独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

第42問・第43問:複線図‐平成28年後期筆記‐第2種電気工事士の過去問解説

第42問・第43問は、「複線図」を完全に理解していないと解けない問題です。

ホント、即、技能の候補問題が組めるくらいに、「複線図」の要領に慣れていないと、本問は解けません。

従って、文系ド素人で複線図が苦手な人は、『捨て問』にして構いません。

「複線図」は、実際に技能の候補問題を解いて、ようやくシックリ来ることが多いからです。

わたしが受験生のときに、本問に遭遇したら、即捨てます。本問に時間を費やすくらいなら、計算問題に回します。

解説

まず、本問を解くに当たっては、「単純化」するといいです。

蛍光灯がたくさん並んでいるので「???」となりがちですが、要は、赤点線で囲んだところだけを考えればいいだけです。

上を北とすると…、

東の「ロ」の電灯用に「2本の電線(要はケーブルが1本)」が…、

西の「イ」の電灯用に「2本の電線(要はケーブルが1本)」が…、

南の分電盤から「2本の電線(要はケーブルが1本)」が…、

ほいで、北のスイッチ群へ向かう電線「2本」と電線「2本」(要はケーブルが2本)ある、という塩梅です。

なお、ケーブルには、2心と3心とがある(反対に言えば、4心はない)ので、こういう利用となります。

説明

当該問題の複線図は、以下の通りです。

複線図の書き方はいろいろあるので、以下は、一例です。

まず、電源線の「接地側電線」と電灯を結びます。(ここは白電線です。)

「電灯:イ」と「電源線」の接地側電線とをつなげます。

「電灯:ロ」と「電源線」の接地側電線とをつなげます。

「電灯:ハ」と「電源線」の接地側電線とをつなげます。

こうして、元の電源線を含めて、「4本」の電線が接続されることになります。(上の画像でいう赤丸のところです。)

次に、「電源線」の“非”接地側電線とスイッチをつなげます。(ここは黒電線です。)

