尿糖・尿タンパク検査薬‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」に登場する成分の試験対策ページ。本ページで述べる「尿糖・尿タンパク検査薬」は、「一般用検査薬」にあります。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋します。長いので注意してください。

1)尿中の糖・タンパク値に異常を生じる要因

 「泌尿器系の機能が正常に働いていて、また、血糖値が正常であれば、糖分やタンパク質は腎臓 の尿細管においてほとんどが再吸収される。」

 「尿糖値に異常を生じる要因は、一般に高血糖と結びつけて捉えられることが多いが、腎性糖尿等のように高血糖を伴わない場合もある。」

 「尿中のタンパク値に異常を生じる要因については、腎臓機能障害によるものとして腎炎やネフローゼ、」

 「尿路に異常が生じたことによるものとして尿路感染症、尿路結石、膀胱炎等がある。」

2)検査結果に影響を与える要因、検査結果の判断、受診勧奨

 「【検査結果に影響を与える要因】 」

 「尿糖・尿タンパクの検査結果に影響を与える主な要因として以下のものがある。」

 「(a) 採尿に用いた容器の汚れ

 「糖分やタンパク質が付着している容器に尿を採取すると正確な検査結果が得られないので、清浄な容器を使用する必要がある。」

 「(b) 採尿のタイミング

 「尿糖検査の場合、食後1~2時間等、検査薬の使用方法に従って採尿を行う。尿タンパクの場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要がある。」

 「尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿(起床直後の尿)を検体とするが、尿糖が検出された場合には、食後の尿について改めて検査して判断する必要がある。」

 「(c) 採尿の仕方」

 「出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい。」

 「(d) 検体の取扱い」

 「採取した尿を放置すると、雑菌の繁殖等によって尿中の成分の分解が進み、検査結果に影響を与えるおそれがあるので、なるべく採尿後速やかに検査することが望ましい。」

 「(e) 検査薬の取扱い」

 「尿糖又は尿タンパクを検出する部分を直接手で触れると、正確な検査結果が得られなくなることがある。また、長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が得られなくなることがある。」

 「(f) 食事等の影響」

 「通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。」

 「また、医薬品の中にも、検査結果に影響を与える成分を含むものがある。」

 「医師(又は歯科医師)から処方された薬剤(医療用医薬品)や一般用医薬品を使用している場合には、医師等又は薬剤師に相談するように説明するべきである。」

 …となっています。

 上記太文字部分は、出題実績があるところなので、ガチ暗記してください。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「尿糖・尿タンパク検査薬」は、「一般用検査薬」として登場します。

 市販薬には、「【第2類医薬品】尿たん白試験紙 マイウリエースT 30枚 」などがあります。

 一般用検査薬は、ボリュームは少ないのに、本試験では1~2問出る単元です。

 優先順位は「高い」です。コスパのよさを存分に享受してください。

過去問○×問題

 尿糖・尿タンパク検査薬は…、

 ① 出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい。

 ② 通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。

 ③ なるべく採尿後速やかに検査することが望ましい。

 ④ 尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿(起床直後の尿)を検体とするが、尿糖が検出された場合には、食後(2~3時間1~2時間)の尿について改めて検査して判断する必要がある。

 ⑤ 尿糖値に異常が生じる要因は、一般に高血糖と結びつけて捉えられることが多いが、腎性糖尿のように高血糖を伴わない場合もある。

 ⑥ 尿中のタンパク値に異常を生じる要因については、尿路感染症、尿路結石、膀胱炎等がある。

 ⑦ 検査薬は、長い時間尿に浸した方が、正確な検査結果を得ることができる。

 ⑧ 一般用検査薬は、薬局においてのみ取り扱うことが認められている。

 ⑨ 尿糖・尿タンパク検査薬は、冷蔵庫での保管が望ましい。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

 ④の正誤はこちらです。

 ⑤の正誤はこちらです。

 ⑥の正誤はこちらです。

 ⑦の正誤はこちらです。

 ⑧の正誤はこちらです。

 ⑨の正誤はこちらです。

解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい」ですが、その通りです。

 よって、①は、「○」となります。

 当該「中間尿」は、本当によく出るので、必ず押えておきましょう。

 また、「中間尿」については、常識的なことです。皆さんが実際に検尿をするときも、最初のおしっこは普通にして、チョイ出しした後の尿を容器に入れて提出しましょう。最初の尿をウッカリ提出すると、異常がないのに「再検査」になって、本当に面倒な思いをします。(経験者です。)

