消防設備士 甲種4類(甲4)の公式過去問の、旧5問目の解説。旧5問は「法令」の問題で、消防設備士の免状を問題です。少しひっかけがありますが、ド定番・ド頻出の論点なので、必ず取らないといけない問題です。ま、普通にテキストと問題集で勉強していたら、解ける問題です。本問は、アーカイブ問題(差し替えによって削除された問題)です。
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本問のレベルは「ふつう」です。
こういう、取れる問題で1点を確保することが、独学合格の肝です。
絶対に取れるようになってください。どれも、基礎・基本レベルの選択肢です。
本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。
選択肢1の「免状を亡失、滅失、汚損または破損した場合は、再交付申請をしなければならない」ですが、よく読めば、(おやっ?!)とするはずです。
消防設備士の免状は、たとえ、亡失等しても、「再交付する義務」はありません。「再交付を申請することができる」のみです。
反対に考えてみてください。
「免状を亡失、滅失、汚損または破損した場合、免状保有者には、再交付申請義務」が課せられているとしたら、行政は、免状保有者が、免状を正しく持っているかどうかを、確かめる義務なり作業なりが生じてしまいます。
数万人いる免状保有者に、郵送で、免状の状態を確かめる書類を送り、再送付させ、行政側で免状の状態を確かめるという、壮大な無駄が生じます。
「義務」を課すのであれば、応じた、「対処」が必要となる、という塩梅です。
行政としても、面倒なことはしたくないというわけで、故に、「汚損等しようが、再交付は任意」といった次第です。
従って、選択肢1は「×」で、本選択肢が正解となります。
選択肢2の「免状の再交付は、交付・書き換えをした都道府県知事云々」は、そのとおりの規定です。
この規定はよく出るので、しっかり憶えましょう。
また、ひっかけとして、「勤務先・居住地の都道府県知事に、再交付申請する」という設問が、飽きるほど出ています。
免状の新規申請は、勤務先・居住地の都道府県知事でも可能ですが、再交付は交付・書き換えをした都道府県知事です。
整理して、しっかり憶えましょう。
選択肢3の「再交付の場合は、申請書に免状と写真を添える云々」ですが、常識的に考えたら、そうするのが妥当です。
おそらく、テキストには、ここまで細かいことは記載されていないでしょうが、常識的に判断できるかと思います。
選択肢3は、「○」です。
なお、免状の発行には、「有効期限」はなく、合格さえしたら、いつでも、ずっと、免状の申請はできます。
しかし、数ヶ月なり数年たって申請すると、まず、写真の添付を求められます。
選択肢4の「亡失免状発見」です。
免状を無くして再交付したが、後で、たとえば、箪笥の後ろから出てきた、という場合です。
当該選択肢の通り、亡失した免状を発見した場合、「10日以内」に、再交付した都道府県知事に提出しなくてはいけません。
手元に免状が2つあるのは、免許制度として、不都合があります。
んなもんで、亡失免状発見の場合は、このような、提出義務を課している、といった次第です。(確か、2重保有は、罰則があったはずです。)
選択肢4は、「○」です。
本問は、「誤っているものはどれか」の問題です。
選択肢1が、明白に「×」なので、本選択肢が正解です。
答え:1
選択肢4の「10日以内に提出」ですが、「10」がらみで、「工事着工届け」も、憶えておきましょう。
甲種消防設備士は、消防設備の工事に着工する10日前までに、消防長・消防署長に、着工届けを提出しなくてはいけません。
当該「着工届け」もド定番論点です。「10」がらみと対比させて、きっちり憶えこみましょう。
公式のPDF過去問は、ノートPCやスマホで見ることはできます。
しかし、本格的な“問題演習”となると、「タブレット」での閲覧が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。
スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボード等が邪魔で、問題を解くのに集中できない、といった塩梅です。
当方は、PDF形式の過去問は、12インチのタブレット(thinkpad helix2)で閲覧しています。
PCと違って周辺がごちゃごちゃしないので、普通に「紙」の過去問を解くような感じに、問題演習ができる、といった次第です。
こんな次第で、PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の利用を勧めます。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安いので、コストパフォーマンスが秀逸です。もちろん、PDFの閲覧もできます。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れて倍時間がかかります。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
インチ数は8インチから10インチくらいが適当です。
戸惑うかもしれませんが、消防設備士の甲種4類・乙種4類とも、同じ教材を使います。
教材のよい点・わるい点等の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのがメンドクサイ人は、定番の下記教材を使えば間違いありません。
一口で言うと、テキストは定番の「わかりやすい! 第4類消防設備士試験」を…、
問題集は、姉妹本の「本試験によく出る! 第4類消防設備士試験」でそろえます。
甲種受験の方は、「4類消防設備士 製図試験の完全対策」を追加します。
テキストと問題集は、消防設備士試験の定番シリーズで、試験会場では多くの人が使っていました。当方、甲4のみならず、乙6・乙7でもお世話になりました。
乙6の使用教材については、「教材レビュー」に詳述してますが、読むのがメンドウな方は…、
テキストは「わかりやすい! 第6類消防設備士試験」を…、
問題集には「本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集」を使います。
わたしの受けた試験では、受験生の3~4割が本書を使っており、わたしも本書の利用者でした。
フル免除だと、試験問題は10問しかないので、テキスト1冊で十分です。問題集は要らないです。
テキストには、定番シリーズの「わかりやすい! 第7類消防設備士試験」を使えばいいです。
わたしは、当該テキスト1冊で、構造・機能(規格)100%、法令75%で合格でした。
本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。
通勤・通学中にどうぞ。
1問:消防設備士の義務・・・「ふつう」。
2問:基準法令の遡及適用・・・「ふつう」。ひっかけ注意。
3問:防火対象物・・・「難」。
4問:届出・検査・・・「やさしい」。1点候補。
5問:免状の亡失・再交付・・・「ふつう」。
6問:消防計画・・・「ふつう」。
11問:設置義務・・・「ふつう」。語呂必須。
28問:P型1級の非火災報・・・「難」。
32問:感知器・発信機・・・「やさしい」。
実技‐終端抵抗・・・「ふつう」。
製図・・・「やさしい」。取らんとダメ。
1問:特定防火対象物・・・基本中の基本問題。「やさしい」。
2問:複合用途防火対象物・・・「普通」。取るべき。
3問:検定制度・・・「ふつう」。絶対問題。
4問:消火設備・・・「ふつう」。絶対問題。
5問:命令受領者・・・「ふつう」。取れる。
6問:定期点検・・・「ふつう」。
7問:消防設備士・・・「ふつう」。
11問:警戒区域・・・基本中の基本問題。「やさしい」。
33問:煙感知器・・・「ふつう」。必須問題。
38問:受信器・・・「やさしい」。余裕。
実技:各感知器・・・「ふつう」。取りたい。
旧実技(R3):煙感知器・・・「ふつう」。取りたい。
13問:地下街の消火器・・・「ふつう」。
29問:消火器の性能・・・「やさしい」。
41問:安全栓・・・「やさしい」。基本問題。
実技:消火器構造・・・「ふつう」。取れる。
14問:設置基準・・・「ふつう」。
42問:警戒電路の電圧・・・「難」。
消防設備士に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者・消防設備士の合格証(試験結果通知書)に有効期限はない=合格はずっと有効」とかの記事を、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「消防設備士:ブログ記事」をばご参考ください。
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