宅建(宅地建物取引士)に落ちた人向けの再受験の手引き(不合格対策)。「やってはいけない」ことや「チェックポイント」を列挙し、不合格の原因調査を行う。また、再受験時の教材の買い替えや、科目別対策を述べる。本試験日前後の注意事項や、語呂合わせやまとめ等のリンクを併せて掲載している。
宅建ですが、現在では、「ちゃんと勉強しないと、まぐれでも受からない」試験に変貌しています。
そのため、漫然とテキスト・過去問をやっているだけでは、合格は厳しいです。
そこで、宅建に落ちた人を対象に、再受験に当たって必要となることを、以下に述べています。
このページを元に、次こそは、リベンジを果たしてください。
なお、独学全般については、メインページたる「宅建の独学」の方も、一読願います。
以上のように、このページは、“そこそこ”長いです。
「お気に入り」に入れておいて、試験勉強の息抜きに、ぼちぼちと見てってください。
メインページの「宅建の独学」にも述べていますが、追加的に、不合格になる「ダメ勉強」を見ていきます。
まずもって、「あやふや・あいまい・中途半端な暗記」です。
宅建では、あやふやでボンヤリした不確かな10の知識より、正確な1つの知識のほうが、絶対的に点数が取れます。
形だけ憶えても、ダメです。
「勉強したんだけど落ちた」という人は、1つ1つを、きっちり正確に憶えていない人が多いです。
本試験では、受験生が混同しそうなところほど、よく出ます。
たとえば、都市計画法の高度都市と高度利用都市や、借地借家法と賃貸借の比較問題です。
後述していますが、語呂あわせなどを駆使して、正確に・確実に、1つ1つを憶えていきましょう。
次に、「テキスト軽視の勉強」も落ちます。
確かに、問題演習・過去問演習は、大事です。
しかし、宅建では、テキストの精読も、劣らぬほど大事です。
テキストをシッカリ読むことで、知識の整理、再確認、再記憶ができるという大きなメリットがあります。
ある程度、問題演習が済んだなら、問題演習を少し控えて、腰を落ち着けて、テキストを紐解きましょう。
テキスト精読は、急激に実力は付きませんが、確実に、少しずつ、薄皮が重なるように、確固たる実力を涵養できます。
最後に、「完ぺき主義の勉強」です。
宅建は「35点」を取る試験です。満点を目指す勉強など、無用有害です。
全科目・全論点を完璧に仕上げる必要は無いです。
徹底追及するにしても、ここはやっておくべきといった相当な理由がある場合に限ります。
不安だからやったことは、ほとんどが徒労に終わります。
徹底してやることも大事ですが、費用対効果と、試験傾向を無視してはいけません。
たとえば、建築基準法の細かい論点(防火規制など)をやるのは、有意義です。建築基準法の1時間は、0.05点くらいの期待値があります。
対して、都市計画法の細かい論点を追うのは、時間の無駄です。都市計画法は、1時間やっても0.005点以下の感じです。
たとえば、宅建業法は、テキストの隅から隅まで読み込んでも損は無いですが、民法や不動産登記法だと、徒労に終わる可能性が『大』です。
傾向や勉強法は、後述する「勉強リンク一覧+こまごまリンク」にまとめているので、どの科目に尽力すべきかに迷っているなら、参考にしてみてください。
再勉強に際しては、不合格の原因調査が重要です。
以下の3つのチェックポイントを調査し、『なぜ、自分は、不合格になったか』を、明らかにしましょう。
まずもって、受験年度の問題冊子を自己採点して、全問題の正誤を明らかにしましょう。
そして、間違った問題の中に、テキスト・過去問をキッチリやっていれば、「取れる問題」がなかったかどうかを調べてください。
宅建は、「1点」を争う試験です。
もし、テキスト・過去問レベルの問題の失点があったのなら、その問題を落としたことで不合格になったと考えてください。
再勉強は、テキスト精読・過去問演習を徹底して、今後、受験生なら誰もが取るような問題を落とさないよう、基礎・基本事項を徹底してください。
端的に言うと、「合格者」とは、テキスト・過去問レベルの問題を、1問たりとも、落とさなかった人なのです。
「合格者」とは、難問や奇問で点を取っているのではなく、“ふつう”の問題を確実に取っているだけなのです。
繰り返しますが、今後の試験勉強は、『テキスト・過去問をキッチリやっていれば、「取れる問題」を、1問たりとも落とさない。』を、肝に銘じて臨んでください。
