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重合・保管・炎の色の横断まとめ‐危険物取扱者 乙種4類(乙4)の性消

ご存知のように、乙4試験は、ほぼ毎年難しくなっており、とりわけ、「新しい問題」を出題することで、難易度を上げている体です。

以下、最近よく問われるようになった「重合」と「保管方法」、そして、「炎の色」を横断的にまとめました。

通勤・通学時や、家に帰りたくないときに、おさらいがてら、本ページで時間を潰してください。

重合

最近のトレンドの最たる論点は「重合」です。

「性消」問題の選択肢の1つとして採用されているほか、「事件例・事故例」で出題されます。

さて、「重合反応」する危険物は、『酸化プロピレン、アクロン酸、スチレン』の3つです。

ガチで「酸化プロピレン、アクロン酸、スチレンは、重合する」と憶えましょう。

くだらないですが、「悪役は、特殊プロのスチュワーデス」くらいに憶えます。

語呂の詳細は…、

悪役・・・あくやく・・・“アク”ロン酸

特殊・・・“特”殊引火物

プロの・・・プロ・・・酸化“プロ”ピレン

スチュワーデス・・・スチ・・・“スチ”レン

…と、言った塩梅です。

「特殊プロ」の補足ですが、重合するのは「酸化プロピレン」で、これは、「特殊引火物」に分類されています。

さて、名称がよく似ているのですが、「プロピオン酸」という第2石油類の危険物もあるのです。

「プロ」だけだと、酸化プロピレンと、プロピオン酸とが区別できません。

よって、「特殊プロ」として、「特殊引火物」の方の「プロ」として、認識できるようにしています。

さて、本試験では、「○○は、重合する」くらいの出題がほとんどなので、先の3つの危険物の名称を、まずもって憶えましょう。

次に、当該論点ですが、「事件例・事故例」の問題で、問われることもあります。

「事件例・事故例」の出題例としては…、

「低温で凝固していたドラム缶内のアクリル酸をハンドヒーターで融解させ、融解液を汲みだしていたところ発火した」

…てな長文で出ています。

「重合」とは、単量体が結合して重合体になることです。

「重合」の意味はわからなくていいですが、重合反応が起きると、熱が生じ、この熱が重合反応を加速させてさらなる熱が生成し、最終的には熱暴走して、火災・爆発する危険のあることは、憶えておきましょう。

当該重合が起きるのが、先に見た「酸化プロピレン、アクロン酸、スチレン」です。

選択肢中に、重合っぽい現象が述べられていたら、これら3つを解答しましょう。

保管

保管に特徴のある乙4危険物は、以下の通り。

ジエチルエーテル・・・プラスチック製・アクリル樹脂製の容器ダメ。ガラス製・金属製の容器。

二硫化炭素・・・水に入れて保存(水中保存)。有毒な可燃性蒸気を防ぐため。

アセトアルデヒド・・・不活性ガスを注入して密栓保存。銅・銅合金、銀の容器ダメ。鋼製にする。

酸化プロピレン・・・不活性ガスを注入して密栓保存。

保管に特徴のある危険物は、「特殊引火物」がほとんどです。

とりわけ目立つのは「二硫化炭素」の「水中保存」です。

二硫化炭素は比重が重く、乙4では数少ない、水に沈む危険物です。

この中では、二流化炭素がド頻出なので、いの一に覚えます。

まあ、試験的には、「一番危ない特殊引火物は、保管方法も独特だ」ってかな感じでざっくり憶えて、個々の保管方法を消化していきましょう。

なお、特殊引火物以外の危険物の保管は「ふつう」で、密栓し、通風、換気のよい冷暗所に保管します。

当該規定は、すべての性消問題で、ストレートに出ることがあるので、まごつかないようにしましょう。

また、常識的なアレですが、「ガソリン」など、電気の不良導体で静電気が溜まりやすいものは、「金属製」の容器に入れます。

まあ、ガソリンがなぜドラム缶に入っているか?に思いを馳せれば、間違えることはないでしょう。

青い炎

「青い炎」が生じて燃える危険物は、「二硫化炭素」と、「酢酸」です。

あまり出ませんが、テキストに「青い炎」と明記されているので、押さえておきましょう。

蛇足ですが、何気に「燃焼時の炎の色(炎色反応)」は、甲種試験では頻出事項であり、乙4で“狙われても”おかしくないです。

余力があれば、「青い炎‐二硫化炭素、酢酸」と憶えておきます。

青白い炎‐見えにくい

テキスト的には、「青い炎」と「青白い炎」は区別されているようです。

「青白い炎」とは、アルコール類(エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール)に共通する特徴です。

青白い炎は、明るい場所では「見えにくい」ので、これらアルコール類は、「炎が見えにくい」と表記されています。

なお、消防関係の防災の集いで、消火の実地体験として、「メタノールに点火→消火器で消火」する行事があったのですが、担当の人間が、“炎が見えにくかったことから、火が付いていないと錯誤し、メタノールを追加投入した”ところ、火の勢いが倍化し関係者(確か年少者)が火傷を負う事件がありました。

