登録販売者 令和7年度 手引き改正 機能性表示食品・特定保健用食品 加筆

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

登録販売者の手引きの令和7年度4月の改正のうち、「医薬品」の「機能性表示食品・特定保健用食品」について述べています。紅麹事件を受けての記述追加です。すぐに試験に出せる内容なので、優先順位は、高いです。必ず、押えておきましょう。

機能性表示食品・特定保健用食品

 「法規」の改正です。ちょっとした“長文”が追加されました。

 改正箇所は…、

 「Ⅱ 医薬品の分類・取扱い等

 「3)医薬部外品、化粧品、保健機能食品等

 「【保健機能食品等の食品】

 …のところです。

 本文と注記とに加筆があります。合わせて、「1,000文字」くらいです。

場所その1

 【保健機能食品等の食品】の末尾に、加筆されています。

 テキストで探すべきは…、

 「また、食品のうち、食品表示法の規定に基づき制定された食品表示基準の規定に基づき栄養成分の機能表示等がなされたものにおける当該表示等に関しては、医薬品の範囲に関する基準における医薬品的な効能効果に該当しないものとされている。」

 …のところです。

 この記述の“下”に、加筆文章を追加してください。

場所その2

 それか、「(c) その他「いわゆる健康食品」」のところを探すのもいいです。

 テキストで探すべきは…、

 「(c) その他「いわゆる健康食品」」

 「健康食品という単語は、法令で定義された用語ではないが、一般に用いられている単語である。栄養補助食品、サプリメント、ダイエット食品等と呼ばれることもある。法や食品衛生法等における取扱いは、保健機能食品以外の一般食品と変わるところはない。」

 …のところです。

 この記述の“前”に、加筆文章を追加します。

加筆文章‐本文

 追加された文章は…、

 「なお、機能性表示食品については、令和6年3月に発生した紅麹関連製品による健康被害を受けて、」

 「① 事業者の責任において機能性関与成分によって健康維持・増進に資する特定の保健目的が期待できる旨を表示し、反復・継続して摂取されることが見込まれる機能性表示食品について、」

 「事業者(届出者)は、健康被害と疑われる情報を収集し、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した場合は、」

 「当該食品との因果関係が不明であっても速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)に情報提供することを、食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とする。」

 「② 製造工程管理による製品の品質の確保を徹底する観点から、」

 「機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品については GMP に基づく製造管理を食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とするなどの食品表示基準の改正が令和6年8月に行われ、同年9月より施行されている。(※ 注記2つあり)」

 「特定保健用食品についても、「特定保健用食品の表示許可等について」(次長通知)において許可等に係る食品の健康被害(医師の診断を受け、当該症状が当該食品に起因する又はその疑いがあると診断されたものに限る。)に関する情報を収集し、」

 「その発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、当該情報を都道府県知事等に速やかに提供するとともに、当該情報について消費者庁長官に提供する体制が整っていることを許可等の要件とした。」

 …となっています。

 文章は、改行等しています。大元のテキストは、このページの一番下です。

解説・ポイント

 一口でざっくり言えば、「機能性表示食品と特定保健用食品のメーカーに、健康被害の情報収集と、健康被害があった場合の情報提供が義務付けられた」ってな次第です。

 情報提供先は、ざっくりいうと「消費者庁長官、都道府県知事、市長、特別区の区長」です。

 んで、「速やかに」情報提供します。10日とか2週間とかではないです。

ポイント1

 機能性表示食品ですが、そのすべてが対象ではないです。

 「反復・継続して摂取されることが見込まれる機能性表示食品」なので、読み落とさないでください。

ポイント2

 細かいですが、注意すべきなのは、「機能性表示食品」の場合は、「因果関係が不明であっても」情報提供せよ、と規定されています。

 小林製薬紅麹サプリメント問題の製品は、機能性表示食品として届けられていましたね。

 医薬品の副作用同様の規制が、一部の機能性表示食品にもかけられたと言えます。

 対して、「特定保健用食品」の場合は、「発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合」に情報提供せよ、となっています。

 トクホの場合は、因果関係の記述がないし、情報提供する条件も違うので、整理して押えておきましょう。

ポイント3

 「健康被害」ですが、医師が診断したものです。自己診断とか個人の感じとかではダメです。

 これは、機能性表示食品と特定保健用食品とで共通しています。

ポイント4

 情報提供先ですが、先述したように、ざっくり「消費者庁長官、都道府県知事、市長、特別区の区長」と憶えておけばいいでしょう。

 厳密に言うと、手引きの記述は、違います。ややこしいので、興味のある人だけ押えておきましょう。

 機能性表示食品は、「消費者庁長官及び都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)」となっています。これは、わかりやすいです。

 対して、特定保健用食品は、「当該情報を都道府県知事等に速やかに提供するとともに、当該情報について消費者庁長官に提供する体制が整っていることを許可等の要件」となっています。

 トクホの場合、情報提供は、「都道府県知事等(都道府県知事、市長、特別区の区長)」だけでいいのです。

 文面からすると、トクホは、消費者庁長官に情報提供しなくていいのです。

 しかし、場合によっては、消費者庁長官に情報提供するケースもありうるので、直に情報提供をしなくていいけど、必要があったときに備えて、消費者庁長官にも情報提供できる体制を作っとけよ、となっています。結局、消費者庁長官にもすることがあるわけで、提供先の1つでもあるわけですね。

