危険物取扱者の乙種4類(乙4)の試験勉強で、『憶えなくていいこと』を述べます。
テキストに記載はあるけれども、別段、試験に出ないし、出るにしても“致命的ではない”ことが、乙4の勉強では、そこそこあります。
以下に、要領を述べますので、余計な手間と時間をセーブしてください。
テキストによっては、危険物の「性消」のところに、「化学式」が掲載されています。
たとえば、特殊引火物の「二硫化炭素」なら「CS2」、ベンゼンなら「C6H6」といった寸法です。
これらの化学式は、一切覚える必要はありません。
理由は、本試験では、まず問われないからで、たとえば、「化学式がCS2な危険物は、何?」的な問題は一切出ない、という塩梅です。
化学式は、言うなれば、テキストの飾りのようなものなので、何1つ、頭に入れる必要はありません。
わたしは、乙4のみならず、乙1から乙6までを受けましたが、試験勉強では、化学式を何1つ覚えていません。でも、穏当に1回で合格しています。
化学式は、骨折り損なだけ。
化学式は出ないので、法令や物化の公式など、もっと出るものを優先していきましょう。
蛇足ですが、将来的に試験の傾向が変わって、化学式が出題されることも、一応は考えられます。
というのも、化学式は、甲種の「物化」で出るからです。乙種試験の難易度を上げるために、甲種の問題をパクることは、大いに想定されます。
とはいえ、出題されるにしても、1問が関の山でしょう。しかも、「難問」の1つとしての出題でしょうから、最終的な合否には、影響がないと思われます。
危険物取扱者は「6割」合格なので、ド難しい化学式の問題など、鼻から捨ててしまえばいいだけです。
こんな次第で、万が一、化学式が問われたとしても、他の問題で合格点は確保できるので、化学式の暗記は一切必要ありません。
危険物の沸点も、憶える必要はありません。
そもそも、「熱する」とか「火気を近づける」ことが、まず「ない」のが「乙4」の物品です。
「沸騰させる」ケースがないという塩梅で、このため、「沸点」は、まず問われない数字となっています。
まあ、押さえとしては、「特殊引火物の定義」くらいを憶えておけばいいでしょう。
特殊引火物とは、「発火点が100℃以下のものまたは引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のもの」を指しています。
本試験では、「○○の沸点は、20℃である」的なものがでます。
○○のところは、おおむね第2・第3石油類であることが多いです。
最も危険な特殊引火物が「沸点40℃以下」なのに、それより危なくない第2・第3石油類の沸点が「特殊引火物より低いわけがない」という塩梅です。
沸点は、こうした「推定問題」として、問われることがあるくらいで、先の特殊引火物の定義を憶えておけば、事が足ります。
各危険物の沸点を覚える必要はありません。
乙4の危険物の説明箇所では、おおむね、引火点と発火点が記載されています。
まずは、引火点と発火点は、『一部を除いて、憶える必要はない=ほとんど憶えなくていい』ことを、頭に入れておいてください。
反対に言うと、『憶えないといけないのは、ごく限定されている』といった次第です。
引火点と発火点で憶えないといけない物品は、「ガソリン」と「灯油」「軽油」です。
ガソリンの引火点は「-40度以下」、灯油は「40度以下」、軽油は「45度以下」です。
これに対して、ガソリンの発火点は「300度」で、灯油と軽油は「220度」となっています。
試験で本当によく出るのは、上記の3つです。
ガソリンの引火点は、灯油・軽油と比べてかなり低いのに…、
ガソリンの発火点は、灯油・軽油と比べて高い…、
…という、「ちぐはぐな相違点」がよく狙われます。
当該論点は、本当によく出るので、しっかり暗記してください。逆を言うと、ここさえ憶えたら、他のものは無視していいです。いちいち憶えるのは費用対効果が悪すぎます。
まあ、『発火点』の押さえとして、「二硫化炭素」の「90度」を憶えておけばいいです。「発火点90℃」は、乙4の中でも有数の危険な数字なので、そこそこに問われます。
これ以外の物品の「引火点」と「発火点」は、テキストや過去問で出たものを押さえおけば、事が足りるでしょう。
燃焼範囲は、ガソリンの「1.4vol%~7.6vol%」だけを憶えておけばいいでしょう。
後は、「特殊引火物は燃焼範囲が大きい」ことと、テキストや過去問で出てきたものを押さえておけば、事が足ります。
最近は、メタノールやエタノールが、出題されています。それぞれ「6.7vol%~37vol%(※)」と「3.3vol%~19vol%」の数字が、ガソリンとの比較で問われます。
※ エタノールの燃焼範囲は、テキストによっては、「6vol%~36vol%」となっています。ま、試験では「約」とか「おおむね」の数字で問われるので、支障はあません。
