宅地建物取引士(宅建)の勉強方法:民法

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅建民法の6つの勉強方法とヒント。「教材レビュー」のテキストを使っても民法が進まないなら、初学者向けの2冊の本を読む。事例問題対策は「図示」。判例は深追いしない。民法は時間がかかるので、無理に理解しようとせず、必ず来る「わかる」まで、コツコツ接するのが最上の民法勉強方法。宅建で民法をキッチリ勉強すると、管理業務主任者など、他の資格の試験勉強時間・手間を減らせられる。

民法に触れたことがない・苦手・困っているなら、読書から

 「教材レビュー」で紹介している「出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット」は、かなり、初学者・法律ゼロ者向けに作られてはいます。

 とはいえ、やはり、民法の学習に抵抗があるのは事実です。いきなり、あんな漢字だらけの文章を見たら、目を回します。

 また、相性もあります。テキストを読んだり問題を解いたりしても、無慚なほど民法が頭に入らない人は、読書で「間」を取ります。

 無理は禁物。無理こそ挫折の最要因。頭の地ならしから、始めましょう。

 下記2冊は、法律や民法のド素人でも、何とか最後まで読み通せる民法入門書です。

 まず、「新書」形式なので、ページ数が多くないです。電車で読めます。また、あまり学問的でもないし、専門的でもないので、高校生でも読めます。

 て、テキストのようにガチンコの条文解釈から入らず、主に、民法の背景や前提、考え方からアプローチするので、「民法(法)と自分」との間の「欠落」を生めることができます。

 宅建民法の足がかりとしては、最適だと思います。下手な試験勉強より、下記2冊読書です。

 推薦書1-「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業

 推薦書2-「民法はおもしろい

民法の出題動向

 権利関係からは「14問」出題されます。そのうち、民法はおおむね「10問」の出題です。

 試験戦術上、権利関係で「7~8問」を取る必要があり、借地借家法で確実に1~2問取れるとして、民法の勉強目標は、【6割得点】となります。

 出題傾向や試験問題の変更のリスクに備える保険の意味でも、民法でどれだけ点数が取れるかが合否の要です。

 合格ラインに滑り込めるかどうかは、民法の出来次第です。

 逆を言うと、民法ができるようになればなるほど、宅建に合格できる可能性は上昇します。

勉強方法1-図で考える・図を憶える

 昨今の宅建では、「事例問題」が多用されています。

 当事者がコレコレこういう状態(関係)である場合、正しいのは?的な出題なのですが、解答のキーは、当事者の関係を「図」にすることです。

 というのも、この種の問題を端的に言うと、『言葉で考えると、どんどんこんがらがってくるので、図や絵で考える』、といった手合いです。

 テキストの著名有名条文は、図示できるくらいに読み込むか、テキストに添付されている挿絵や挿図?を丸憶えしてしまいましょう。

勉強方法2-数を数える

 民法は条文が1,000条近くあって、数からしてうんざりします。そこで、まず、気持ちを変えましょう。

 テキストの権利関係の章の数を数えてください。

 15編で構成されているなら、「民法は15個」と考えます。

 1000で考えるとうんざりしますが、15って考えると、「15なら1つずつ潰していけば、約2週間で終わるなー」てな感じで、「手応えある」数字になります。

 そして、条文数が1,000もあるというけれど、試験に問われる主要な論点は、ざっと100前後くらいしかないので、「数の上から心丈夫」にしておきましょう。

 数を数える、シンプルなようで独学では定番のコツです。

勉強方法3-焦らない・倦まない・あきらめない

 宅建業法などの「非民法科目」は、大半が記憶問題で、憶えれば点が取れます。つまり、勉強すればするほど、点が伸びます。

 しかし、民法は、それらの科目とは違います。

 テキストを読んでも茫漠として掴みどころがなく、問題を解いてみてもしっくりこないというか「なんだろなー」と砂を噛む状態が、1~2ヶ月は続くのです。勉強しても勉強しても、砂噛み状態が続きます。

