消防設備士 乙種6類の公式過去問の、実技の解説。実技は、消火器構造の総合問題です。1問目は速攻で取れますが、2問目が手ごわくて、知識だけでは解けない問題です。勉強したことを頭に浮かべつつ、推測を働かせてみてください。逆に、知識無くても得点可能性があるので、ある意味、オトクな問題とも言えます。解答できないわけではないので、消去法で臨んでください。
本問のレベルは「ふつう」です。
矢印Aの部品の名称を問う問題です。
ド定番の問題なので、本試験で同じ問題が出たら、小躍りしていいです。
言うまでもなく、「安全栓」です。
漢字の書き間違いに注意です。焦って、安全“線”などと書かないようにしましょう。
大丈夫と思いますが、よく出るのが、取っ手の下の丸っこい部品です。
これは、「指示圧力計」です。こっちも写真鑑別で出るので、名前・漢字・役割ともどもチェックしておきましょう。
矢印Bの役割について問うています。
ほとんど問われないキャップ部分が問われています。
テキスト等にも載ってないので、選択肢を丁寧に見ていきましょう。こういう問題は、「消去法」で考えていきます。
「ア.錆つき防止のための注油孔である。」ですが、キャップ部分の内側が錆びるというのは、ほとんど考えられないかと思います。そこが錆びるなら消火器全身が錆だらけですよ。つーか、先にキャップの内側に塗っとけよとなりますよね。よって、「×」です。
「イ.ゆるみ防止のための接着剤注入孔である。」ですが、ゆるみ防止とありますが、接着剤を注入すると、キャップが開かなくなる可能性もありますよね。おかしいですねー。よって、「×」です。
「ウ.ゆるみ防止のためのネジ止め用ネジ孔である。」ですが、写真を見るにつけて、ネジ用の溝が見えないですね。また、穴が小さくて、ネジを入れる穴には見えないですね。よって、「×」です。
「エ.温度変化による内圧変動を防ぐための空気の流通孔である。」ですが、何となくそんな感じがします。保留としましょう。
「オ.キャップをはずす途中で本体容器内の圧力を排出する減圧孔である。」ですが、これも、何となくそんな感じがします。保留としましょう。
「カ.本体容器内の圧力が上昇した時の安全弁である。」ですが、写真のは単なる「穴」で、弁的なものではないですよね。安全弁は、もっとポッチリとしたプラスチック的・ゴム的なものです。よって、「×」です。
残った「エ」と「オ」を考えていきましょう。
「エ.温度変化による内圧変動を防ぐための空気の流通孔である。」ですが、よくよく考えると変なことがわかります。
「空気の流通孔」としたら、本体の方にも空気の通る穴が必要となりますが、そんなにうまくキャップと本体とで穴が合致するものでしょうか?
また、「空気の流通孔」だとすると、本体内部と外気とが常に接触する可能性もあり、内部の部品や薬剤等に影響がありそうと考えられます。虫も入りそうです。
こうした点から、おかしいなーと判断できます。
「オ.キャップをはずす途中で本体容器内の圧力を排出する減圧孔である。」ですが、そう言われると、キャップを緩める際に、中の圧力を逃がすのに使えそうな穴だなあーと考えられます。
穴の大きさ的にも、妥当と言えます。キャップと言う部品にある穴と言う点でも、妥当と言えます。
「エ」と「オ」を比較した場合、限りなく正解に近いのは、「オ」ではないかと推察されます。
こんな風に、テキストに載ってないことが出題されたら、常識を働かせて解答してみてください。意外に当たります。
設問1:消火器構造
設問2:オ
消防設備士乙6の例題は、以上です。お疲れ様でした!