次に、「法改正を徹底したか?」を、チェックしてください。
「法改正」ですが、本当によく出るようになっており、試験上、最重要論点といっていいです。
その重要性たるや、35条書面・37条書面並みです。
必ずやらなくてはいけません。全部やらなくてはいけません。
建築基準法と宅建業法は、特に、やらないといけません。
法改正事項は、1問のみならず、2~3問に渡るときもあり、対策を取ってないと、全滅します。
お使いのテキストなり過去問なりの出版社から、法改正情報は入手できるので、配布されるようになったら、即断に入手して、改正事項を憶えていってください。
なお、「法改正」ですが、「先入観」は厳禁です。
手前勝手に、(こんなん出ないだろう)と判断してはいけません。
全部が全部を、押さえるべきです。個人的な実感ですが、“意外なもの”ほど出ている感じがします。
また、過年度の法改正も要注意です。
法律の適用がこなれてきたためか、数年前の改正事項が、よく出題されています。
テキストにて、「H○○年度改正」といったコメントがあったら、最大限の注意を払いましょう。
特に、宅建業法。ふつうにH28度の法改正事項が、R1試験に出題されています。
最後に、「民法を勉強したか?」を、チェックしてください。
数字的に、民法で高得点(7点以上)が取れた人ほど、合格しています。
宅建は、民法の出来で決まるといわれて久しいです。
不合格になる理由の1つに、民法が間に合わなかったという人は、そこそこいます。
自己採点で民法が3~4点だった人は、再勉強は、民法に対して、かなり大きな資源を割くべきです。(勉強方法は後述します。)
宅建ですが、最大級の受験者数があるためか、有象無象のダメ教材がたくさん売られています。
独学向け教材は、「教材レビュー(初学者向け)」と「教材レビュー(経験者向け)」で述べているので、参考にしてみてください。
あと、もし、模試問題集や予想問題集を使ってないなら、再勉強の際は、取り入れるようにしてください。問題演習の量が多いほうが、実力が絶対的に安定します。
さて、宅建には、ネタ系・攻略系の書籍が、これまた、多々あります。
それらに手が延びそうになるでしょうが、ぶっちゃけいうと、あまり役に立たないです。
こうしたものは、ほぼ合格圏にある人が、さらにもう2~3点底上げするための情報がほとんどで、実力が付いてない人を、合格させるだけのパワーはありません。
別段、買うな・読むなとはいいませんが、テキスト・過去問とを、キッチリやり終えてから、手を伸ばしてください。
最難関の「民法」から、科目別対策を見ていきましょう。
「民法」ですが、送る言葉は「機械的」です。
機械的に、過去問10年分を10回。予想問題集・過去問題集を10回繰り返します。
「民法」は10問出題ですので、10*10で「100問」強を解くことになります。
問題と答えと解説を憶えるくらいまで、「機械的」に問題演習をしていってください。
下手にテキストで頭を悩ませないで、ただただ、過去問を解きまくります。実線の中から知識を押えていけばいいです。
テキストは、解説の参照や、知識の確認程度に読めばいいです。
問題演習で大事なことは、選択肢の1つごとに、理由を付すことです。
そして、その理由が解説の解き方と同じかどうか、チェックします。
有体に言えば、解説のように問題が解けているかどうかをチェックするわけです。
もし、自分の付した理由と解説とが異なるなら、解説の解き方を憶えてください。
下手に考えるよりも、解説のように考えるべきです。
過去問演習を徹底すれば、最悪の全問不正解の0点には、絶対になりません。おおむね5点は、確実に取れるはずで、運がよければ、6~8点も狙えます。
また、「民法の勉強方法」も、参考にしてみてください。
「民法」以外の権利関係ですが、ごぞんじのように、「借地借家法」「不動産登記法」「区分所有法」があります。
当該科目は、あまり癖がなかったり、「捨て問」だったりするので、以下のページを参考に、再勉強してみてください。
各法の特長については…、
…を、参考願います。
各々の勉強方法については、「民法以外の権利関係の勉強方法」を、一読願います。
「法令上の制限」ですが、当該科目は傾向が明白なので、以下のページで傾向を掴んでから、再勉強をしてみてください。
また、勉強方法のページを元にやっていけば、全11問出題のうち、最も効率よく「7~8点」を確保できると思います。
