独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

第2種電気工事士の技能試験は下手に予想しない

結論から言うと、「2電工の技能は、下手に予想して山勘で作業するより、難しい候補問題に絞って練習するほうがよい」という塩梅です。

候補問題には、難易度の差がある

要注意リスト-2017年(平成29年度)2電工・技能候補問題のまとめと整理」でも述べていますが、全13問の候補問題の難易度には、ばらつきがあります。

“ものすごくヤバイ候補問題”もあれば、そうでないのもあります。

先のリンク先のページでも述べていますが、本年度の候補問題のうち、 ガチ難問は「1つ」で、要注意の問題は「4つ」となっています。

わたしは、下手に(これとこれとこれ)的に予想して、当該予想した候補問題だけを練習するより、先の「1つ」と「4つ」の“ヤバイ候補問題”に絞って練習するほうが、格段に受かりやすくなる、と考えます。

難易度が「ふつう」や「やさしい」問題は、先の難問題を繰り返しておけば、何とか解けて(ミスなく組めて)しまうのです。

対して、“ヤバイ候補問題”は、どうしても、それ相応の練習をしない限り、どこぞでポカをしてしまうため、受からないのであります。

理想は、「全候補問題を、等しく練習すること」です。しかし、現実には、時間という問題があります。

んなもんで、時間に余裕のない人は、根拠のない予想より、先の“ヤバイ候補問題”に尽力するほうが、「合格の可能性はまだしも上がる」といった次第です。

すべてをやらずとも

候補問題を、丸々組み上げる必要はありません。

難しい作業と複雑な施工は、「固有部分」にあります。大事なのは「全体」ではなく「部分」です。

「固有部分」に絞った練習なら、たとえば、3路スイッチの問題なら3路スイッチだけ組むとか、ねじなし管の取り付けだけをするとかなら、1回当たりの試験勉強を、『15~20分程度』に収めることができます。

ほいで、時間のある休日に、“通しで全部を組み立てる”ようにすれば、少ない時間を有効に活用できるかと思います。

技能は、どうしても、ある程度の練習量が必要です。

忙しくて時間と体力が不足気味でも、やりようはあります。

優先順位の高い候補問題の、優先順位の高い固有の難作業から消化して行けば、最低限度の“受かる”練習量を確保できるかと思います。

また、序盤・中盤で、難しい奴を倒していると、気が楽です。「やさしい」「ふつう」系の候補問題も、難しいのができたら、まあ作れます。

配偶者等の妨害に耐えつつも、少しでも実のある勉強をしてみてください。

(なお、技能の勉強は、少しアルコールが入っていても大丈夫です。ほとんどの試験勉強は、勉強中の飲酒は厳禁ですが、話が技能だとまあOKです。晩酌のアテにやるのもよいでしょう。わたしはビール片手にやってました。酔っていても、正確かつ確実に組み立てられるほうが、本試験では心丈夫です。なお、工具由来の怪我には注意してください。)

最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べているのですが、文系ド素人にとって、あると便利なものを紹介しています。

たとえば…、

ホーザン 合格クリップ」や、

ホーザン 合格ゲージ P-925」や、

ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。

絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

簿記の独学とは?‐自営業者、フリーランス、中小規模の経営者向け

結論から言うと、自営業者、フリーランス、中小規模の企業経営者が、帳簿のやり方や会計処理といった「簿記的なことを身に付けたい」のなら、「簿記3級」を取るほうが、市販本を買って読むよりも、早い、という次第です。

昔から、簿記本や経理本は、犬も食いません。今風に言うとMRE(※)です。

簿記3級を勉強する前に知っておきたい3つのこと」でも述べていますが、市販本を読んでも今ひとつ、簿記が腑に落ちないのは、「簿記」とは「帳簿記帳」の略であり、当該「帳簿記帳」とは、「水泳」と同じ、動詞だからです。

「水に泳ぐ」のが「水泳」で…。

「帳簿に記帳する」のが「帳“簿記”帳」で、略して「簿記」です。

賢明な皆さんならおわかりでしょうが、言うなれば、経理本を読んで簿記を身に付けようとするのは、要は、「畳の上の水練」で、「泳ぎ方マニュアル」を読んで、一度も水に入らずに、泳げるようになろうとしている、といった次第です。

