令和2年度(2020年度)関西広域連合の登録販売者試験の「科目別」の評価や、各種傾向、特徴をまとめています。本ページでは、試験の各科目についてを見ていきます。
「関西広域連合の令和2年度(2020年度)登録販売者試験」の「科目別」の総評です。
試験科目のうち、最も難化しているのは、「医薬品」です。
そして、次いで、難化しているのは、「適正使用」です。
よって、当該2科目では、徹底して過去問演習に取り組み、そして、テキストの精読を行う、ってな次第です。
残りの「基本知識」「人体」「法規」ですが、少々難化しているも、従来の勉強で、点数は確保できます。
んでは、個々の科目の詳細を見ていきます。
第1問~第20問の計「20問」の「医薬品に共通する特性と基本的な知識」ですが、R2年度も安定した出題といえます。
しかし、変化は、そこそこにあります。
まず、「手引き」やテキストを、逸脱する選択肢が「3問:医薬品のリスク評価」で出ています。
選択肢のaとcなのですが、「???」となったかと思います。
最終解答には影響しないですが、こういう小難しい選択肢に、拘泥しないようにしましょう。
次に、「基本知識」にも、「ひっかけ」問題が登場するようになっています。
「14問:医薬品の品質」の選択肢bに、「保管期限」という“はったり選択肢”が出題されています。
テキストの読み込みが浅い受験生は、(???)となったはずです。
このように、「基本知識」は、従来の問題が大半とはいえ、“油断はできない問題”も問われるようになっています。
他の科目に比べたら、「基本知識」は、「得点源」です。
1問たりとも落とさない気持ちにで臨んでください。
第21問~第60問の計「40問」の「主な医薬品とその作用」ですが、当該年度は、点数的に、厳しくなっています。
「医薬品」の大きな変化として、「生薬の地位が下がり、漢方処方製剤の地位が上がった」です。
前年の試験では、「1問」丸ごと「生薬」の出題がありましたが、当該年度では、“丸ごと問題がなくなってしまいました。”
「生薬」は、“選択肢の一部”として問われるばかりです。
もっというと、「生薬」は、漢方処方製剤との「合同問題」として、選択肢の1~2個で問われるようになっています。
つまり、「生薬」を勉強すれば、選択肢の1~2つは確答できるも、「漢方処方製剤」の知識がないと、問題自体に正解できないという塩梅です。
こんな次第で、「生薬」は、かつてほどの費用対効果がなくなっています。
しかし、なのです。
出題者も然るもので、「生薬」さえ勉強していれば、その知識だけで選択肢が絞れて1点が取れる問題も、あるのです。
確かに、出題数が減って、「生薬」の地位は下がっていますが、勉強していれば、“格段に点数の可能性が上がる”のは、間違いありません。
このあたりの「コスパ事情」を念頭に、「生薬」をやるか、やらないかを判断してください。
対して、「漢方処方製剤」の出題が、前年比で微増(プラス1問)しており、漢方処方製剤を完全に捨てるのは、考え物になっています。
当該年度の「漢方処方製剤」の出題は、「10問」なのですが、これを全部落としたとすると、「40-10」で全「30問」で戦うことになります。
よって、カタカナ成分の問題をシビアに正解しなくてはならず、精神的に、かなり厳しいものがあります。
従来は、「漢方処方製剤」を完全に捨てても、「生薬」等である程度、カバーできていました。
しかし、最近の試験傾向からすると、「漢方処方製剤」を完全に捨てるわけにはいかないようになっています。
ここだけは、ちょっと大きな「変化」なので、注意してください。
「38問:継続使用期間」に、ガチの数字問題が出ています。
「医薬品」でも、数字は問われていましたが、この種の「継続していい期間」が“横断的に”出題されたのは、初めてかと思います。
こういった問題も、出始めたので、「医薬品」でも、数字は、丁寧に押えていかねばなりません。
数字については、「数字対策インデックス」も、一読願います。
これまで問われたことのない、マイナーな成分が、出題されています。
「34問:胃薬」なのですが、「乾燥酵母」や「カルチニン」が出ました。
マイナー成分だからと言って、もう、油断できないようになりました。
テキストの成分は、どの成分でも、チェックを入れておきましょう。
こんな次第で、「医薬品」は、格段に点数が取れなくなっています。