乙4のほとんどの危険物は「比重が1以下」です。つまり、水に浮きます。んなもんで、「水系」の消化ができない、という塩梅でした。
さて、ほとんどは「1以下の比重」なのですが、「比重が1以上の、水に沈む」物品もあります。
ピンポイントで問われるので、憶えておきましょう。
「比重が1以上の物品」は、以下の通りです。
・二硫化炭素(特殊引火物)
・クロロベンゼン(第2石油類)
・氷酢酸(酢酸)(第2石油類)
・プロピオン酸(第2石油類)
・アクリル酸(第2石油類)
・クレオソート油(第3石油類)
・ニトロベンゼン(第3石油類)
・エチレングリコール(第3石油類)
・アニリン(第3石油類)
・グリセリン(第3石油類)
よくよく試験に問われるので、まとめて憶えます。
テキストを開いて、上記危険物の比重のところに、マーカーを引いておきましょう。
最低でも、「二硫化炭素」は暗記しましょう。「水中保存」する、「水に溶けない」などの特徴と絡めて出題されるからです。
比重の論点は、第2石油類・第3石油類の問題で、よくよく顔を見せます。これらの類が、「あんまり特徴がない」ため、問題にしやすいようです。
第2・第3石油類の勉強の際は、最優先に比重を追っていきましょう。
なお、「重油は水に浮く」ので注意です。
重油は水に沈む、といった体の正誤問題が出ます。重油の比重は「0.9~1.0」で、ギリギリで水に浮きます。漢字に釣られないようにしてください。
以上が、乙4の試験勉強にて、見ておくべき数字と、押さえておくべき数字と、無視していい数字です。
危険物の「数字」は、とてもたくさんありますが、試験で問われるのは「ごく一部」です。
まずは、「ド定番」の頻出数字を押さえて、徐々に、テキストや過去問で問われる数字を見ておけばいいでしょう。
そのほかは、「費用対効果」が極端に悪いので、追う必要はありません。
必要なものだけを、徹底暗記してください。
『心の軍師』に、『化学者になるわけでなし。出ないものは憶えない』と、助言してもらってください。
なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、
独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。
また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 危険物・乙種, 危険物・乙4‐勉強, 危険物取扱者 | 2016年10月27日 11:34 AM |
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仕訳問題で狙われるのが、「借入金の借入と返済」です。
最近の仕訳問題では、「問題文が読めているか、よくある商取引を理解できているか」を、ことさらに試しに来ます。
当該論点の仕訳はカンタンなのですが、問題文に少々“難”があるので、仕訳や処理の方法を丸暗記しただけは、間違ってしまいます。
取引の意味と目的も、きちんとテキストで押えておきましょう。
「借り入れ」で、よくある問題文としては…、
「1,000,000円を、借入期間6ヶ月、年利率14%で借りることにした。利息分が差し引かれた額が振り込まれた。」
…となっています。
また、「返済」の問題文は…、
「1,000,000円を、借入期間6ヶ月、年利率14%で借りていた。支払期限が到来したので元利合計を当座預金より支払った。」
…という出し方もあります。
答えの仕訳を先に挙げておきます。
借入時の仕訳は…、
…となっています。
返済時の仕訳は…、
…です。
意外に間違えるのが、「利息の計算」です。
問題文では、「6ヶ月」という指定があります。
焦っていると、「年利14%」という言葉に引きずられて、「1年」で計算しかねません。
借入は「6ヶ月」ですから、きちんと「100万×14%×6/12」の「70,000」と計算してください。
利息の計算は、『計算ミスの温床』です。
単純な計算こそ間違えるので、問題文をしっかり読んで、借入条件と借入期間を、きっちり読み取ってください。
先の問題では、単純に借入や返済の仕訳が切れるかどうかを試すほか、「問題文が理解できているか、商売の基礎的用語を知っているか」も調べています。
きちんと読まないといけないのは…、
借入の場合の「利息分が差し引かれた額が振り込まれた。」と…、
返済の場合の「元利合計を当座預金より支払った。」の2つです。
商売について多少の知識がないと、この部分で「???」となって途方に暮れてしまいます。
借入の場合の「利息分が差し引かれた額が振り込まれた。」の部分ですが、これは「実務」でよくある借り入れ方法です。
立場が弱い場合、このように、先に利息が引かれてしまいます。
