「土地区画整理法」の「仮換地」のポイントだけを列挙します。
当法は、単に漢字が難しいだけで、制度そのものは単純です。
テキストを何回も読めば、大丈夫です。
「仮換地」とは、土地区画工事の済んだ別の土地を、仮に使えるようにする処分です。
土地の権利には、「所有権」と「使用収益権」がありますが、当該仮換地は、後者の「使用収益権」だけを、先に移転するものです。
当該「仮換地」の指定により、従前の宅地にあった「使用収益権」は、仮換地に移ります。
「使用収益権」が移転するわけですから、従前の宅地は、使えなくなります。
注意喚起です。
先に見たように、仮換地の指定があった場合、従前の宅地は、使えなくなります。
しかし、「所有権」は、従前の宅地に、残っています。
んなもんで、この「所有権」に基づき、従前の宅地を、売買したり、貸したり、担保にしたりすることは、可能です。
仮換地で移転するのは、「使用収益権」だけなので、整理して憶えましょう。
仮換地の指定をする場合、地上権、永小作権、賃借権等を有する者があるときは、仮換地について、それらの権利となるべき宅地・部分を指定することになります。
当然といえば当然で、前の土地に、地上権、永小作権、賃借権等の使用収益権を有している人がいるのですから、仮換地にも、同じ権利を有することになります。
なお、「抵当権」の場合、指定する必要はありません。
「抵当権」は、使用収益権ではないからです。(先の地上権、永小作権、賃借権のところに、抵当権は出てないです。)
仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、「通知」で行なわれます。
通知内容は、「仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日」です。
試験に出ています。通知対象と、通知内容とを、シッカリ押えておきましょう。
また、「通知」は、先の使用収益権を有する者(地上権、永小作権、賃借権等を有する者)にも、「通知」しなくてはなりません。
仮換地の重要論点が、「使用収益開始日を別に定める場合」です。
実によく出ています。
参考:H28 21問‐選択肢1、2、3
参考:H30 21問‐選択肢4
要は、です。ふつうなら、仮換地の指定とともに、即、仮換地の使用ができるのです。
しかし、工事の遅れなど、事情がある場合は、仮換地の指定日より後の日でないと、使用できないようにすることもできる(=使用収益開始日を別に定めることもできる)ってな寸法です。
当該「使用収益開始日を別に定める」の注意点は、「従前の宅地も、仮換地も使用できない」空白期間が生まれることです。
先に見たように、仮換地の指定があると、従前の宅地は、使えなくなります。
しかし、仮換地の使用収益の開始日が別に定まっている場合、その日まで、仮換地も使えなくなります。
つまり、使える土地がなくなってしまうという塩梅で、この場合、「損失補償」があります。
仮換地の指定により、従前の宅地は、使用収益できなくなります。
こういった土地は、施工者が管理することになります。
本ページは、以上です。
ある程度、わかってきたら、「宅建「法令上の制限」の「土地区画整理法」の過去問リスト」で、知識をチェックしてみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐法令上の制限, 宅建ノート‐土地区画整理法 | 2019年9月7日 11:28 AM |
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まず、土地区画整理事業について、押さえておくべきキーワードは、「都市計画区域内」です。
土地区画整理事業は、「都市計画区域内」で行なわれます。
過去問を挙げると、「H30 21問」の選択肢1です。
「土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう」
答えは、「×」です。
土地区画整理事業は、「都市計画区域外」では、行なわれません。
単独では、どうってことないのですが、次に述べる「施工者」に、都市計画法がらみの用語が出てくるため、混乱するところです。
まずは、「都市計画区域内」を、正確に憶えることから、はじめましょう。
「土地区画整理法」の頻出論点に、「施工者」があります。
土地区画整理事業の施工者のうち、試験に出るのは、「個人施工者」「土地区画整理組合」「区画整理会社」です。
そこそこ、細かいところまで、出題されています。
対して、宅建士とそう関係のない集団、つまり、地方公共団体、国土交通大臣、都市再生機構、地方住宅供給公社は、ざっと見ておけばいいです。ほとんど試験に出ていません。
さて、両者には、大きな違いがあります。
「個人施工者」「土地区画整理組合」「区画整理会社」は、都市計画区域内であれば、どこでも施工可能で、「市街化調整区域」でも施工できます。
対して、地方公共団体、国土交通大臣、都市再生機構、地方住宅供給公社は、「市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域内」でしか、施工できないです。
そこそこ、本試験で狙われているところなので、きっちり、押えておきましょう。
んでは、個々の施工者のポイントについて、見ていきます。
土地区画整理事業は、1人でも可能です。
1人でできるなら、当然、複数人でもできます。
1人でやる場合(一人施工)は、規準と事業計画を、複数人(共同施工)ならば、規約と事業計画を定め、都道府県知事の「認可」を受けます。
試験に出るのは、太線や下線のところくらいです。
土地区画整理組合で、過去問に出たポイントは、以下。
・7人以上が共同して、
・定款と事業計画(事業基本方針)を定め、
・都道府県知事の「認可」を受けます。
まず、人数の数字を憶えましょう。
「整理組合→せ・い・り・く・み・あ・い」の「7文字」で「7人」と憶えるといいでしょう。
次に、「定款」ですが、まあ、先の「規準(一人施工)」や「規約(共同施工)」と同じようなものです。
まあ、試験には出ないとは思いますが、クソのような出題者なら、「土地区画整理組合は、規準を定め」とかで出す可能性も、わずかにあるので、念のため、見ておきましょう。
んで、認可は、おなじみの「知事」です。
なお、上記は「設立」のものですが、本試験では、「解散」のことが問われています。
この場合も、「知事」の認可が必要です。
