を要する場合、理事長は、理事会の承認を得て、5日間を下回らない範囲において、通知期間を、“短縮”できる)」となっています。

ポイントだらけです。

まず、数字が違います。

区分所有法では、「1週間前」です。「1」です。

標準管理規約では、「2週間前」です。「2」です。

次に、「伸縮」と「短縮」に注意してください。

区分所有法では、規約で、「伸」「縮」できます。

んなもんで、1週間前を、2週間前に「伸」ばすことができます。

そして、1週間前を、3日前なり5日前なりに、「縮」めることができます。

「伸縮」がOKだからです。

対して、標準管理規約では、(“短縮”できる)としかありません。

よって、伸ばすことができないです。

「2週間前」を、1週間前に短縮はできます。

しかし、「2週間前」を「3週間前」に、伸ばすことは不可ってな寸法です。

さらに、注意点ですが、区分所有法では、『規約』で、伸縮します。

対して、標準管理規約では、『理事会の承認』で、短縮します。

一方は規約で、もう一方は理事会の承認と、異なっているので、整理して憶えましょう。

H30の過去問では、1問丸ごと出ているので、今後に備えて、取れるようになっておきましょう。

参考:H30‐33問:標準管理規約‐比較問題