簿記2級有資格者向け建設業経理士2級の勉強方法‐問題ごとの対策

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 簿記2級の有資格者が建設業経理士2級を受験する際に知っておくべきことのまとめ。独学者向け。本試験はぜんぶで5問で構成されるが、それぞれの問題別の勉強方法と注意事項を述べる。電卓の打ち方などの便利リンクもある。

2級保有者向けひとくち勉強方針

 最初に、おおまかな流れを言うと、独学向けのテキストを「1~2回」繰り返して、んで、過去問を「1~2回」やって、そして、自分の苦手な論点を徹底して潰す、というのが独学合格のセオリーです。

 簿記2級の有資格者の方は、建設業経理士2級の大半の論点を学習済みなので、あっという間に、テキストを消化できるはずです。

 たとえば、「仕訳過去問インデックス」で、1~2問、仕訳問題を解いてみてください。「第16回-1問:資本的支出」など、多くの問題を、あっさり解答できるはずです。

 テキストが一通り済んで、“全体の感じ”が掴めたら、即断に、過去問に駒を進めます。過去問も、2級持ちなら、曲りなりに解けるはずです。

 過去問演習が済んだら、後は「個人の勉強」です。自分の苦手とする問題や論点を、何度も繰り返せば、ほぼ合格、といった次第です。わたしはこういう勉強で、たぶん100点で合格しました。

 先述したように、簿記2級の合格者にとって、建設業経理士2級の問題は、多くが学習済みです。とにかく、一通り、ざっとでいいので済ませてください。したらば、自分のやるべきところが見えてきます。

 ところで、中には、「社債」について学んでいない方もおられるかと思います。(今の2級では出ない。)

 社債の買入償還の際は、「日割計算」するので、「月」の日数を正確に知る必要があります。「にしむくさむらい‐西向く侍で日数計算」を、お気に入りに入れておいてください。

即、過去問の第1問・第2問へ

 繰り返しますが、テキストはざっとでいいです。テキストが一通り読めたら、過去問の第1問・第2問に駒を進めます。

 第1問は仕訳問題で、第2問は、文章問題形式の計算問題・推定問題です。

 第1問・第2問とも、簿記2級の商業簿記と、大差ありません。

 先も言ったように、簿記2級合格者は、建設業経理士2級の商業簿記的なところは、ほぼ学習済みなので、即、過去問に行っても支障はありません。

 第1問、第2問とも、『既視感』のある問題ばかりかと思います。

 ちなみに、わたしは、かなり昔の、カンタンだった頃の簿記2級合格者ですが、それでも、第1問・第2問とも、さっくり解けました。ですから、現行の、難化した2級の合格者なら、全く問題なく攻略できるはずです。

 建設業経理士2級は、『簿記2級的要素である、第1問・第2問を先に済ませてしまう』のがコツです。

 ところで、過去問の仕訳問題は、通勤・通学時あたりで消化できます。「仕訳過去問インデックス」を参考に、移動中に消化していってください。

次は、第5問の精算表

 次に着手するのは、第5問の精算表で、おなじみの総合問題です。

 かつての嫌な思い出が頭をよぎりますが、簿記2級と比べたら、格段に“素直”なので、むやみに苦手意識を持たないようにしましょう。第5問は、配点が多く、『得点源』となるところであります。

 ところで、本問では、簿記2級にはない、退職給付引当金や減価償却の配賦差異など、建設業経理士2級の独自の論点が出題されますが、要領さえつかめば、全く支障はないはずです。

 兎にも角にも、まずは、過去問の1~2年分、解いてみてください。

 で、解けなかったりできなかった論点を、テキストで復習して、手当てします。こうすることで、メキメキと点が取れるようになるので、“やった者勝ち”です。

 なお、ご存知でしょうが、精算表の問題の大敵は、『計算ミスと記入ミス』です。

 仕訳や会計処理が合っているのに、ケアレスミスで間違う、という“簿記ド定番”の事態に陥るはずです。

 どういうときにミスが起きるのか。

 計算用紙をどう使えばミスが減るか。

 仕訳を全部書き出すか、それとも、問題文に記入するだけにとどめるか。

 どういう順番で解くとよいか。

 「どうすればミスがなくなるか」を、“もう1つのテーマ”として抱きつつ、過去問演習を進めてください。(わたしの対処法は後述。)

 2級保有者なら、こんな風に、2~3回、過去問を繰り返しておけば、大丈夫です。

 なお、解答用紙は、必ずコピーして、コピーしたもので演習します。

 ゆめ、原本の解答用紙を使うような真似はよしましょう。(あなただって再受験の可能性はわずかに残っているのです!!)

