独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

令和2年度(2020年度)の登録販売者受験生へ‐本試験の傾向変化について

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

令和2年度(2020年度)の登録販売者を受験予定の人へのアドバイス。R1の東京都・関西広域連合・福岡県の試験には、これまでにはない傾向の変化が、「4つ」ほど、見られている。他の都道府県でも、これに倣う可能性を捨てきれない。よって、個々の試験問題を挙げながら、R2試験での対応策を述べる。

令和2年度(2020年度)の受験生へのアドバイスですが、結論から言うと…、

・「医薬品」の「使用を避ける(服用しない)」「○○には使用しない(避ける)」などは、ガチンコで押える。

・「人体」の「副作用」は、「すべて出る」ことを前提に勉強する。

・漢方処方製剤と生薬の出題数に注意する。

・「未出題問題」は「テキスト精読」。

…といった次第です。

「適正使用」の医薬品化について

昨今の試験でも見られていたことですが、「適正使用」にて、「医薬品的な問題」が出題されていました。

たとえば、「関西広域連合 R1 第115問:イブプロフェン‐服用しないこと」や「関西広域連合 R1 第119問:1週間継続して服用しないこと」といった問題です。

当該「医薬品的な問題」ですが、R1の東京都試験にて、大変化がありました。

例年6~8問程度の出題だったのが、なんと「20問中11問」が、「医薬品的な問題」となったのです。

参考:R1 東京都 適正使用一覧

上記ページを見てもらえばわかるように、「R1 東京都 適正使用」では、第102問から第112問まで、「医薬品的な問題」が続いています。

よって、「医薬品」を疎かにしていた人は、「適正使用」にて、あまり点が取れず、かなり苦戦したと思われます。

この現象が「東京都」だけで終わればいいのですが、他の都道府県がこれに倣う可能性は“大いに”あります。

よって、「医薬品的な問題」の“怒涛の出題”に備えておく必要があります。

先述したように、「医薬品」の勉強の際は、「使用を避ける(服用しない)」「○○には使用しない(避ける)」「○○しない」について、ガチで憶えます。

「使用しない」等の論点は、「医薬品」でも出るので、ガチンコでやっても全く損ではありません。

(「適正使用」対策にもなるし、一石二鳥じゃない!)くらいに前向きに考えて、シッカリ憶えていくようにしましょう。

なお、R1の東京都の合格率は、「“26.0%”」でした。

ところで、「医薬品的な問題」の対策ページがあります。

適正使用対策」の方を、ご活用ください。

「人体」の「副作用」は「ぜんぶ出る」

「人体」での頻出論点である「副作用」に、大きな傾向変化が見られます。

他府県でも、チョロチョロ目にしてはいたのですが、R1の「福岡県」にて、「副作用全般」が問われる出題がありました。

冗長ながら挙げていくと…、

福岡県 R1 第36問:全身副作用

福岡県 R1 第37問:精神神経系副作用

福岡県 R1 第38問:消化器系副作用

福岡県 R1 第39問:呼吸器系副作用

福岡県 R1 第40問:皮膚系副作用

…と、なっています。

多くの都道府県において、「副作用」の問題は、メジャーな副作用や、定番の副作用が中心に問われていました。

たとえば、「皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群‐SJS)」や「中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群‐TEN)」とか、「間質性肺炎」とか「偽アルドステロン症」とかです。

