登録販売者 第4章:法規

第1節:薬機法の目的等 登録販売者

登録販売者

 「登録販売者は、法第4条第5項第1号において、「法第36条の8第2項の登録を受けた者をいう」と規定されている。」

 「一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとする者がそれに必要な資質を有することを確認するために都道府県知事が行う試験に合格した者であって、」

 「医薬品の販売又は授与に従事しようとするものは、都道府県知事の登録を受けなければならないとされており(法第36条の8第2項)、申請者が法第5条第3号に該当する場合は、その登録を受けることができないとされている(法第36条の8第3項)。」




ひとくちコメント

 ガチで出るところです。代表的な過去問は、「鹿児島県 R2 第111問」です。

 出題は、オーソドックスなものばかりです。きっちり精読していれば取れるはずです。

 さて、記述の要旨ですが、登録販売者とは、試験に合格して、その後で、登録を受けた者です。

 単に、試験に合格した者ではないので、注意してください。

 ですから、皆さんが試験に受かっても、単なる登録販売者の有資格者であって、登録販売者ではありません。

 さて、「申請者が法第5条第3号に該当する場合は、その登録を受けることができないとされている(法第36条の8第3項)」のところですが、これは、欠格事由です。

 たとえば、「麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者」は、登録販売者の登録ができないです。

 現在のところ、欠格事由について、突っ込んだ出題はないので、追及しなくていいでしょう。

 なお、法第5条第3号や法第36条の8第3項といった条文の数字を憶える必要は、一切、まったく、ありません!

 んでは、本文に戻ります。


 「この都道府県知事が行う試験の受験に当たっては、一定の学歴や実務経験を要することとされていたが、実務経験の不正証明などの事案を受け、平成27年度以降の試験においては、この受験資格を撤廃し、管理者又は管理代行者となる登録販売者に一定の実務・業務経験が必要とされた。」




ひとくちコメント

 大手スーパーがやってましたね。

 まあ、一読しておけばいいでしょう。憶える必要はないです。

 んでは、本文に戻ります。


 「販売従事登録の申請については、規則第159条の7において次のように規定されている。」

 「販売従事登録を受けようとする者は、様式第八十六の二による申請書を医薬品の販売又は授与に従事する薬局又は医薬品の販売業の店舗の所在地の都道府県知事(配置販売業にあつては、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県の知事。)に提出しなければならない。」

 「2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添えなければならない。ただし、申請等の行為の際当該申請書の提出先とされている都道府県知事に提出され、又は当該都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出された書類については、当該申請書にその旨が付記されたときは、この限りではない。」

 「一 販売従事登録を受けようと申請する者が登録販売者試験に合格したことを証する書類

 「二 申請者の戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍記載事項証明書又は本籍の記載のある住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書(略)」

 「三 申請者が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合は、当該申請者に係る精神の機能の障害に関する医師の診断書

 「四 申請者が薬局開設者又は医薬品の販売業者でないときは、雇用契約書の写しその他薬局開設者又は医薬品の販売業者の申請者に対する使用関係を証する書類

 「3 二以上の都道府県において販売従事登録を受けようと申請した者は、当該申請を行つた都道府県知事のうちいずれか一の都道府県知事の登録のみを受けることができる。」

 「4 法第三十六条の八第三項において準用する法第五条第三号ヘの厚生労働省令で定める者は、精神の機能の障害により登録販売者の業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。」




ひとくちコメント

 「販売従事登録の申請」は、よく出ます。要精読ですが、ガチで憶えなくていいです。

 ポイントは、提出先で、「都道府県知事」です。まずは、ここですね。厚生労働大臣や総合機構ではないので、注意してください。

 添付書類については、個々の書類をイメージしながら、読んでいけば頭に入ると思います。

 小難しい部分まで問われていないです。

 たとえば、「申請者の本籍の記載の“ない”住民票の写し」とか「申請者の“マイナンバー付の戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍記載事項証明書又は住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書」といった出題は、「ない」と思われます。

 どれも、ざっくり見ておけばいいでしょう。成人なら、だいたい、馴染みのある添付書類ですし。

 さて、ド頻出なのが「3」の「二以上の都道府県において販売従事登録を受けようと申請した者は、当該申請を行つた都道府県知事のうちいずれか一の都道府県知事の登録のみを受けることができる。」です。

 登録販売者の登録は、1つの都道府県のみです。2つも3つも受けられないです。

 登録販売者が出題されたときは、まず問われる規定です。押えておきましょう。

 最後に、「4」は、ほぼ無視していいでしょう。条文の整合性を取るものなので、押さえなくていいですが、選択肢の埋め草で出る可能性は、配偶者の善意ほどあります。

 「法第三十六条の八第三項において準用する法第五条第三号ヘの厚生労働省令で定める者は、精神の機能の障害により登録販売者の業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。」は、ざっくり一読さえしておけばいいでしょう。