参考:「H29 問21」
組合設立には、同意条件があります。
組合設立の認可を得ようとする場合、「施工地区となるだろう区域内の、宅地の所有者及び借地権者の、それぞれ3分の2以上の同意」が必要です。
んで、この同意は、全体面積の「3分の2以上」となっています。
人数と面積の両方で「3分の2以上」です。
まあ、常識的に考えて、よく知らない人間が、自分の土地を整理する組合を作っていたら、気分は悪いですな。んなもんで、前もって「同意」を取り付けるようにした、くらいに把握しましょう。
さて、組合設立には、「未登記の借地権者」という、固有の規定があります。
「未登記の借地権者」は、「市町村」にその権利を申告することで、先の「同意を得るべき借地権者」となります。
申告先は、組合員とか組合長とか都道府県知事とかではないので、チェックしておきましょう。
施工地区内の宅地の所有者と借地権者は、すべて、組合員となります。
つまり、強制加入です。
これに対し、「未登記の借地権者」は、申告・届出をしないと、組合員になれません。
つまり、任意加入です。
区画整理会社ですが、設立に当たり「規準」と事業計画を定め、知事の認可を受ける、くらいを憶えておけばいいでしょう。
んで、先の組合の「3分の2の同意」と「未登記の借地権者の市町村への申告」が準用されているので、組合と一緒に憶えればいいです。
先に見たように、地方公共団体、国土交通大臣、都市再生機構、地方住宅供給公社は、宅建士と関係がほとんどないので、試験には、まずでないでしょう。
これらは、「施工規定」と事業計画を定めて、事業を行なう、くらいに憶えておけばいいでしょう。
また、そもそもが公的機関なので、認可等はありません。
本ページは、以上です。
ある程度、知識が付いたら、「宅建「法令上の制限」の「土地区画整理法」の過去問リスト」で、チェックをしてみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐法令上の制限, 宅建ノート‐土地区画整理法 | 2019年9月7日 11:22 AM |
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「農地法」の頻出論点に、「農地の定義」と「権利移動」があります。
2~3年に1回は登場するので、遺漏なく、押さえておくべき論点です。
「農地法」は、農地の荒廃や、農地の無秩序な開発等を阻止し、国家の根幹である食糧生産を担う「農地を保護」する法律です。
法の目的が、「農地の保護」にあることを、頭の片隅に置いておきましょう。
応用的な問題のときに、役立ちます。
たとえば、「H28の問22」の選択肢1です。
「相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。」ですが、「×」です。
後述しますが、前者の「相続」による農地取得は、許可は無用です。
問題は、後者の「相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合」の正否です。
「相続により農地を取得する場合」ですが、相続人は、おおむね農家の「子」なので、農地保護が図られる公算は、「大」です。
しかし、「相続人に該当しない者」だと、農家かどうか不明なため、農地がどうなるかわかったものじゃありません。
よって、「農地の保護」という法目的からすると、後半部分がおかしく、「許可を受けないとダメ」という推測が付く、ってな次第です。
こんな風に、「法の目的」から、選択肢を判断することもあるので、頭の片隅に置いていてください。
んでは、本編に入ります。
農地法の定義で、よく試験に出るのは、「現況主義」です。
登記簿上の地目は、関係ありません。
登記簿上、宅地で登記されていても、実際に、畑や田んぼなら、農地扱いとなります。これを、「現況主義」と言っています。
参考:H26 21問 選択肢4
他のポイントとしては、「休耕田(休耕地)」も「農地」です。
一時的に休耕していても、耕作の用に供しえる土地は、「農地」扱いです。
たとえば、「長期に休耕している農地を、宅地に転用する際は、許可は必要ない」などあれば、「×」となります。休耕地でも農地です。
なお、家庭菜園的ものは、農地ではありません。
次によく出るのが、「権利移動」の内容です。
「権利移動」に該当するのは、「2つ」あって…、
所有権を移転すること(所有者規定)。
地上権、永小作権、質権、使用貸借・賃借権等の使用収益権を設定もしくは移転すること(使用者規定)。
要は、「権利移動」とは、農地の「所有者」か「使用者」が代わることです。
所有権の移転は、即、「権利移動」とわかりますが、使用収益権の設定・移転も、「権利移動」に含まれているので、注意してください。
なお、混同しやすいものに、「国土利用計画法」の「土地売買等の契約」があります。
混同しやすいので、違いを「農地法の権利移動と、国土利用計画法の土地売買等の契約のまとめ」にまとめました。後ほど、目を通しておいてください。
「抵当権」は、超出論点です。絶対レベルです。
過去問参考:H26 第21問
過去問参考:H27 第22問
過去問参考:H29 第15問
「抵当権」の設定は、権利移動ではありません。
当該「抵当権」は、先の定義(地上権、永小作権、質権、使用貸借・賃借権等)に、列挙されていません。よって、「抵当権」の設定するのに、農地法の許可は必要ありません。
次に、試験に出るのは、「相続」です。
「相続」による取得は、「権利移動」に該当しないので、農地法の許可(3条許可)は、必要ありません。
しかし、遅滞なく、市町村の農業委員会に、届け出る必要があります。
また、「遺産分割」による取得も、相続に準じて、農地法の許可は、必要ありません。
「相続・遺産分割・・・3条許可要らない・・・農業委員会に届出」と、ガチ暗記です。
参考:H28 第22問
参考:H29 第15問
本ページは、以上です。
ある程度、わかってきたら、「宅建「法令上の制限」の「農地法」の過去問リスト」で、知識をチェックしてみてください。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐法令上の制限, 宅建ノート‐農地法 | 2019年9月6日 10:56 AM |
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