第30回 理論問題 過去問(令和4年3月実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『部門費振替表』の問題。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。怖いのは、計算ミスです。途中で検算を入れて、ガチで正解しましょう。

第4問‐問2

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 計算ミスをしないように、途中で何度か検算しましょう。

 計算ミスさえしなければ、全問正解可能です。

処理1‐資料から数字を転記

 解答用紙の最初は…、

 

 …です。

 んで、資料には…、

 「各補助部門の原価発生額は次のとおりである」

 「機械部門 ¥1,440,000」

 「車両部門 ?」

 「仮設部門 ¥960,000」

 …とあります。

 とりあえず、「機械部門 ¥1,440,000」と「仮設部門 ¥960,000」の2つの数字を、解答用紙に埋めましょう。

 すると…、

 

 …となります。

処理2‐機械部門

 「機械部門」の総額がわかったので、配賦しましょう。

 資料には、配賦基準が「馬力数*時間」となっています。各工事の詳細は…、

 「甲工事部」は、「20*30」の「600」…、

 「乙工事部」は、「15*20」の「300」…、

 「丙工事部」は、「30*10」「300」…、

 …となっています。

 合計は、「600+300+300」の「1,200」です。

 「機械部門の発生原価は、資料から「 ¥1,440,000」であることがわかります。

 んなもんで、配賦は、「1,440,000/1,200」の「@1,200」となります。

 後は、個々に当該@1,200を掛けていくだけで…、

 「甲工事部」は、「600*@1,200」の「720,000」…、

 「乙工事部」は、「300*@1,200」の「360,000」…、

 「丙工事部」は、「300*@1,200」の「360,000」…、

 …と、相なります。

 上記計算結果を、解答用紙に転記すると…、

 

 …となります。

 ちなみに、電卓ですが、「馬力数*時間」の計算では…、

 「甲工事部」の「20*30=」、「乙工事部」の「15*20=」、「丙工事部」の「30*10=」を入力した後に、「GT」を押すと、集計されて、即、「1200」が計算できます。

 んで、各工事への配賦ですが、@1,200の掛け算の計算では、「定数計算」が便利です。

 カシオの電卓なら、「1,200**」と入力して、後は、「600=」、「300=」、「300=」と入力すれば、計算結果を得ることができます。

 こうする方が計算ミスが少ないので、試してみてください。

 参考:感動!GTキー

 参考:計算機の小技-定数計算

処理2‐仮設部門

 「仮設部門」も、原価総額が資料に与えられているので、計算しましょう。

 「仮設部門」の原価総額は、「¥960,000」です。

 配賦基準は、「セット*日数」となっています。

 各工事の詳細は…、

 「甲工事部」は、「3日*5日」…、

 「乙工事部」は、「?」…、

 「丙工事部」は、「2日*5日」…、

 …となっています。

 さて、見落としてはいけないのが、解答用紙の乙工事部の「仮設部門費¥560,000」です。

 「乙工事部」が「560,000」なら、残る「甲工事部」と「乙工事部」は、「960,000-560,000」の「400,000」となります。

 これを、按分すればいいわけです。

 「甲工事部」は、「3日*5日」で「15」…、

 「丙工事部」は、「2日*5日」で「10」…、

 …です。

 分母は、「15+10」で「25」です。

 「甲工事部」は、「400,000*15/25」で「240,000」…、

 「丙工事部」は、「400,000*10/25」で「160,000」…、

 …と、相なります。

 上記計算結果を、解答用紙に転記すると…、

 

 …となります。

処理3‐車両部門

 残るは、「車両部門」の合計額です。

 「車両部門」ですが、個々の工事の内訳は、解答用紙にあります。

 解答用紙上の「231,000+186,000+132,000」を足し算すれば、「549,000」となります。

 当該「549,000」を解答用紙の合計額のところに転記すると…、

 

 …となります。

処理4‐補助部門費配賦額合計

 後は、集計作業です。

 解答用紙の「補助部門費配賦額合計」を集計しましょう。

 ここで注意すべきは、計算ミスです。

 「補助部門費配賦額合計」なのですから、個々の工事部の「機械部門」と「車両部門」と「仮設部門」を集計するしないといけません。

 勢い余って、「部門費合計」の「7,350,000」「3,750,000」「2,380,000」の数字を、計算しないようにしましょう。

 個々の「補助部門費配賦額合計」ですが…、

 「甲工事部」は、「720,000+231,000+240,000」の「1,191,000」…、

 「乙工事部」は、「360,000+186,000+560,000」の「1,106,000」…、

 「丙工事部」は、「360,000+132,000+160,000」の「652,000」…、

 …と、相なります。

 上記計算結果を、解答用紙に転記すると…、

 

 …となります。

処理5‐工事原価

 最後の「工事原価」の計算です。

 ここでも、計算ミスに注意です。違う数字を足し算しないようにしてください。

 「工事原価」は、個々の工事の「部門費合計」と「補助部門費配賦額合計」を足し算して求めます。

 「甲工事部」は、「7,350,000+1,191,000」で「8,541,000」…、

 「乙工事部」は、「3,750,000+1,106,000」で「4,856,000」…、

 「丙工事部」は、「2,380,000+652,000」で「3,032,000」…、

 …と、相なります。

 上記計算結果を、解答用紙の「工事原価」に転記すると、「答え」となります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

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第30回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:新株発行処理

 2問:未払消費税・仮受消費税

 3問:減価償却 直接記入法

 4問:修正後工事進行基準

 5問:手形貸付

第2問:文章問題

 1問:本支店会計

 2問:減価償却 総合償却法 加重平均法

 3問:銀行勘定調整表

 4問:材料評価損

第3問 個別問題

 完成工事原価報告書 T字勘定

 完成工事原価報告書 実際記入

第4問 理論+計算

 理論問題

 部門費振替表

第5問 総合問題

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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