炎は見え難かっただけで、実は燃焼中であったという次第で、こういう事故が「あった」ことから、試験対策のみならず、成年の常識の1つとして、当該アルコール類の炎事情は憶えておくべきでしょう。

バーベキューなどで使う携帯燃料の大半は、メタノール・エタノールの混合燃料です。

とりあえずは、このくらいが「細々した横断まとめ」です。

なお、最近の傾向として「他類問題」が出てきているので、併せて「他の類の危険物が絡んでくる問題」の方もお目汚しください。

なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、

独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。

また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。

乙4危険物の有毒・有害(腐食・凍傷・やけど)の横断まとめ‐危険物取扱者 乙種4類(乙4)の性消

乙4危険物には有毒・有害(腐食する・凍傷になる・やけどの症状が出る)なものがあり、当該論点は、選択肢に多用されています。

憶えておくと、選択肢の判別に有用です。

ただ、逐語的にやると面倒なので、「品名(特殊引火物とかアルコール類とか第1石油類とか)」ごとに区分して憶えると、記憶のノリがいいです。

以下にまとめているので、通勤や通学時の時間つぶしに利用してください。

特殊引火物の有毒・有害

特殊引火物では、いの一番に「二硫化炭素」です。

二硫化炭素は、配偶者に劣らぬほど厄介な危険物で、まず蒸気が有毒です。

しかも、燃えると有毒な「二酸化硫黄(亜硫酸ガス、SO2」が発生するに加え、発火点は「90度」と、危険この上ありません。

有毒・有害を押さえるなら、まずは、二硫化炭素から、です。

次に、「酸化プロピレン」ですが、これは「保険」程度でいいでしょう。

酸化プロピレンは、蒸気が有毒で、皮膚に付着すると「凍傷」に似た状態になります。

第1石油類の有毒・有害

第1石油類の有毒筆頭は「ベンゼン」です。

当該ベンゼンの「有毒」は、トルエンと比較して憶えます。

シンナー(thinner:薄め液)等の有機溶剤は、毒性の強いベンゼンではなく、毒性の低いトルエンが使われています。

本試験では、こうした実務事情を反映して、ベンゼンとトルエンのうち、どちらが強い毒性かを問う出題が多いです。

典型的な問題は、「トルエンの方が、ベンゼンより毒性が強い」です。

当然「×」です。

毒性が強いのは「ベンゼン」で、低いのが「トルエン」です。

まずもって、「ベンゼン有毒・強毒」を、先に憶えましょう。

次に、第1石油類では、「ピリジン」も有毒です。

当該ピリジンは、「悪臭」があるので、「ピリッとしたジンは、臭くて有毒」くらいに憶えるといいでしょう。

なお、最近のトレンドでは、「ガソリン‐蒸気を吸うと頭痛がする。皮膚に触れると炎症する」といった、実務を反映した選択肢が登場しています。

セルフスタンドが盛況の昨今、ガソリンについては、憶えていて損はないです。

アルコール類の有毒・有害

アルコール類で有毒なのは、「メタノール(メチルアルコール)」です。

当該メタノールを服用すると、失明したり死に到ったりします。

「失明→目が散る」から、「“目散る”アルコール」と、よく言われていました。

ちなみに、「エタノール」、つまり「エチルアルコール」は有害ではなく、わたしたちお馴染みの「お酒」です。

なお、ソ連時代のある工場では、消毒薬として「エタノール」を使っていたのですが、あまりに減りが多かったので、代わりに「メタノール」を使ったところ、入院する工員が激増したそうです。