消火器構造については、実技対策として、以下のことは頭に入れておきます。
・消火器に装着する目的:容器内の圧力を指示する。
・装着する消火器:二酸化炭素消火器およびハロン1301消火器を除く蓄圧式消火器
・緑色部分の数字は何?:使用圧力範囲
・BSという文字は?:ブルドン管の材質が「黄銅(真鍮)」であることを示している。
・SUSという文字は?:ブルドン管の材質が「ステンレス鋼」であることを示している。
・水消火器に装着するときの注意:耐食性のあるステンレスのブルドン管にする。
これらも、併せて憶えておきましょう。
なお、6類の実技では、くれぐれも、漢字に注意してください。
「消火器」を、「消“化”器」「消火“機”」などと書かないよう、慎重に解答します。
試験勉強中には一度も間違わなかったのに、本試験でやらかすことは多々です。
最後に、ブルドン管の材質ですが、他に、「PB(リン青銅: phosphor bronze)」や「BeCu(ベリリウム銅)」があります。
出題の可能性はあるので、チェックだけはしておいてください。
公式のPDF過去問は、ノートPCやスマホで見ることはできます。
しかし、本格的な“問題演習”となると、「タブレット」での閲覧が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボード等が邪魔で、問題を解くのに集中できない、といった塩梅です。
当方は、PDF形式の過去問は、12インチのタブレット(thinkpad helix2)で閲覧しています。
PCと違って周辺がごちゃごちゃしないので、普通に「紙」の過去問を解くような感じに、問題演習ができる、といった次第です。
こんな次第で、PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の利用を勧めます。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安いので、コストパフォーマンスが秀逸です。もちろん、PDFの閲覧もできます。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れて倍時間がかかります。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
インチ数は8インチから10インチくらいが適当です。
戸惑うかもしれませんが、消防設備士の甲種4類・乙種4類とも、同じ教材を使います。
教材のよい点・わるい点等の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのがメンドクサイ人は、定番の下記教材を使えば間違いありません。
一口で言うと、テキストは定番の「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」を…、
問題集は、姉妹本の「本試験によく出る! 第4類消防設備士試験」でそろえます。
甲種受験の方は、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」を追加します。
テキストと問題集は、消防設備士試験の定番シリーズで、試験会場では多くの人が使っていました。当方、甲4のみならず、乙6・乙7でもお世話になりました。
乙6の使用教材については、「教材レビュー」に詳述してますが、読むのがメンドウな方は…、
テキストは「わかりやすい! 第6類消防設備士試験」を…、
問題集には「本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集」を使います。
わたしの受けた試験では、受験生の3~4割が本書を使っており、わたしも本書の利用者でした。
フル免除だと、試験問題は10問しかないので、テキスト1冊で十分です。問題集は要らないです。
テキストには、定番シリーズの「わかりやすい! 第7類消防設備士試験」を使えばいいです。
わたしは、当該テキスト1冊で、構造・機能(規格)100%、法令75%で合格でした。
本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。
通勤・通学中にどうぞ。
1問:消防設備士の義務・・・「ふつう」。
2問:基準法令の遡及適用・・・「ふつう」。ひっかけ注意。
3問:防火対象物・・・「難」。
4問:届出・検査・・・「やさしい」。1点候補。
5問:免状の亡失・再交付・・・「ふつう」。
6問:消防計画・・・「ふつう」。
11問:設置義務・・・「ふつう」。語呂必須。
28問:P型1級の非火災報・・・「難」。
32問:感知器・発信機・・・「やさしい」。
実技‐終端抵抗・・・「ふつう」。
製図・・・「やさしい」。取らんとダメ。
1問:特定防火対象物・・・基本中の基本問題。「やさしい」。
2問:複合用途防火対象物・・・「普通」。取るべき。
3問:検定制度・・・「ふつう」。絶対問題。
4問:消火設備・・・「ふつう」。絶対問題。
5問:命令受領者・・・「ふつう」。取れる。
6問:定期点検・・・「ふつう」。
7問:消防設備士・・・「ふつう」。
11問:警戒区域・・・基本中の基本問題。「やさしい」。
33問:煙感知器・・・「ふつう」。必須問題。
38問:受信器・・・「やさしい」。余裕。
実技:各感知器・・・「ふつう」。取りたい。
旧実技(R3):煙感知器・・・「ふつう」。取りたい。
13問:地下街の消火器・・・「ふつう」。
29問:消火器の性能・・・「やさしい」。
41問:安全栓・・・「やさしい」。基本問題。
実技:消火器構造・・・「ふつう」。取れる。
14問:設置基準・・・「ふつう」。
42問:警戒電路の電圧・・・「難」。
消防設備士に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者・消防設備士の合格証(試験結果通知書)に有効期限はない=合格はずっと有効」とかの記事を、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「消防設備士:ブログ記事」をばご参考ください。
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