しかし、先の「福岡県」に限らず、「関西広域連合」でも、これに近い出題があったので、他の県でも、「副作用全般」から、出題される可能性が“高まっています。

今後の試験では、これまでのような、定番・頻出の副作用に絞った勉強が通用しなくなる“おそれ”があります。

よって、「副作用」は、「テキストのすべてが出る」と想定して、勉強していく必要があります。

テキストの「副作用」のページは、端折らず・見落とさず、何回も精読しておきましょう。

漢方処方製剤と生薬の出題数が変わるかも

「医薬品」の「漢方処方製剤」と「生薬」の“出題数”ですが、どの県でも、おおむね決まっていました。

たとえば、「漢方処方製剤:6問・・・生薬:4問」とか「漢方処方製剤:5問・・・生薬:5問」」といった次第です。

しかし、R1の「関西広域連合」の試験では、先の出題数が大幅に変わっています。

H30の大阪府試験だと、「漢方系3問」で「生薬系8問」だったのが、R1の関西広域連合試験だと、「漢方系8問」で「生薬系1問」と、大きく変化したのです。

参考:はやわかり‐令和1年度(2019年度)関西広域連合 登録販売者試験の総評

当該関西広域連合の「漢方:激増・・・生薬:激減」という出題数の変化に、他の都道府県が追従する可能性があります。

また、先とは「逆」に、「漢方:激減・・・生薬:激増」となることも、予想されます。

ふだんどおりの出題構成ならばいいのですが、出題数が変えられてもいいように、ある程度、漢方処方製剤の勉強もしておくべきかと思います。

「漢方処方製剤」は、怒涛の出題であってもいいように、時間が許すなら、ボリュームの少ない「疳の薬」等は、見ておくべきかと思います。

また、「登録販売者 漢方処方製剤の最低限の勉強‐「体力に関らず」」や「登録販売者 漢方処方製剤の最低限の勉強‐「体力充実」と「比較的体力があり」」、「登録販売者 漢方処方製剤の最低限の勉強‐「特徴系」」などを参考に、最低限度の勉強はしておきましょう。

同様に、「生薬」も捨てずに、キッチリ勉強しておきましょう。

「未出題問題」に注意する。

さて、最近の試験傾向からすると、「これまでに問われなかったこと・問題にされていないところ」からの出題が見られます。

いわゆる「未出題問題」なのですが、東京都や関西広域連合、福岡県の試験で、如実に見られるようになっています。

試験問題を解いていくと、(アレレ、こんなの出すんだ)的な感想を持つことが、実に多くなったのです。

たとえば、東京都試験では、ほとんど省みられなかった「プランタゴオバタ」や「ヘパリン類似物質」「尿素」、「カンフル」が登場しています。

参考:東京都 R1年度(2019年度)‐74問:腸の薬2

参考:東京都 R1年度(2019年度)‐88問:外皮用薬1

たとえば、関西広域連合試験では、あまり出なかった「オリブ油」や「バシトラシン」が選択肢に登場しています。

参考:関西広域連合 R1年度(2019年度)‐49問:角質化・かさつきの改善成分

参考:関西広域連合 R1年度(2019年度)50問:にきびと吹き出物の治療

たとえば、福岡県試験では、「プロスタグランジン」や「創傷」が問われています。

参考:64問:解熱鎮痛薬1(プロスタグランジン)

参考:88問:創傷

こんな風に、「これまでに問われなかったこと・問題にされていないところ」からの出題が見られるようになっています。

こうした「未出題問題」に対応するには、「テキストの精読」に限ります。

「試験に出てない」から読み飛ばすのではなく、「一度も出ていないところ」でも、一応は、目を通していくようにしましょう。

未出題問題の補足

さて、「未出題問題」ですが、ガチガチの対応は無用です。

テキストの出てないところから出題されているとはいえ、試験問題の大半は、定番論点・頻出論点からの出題です。

まずは、先にこれらを片付けることを、優先しなくてはいけません。

有体に言うと、「未出題問題」は、一種の難問枠であり、「難易度調整」のために、出題されているような“きらい”があります。

また、「未出題問題」は、いうほど数多く出ないので、*他の問題でカバーできるようなら*、「捨て問」にしても結構です。

「未出題問題」を捨てても、他の頻出問題・定番問題を『もの』にすれば、合格点は確保できます。

傾向変化については、ざっと斯くの如しです。

勉強方法や試験情報等については、「登録販売者の独学」をば、参考願います。

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