上の画像で言う黒丸のところです。

なお、スイッチの「イ」「ロ」「ハ」間の接続は、おおむね、わたり線を使います。んなもんで、接続する電線は1本となります。

最後に、電灯とスイッチをつなげます。

「スイッチ:イ」と「電灯:イ」をつなげます。

「スイッチ:ロ」と「電灯:ロ」をつなげます。

上の画像で言う「灰色丸」のところです。

なお、「スイッチ:ハ」は、3路スイッチです。

答え

第42問の答えは、「4本」用のコネクタが「1個」と、「2本」用コネクタが「3個」で、選択肢は「二」となります。

んで、第43問の答えは、2心のケーブルが2本なので、「ハ」と相なります。

まとめ

本問は、文系ド素人にとっては、頭の痛い問題です。

先述したように、手に負えそうにないなら、「捨て問」でいいでしょう。

ですから、できなくても気落ちすることはありません。

正直、技能で「複線図」の練習をみっちりしていないと、解けないです。

ならばと、今の筆記の段階で「複線図」を練習するのは、つまり、数問有利になるためだけに、あのトレーニングをこなすのは、ぶっちゃけ言えば、費用対効果が悪すぎます。

わたしは、基本的に、文系ド素人は、「配線図」の難しい問題は「捨てる」べきだと考えています。実際、わたしも捨ててました。

というのも、一度、候補問題を組んで、実物で落としこんでいかないと、分からないことが多いからです。

筆記の合格点は6割であり、100点取る必要はまったくありません。

複線図が取れなくても、他に取れる問題はたくさんあるのですから、『捨て問』も一手です。他に活路を見出しましょう。

なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、

独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。

第44問:複線図とリングスリーブ‐平成28年後期筆記‐第2種電気工事士の過去問解説

第44問は、複線図がわかっていないと解けない「リングスリーブ問題」です。

ちなみにわたしは、「複線図」系統の問題は、『捨て問』にしていました。

理由は、『どのみち技能で勉強するんだし、筆記ではしなくていいや。失点は他でカバーできるし。』という塩梅です。

ま、とはいえ、完全に捨てるのではなく、「解けそうなら解くが、そうでないなら捨てて、他の問題でカバーする」方針で臨んでいました。

本問は、当該「解けそうなので取る」問題で、挑戦する価値は大です。

また、本問は、「技能試験で必要となることが、“みっちり”含まれている」問題です。

本問をマスターすれば、技能試験で“そこそこ”楽になるので、苦手な人も、粘り強く取り組んでください。

ド暗記事項

当該リングスリーブの問題では、“ドレッドノート”級に暗記しないといけないことがあります。

そのド暗記事項とは、リングスリーブの「小」と「中」の使い分けです。

これが頭に入っていないと、本問を解答できません。本問を制覇したい人は、まず当該使い分けを頭に叩き込むことになります。

なお、当該使い分け論点は、「技能試験で重大欠陥を取られる(間違うと即落ち)超重要事項」なので、今、ド暗記しても損は全くありません。

技能の予習を兼ねて、以下のことを灰色の脳みそに叩き込んでください。

リングスリーブの「小」と「中」の使い分けは「8」

技能試験では、リングスリーブの「小」と「中」を間違えると、その時点で「重大欠陥」で落ちます。ちなみに、当方、本試験で間違えて慌てて直した次第で、首の皮一枚で受かった口です。

『リングスリーブの「小」と「中」の使い分け』は、接続する電線の断面積で区別します。

キーとなる数字は「」です。

断面積が「8mm2以下なら小」で…、

断面積が「8mm2超なら中」となっています。

まず、「8」の上下でリングスリーブが変わると、脳に刻んでください。

で、電線の断面積ですが、憶えるべきは、「IV線の1.6mm」と「IV線の2.0mm」の2つです。

技能ではこの2つの電線しか使わないので、この2つの断面積だけ、脳に刻みます。

「IV線の1.6mm」の断面積は、「約2mm2」です。

「IV線の2.0mm」の断面積は、「約3.5mm2」です。

接続する電線の断面積の合計値で、「小」か「中」かを使い分ける、ってな寸法です。

刻印について

「刻印」の要領も、「重大欠陥」を取られて下手すりゃ即落ちなので、脳に刻む必要があります。

まず、種類を脳に刻みます。憶えるべき刻印は、「○(極小)」「小」「中」の3種類です。

圧着ペンチ(リングスリーブ用圧着工具)が手元にある人は、実物を手にしてみてください。上記3つの“ガッチャンコ”があるのがわかるかと思います。

持っていない人は、どのみち買うのですから、定番の「HOZAN 電気工事士技能試験セット S18」を注文しましょう。実物があると理解の深さが違います。

さて「刻印」の使い分けですが、意外にカンタンで、原則として、「小」スリーブには「小」の刻印を、「中」スリーブには「中」を刻印します。

言うなれば、「スリーブの種類のまんま」です。

しかし、原則があれば、例外があります。

その例外とは…、

「1.6mmと1.6mm」のときだけは、「○(極小)」で刻印。

…となっています。

例外はこれだけで、当該「1.6mmと1.6mm」だけ「○(極小)」で刻印する、を技能の勉強では脳に刻むことになります。

当該例外を詳しく言うと、1.6mm1本と、1.6mm1本なので、断面積は「2mm2+2mm2」の「4mm2」で、8mm2以下なので、ふつうなら、「小」スリーブに「小」で刻印することになるはずです。

しかし、当該「1.6mmと1.6mm」の場合だけは、例外的に「○(極小)」で刻印する、といった次第です。

ちなみに、技能では、当該「1.6mmと1.6mm」の接続が一番多いです。んなもんで、「1.6mmと1.6mm」は「小」スリーブだが、刻印は「○(極小)」と、憶えなくてはいけないのです。

たとえばの実例

ざっと、実例を挙げてみていきましょう。

たとえば、「1.6mmと1.6mmと1.6mm」の3本を接続する場合、「2mm2+2mm2+2mm2」の「6mm2」となるので、「リングスリーブは小」で「刻印は小」となります。