「簿記」とは動詞であり動作なので、「身体を動かさない限り、身に付かない」のであります。

簿記3級の受験を勧めるのは、自分の「手」と「頭」を使わざるを得ないからです。

やらないと“絶対に”わからない簿記

簿記がわかりにくいのは、簿記とは、「仕訳」という「決められごと」で成立する体系だからです。

当該「仕訳」は、簿記固有・独自の“理屈”であり、「他の知識や経験」を応用したり類推したりできないのです。

ですから、当該ルールに習熟しない限り、理解ができない、といった塩梅です。役がわからないとマージャンができないのといっしょです。

わたしも最初は経理的なことはチンプンカンプンでしたが、「仕訳」の切り方を憶えるにつれて、ようやく経理的なことがわかってきたという塩梅です。

だからこそ、「実際に勉強するしかない」という次第です。

しかし、です。

「やらないとわからない」簿記ですが、「やれば誰でもわかる」のも簿記なのです。

当該「仕訳」の理屈は「4つ(資産・負債・資本・費用収益)」しかないので、少し辛抱すれば、誰でも習得できます。だから、毎年、何万人も合格しているわけです。

言うなれば、「簿記」の「仕訳」の理屈は、最初はとっつきにくいけれども、やりさえすれば数万人がわかる程度の理屈、ってな寸法です。

「簿記3級の勉強をしたほうが早い」といったのも、本を読んで自得するより、試験勉強を通じて仕訳のトレーニングを積んだほうが“時間的に早い”からです。

簿記3級を甘く見てはいけない

ところで、合格率だけで、「質」を判断してはいけません。

確かに、簿記3級の合格率は「40~50%」と高合格率で、難関試験ではありません。

しかし、昨今の簿記3級は、試験方針が「実務重視路線」に切り替わっており、かつてのそれとは、一線を画しているほど、難易度は上がっています。

かつては、「三日で取れる」と揶揄されていた「3級」ですが、今では、仕訳を切って、電卓を叩いて、真剣に過去問に臨まないない限り、“絶対に受からない試験”に変貌しています。

だからこそ、「いい勉強」になるという次第で、毎日、仕訳を切って電卓を叩いていくうちに、「帳簿」の意味や付け方が、脳に染みこんでいく、という次第です。

なあんだ、いまさら簿記3級かよ、と思った方。

実際の試験勉強では、ホント、予想以上に勉強させられます。

参考:独学の簿記3級:商業簿記

3級の要時間と要お金

「簿記3級」に要する時間は「1~3ヶ月」くらいです。

相性が悪くても、「6ヶ月」もあれば、合格できます。

かかる費用は、テキスト・問題集・過去問と、受験料、そして、本試験日の交通費と弁当代で、総計「1万円」といったところです。

参考:簿記3級の教材レビュー

結構、お金と時間を食うな、とお考えの方。そうではありません。

これだけのコストと時間の投下で、今後、ずっと使える知識が身に付くならば、時間の費用対効果は、圧倒的に高いです。

簿記3級があれば、経理的なことへの苦手意識はかなり減ります。年度末にレシートと領収書と請求書の山と格闘することも、少なくなります。税務書類の前で気を失わなくなります。

これからもずっと「経理的なことが苦手」のままでいるか、今、ここで踏ん切りをつけるか、です。

簿記2級は要らない

「製造業」を営んでいるのなら、「簿記2級」はありですが、そうでないなら、無理して簿記2級を取る必要はありません。

簿記2級は、「商業簿記」と「工業簿記・原価計算」の2科目で構成されています。

製造業等なら、後者の「工業簿記・原価計算」は資するものもありますが、そうでない人・業種なら、「工業簿記・原価計算」は単なる「頭の組体操」にしかならないので、パスするのが賢明です。

損益分岐点分析は役に立つなどと、苦しい言い訳をする人もいますが、なら、それだけ、やればいいだけです。

いい大人が意味の薄いことに、資源を割いてはいけません。

「工業簿記・原価計算」のテキストを開くくらいなら、得意先を回るか、人脈・つてを暖めたり、配偶者のメンテナンスをする方がいいでしょう。

「小規模」の事業者なら、「簿記3級」が最も費用対効果が高いです。

反対に言うと、「簿記3級」の知識では、間に合わなくなってきたら、2級取得を考えるよりも、いっそのこと顧問税理士を探し始めるのが良いでしょう。

個人的には、財政状態や経営成績をつかむためにも、「日々」「週々」「月々」の記帳を行い、んで、とりわけメンドクサイ税務申告だけは、プロに頼むのが、費用的にも経営的にもいいかなと思います。

通期の記帳は指導を受けるか、または、県や市や納税協会で、無料税務相談があるので、そのときに、「どう処理すればいいか?」とか「これでいいのか?」等を、尋ねるのが賢明です。