真打の第3問・第4問だが、実質算数

 第3問は、「費目別計算の算定問題」か「部門別振替表作成問題」です。

 漢字だらけで、難しそうな感じがしますが、実際はそうではなく、ぶっちゃけ、「算数」です。

 最初のうちは、戸惑いもありますが、過去問演習が進むにつれて、メキメキ解けるようになります。ぶっちゃけ、『算数の要領』だけだからです。

 最も怖いのは、ここでも、計算ミスだけです。

 問題のパターンを熟知し、過去問を2~3回繰り返して、落ち着いて計算機が打てるようになっておきましょう。

 なお、「建設業経理士2級の独学」でも述べていますが、電卓は高品質なものを使いましょう。

 本試験では、ぺらぺら電卓の人が多く、(なぜ自分から落ちに行くのか?)と、わたしは仰天したものです。良質な武器を使わずして負けるのは愚かです。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

 なお、電卓の打ち方は、簿記2級の人ならおおむね知っていると思いますが、知らない人は、これを機に、電卓の便利な打ち方を覚えましょう。全く効率が違います。

 参考:簿記のコツ-それは計算機」

 参考:計算機打ち方例

 参考:検算のコツ

第3問詳細

 一番カンタンなのは、「部門別振り替え表」の問題です。

 表のルールに従って、計算機をたたくだけなので、まさに、『算数』です。

 当該部門別振替が出たら、絶対に満点を目指します。3種類ありますが、全部を確実にしておきます。というのも、おおむね、カンタンな問題がある場合、他に難問が潜んでいる可能性が『特大』だからです。

 難問を落としても大丈夫なように、やさしい本問で、点数を確実に確保です。

 次に、第3問で“最も手ごわい”のが、「費目計算の原価算定」です。

 一口で言うと、過去問の解説を読み、解き方に習熟してください。

 ポイントは、『解く手順を決めておく』ことです。

 たとえば、とりあえず、予定配賦を計算、んで、それぞれに振り分け、全体像がわかってきたら、配賦差異を計算する云々…です。

 解説どおりにするのも一手ですし、自分の解き方で行くのも一手です。

 基本的に、趣旨や制度を理解し、計算手法に慣れてさえいれば、まず、点が取れる問題なので、きっちり練習して、ひたすら「慣れ」ましょう。

 なお、本問でも、怖いのは「計算ミス」です。

 「ここを間違うと、ぜんぶ間違う数字」は、たとえば、予定配賦の総額などは、念のため、2~3回計算しておきましょう。(経験者は語る。)

