2建経独学 前編「基本試験情報」

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 建設業経理士2級を独学で1発合格をめざす人に、受験前に知っておくべき各種情報をまとめたページ。“苦しまない”受験のためにやるべきこと、本試験の傾向と対策の説明、合格率、合格基準点、勉強時間を述べる。独学向け教材の紹介もある。再受験生用の過去問ページへのリンクも併せて掲載。

はじめての建設業経理士2級

 

 本ページは、「建設業経理士2級の独学ってどうなん?」に答える初級ページです。

 試験勉強の序盤に必要な情報をまとめており、前提知識ゼロの人・情報集めの人を対象にしています。

 「2建経を、受けようか、どうしようか」迷っている人なら、本ページが参考になると思います。受験の当否に、ぜひ、役立たせてください。

 なお、勉強方法(やってはいけないこと、進め方、コツ、理論対策など)については、「独学後半‐勉強方法」に、まとめています。

 独学向けの教材は、「教材レビュー」にまとめていますが、読むのが面倒な人は、「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」を使えばよいでしょう。わたしは、これで、1発で独学合格でした。

インデックス

  1. 要は、簿記2.5級
  2. “苦しまない”受験のために
  3. ズバリ!本試験のホント‐傾向と対策
  4. 合格率
  5. 合格基準点
  6. 勉強時間
  7. 独学向け教材
  8. 再受験の方へ

要は、簿記2.5級‐2建経とは?

 建設業経理士2級とは、一口で言うと「簿記2.5級」で、日商簿記の2級と3級の“あいだ”くらいの難易度です。

半分は商業簿記

 建設業経理士2級は、“建設業”と銘を打っていますが、実のところ、本試験の半分は、簿記の商業簿記がらみの出題です。

 たとえば、「第24回-第1問の3問:利益処分」や、「第23回-第2問の1:固定資産売却」といった問題を見てください。

 また、第5問「精算表」ですが、設問の半分は、お馴染みの減価償却や貸倒引当金の設定、経過勘定項目の処理といった、商業簿記的なものが出題されています。

 こんな次第で、2建経は、皆さんの考える以上に、商業簿記的な問題が多いです。

 よって、簿記2級・3級があれば、NO勉強でも、多くの問題を“あっさりと”答えることができます。

 言い換えれば、簿記2級・3級があれば、2建経の大半の論点は、もう既に、終わっている、といった寸法です。

原価計算も、難しくない

 簿記2級等で、散々な目にあった為、「原価計算」に、苦手意識を持っている人が、そこそこ居られるかと思います。わたしもその1人でした。

 しかし、です。

 2建経の原価計算は、「個別原価計算」のみ、となっています。

 簿記2級保有者なら、2建経の原価計算は、まったく問題ではありません。実質的に、2級の原価計算のほうが難しいからです。

 簿記3級の人でも、2建経の原価計算は、大丈夫です。

 「個別原価計算」は、シンプルな計算方法なので、ガチ文系・ド素人でも、直感的に、理解できます。

 最初は、「原価計算」に不安を抱くでしょうが、杞憂です。

 やることは、足し算と掛け算、割り算くらいだからです。

 2建経の「原価計算」で、挫折することは“まず”ない、と言っておきます。

まとめ・・・簿記“超”有利。

 簿記2級・3級があると、格段に有利だといわざるを得ません。

 よって、簿記2級がある人は、余裕で受かります。

 実質、下のレベルの級を受験することになるからです。

 わたしもそうでしたが、原価計算や建設業会計に、苦手意識のある人もいるはずです。

 しかし、全くの杞憂であり、簿記2級が取れたらなら、間違いなく、2建経も取れます。

 (はやく受けときゃよかった)が、受験後のわたしの感想です。

 建設業経理士2級は、守備範囲を広げるほか、求人先の確保を増やす目的でも、簿記2級以降に取得するのに最適です。時間も労力も、コストもそれほどかかりません。

 んで、簿記3級の人ですが、そこそこの勉強で、2建経が取れます。

 商業簿記的な論点が既に終わっているからで、最初から、論点の4割は終わっている勘定です。

 何よりも、2建経の勉強は、簿記2級の『予習』として、適切です。原価計算や配賦に慣れる、実によい勉強機会になるはずです。

“苦しまない”受験のために‐簿記を先に

 端的に結論を言うと、簿記2級なり3級を取ってから、建設業経理士2級に挑戦する、ってな寸法です。

 まったくゼロから、2建経に合格できなくはありませんが、かなりの苦戦が想定されます。

 まず、教材の問題があります。

 市販されている2建経の教材は、簿記の有資格者を前提としているようで、簿記や仕訳の基礎的なことに、紙面が割かれていないのです。

 このため、テキストの記述はもとより、問題集・過去問の解説に、(???なんでそうなるの???)といった“独学の苦しみ”に陥りやすい、といった次第です。

 この点、「簿記」資格は、市販の教材事情が、実に、充実しています。(資格の中で1番だと思います。)