こういう次第で、自営業者、フリーランス、中小規模の経営者は、経営的にも勉強的にも、無理して2級を取らなくてもよい、ってな塩梅です。

まとめ

商売をやっていると、発作的に「経理的な知識が欲しい」と思うことがあるはずです。

波に乗った繁忙期なら無理して3級を勉強する必要はないですが、幸か不幸か、ド暇なときがやってくるはずです。

こういうときに、「簿記3級の独学」に挑戦してみてください。3級が取れたら、今の100倍は経理本や財務本が読めるし、事業や会社の数字が見えてくるようになります。

簿記は『耳学問』が効かんです。試験勉強は、下手なセミナーより、はるかに有意義です。

なお、先の「MRE」とは、Meal, Ready-to-Eatの略ですが、あまりのまずさに…、

Meals, Rarely Edible (とても食べられたものじゃない食べ物)、

Meals Rejected by the Enemy (敵から拒否された食べ物)、

Meals Rejected by Everyone (誰もが拒否した食べ物)、

Materials Resembling Edibles (食べ物に似た何か)、

…等々、まさに「犬も食わない」の暗喩であります。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/MRE

簿記2級の歴史的背景‐エア合格者

ご存知のように、簿記2級の試験方針は、「実務重視」路線になっています。

こうなった背景を、以下に述べるので、暇な時間にお目汚しください。

さて、かつての簿記2級試験は、「パターン学習で、でるところだけやっときゃ、すぐ受かった試験」でした。

一発合格者はもとより、2~3週間で受かる人はごろごろしていました。

というのも、たとえば、仕訳問題では、“ふつうの、建物の減価償却”が出ていましたし、総合問題では、毎度毎度、ふつうの貸倒引当金が問われて“配点”されていたのです。

しかし、こういう試験を続けたため、「試験に出ないところは、全く知らない合格者=エア合格者」を量産してしまったのです。

たとえば、今では、絶対に手の抜けない論点の「帳簿組織」ですが、かつては、“誰も勉強する人はいなかった”のです。

ですから、簿記2級に受かっても「総勘定元帳??」とか「試算表…??」となる『エア合格者』が多々でてきたのでした。

このため、簿記2級を持っているのに、実力的に全く使えないという次第となり、こういう『エア合格者』を何とかしろという『お叱り』が実業界・産業界からあって、試験方針が現在の「実務重視路線」となった次第です。

エア合格者の増加は就職難

ぶっちゃけ言うと、昔は、簿記の資格なんて、犬も食いませんでした。

「簿記」は、今や人気資格の一角で、本屋では1棚まるまる簿記で埋まっていますが、今と昔では隔世の感があります。

エア合格者がたむろし始めた背景は、一口で言えば、「就職難」で、「簿記」の資格さえあれば職に就けると、人が殺到したのが要因です。

そもそも、「簿記」なんて、商業高校とかビジネス系専門学校とか商学部とか、経理の実職の人しか受けなかったのです。

言うなれば、往時は、受験生の多くは、「試験外」で実務を勉強できる環境・カリキュラムがあったわけで、だからこそ、「簿記試験」は「定番ばかり」で構成しても、問題はなかったという寸法です。

しかし、先も言ったように、「資格があれば職がある」で、「簿記」と関係のない人が簿記試験に殺到したため、試験外のことはよく知らない「エア合格者」が増え、こいつはまずいという塩梅で「実務重視」路線に切り替わった、という次第です。

ひとくち試験方針

試験勉強等は「簿記2級の独学」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

捨て問は厳禁。満遍なく勉強しておく。苦手論点は作らない。」は憶えておきましょう。

出題者は、「受験生の手薄なところを突いてくる」からです。

出題者は、試験のたびに、「受験生が苦手とするところや、理解の薄いところ」を調べ上げ、以降の試験に採用しているように見受けられます。

あなたが、難しいから・面倒だからと「捨て問」にしたところは、得てして、多くの他の受験生もそうです。故に、出題者に狙い打ちされてドンピシャ出題されて、轟撃沈してしまうといった次第です。

100回練習しても「ダメ」なら「捨て問」も仕方ありませんが、そうでないなら、「苦手論点」すら消化して、「捨て問ゼロ」で試験に臨むのがセオリーです。

簿記2級は、かつては、カンタンな試験でした。しかし、今は、全くそうではなく、別個の試験です。

古い合格者の言うことを鵜呑みにせず、しっかり勉強してください。