最重要科目の「宅建業法」ですが、過去問演習とテキスト精読の2本立てでやっていきます。
過去問は10年分を「5回」。テキスト精読も「5回」を目標にしてください。
テキストは、全論点を読み、注釈まで目を通してください。
「宅建業法」は、やればやるほど、点が伸びます。解けば解くほど、読めば読むほど、安定して点が取れるようになります。
勉強不足だと不安になりますが、先の「5回」はこなしていれば、本試験時には、確固たる自信が付いているはずです。
予想問題集や模試問題集は、「3回」はやっておくと、万全です。
ちゃんとやっていれば、「宅建業法」は、最低でも、「14~15点」を、確保できます。
「宅建業法コメント」や「宅建業法の勉強方法」なども参考に、再勉強に臨んでください。
「その他」ですが、当該科目で落ちたという人は、少数だと思います。
再勉強は、特徴と傾向とを押えて、取り組んでください。
本試験前・本試験当日の注意事項です。
まずもって、「体調管理を徹底」してください。
まだ暑さの残るときなので、本試験日までに、バテないようにしてください。
根を詰めても、多寡が知れてます。体調が悪いなと思ったら、すぐさま床に就きましょう。
また、体調管理の一環として、本試験の3週間前から、飲酒、暴飲暴食、過度のカフェイン摂取は、控えるようにすべきです。
そして、「やるべきリスト」を、作成しておくことを勧めます。
本試験当日の試験会場までの電車内や、着いてから試験が始まるまでは、結構、手持ち無沙汰です。
漫然とテキストを読むのではなく、自分の弱点や不安箇所をケアできるように、やるべきことを、あらかじめ確定しておきましょう。
直前期では、当該ヒマ時間用に、再確認したいこと、再チェックしたいこと、再記憶したいことをリスト化して、それを消化するようにしましょう。
さて、本試験当日ですが、「トイレ確保 2~3箇所」です。
宅建は、本当に受験生が多いです。当然、トイレも込みます。大丈夫と思っていても、いざトイレに行くとほぼ満室なので、トイレは、2~3箇所を確保しておくべきです。
また、大きなお世話ですが、前もって、駅等のトイレで済ませておくのもよいかと思います。
最後に、「前日に、全部の準備をする」です。
寝る前に、受験票、筆記用具、スマホ、タオル、長袖、飲み物、甘い物(キャンデーやチョコレート、ビスケット、キャラメル、カリントウなど)、テキスト、過去問を、カバンや雑嚢に入れてから、就寝しましょう。
試験当日に準備をすると、何かと忘れ物があります。
本試験当日の忘れ物は、意外にメンタルに来るので、無駄な動揺を避ける意味でも、前日準備が効果的です。
以上、宅建の不合格対策を見てきました。
まずもって、合格最大のキーは、「過去問」にあります。
最低でも、過去10年分を「3回」は、繰り返しておきましょう。
苦手な科目は、「機械的」に、「10回」は、繰り返しましょう。本試験で、1点拾えるチャンスが激増します。
次に、テキストです。
とりわけ、「宅建業法」は、何回も目を通してください。1つ1つを、シッカリ読むようにしてください。
宅建業法では、あらゆる論点が出題されているので、テキスト精読が最も有効です。
他の科目においても、昨今の本試験は、これまでに出ないところを狙う傾向がある科目は、ざっくりとでいいので、目を通しておくべきです。
宅建は、かつてように、過去問だけでは受からない試験に変貌しています。
テキストを読み込んで、知識の整理と再記憶とを図ってください。
最後に、宅建試験は、やるべきことをやれば、受かる試験です。
キーは、「回数」です。
1回より2回、2回より3回、3回よりも5回です。
「回数」こそ、実力のバロメーターです。
繰り返す回数が増えるほど、合格は近づくので、「回数」を目安に、再受験に臨んでください。
メイン科目の「宅建業法」のこまごましたページへのリンクは、以下の通りです。
・35条(重要事項の説明)と37条(37条書面)の重複事項の語呂合わせ
まだ他にもありますが、「宅建ノート‐宅建業法」にまとめているので、参考願います。
「法令上の制限」の「農地法」等のノートは、以下の通りです。
「その他」は、これといった攻略法がなく、「宅地建物取引士の問題48「統計」の解答予想 」くらいです。
各科目の勉強方法については、以下のリンクを参考にしてください。
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