当該変化を前提に、試験勉強に臨んでください。
第61問~第80問の計「20問」の「人体の働きと医薬品」ですが、R2年は、「少し、難しくなった」です。
まずもって、出題形式に、変化が見られます。
「横断問題」が出題されるようになっています。
問題の内容は、従来から問われているものなのですが、「問われ方」が変わってきています。
今後の定番様式となりそうなので、こういう出題形式に、慣れておきましょう。
次に、「副作用」に、多少の変化があります。
まず、肝に銘じて欲しいのは、「副作用は、すべてが出るようになっている」です。
これまでは、「間質性肺炎」など、メジャーなものばかりが出題されていたのですが、昨年度あたりから、精神神経障害など、「副作用」のすべての論点が、試験問題と化しています。
当該年度でも、この傾向が続き、消化器系副作用、循環器系副作用、泌尿器系副作用などが、マルッと問われるようになっています。
また、当該年度の特徴なのですが、超絶定番論点だった、SJSやTENが出題されていません。
出ない年度などないくらいに、よく出ていたSJSやTENですが、出ないときもあります。
定番事項に偏った試験勉強が危険になっています。
「副作用」のすべての論点を、押えておきましょう。
第81問~第100問の計「20問」の「薬事関係法規・制度」ですが、R2年では、「少しだけ難化している」です。
内容的には、過年度と大差は、ないのです。
しかし、やはり、ジワジワと、1問1問の問題の難易度が上がっています。
たとえば、「96問:広告規制1」などは、典型的に、難しくなった問題です。
とはいえ、「医薬品」と比べると、段違いで、点数が取りやすい科目です。
テキストを読み、過去問をシッカリ繰り返しておけば、大丈夫かと思います。
最後ですが、「82問:登録販売者」は、今後の定番と化しそうなので、テキストで念入りに見ておくべき論点かと思います。
第101問~第120問の計「20問」の「医薬品の適正使用・安全対策」ですが、「医薬品」に並に、要注意科目に変貌しています。
まずもって、「新傾向問題」です。
「106問:厚生労働省情報提供」なのですが、内容自体はそう変わってないのですが、こう問われると、格段に難易度が上がります。
次に、「新論点問題」です。
「108問:再審査制度」ですが、これまで問われなかった論点が、ドカッとメインで問われています。
次に、「難問」です。
「109問:副作用等報告の患者情報」や「113問:一般用医薬品の安全対策」は、解けた人は少ないと思います。
また、「107問:副作用等の報告」などは、「難問枠」の問題で、今後の定番と化しそうです。
これらの問題は、落とした人も多かったと思います。
このように、「適正使用」では、「点数の取り難い問題」が目立つので、「医薬品」に次いで、資源を投入する必要があります。
近年の「適正使用」の傾向変化の最たるものが、「主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等」の出題、つまり、「医薬品的な問題」の増加でした。
R2年では、当該医薬品的な問題の傾向が、「固まった」ように、見受けられます。
これまでの「医薬品的」な問題ですが、出題数に増減がありました。
しかし、当該年度の関西広域連合では、「使用しない(服用しない)が3問」で、「相談することが3問」の、合計「6問」となっています。
過去の試験では、“ちょっと多すぎるのでは?”と思っていましたが、今後は、「6問」前後を見ておくとよいかと思います。
なお、当該「医薬品的な問題」で、確実に押えるべきは、「医薬品」でも出題可能性のある「使用しない(服用しない)」です。
これは、3問全部、取るべきです。
対して、「相談すること」は、費用対効果が悪いです。
「相談すること」のうち、定番論点の1~2問を取れるようになっておけば、御の字かと思われます。
当該年度の関西広域連合 登録販売者試験は、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や独学の進め方などは、「登録販売者の独学」を一読ください。
2020年11月19日 3:39 PM
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