断面積は8mm2以下だから「小」となり、例外に当たらないんで、「刻印も小」となります。

たとえば、「2.0mmと1.6mm」の2本では、「3.5mm2+2mm2」の「5.5mm2」となるので、「リングスリーブは小」で「刻印は小」となります。

これも、断面積は8mm2以下だから「小」となり、例外に当たらないんで、「刻印も小」となります。

たとえば、「2.0mmと2.0mmと1.6mm」の3本では、「3.5mm2+3.5mm2+2mm2」の「9mm2」となるので、「リングスリーブは中」で「刻印は中」となります。

これは、断面積は8mm2超だから「中」となり、例外にも当たらないんで、「刻印も中」となります。

先も言ったように、刻印の例外「○(極小)」は、「1.6mmと1.6mm」のときだけであります。

…最初のうちは、頭がこんがらがりますが、単純な算数でしかないので、すぐ慣れます。

とにかく、重要な数字だけは憶えなくてはいけません。ここを憶えないと、当該筆記の問題も解けません。

解説

さて、過去問に話を戻します。

「複線図」がわかる人はいいのですが、苦手な人は、具体的な「ケーブル」で考えるといいでしょう。

前もって言っておきますが、技能で出るケーブルには、電線が2本入っている「2心」と、3本入っている「3心」とがあります。

問題のケーブルを、ざっくり表示すると、下のような画像となります。

つなぎ方が???

文系ド素人の人は、つなぎ方に混乱しているかもしれません。

お使いのテキストによって、「複線図」の書き方は微妙に異なっているので、それぞれ自身ので参考にしてください。

わたしの勉強したやり方だと…、

まず、「接地側電線(白)」を「電灯」と「コンセント」につなぎ…、

次に、「非接地電線(黒)」を「スイッチ」と「コンセント」につないで…、

ほいで、「残り」の「赤」と「電灯」をつなぐ、といった次第です。

「接地側」の「白」からつなぐ理由は、技能では「極性」という「重大欠陥」ポイントがあり、ここをクリアするため、とりあえず「接地側」を接続するのが恒例です。

んなもんで、「白」からつなぐ、といった塩梅で、本問では、配線用遮断器・電灯ニ・スイッチの「白」を3つ、接続することになります。

「黒」の接続は問題ないでしょう。そのとおり、「配線用遮断器」と「スイッチ」と「コンセント」の黒をつなぐだけです。(スイッチとコンセント間は、渡り線でつなぎます。)

「赤」がよくわからないかもしれませんが、第46問を参考にしてください。

第46問の問題設定では、「負荷に赤」とあります。負荷とは電灯で、電灯には赤でつなぐわけです。電灯側の配線ですが、「白」は先ほど「接地側」でつながっているので、自動的に「黒」と相なり、もう頭がてんてこ舞いでしょうが、「スイッチ:赤」と「電灯(ニ):黒」と相なります。

まあ、小難しい小理屈は技能で追うことにして、筆記では、このくらいでよいでしょう。

解説

問題文の指示には、「電線はすべてIV1.6とする」とあります。

「IV1.6」とは、「1.6mm」の電線ってことです。

まとめましょう。

「白」で3本。

「黒」と「赤」で2本。

「黒」と「黒」で2本。

ぜんぶ「1.6mm」の電線なので、電線1本の断面積は、「約2mm2」です。

「白」のみの3本は、「2mm2+2mm2+2mm2」の「6mm2」で「小」スリーブで、刻印も「小」です。

「黒」と「赤」の2本は、「1.6mmと1.6mm」なので、「小」スリーブですが、刻印は例外の「○(極小)」となります。

「黒」と「黒」の2本も同じで、「1.6mmと1.6mm」なので、「小」スリーブですが、刻印は例外の「○(極小)」となります。

説明

ようやく解答できます。

選択肢を見ると、速攻で「二」を消せます。「中」スリーブは使われていないからです。

そして、「イ」も即効で消せます。「○(極小)」が使われていないからです。

で、最終解答ですが、刻印は「小」1つに「○(極小)」2つです。

んなもんで、正解は「ハ」と相なる次第です。

まとめ

いかがでしたか?本問は、文系ド素人にとっては、頭の痛い問題です。

わたしは、基本的に、文系ド素人は、「配線図」の難しい問題は「捨てる」べきだと考えています。ぶっちゃけ、一度、候補問題を組んでみないと、分からないことが多いからです。