②もよく出る

 ②の「通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある」ですが、そのとおりの記述です。

 よって、②は、「○」となります。

 なお、ひっかけ問題の可能性があるので、丁寧に問題文は読んでください。

 たとえば、「通常、尿は中性であるが、食事その他の影響で弱酸性・弱アルカリ性に傾く…」などと出題される公算が大です。

③も定番

 ③の「なるべく採尿後速やかに検査することが望ましい」ですが、その通りです。

 よって、③は、「○」となります。

④もよく出る

 ④の「尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿(起床直後の尿)を検体とするが、尿糖が検出された場合には、食後(2~3時間1~2時間)の尿について改めて検査して判断する必要がある。」ですが、その通りの記述です。

 よって、④は、「○」となります。

 なお、当該「早朝尿」の論点ですが、「???」になりやすいので、以下のまとめを読んでおいてください。

 本問のような「尿糖・尿タンパク同時検査」の場合は、「早朝尿」→「尿糖あれば食後(2~3時間1~2時間)の尿」となっています。

 対して、単なる「尿糖検査」の場合は、「食後(2~3時間1~2時間)の尿」です。

 んで、「尿タンパク検査」の場合は、「早朝尿」です。

 「尿糖・尿タンパク同時検査」のときだけ、少々、入り組んでいるので整理して憶えておきましょう。

⑤も定番

 ⑤の「尿糖値に異常が生じる要因は、一般に高血糖と結びつけて捉えられることが多いが、腎性糖尿のように高血糖を伴わない場合もある」ですが、その通りです。

 よって、⑤は、「○」となります。

 腎性糖尿は、高血糖を伴いません。“具体的な病名”もよく出るので憶えておきましょう。

 個人的には、「尿糖値に異常が生じる要因」と、次に見る「尿中のタンパク値に異常を生じる要因」に出てくる病名を整理して、押えておくべきかと思います。

⑥も定番

 ⑥の「尿中のタンパク値に異常を生じる要因については、尿路感染症、尿路結石、膀胱炎等がある」ですが、その通りです。

 よって、⑥は、「○」となります。

 当該論点は、「尿路感染症、尿路結石、膀胱炎等」の具体的な病名が選択肢に登場するので、テキストを精読しておく必要があります。

⑦も定番

 ⑦の「検査薬は、長い時間尿に浸した方が、正確な検査結果を得ることができる」ですが、そうではありません。

 検査薬を長時間、尿を浸していると、検出成分が溶け出して、正確な検査結果が得られないときがあります。

 よって、⑦は、「×」となります。

⑧も定番

 ⑧の「一般用検査薬は、薬局においてのみ取り扱うことが認められている。」ですが、全くそうではありません。

 ドラッグストア等にも、一般用検査薬は売られています。先に挙げた市販薬のように、ネット販売もされているくらいです。

 よって、⑧は、「×」となります。

⑨は絶対レベル

 ⑨の「尿糖・尿タンパク検査薬は、冷蔵庫での保管が望ましい」ですが、誤った記述です。

 手引きには、総論部分に…、

 「検査薬が高温になる場所に放置されたり、冷蔵庫内に保管されていたりすると、設計どおりの検出感度を発揮できなくなるおそれがある。」

 …とあります。

 「尿糖・尿タンパク検査薬」は、言うまでもなく「検査薬」ですので、冷蔵庫保管が不適切となっています。

 なお、当然、「妊娠検査薬」も、冷蔵庫保管が不適切です。

 併せて、押えておきましょう。

試験ポイント

 尿糖・尿タンパク検査薬の、その他のポイントです。

 検査薬を直接、手で触れると正確な検査結果が得られないことがあります。

 糖分やタンパクが付着した容器を使わないようにします。

 尿糖・尿タンパク検査薬は、尿中の糖やタンパク質の有無を調べるもので、検査結果そのものから疾患の有無や種類を判断することはできません。

 検査結果が「陽性」の場合は、早期の受診が必要です。

 検査結果が「陰性」の場合でも、何らかの症状があるなら、再検査する、または、医師と相談する必要があります。

 上記論点は、テキストを精読しておけば、スルッと解けるかと思います。

H30の改正による改正事項

 平成30年に、「手引き」が改正され、一般用検査薬の尿糖・尿タンパク検査薬には、以下の修正がなされています。

 「食後(2~3時間)」→「食後(1~2時間)

 数字は、常に狙われています。チェックしておきましょう。

 その他の改正については、「H30改定‐法規以外」を一読ください。

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「【第2類医薬品】尿たん白試験紙 マイウリエースT 30枚」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 他の「一般用検査薬」へのリンクです。

一般用検査薬

 尿糖・尿タンパク検査薬

 妊娠検査薬

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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