第4問詳細

 第4問ですが、簿記2級保有者であっても、油断のできない問題で、建設業会計の醍醐味を堪能するところです。

 気をつけるべきは、「完成工事原価報告書」の作り方です。一見すると単純でカンタンそうなため、手を抜きやすい論点です。

 しかし、甘く見ていると、報告書前の、未成工事支出金勘定等々はうまくできていても、当該報告書の計算時に、くだらないミスを犯します。

 絶対に忘れないでください。完成工事原価報告書の解答欄に、配点があります。

 それまでの処理や計算があっていても、最後の報告書で間違うと、ぜんぶ徒労です。

 報告書を甘く見ていると、意外にアレレ?!となって、つまらない失点を犯します。

 身体で憶えるまで、練習をしてください。頭でわかっただけでは、何気に解けません。

 さて、目玉論点の「配賦差異」ですが、簿記2級の工業簿記・原価計算に比べるとシンプルで、あまり支障はないかと思います。

 が、油断していると、何気に“アレレ?”で解けないので、不安がなくなるまで、練習しておくのが無難です。

 苦手な人は、「配賦差異の機械的作業‐建設業経理士2級の勉強」を参考にしてみてください。

 グダグダ述べましたが、まあでも、過去問を2~3回解いて、間違った問題だけしっかり復習すれば、第4問で合格点は確保できます。

理論問題について

 建経2級では、第3問か、第4問にて、建設業会計の理論問題が出題されます。

 試験の内容は、おおむね「原価の分類基準」で、「選択型」の試験問題で、一口で言うと、『暗記問題』です。

 ぶっちゃけ、捨ててもいいです。それか、完全後回しです。

 わたしは、何を書いているのかわからなかったので、本試験の3日前にやりました。

 出題自体、完全な暗記問題ですし、また、理論を押さえたからといって、計算問題が有利になるわけではないです。

 仕訳問題や計算問題、総合問題が仕上がってきたら、手を付けるか、それか、本試験直前の2~3日前に、一夜漬けで憶えればいいでしょう。

 なお、勉強方法やポイントは、ブログ「建設業経理士2級-理論」にまとめてますので、お目汚しください。

直前期では

 簿記2級の有資格者の方なら、建設業経理士2級の試験勉強は、そう難しくないはずです。

 しかし、苦手な論点や、どうしてもミスをする問題があるはずです。

 本試験の直前期では、他は打っちゃっておいて、これらの苦手事項・ミス事項の消化に勤めます。

 ほいで、ミスの原因を探って、手当てをしてください。

 当方は、第5問の精算表で、『書くところを間違う』というケアレスミスを続出させたものです。損益項目の書くマス目を書き間違えたり、果てには、書き忘れていたりと、仕訳と会計処理と計算は合っているのに、最終的な解答が間違っているという、愚かしいミスを繰り返していました。

 んなもんで、解答用紙への記載の際は、「2度指差し確認をする」ことを己に義務付けました。

 記入する際は、書く升目に指を置いて、「ここに書く→指差し→よし」「ここに書く→指差し→よし」ってな感じで、念入りに“2回も”確かめた上で解答すると、くだらないケアレスミスは、配偶者の愛想のように、激烈に減りました。

 また、わたしは、第5問の精算表は、すべての仕訳を、計算用紙に書き出しました。

 設問の空きスペースにささっと書いてもいいのですが、ミスが続出したので、計算用紙に仕訳をぜんぶ書き出しました。こうすると、精算表への転記が確実になって、書き忘れがゼロになりました。

 なお、当該全仕訳の書出しは時間を食うので、第2問は難しそうだったら即後回しにするなどの工夫をして、書き出しに要する時間を捻出していました。

 こんな次第で、「じぶんでやっているうち」に、問題点と改善点が必ず浮かんでくるはずです。

 直前期は、こうした「じぶん事案」を消化していってください。ここまですれば、ほぼ合格です。

本試験で問題を解く順番:偵察→1→5→3・4→2

 結論から言うと、まず、『全問偵察』からです。

 眼前の問題冊子に“ざっと”目を通し、試験がどうなっているかを、調べます。

 あまり、大きな変化がない=いつもどおりの出題なら、「第1問」の仕訳問題から始めます。

 次に、配点の大きい「第5問」の精算表に取り掛かり…、

 次は、原価計算・建設業会計の「第3問」か「第4問」を済ませ…、

 最後は、難しくて手間のかかる、推定問題・文章問題の「第2問」に当たる、といった次第です。

 端的に言うと、「点の取りやすいところから」です。第1問は、おおむねオーソドックスなので、8割は取れるはずです。第1問で、心と“指”を暖めて、第5問に進み、点数を確保します。

 総合問題という難所を越えたら、かなり精神的に楽になります。

 で、そこそこ処理が面倒で正確な計算が必要となる「第3問」と「第4問」を消化し、最後に、点が取れるかどうか微妙な「第2問」を“嫌々”攻略ってな寸法です。

 極端に傾向が変わらない限り、上記の順番が効率的です。

 まとめると、「偵察→1→5→3・4→2」です。

もし傾向がガラリと

 不幸にも、試験問題が大きく変わっていた場合は、上記順番にこだわらないでください。

 ぶっちゃけ、受験生を動転させるために、第1問の仕訳問題に、超難問ばかりを充ててくる可能性があったりします。

 先の順番は、現状下で「点の取りやすい順番」なので、傾向が変わったなら、原則に立ち戻り、「点の取れる部分から解く」を徹底します。

 大きな変更があっても、本試験問題の4割から6割は、『従来型』の問題で構成されているものです。

 これら定番・定型の問題で点数を確実に確保して、ほいで、新傾向や変化形の問題で点数を積み上げて、合格点に到達、というのが簿記系資格のセオリーです。

 建設業経理士は、あんまり傾向が変わらない試験ですが、“簿記に釣られて変わる可能性”もあるので、「解く順番の原則は、点の取れるところから」を頭の片隅に残してください。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証明書」です。

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