しかし、本問は、「技能試験で絶対に出るところ」なので、ぜひとも、本問だけは練習しておくべきです。

まあでも、本試験まで時間がないなら、本問のような「複線図」問題は『後回し』か、最悪、『捨て問』でよいでしょう。

取れる勉強時間によって、「やる」か「やらないか」を選んでください。

ところで、筆記とはいえ、技能の勉強を少しでもしておくと、理解度が異なります。

どのみち買うのですから、技能用の工具と教材とを、筆記の段階で買っておくことを勧めます。

詳しくは「技能試験の教材」で述べていますが、読むのが面倒なら…、

工具は、定番メーカー:HOZANの「HOZAN 電気工事士技能試験セット S18」を…、

技能の材料には、候補問題の作り方を網羅したDVDの付く「準備万端(推奨・2回セット)」を使えば支障ありません。

テキストだけでは、やはり、きついです。文系ド素人は、実地教育が一番です。

なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、

独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。

第45問:図記号Eと工具写真鑑別‐平成28年後期筆記‐第2種電気工事士の過去問解説

第45問は、「知識問題2問分」といった次第です。

問題文の指示「⑮」には、「IV1.6 E19」との記号が付されています。

「E」が示すのは、「ねじなし金属管」です。

まず、ここがわからないと、正解には到達できません。ここが知識問題の1問分です。

ほいで、工具の写真鑑別です。

どの工具が何をするのか、正確な工具知識がないと、間違えます。んなもんで、「1問で2問分」といった寸法です。

整理して選択肢を判別すれば、取れます。

解説

本問のポイントは、「E」が「ねじなし管」であると判断できるかどうか、です。

先も言ったように、ここがわからないとどうにもならないので、しっかり憶えましょう。ド頻出事項です。

なお、当該「E(ねじなし管)」憶え方については、「電線管の種類と記号の憶え方‐薄鋼電線管・ねじなし電線管・2種金属製可とう電線管」の方を参考にしてみてください。

次に、画像の工具を見ていくと…、

「イ」は、「リード型ねじきり器」です。

「ロ」は、「金切りのこ」です。

「ハ」は、「パイプバイス」です。

「二」は、「パイプベンダ」です。

…それぞれの名前を挙げるだけで、答えが出ました。

本問の答えは、「イ」の「リード型ねじきり器」です。

その名の通り、当該器具は「ねじを切る器」なので、本問の「ねじなし金属管」には用いない、といった次第です。

補足

本問の問題に採用されている器具は、すべて、その用途と名前を憶えておきましょう。

ぜんぶ、試験問題として登場しています。

「ロ」の「金切りのこ」は、金属管や太い電線を切断するために使います。

「ハ」の「パイプバイス」は、金属管を切断する際に、金属管を固定するために用います。

ちなみに、「パイプバイス」の「バイス」とは、「万力」のことです。

参考:アマゾン‐バイス・万力

「二」の「パイプベンダ」は、金属管を曲げるときに用います。

コツは「ホームセンターに急げ」

本問のような、工具の写真鑑別は、実物を手にするのが最大のコツです。

反対に言うと、文系ド素人にとっては、テキストの写真だけでは、実にわかりにくい、といった次第です。

数センチの写真を眺めるより、ホームセンターにて、何十倍もの大きさをした実際の工具を手にする方が、よほどにわかります。

1問でも、器具の写真鑑別で間違ったなら、土日に時間を取って、ホームセンターの工具売り場で、テキスト片手に時間を潰してみてください。

(あーこれがねじ切り器ね)といった風に勉強する方が、絶対に早いし、間違わないです。

ほいで、ホームセンターの帰りには、洗剤かティッシュでも買って店の売上に貢献するのを忘れないようにしてください。(勉強の御礼はしなくてはいけません。)

まとめ

本問で出てくる「E」の「ねじなし金属管」は、配線図の問題ではド定番なので、きちんと憶えておきましょう。

また、工具の写真鑑別は、テキストのみに頼らず、実物に手にしましょう。文系ド素人は、実地教育が一番です。

本問も「取れる」問題です。

なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、

独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。