第2石油類の有毒・有害

第2石油類は、シンプルに憶えられます。

有毒・有害なのは、「第2石油類の水溶性危険物」だけだからです。

つまり、「酢酸(氷酢酸)」、「プロピオン酸」、「アクリル酸」が有毒・有害ってな次第です。

これらは、腐食性が強く、皮膚に触れるとやけどし、蒸気を吸い込むと粘膜が炎症を起こします。

水溶性危険物の覚え方は、「水溶性危険物は語呂+ぐりぐりで憶える」を参考にしてみてください。

第3石油類の有毒・有害

第3石油類の有毒野郎の筆頭は、「クレオソート油」です。

クレオソート油は、木材の防腐剤や防虫剤で使われたり、カーボンブラックの原料になったりします。

防腐・防虫といった用途から「有毒」と憶えるとよいでしょう。

クレオソート油は発がん性が強く、また、経口投与すると死に到ることもあるほど、有毒です。

クレオソート油は、「コールタール」からできます。

いちど、「コールタール」で画像検索すると、ああ、こいつは有毒っぽいな、という実感をもてるでしょう。

参考:グーグル画像検索:コールタール

ちなみに、クレオソート油には、「木(もく)クレオソート」と称される別物があり、これは有害ではなく、正露丸の成分の1つです。一般教養として。

次に、第3石油類で有毒なのは、「ニトロベンゼン」です。

本体のみならず、蒸気も有毒です。

昨今では、「毒性」の横断問題が散見されるようになったので、チェックしておきましょう。

燃えると危険な1-ブタノール

さて、乙4危険物の有毒・有害は、「そのまま」で危険でしたが、1つだけ、「燃えると危険な危険物」があります。

それが、第2石油類の「1-ブタノール」です。

「1-ブタノール」は、加熱や燃焼により、「腐食性のある有毒ガス」が生じます。

数少ない「燃えると危険」な危険物です。あまり出ませんが、余力があるなら、憶えておきましょう。

まとめ

乙4も、難化傾向にあり、「有毒・有害」も、出るようになりました。

本ページを利用して、横断的に、学習しておきましょう。

なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、

独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。

また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。

他の類の危険物が絡んでくる問題‐危険物取扱者 乙種4類(乙4)の性消

乙4性消のトレンドとして、『他の類の危険物』が絡んでくる問題が増加しています。

ド頻出というわけではありませんが、出題が増えているので、念のため、押さえておいてよい論点です。

大半の論点が終わったら、または、配偶者と絡みたくないときは、本ページをご利用ください。

ガソリン

一口で言うと、「ガソリンは、第1類危険物と第6類危険物と混ぜない」です。

第1類危険物とは「酸化性固体」でした。第6類危険物は「酸化性液体」でした。

ガソリンとこれら1類・6類を混合すると、酸化で発熱、発火、爆発する恐れがあるほか、「爆発性の過酸化物」が生じて危険です。

元より危ないガソリンに、わざわざ燃焼の1要素の「酸素」を供給すんな、ってな次第です。

同様の趣旨で、「灯油」「軽油」も1類・6類と混ぜてはいけません。

また、補足ですが、第1類危険物(酸化性固体)と第6類危険物(酸化性液体)も、『可燃物や有機物』と混ぜてはいけません。

アセトン

アセトンは、第6類危険物の過酸化水素や硝酸と混ぜてはいけません。

酸化作用で発火する恐れがあります。

アセトンは、身近にある危険物で、男性はプラモデルの接着剤に、女性はマニキュアの除光液に使われています。

なお、過酸化水素は、別名オキシドールで、消毒液なので家にあってもおかしくありません。(まあ、硝酸はないでしょうが。)

出題の背景としては、知らず知らずアセトンを混ぜてしまって、発火・火災が起きたのでは?と考えています。

危険物取扱者試験は、実務試験でもあるので、最近の火災事情を試験問題に反映させてきます。

先述したように、「アセトン」は、模型の接着剤・マニキュア取りと身近にあるので、教養としても、憶えておいて損はないかと思います。子供に、それ、危険物だから気をつけろよ、というと威厳を少しは保てるでしょう。

参考:paアセトンリムーバー・・・「アセトン100%使用の通常より強力な除光液」とのことです。

参考:タミヤ セメント ( 六角ビン ) ・・・アセトン、ちょっとだけ入ってます。

メタノール・エタノール

メタノール・エタノールが、第1類危険物の「三酸化クロム」と接触すると、激しく反応して発火する可能性があります。

先述したように、第1類危険物は「酸化性固体」です。

ガソリン、灯油、軽油同様に、火災の危険性の高いアルコール類に、酸素を供給すんな、といった次第です。

まあ、出るとしたら選択肢の1つとして、ストレートに、「エタノールが、三酸化クロムと接触すると、激しく反応して発火する」くらいの出題だと思います。

いうなれば、受験生を、(な、何?さ、三酸化クロムだと?!なんだそりゃ?)と、煙に撒くくらいの選択肢に使われる、といった寸法です。

「三酸化クロム」の当否を問う問題は、たとえば、「エタノールは、重クロム酸アンモニウムと接触すると、激しく反応して発火する」といった難しい出題は、出ることはないでしょう。乙4にはそぐわないからで、試験で出るとしたら乙1試験です。

ま、メタノール・エタノールが頻出危険物であることから、押さえとして、第1類危険物「三酸化クロム」と混ぜたらダメ、と頭の片隅に置いておきましょう。

トルエン

トルエンは、「濃硝酸」と反応すると、「第5類のトリニトロトルエンが生成」するという選択肢は、時折、顔を見せます。

ド頻出ではありませんが、頭に残しておきましょう。

なお、「トリニトロトルエン」は、おなじみ「TNT火薬」の主成分です。

…いうまでもなく、「TNT」とは「トリニトロトルエン:tri-nitro-toluene」の略であります。

他類が絡んでくる問題は、ざっとこの程度です。

なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、

独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。

また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。