令和1年度(2019年度)関西広域連合の登録販売者試験の総評や傾向をまとめています。全体的な傾向のみならず、科目別に述べています。
R1年度(2019年度)に、初めて行われた関西広域連合 登録販売者試験ですが、一口で言うと、「全体的に、少しだけ、難易度が上がっている」です。
以下に、2点、その理由を見ていきたいと思います。
なお、当該過去問は、「令和1年度(2019年度)登録販売者 関西広域連合(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・徳島県)の過去問+解説インデックス」にあります。
旧大阪府試験との比較ですが、R1の関西広域連合の本試験は…、
みんなが苦手の「漢方処方製剤」の出題が“激増”しています。
その代わりと言うか、逆に、「生薬」の出題が“激減”しています。
H30の大阪府試験だと、「漢方系3問」で「生薬系8問」だったのが、R1の関西広域連合試験だと、「漢方系8問」で「生薬系1問」となっています。
よって、漢方処方製剤を「捨て問」にする人は、かなりキツクなったといえます。
また、点数の取りやすい生薬の出題が減ったので、これまた、点数的に厳しくなった、といえます。
今後も、「漢方処方製剤の問題が多い」+「生薬の問題が少ない」という傾向が続くかどうかは不明です。
「漢方処方製剤」を勉強せよとは“言いません”が、他の問題で、失点を確実にカバーできるようになっておく必要があります。
「生薬」は、個人的には、この年度のように「1問」しか出てないのは、異常だと考えます。
他の都道府県と同様に、「2~3問」は、出て然るべきなので、わたしは、生薬を「やっておく」ように、アドバイスしておきます。
わたしなら、R1の1問出題を知っても、「生薬」を勉強しておきます。
そして、関西広域連合の試験ですが、定番問題・頻出問題ばかりではなくなっています。
つまり、テキストにて、あまり問われないところ・問われていなかったところの出題が、そこそこ見受けられます。
たとえば、「医薬品」では、「49問:角質化・かさつきの改善成分」や「50問:にきびと吹き出物の治療」といった、これまでには、あまり出なかった成分が問われています。
こういう「あまり出ないところまで出るようになった」のは、先の「医薬品」のみならず、他の科目でも、見られる現象です。
たとえば、舌下錠の「ニトログリセリン」が出たりしており、多くの受験生が(アレレ)となったかと思われます。
過去問を解くにつれて、(アレ、これってなんだっけ?)という感想を持つかと思います。
テキストの精読が重要です。細かいところまで、丁寧に、読み込んでおきましょう。
さて、「少し難易度は上がった」とはいえども、根っこの部分は、「登録販売者試験」です。
試験問題の大半は、テキスト記載事項です。
また、定番問題・頻出問題の出題も、“どっさり”です。
んなもんで、これまでの試験・他県の試験と同様に、テキストと過去問を『3回』やっておけば、穏当に、『合格』できます。
さて、R1の関西広域連合の登録販売者試験ですが、まだ、問題作成がこなれていないのか、「悪問」が目立ちます。
(アレ、これ、厳密に言えば、おかしくない?!)という悪問が、「2問」ほどありました。
それは…、
…です。
わたしは、(アレレ)となりました。
この種の「悪問」が続けて出るかどうかは、今、この時点では、未知数です。傾向把握の一環として、見ておいてください。
以下、科目別に、傾向を述べていきます。
第1問~第20問の計「20問」の「医薬品に共通する特性と基本的な知識」ですが、R1年度も安定した出題です。
例年通り、凝った出題もなく、難しい問題や捻った問題もなく、きちんと勉強した人なら、満点も狙えるはずです。
ただ、新傾向問題とも言える問題が、1問出ています。
「17問:登録販売者の確認ポイント」なのですが、見た目は変わっても、やることは変わってません。
こういう出題形式でも、戸惑わないようにしましょう。
当該「基本知識」で、点をがっつり稼いでおくのが、ベストの試験戦術です。
第21問~第60問の計「40問」の「主な医薬品とその作用」ですが、当該年度は、先に述べたように、「漢方処方製剤」の問題が激増したため、点数的に、厳しくなっています。
また、先述したように、あまり出なかった成分も登場しています。
わたしは、「漢方処方製剤」は、余程興味があるとか、時間に余裕があるなどでないなら、捨てるべきだと思います。
「捨て問」にした場合、「漢方処方製剤」の失点を他で取らないといけません。
「漢方処方製剤」以外の問題は、ぜんぶ取るくらいに、勉強してください。テキストの精読は、必須です。
なお、「漢方処方製剤」以外は、穏当に、定番問題・頻出問題からの出題でした。
難問や奇問も、なかったです。
よって、シッカリ勉強した人なら、合格点は、配偶者のウエストほどは、確保できたはずです。
第61問~第80問の計「20問」の「人体の働きと医薬品」ですが、R1年は、「少し、難しくなった」です。
「人体」の論点では、テキストの細かい部分から出題されています。
過去問に出てこなかったものでも、テキストで、丁寧に当たっておきましょう。
なお、「副作用」の出題が、相変わらず、多いです。
テキストの「副作用」の単元は、細かいところ・出ていないところでも、丁寧に、精読しておきましょう。そのほとんどが「出る」と踏んで結構です。
第81問~第100問の計「20問」の「薬事関係法規・制度」ですが、R1年では、「ふつう」です。
難問・奇問の目立つ「法規」ですが、当該年度は、オーソドックスな問題ばかりでした。
難問率の高い条文問題の「81問:薬機法の目的」も、「ふつう」なので、点にできたはずです。
まあ、中には、「90問:薬剤師不在時間」や「100問:苦情・相談」などの、一風変わった出題もありましたが、まあ、大丈夫かと思います。
第101問~第120問の計「20問」の「医薬品の適正使用・安全対策」ですが、R1年では、「主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等」からの出題が目立ちます。
特に多いのが、「使用しない(服用しない)」です。
「医薬品」の知識が必須なので、「医薬品」を中心に勉強しましょう。
「相談すること」も、例年1~2問ほど出ますが、当該相談することは、数が多いため、費用対効果に欠けます。
時間がないなら、「相談すること」は、「捨て問」としましょう。
なお、R1の「東京都」試験で起きたことですが、「適正使用」の「ガチ医薬品化」が見られます。
20問中11問が、「医薬品的な問題」で、かなり、手強くなっています。
参考:はやわかり‐令和1年度(2019年度)東京都 登録販売者試験の総評その2‐試験科目別
よって、「関西広域連合」でも、「医薬品的な問題」が多数出題されることも予想されます。
「医薬品」の勉強の際は、「使用しない」等は、シッカリ押えていってください。
R1年度(2019年度)の関西広域連合 登録販売者試験は、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や独学の進め方などは、「登録販売者の独学」を一読ください。
2019年11月2日 7:36 PM
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