 繰り返しますが、規則第159条の7といった数字を憶える必要はないです。試験には、出ないです。

 んでは、本文に戻ります。


 「また、販売従事登録を行うため、都道府県に登録販売者名簿を備え、次に掲げる事項を登録するとされている。」

 「一 登録番号及び登録年月日

 「二 本籍地都道府県名(日本国籍を有していない者については、その国籍)、氏名、生年月日及び性別

 「三 登録販売者試験合格の年月及び試験施行地都道府県名

 「四 前各号に掲げるもののほか、適正に医薬品を販売するに足るものであることを確認するために都道府県知事が必要と認める事項

 「都道府県知事は、販売従事登録を行ったときは、当該販売従事登録を受けた者に対して、登録証を交付しなければならないとされている。」




ひとくちコメント

 「登録販売者名簿」の登録事項は、ざっくり読んでおけばいいと思います。

 ポイントは、「二」の「本籍地都道府県名(日本国籍を有していない者については、その国籍)、氏名、生年月日及び性別」です。

 登録事項には、住所は、ありません。

 よって、住所が変わっても、変更届を出す必要はないです。

 もともと名簿に住所がないのですから、出さなくてもいいわけです。

 当該住所は、よくよく出るので、ピンポイントで押えておきましょう。

 んでは、本文に戻ります。


 「なお、登録販売者は、規則第159条の8第1項の登録事項に変更を生じたときは、30日以内に、その旨を届けなければならないとされており、」

 「届出をするには、変更届に届出の原因たる事実を証する書類を添え、登録を受けた都道府県知事に提出しなければならないとされている。」

 「また、登録販売者は、一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとしなくなったときは、30日以内に、登録販売者名簿の登録の消除を申請しなければならないとされており、」

 「登録販売者が死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、戸籍法による死亡又は失踪の届出義務者は、30日以内に、登録販売者名簿の登録の消除を申請しなければならないとされている。」

 「さらに、登録販売者が精神の機能の障害を有する状態となり登録販売者の業務の継続が著しく困難になったときは、遅滞なく登録を受けた都道府県知事にその旨を届け出ることとされている。」

 「加えて、都道府県知事は、登録販売者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を消除しなければならないとされている。」

 「一 第一項又は第二項の規定による申請がされ、又は、登録販売者が死亡し、若しくは失踪の宣告を受けたことが確認されたとき」

 「二 法第五条第三号イからトまでのいずれかに該当するに至つたとき」

 「三 偽りその他不正の手段により販売従事登録を受けたことが判明したとき




ひとくちコメント

 定番論点の「変更届」です。

 最低限度、先に述べた「住所は変更届の対象外」は、押えておきましょう。

 んで、届け出先は、「登録を受けた都道府県知事」です。

 勤務地の知事や居住地の知事とかではないので、注意してください。名簿ないですしね。

 んで、数字の「30日以内」は、押えておきましょう。変更届や申請関係は、「30日以内」と、まとめておぼるといいでしょう。

 当該「30日以内」は、よく出る数字です。3日以内や2週間以内や1ヵ月以内とかではないですよ。

 ほいで、期限で注意すべきなのが、「遅滞なく」の届出が1つだけある点です。

 「登録販売者が精神の機能の障害を有する状態となり登録販売者の業務の継続が著しく困難になったとき」には、「遅滞なく」届出なので、チェックしておきましょう。そらまあ、精神的にまずくなっているわけで、30日以内にできそうもないですしねえ。

 最後に、知事の消除ですが、出ることは出ますが、常識的な内容なので、一読しておけば大丈夫でしょう。

 なお、「二 法第五条第三号イからトまでのいずれかに該当するに至つたとき」ですが、これは、欠格事由です。

 ざっくり言うと、「ホ 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者」や「ヘ 心身の障害により薬局開設者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの」、「ト 薬局開設者の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者」等々です。(トの薬局開設者は、登録販売者と読み替えます。)

 上記規定は、資料の条文に出てくるもので、手引き本文には「ない」規定なので、ガチの出題は、「ない」かと思います。

 個人的には、まだまだ押さえなくていいと思います。今のところ、常識的に判断できるあへん中毒者などを押えておけばよいかと思います。

 さて、過去問の出題例としては、「愛知県 R5 午後第21問」です。このくらいの出題が関の山かと思います。

 以上で、このページは、終了です。ご苦労様でした。

ページリンク

 「Ⅰ 薬機法の目的等」の「登録販売者」は、以上です。

 「Ⅰ 薬機法の目的等」は、これで終わります。

 「Ⅱ 医薬品の分類・取扱い等」に続きます。

補足リンク

 大元インデックス・・・「Webテキスト インデックス

 本章インデックス・・・「法規 インデックス

 本節インデックス・・・「薬機法の目的等 インデックス

こまごましたもの

 登録販売者の独学方法については、「登録販売者の独学」を、参考にしてください。

 登録販売者のブログ記事などは、「サイトマップ」に、挙げています。

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