これは、試験とは関係ないので、読み飛ばしてもらって結構ですが、このような「利息天引き」だと、「年利率14%」ではなくなります。
この問題の場合、利息の金額は、先述したように、「100万×14%×6/12」の「70,000」ですが、借り手が使えるのは「930,000円」しか使えないのです。
実質「93万」の借入で、支払う利息が「7万」ですから、年換算で「15.05%」の利息となり、実質、14%より高い利息を払っていることとなります。
(※ 利息7万は半年分なので、1年換算は14万。14÷93で、年利は「0.15」です。)
「利息天引き」のような、一見するとわからないが、計算してみると損する「数字のマジック」もあるので、借金の際は注意しよう、という金融ネタでした。
ま、話がそれましたが、きちんと問題文を読んで、そのとき受け取れる金額(振り込まれる金額)を正確に計算して、仕訳を切ってください。
返済の場合の「元利合計を当座預金より支払った。」ですが、「元利合計」の意味はわかっていないと、仕訳が切れません。
「元利」とは、「“元”本と“利”息」の略語です。
「元利合計を当座預金より支払った」とは、借りた金額と、付いた利息額とを合わせて返済する、という意味です。
社会人の方なら余裕ですが、学生の人には、「縁」がないので、難しいかと思いますが、実務では、「こういう」ことなので、マルッと憶えるしかありません。
なお、FP技能士を受けようと思っている人は、この略語を正確に覚えておきましょう。試験では、「元本均等返済」やら「元利金等返済」といった用語が問われるからです。
仕訳自体はカンタンですが、きちんと問題文を読んで、その通りに、正確に仕訳を切ってください。
仕訳問題は、「もう、カンタンな問題」は出ないと思っていてください。
子供から後ろ指を指されている出題者は、問題文に、何かしらの“注文”を付けてきます。
暗記や記憶で処理の仕方だけを憶えるのではなく、テキストで述べられている「取引の意味や目的」も、きちんと吸収してください。
『心の軍師』に、『敵は、仕訳のみとは限りませんぞ』と、助言してもらってください。
なお、仕訳がうまく切れないという人は、「取引の8要素」が頭に刻まれていないからです。
「独学の簿記3級:商業簿記」を参考してください。当該8要素が頭に入ってないなら、無理して問題を解かなくていいです。
また、独学向け教材については「簿記3級の教材レビュー」を一読ください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 簿記3級, 簿記3級‐仕訳 | 2016年10月24日 12:00 PM |
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危険物取扱者の乙種4類(乙4)は、それ自体、価値のある資格ですが、それにプラスアルファすることで、さらに活きる資格があります。
乙4に受かるなら、これらの資格も、油断さえしなければ、穏当に取れます。
時間とお金に余裕があるのなら、以下の資格まで取ってしまってください。
「乙4」と相性のよい資格の筆頭が「第2種電気工事士(2電工)」です。
設備系・ビルメンテナンス系の求人では、『2電工と乙4のセット』がド定番となっており、「乙4」に「第2種電気工事士(2電工)」を併せて取ると、設備系・ビルメンテナンス系の求人を確保できます。
ビルのないところはありませんから、求人は常に「ある」といって過言ではありません。また、当該求人は「未経験」でも見てくれるのが比較的多いです。(但し給料は安い。)
設備系・ビルメンテナンス系に強い、当該2資格を取っておくと、「飯の食いっぱぐれ」がなくなるという塩梅で、人生の保険や保証の意味で、乙4の次の資格は「2電工」を推薦します。
個人的に、「2電工」は取っておいて全く損がない、と思います。ホント、下手な保険より、何倍も人生の保証になるかと思います。
こういう言い方はよくありませんが、「いざとなっても仕事がある」というのは、かなり心丈夫となります。
また、「2電工」自体、月平均で1,000件以上の求人があり、資格そのものの価値も高いので、この点でも、強い推薦理由です。(ハロワ調べ)
ところで、第2種電気工事士の受験申し込みは「上期が4月で、下期は6月」となっています。
当該ページを目にしているのが「1月から6月」ならば、まだ、試験を申し込めるので、「第2種電気工事士(2電工)」の受験を、いの一番に勧めます。
試験勉強は、ホント“何とか”なります。1年に1回しかないので申し込むだけ申し込みましょう。
7月以降にこのページを見てるなら、残念ながら、今年はもう2電工を受けられないので、消防設備士や他の乙種の受験を考えてみてください。
なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、