 民法は、点数が取れるようになるまでに、そして、実感を持って解答が出来るようになるまでに、「時間がかかる」のです。

 で、あるとき、ふっと「わかる」ようになるのです。「こういうことでしょ」的な感じで、テキストが読めるようになり、問題が解けるようになります。

 もっと言うと、「なんでこんなカンタンなことがわからなかったのかな」と我ながら訝るくらいに、「腑に落ちてくる」のです。

 民法という科目の試験勉強は、いつか来る「わかる」転換期まで、焦らずにテキストを読み、倦まずに問題演習をして、早々にあきらめないことが大事です。

 民法さえ得点が出来るようになれば、圧倒的な安全圏で、合格できるようになります。確実な合格のためにも、試練の数ヶ月を耐えることにしましょう。

 毎日コツコツやっていたら、必ずわかるときがやってきます。

 なお、基礎的な法律用語がわかっていないため、ひどく苦労するケースがあります。「法律用語のコツ」を参考にして、ちゃんと接続語等々が理解できているかどうか、確認してみてください。

勉強方法4-判例は深追いしない。

 宅建でも、判例を素材にした問題が出題されるようになりました。

 判例については、深追いは禁止です。つまり、判例集などを読み込む必要はない、という次第です。

 世間で嫌われるのは、「ワインうんちく」と「歴史知識披露(特に、三国志・戦国関係)、そして、「法律講釈たれ」です。

 一般人にとって、判例の趣旨など、どうでもいいです。結果だけ知りたいのに、その過程をあれこれされるのは、不快なだけです。

 また、宅地建物取引士の業務自体、そう判例は関わってこないので、判例を知れば知るほど、宅建士としては無用なことをしていることになります。

 宅建の判例対策は、まずテキストで出てきたもの、過去問で問われたもの、予想問題集で採択されたものだけを、やっておけばいいでしょう。

 もっと言えば、高度な判例問題が出ても、多くの受験生は正解できないので、点差に反映されず、結果として、合否に影響を及ぼしません。

勉強方法5-無理に理解しようとしない。

 先述したように、民法はなかなかに「わかってこない」科目です。

 こうこうこうこう考えたら理解できる、という代物ではないのです。

 個人的な意見ですが、民法は、あまりに分量が多すぎて、人間の一時的な脳の処理量を超えているのでは?と思います。

 で、時間をかけて脳の「長期記憶」が溜まってきて、ようやく、ぱっと「わかる」感じが生まれるのでは?と考えます。

 無理に理解しようとすることは、民法の勉強で一番よくない、理解から遠ざかるやり方です。

 当分は、ふーん、あっそ、そうっすかが続きますが、やっていたら必ず「あ、そういうことね」の転換期がやって来るので、無理から理解しようとしないでください。

 消耗して挫折に近づくリスクを、自ら犯す必要はありません。

 ま、本試験までに間に合いそうになかったら、次節をば。

勉強方法6-最終手段

 本試験まで日がないという方は、ぶっちゃけ、テキストを悠長に読まず、「過去問」で問われたところだけを解答できるようにしておきましょう。

 問題文と解答と解説の丸憶えで構いません。

 で、過去問で問われたことのある問題や選択肢だけは、本試験にて、100%確実に正解できるようになっておきます。

 こういう「過去問だけレベル」にさえ到達しておけば、「得点(加点)」は難しいが、「失点」は抑えられるようになって、ギリギリで合格ラインに滑り込む「率」が上がります!

宅建民法シッカリ→他の資格で楽

 わたしは、宅建の「民法」をしっかり勉強しておくべき派です。

 合格点さえ取れればよい、というのも一理ですが、それは、「ちょっともったいない」とするところです。

 というのも、宅建で「民法」をしっかり勉強していると、宅建後に受ける資格で有利になるからです。

 たとえば、不動産資格の「マンション管理士」や「管理業務主任者」です。

 この2つの資格にも民法が出題されるのですが、宅建で民法を勉強していたら、それぞれの固有の出題を押さえるだけで、当該資格の民法のほとんどが終わってしまいます。

 ちなみに、わたしは「管理業務主任者」に1ヵ月半で合格しました。宅建の合格から何年も何年も経ってますが、「管理業務主任者」の民法は、テキストを一度も読まずとも、過去問で7割取れてました。

 民法が試験科目の資格は結構あります。行政書士や司法書士、中小企業診断士などですが、こうした資格の勉強の際に宅建の民法は、試験勉強の負担と勉強時間を短縮します。

 このように、今、宅建で民法の勉強をしっかりしておくと、後々の試験勉強にて、民法が得点源となったり、試験勉強の時間を短縮できたりします。

 「民法」は宅建だけにとどまらないので、本腰を入れて取り組んでおくと、後々、“効いてくる”はずです。(経験者は語る。)

宅建科目別勉強方法リンク

 個々を1ページに述べると長くなるので、別ページとしました。

 一人で昼飯を食べているときや、一人でくつろいでいたら配偶者が帰ってきたときにでも、お目汚しください。

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