 んーややこしいですね。まあ、ここまで突っ込まれないでしょう!登録販売者は、メーカーの法務じゃないので、ざっくり見とけばいいですわ。

ポイント5

 ②のところを再掲すると…、

 「② 製造工程管理による製品の品質の確保を徹底する観点から、」

 「機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品については GMP に基づく製造管理を食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とするなどの食品表示基準の改正が令和6年8月に行われ、同年9月より施行されている。」

 …となっています。ヤヤコシイですね、

 要は、機能性表示食品のうち、「機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」には、「GMPに基づく製造管理」がかせられた、ってな次第です。

 「GMPに基づく製造管理」は、すべての機能性表示食品にかせられてないので、注意してください。「機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」に限られています。

 キーワードの「天然抽出物」で、把握しときましょう。

 なお、注記に、令和7年度には、「GMPに基づく製造管理」の適用は、「まだ」と記されています。

 注記には、「GMP 基準の適用については令和8年9月1日までの経過措置期間が設けられている。」とあります。

 んなもんで、令和7年度試験の出題例としては、「紅麹関連製品による健康被害を受けて、機能性表示食品のうち機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品については、GMPに基づく製造管理が届出者の遵守事項とされる予定である。」くらいかと思われます。

 法適用がまだなので、試験に出ない可能性もありますが、まあ、念のため、押えておいたほうがいいです。

 最後になりますが、年号・年月日は、問われたことがないので、令和6年8月とか9月とかに、神経質になる必要はありません。

加筆文章‐注記

 けっこう、長文の注記が追加されています。

 場所は、「②」の末尾の「食品表示基準の改正が令和6年8月に行われ、同年9月より施行されている。」のところです。

 注記の記述ですが…、

 「①の健康被害情報の収集及び医師の診断による健康被害情報の保健所等への提供については即日実施としているが、②の機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の届出に関する製造加工等における GMP 基準の適用については令和8年9月1日までの経過措置期間が設けられている。」

 「このほか、食品衛生法施行規則についても、令和6年8月の改正により、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した特定保健用食品に係る許可を受けた者及び機能性表示食品の届出者に対して、都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)への情報提供が義務づけられた。」

 …となっています。

注記解説1

 ポイント5でも述べましたが、「GMP基準」は、令和7年度においては、まだです。

 対して、情報提供は、「保健所等への提供については即日実施」となっているので、令和7年度で機能しています。

注記解説2

 情報提供義務ですが、「食品衛生法施行規則」でも、義務化された、ってな次第です。

 情報提供義務者は、「特定保健用食品に係る許可を受けた者」と「機能性表示食品の届出者」です。

 試験的には、そのまんまが出そうです。たとえば…、

 「食品衛生法施行規則についても、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した特定保健用食品に係る許可を受けた者及び機能性表示食品の届出者に対して、都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)への情報提供が義務づけられた。」

 …くらいですね。

 強いて問題化するなら、情報提供義務者のところで…、

 「(略)特定保健用食品“の届出者”及び機能性表示食品“に係る許可を受けた者”に対して、(略)」

 …とかですね。よくある「入れ替え」問題です。

 基本論点の「トクホ許可・機能性届出」で出そうなので、注意してください。

 最後に、まあまず出ないと思いますが、「食品衛生法施行規則」は、ちょっとだけチェックですね。

 医療法とか薬機法とか食品表示法とか食品安全基本法とかに変えられるかなーという腐臭を感じます。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、見直してください。

まとめ的なもの‐優先順位

 以上が、「機能性表示食品・特定保健用食品」の改正です。

 死亡が疑われるケースもあった紅麹事件が社会的に影響が大きかったので、令和7年度の試験から、すぐ出ると思います。

 また、内容的にも、すぐさま試験に出せる内容(問題化しやすい内容)なので、何度も読み込んでおきましょう。

大元テキスト

 (大元のテキストは、以下のとおりです。テキストに写す際に、参考にしてください。)

 なお、機能性表示食品については、令和6年3月に発生した紅麹関連製品による健康被害を受けて、

 ① 事業者の責任において機能性関与成分によって健康維持・増進に資する特定の保健目的が期待できる旨を表示し、反復・継続して摂取されることが見込まれる機能性表示食品について、事業者(届出者)は、健康被害と疑われる情報を収集し、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した場合は、当該食品との因果関係が不明であっても速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)に情報提供することを、食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とする。

 ② 製造工程管理による製品の品質の確保を徹底する観点から、機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品については GMP に基づく製造管理を食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とするなどの食品表示基準の改正が令和6年8月に行われ、同年9月より施行されている(注記2つ)。

 注記1つ目「①の健康被害情報の収集及び医師の診断による健康被害情報の保健所等への提供については即日実施としているが、②の機能性表示を行う天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の届出に関する製造加工等における GMP 基準の適用については令和8年9月1日までの経過措置期間が設けられている。」

 注記2つ目「このほか、食品衛生法施行規則についても、令和6年8月の改正により、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る。)を把握した特定保健用食品に係る許可を受けた者及び機能性表示食品の届出者に対して、都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)への情報提供が義務づけられた。」

 特定保健用食品についても、「特定保健用食品の表示許可等について」(次長通知)において許可等に係る食品の健康被害(医師の診断を受け、当該症状が当該食品に起因する又はその疑いがあると診断されたものに限る。)に関する情報を収集し、その発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、当該情報を都道府県知事等に速やかに提供するとともに、当該情報について消費者庁長官に提供する体制が整っていることを許可等の要件とした。

こまごましたもの

 登録販売者の独学方法については、「登録販売者の独学」を、参考にしてください。

 登録販売者のブログ記事などは、「サイトマップ」に、挙げています。

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