独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。
「乙4」合格後に、2番目に勧める資格は、「消防設備士の乙種6類(乙6:消火器)」です。
推薦理由は、『業務上の相性がよいから』です。
というのも、乙4が必須となる“火災の起きる可能性の高いところ”なら、「消火器」の設置も、必須のところが多いからです。
たとえば、乙4(または丙種)が必要なタンクローリーでは、消火器の設置が必須となっており、応じて、消火器の整備が可能となる消防設備士の乙6の存在感が増す、ってな寸法です。
危険物の乙4と、消防設備士の乙6とを、併せ持っていて、全く損はないように思います。
加えて、危険物の乙4と消防設備士の乙6は、「試験勉強の相性もよく、多少、楽できる」のです。
乙4の試験勉強の際、「性消」にて、消火器について勉強したはずです。
当該乙4の消火器の延長線上に、乙6の試験勉強があります。
乙4で勉強した多くの論点は、消防設備士の乙6でも頻出事項なので、このため、多くの論点が「学習済み」となっているという塩梅で、“そこそこ”に楽ができます。
そして、「試験の傾向」です。
消防設備士の主催者は、危険物取扱者と同じ「消防設備研究センター」です。
同一主催者のためか、試験の傾向は、“とてもよく”似ています。
乙4と、同じような感じで勉強できる、といった塩梅で、乙4に合格できているなら、穏当に乙6の勉強も、こなせられるはずです。
ちなみに、乙6の難易度は、乙4と、そう変わりません。
乙4に通ったなら、乙6も、“油断さえしなければ”、合格できるはずです。
まあ、「法令」と「機械の基礎的知識」で手を焼きますが、テキストや過去問をキッチリ消化すれば、合格はできます。
なお、乙6の勉強方法等は、「消防設備士:乙6の独学」を…、
独学向け教材については、「消防設備士:乙6の教材レビュー」をば、ご参考ください。
端的に言うと、危険物取扱者の乙1から乙6の資格としての価値は、乙4ほど、高くありません。
いや、正確に言うと、乙1から乙6の価値は、格段に低いです。
というのも、需要がないからです。
乙種の4類と他の類とでは、ぶっちぎりで、乙4の求人の方が多いです。
具体的に言うと、乙1~乙6の求人は、ほぼ「0件」で、ときおり「1~2件」の求人があるくらいで、対して、乙4だと平均で「700件」もあります。
就職や転職狙いで言えば、乙1から乙6を積極的に取る理由は、ありません。
しかし、「試験の一部免除」が受けられるのと、「甲種の受験資格」の点で、取得しても損はない、という塩梅です。
危険物取扱者試験には、「試験の一部免除制度」があり、乙種のうち1つでも免状を取得していると、他の乙種試験では、「法令」と「物化」の2科目が免除され、本試験は「性消」の10問のみとなります。
乙4を持っていると、他の類を受ける場合、本試験が「10問だけ」なので、勉強の負担が格段に下がる、といった次第です。
そして、「時間的な拘束も少ない」のが魅力なのです。
危険物取扱者試験では、1つの試験で、1~3つの類を受験できる「複数受験」が可能なので、ざくざくと、他の類を取っていける、という塩梅です。
わたしは、つい“勢い”で、乙4合格後に、乙種の1類から6類まで、全部、取ってしまいましたが、ほとんど、通勤時の電車での勉強で合格でした。
ところで、危険物取扱者の甲種の受験資格には、『4種類』というものがあります。
乙種のうち、4つの類の免状があると、甲種の受験資格が得られるといった手合いです。
甲種はすべての危険物取扱者が取り扱えますし、ときおり、研究所や大学関係からの求人も散見されます。
なにより、危険物取扱者の最上位資格なので、余裕があるなら取っておいても損はないです。
こうした理由から、求人は「ほとんどありません」が、「あることにはある」し、試験の負担は“かなり軽い”ので、乙4合格を機に、他の乙種を取っておくのは、損ではないように思われます。
なお、受験勉強等については、「乙種1類の独学」や「乙種2類の独学」、
「乙種3類の独学」や「乙種5類の独学」、「乙種6類の独学」を参考ください。
時間的・期限的に受けられるなら、率先して「第2種電気工事士」です。半端ない求人数です。
参考:第2種電気工事士の独学
次点で、「消防設備士の乙種6類」です。消火器なので、需要が多いです。
参考:消防設備士:乙6の独学
最後に、「乙種の1類~6類」です。試験の負担は少ないので、細切れ時間で合格できます。
以上、乙4合格後の資格次第でした。
| カテゴリー: 資格の就職・転職事情 | Tags: 危険物・乙種, 危険物取扱者 | 2016年10月22日 12:51 PM |
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