 定評のある教材なら、基礎的な記述に多くのページが割かれており、解説も多く、初学者の陥りやすいところにはケアがあり、そして、練習問題も多々あるので、簿記の「きほん」を、みっちりと、涵養できます。

 そして、簿記未経験の受験を勧めない切実な理由が「落ちやすい」という現実です。

 合格者のお話を窺うと、簿記資格のある人は、8~9割得点で、“余裕で受かっている”ケースが多いのです。

 これが、簿記未経験だと、ギリギリ7割という人が多かったです。

 試験勉強の能率と、不合格リスクの高さを鑑みれば、簿記資格を取ってからの2建経がベストかと思われます。

 「2建経→不合格→再受験」より、「簿記3級→2建経を1発合格」の方が、賢明だといわざるを得ません。

 理想を言えば、簿記2級ですが、今は、簿記2級も難関化しているので、最低でも、3級を取ってから、2建経に挑戦すべきです。

 参考:簿記3級の独学

 参考:簿記2級の独学

補足:簿記3級でプラスアルファ

 強調しておきたいのは、簿記3級を取るのは、決して、遠回りではない、という点です。

 簿記知識ゼロだと手に余る2建経のテキストで、ウンウン唸って苦学をするより、簿記3級のテキストで、さくさくと勉強すべきです。

 そして、資格の「価値」も、大きな理由となります。

 正直、建設業経理士は、建設業・建築業くらいでしか、評価されません。

 対して、簿記3級は、それこそ、介護から会計事務所まで、評価されます。

 参考:簿記3級独学資格ガイド

 履歴書においても、「2建経」のみより、「簿記3級」もあるほうが、説得力を持ちます。

 資格の価値も踏まえれば、簿記3級を取るのは、まったく損はありません。

 ところで、建設業経理士にも、3級があります。

 しかし、時間と労力を、当該3建経に回すくらいなら、絶対的に、簿記3級のほうを勧めます。

 求人動向を鑑みれば、簿記3級の求人数は平均で「1,700人強」ですが、3建経は「7人」と、240倍ほどの差があります。

 参考:ハローワーク資格別求人数データ

ズバリ!本試験のホント‐傾向と対策

 結論から言うと、本試験の傾向は、ほぼ『パターン化』されており、試験問題は『定番問題』ばかりです。

 試験問題の大半は、過去問からの出題のため(要は、焼き直しや使い回し)、対策としては、『5回分』の過去問を、『3回』繰り返していれば、まず合格点を確保できる、といった次第です。

 要は、過去問演習で受かる、ってな塩梅です。

過去問の踏襲がほとんど

 2建経は、確かに、ときどき難問が出たり、新規の問題が出たりしますが、それでも、試験問題の大半は、過去に問われたものです。

 過去問を紐解けば、3~5回周期で、同様の問題が、“繰り返し”出題されていることがわかります。

 参考:建設業経理士2級 過去問+解説

 よって、過去問をきっちり消化して、個々の問題の解き方を押えていれば、ほぼ合格できてしまいます。

 表現を換えるなら、2建経の試験勉強は、問題パターンの把握と、解き方を憶える作業と相なります。

 確かに、本試験では、難問や新規問題も出ますが、それらをすべて落としても、それ以外の定番問題で合格点を確保できるので、やることさえきちんとやれば、穏当に合格できてしまうのです!

ただし、難化傾向も

 先述したように、2建経は、「過去問演習」を中心に勉強すれば、穏当に受かります。

 ただ、最近は、難化傾向が見られるので、少しだけ、注意してください。

 わたしは、過去問演習に加え、一通り、テキストを精読しておくことを勧めます。

 詳しくは、「建設業経理士2級の独学:後編‐試験勉強編」で述べますが、過去問の解き方を、機械的に憶えるだけでは、「脆い」ということだけは、頭の片隅に置いていてください。

 なお、釘を刺しておきますが、難問や奇問を解けるようになれ!という意味ではないので、気をつけてください。

 2建経には、毎年、(なんじゃこりゃ?)という出題があります。

 難問や奇問まで対策しようとすると、費用対効果が悪く、反対に、定番論点が疎かになるので、失点のおそれが高くなります。

 難問・奇問対策は、配偶者のオシャレのように、あまり「意味」がないです。狸やキツネに見えなくなるだけです。

 また、難問や奇問に、拘泥しないでください。

 難問・奇問の類は、数えるほどしか出ないので、それらすべてを落としても、合格は可能です。

合格率について

 建設業経理士2級の合格率は、おおむね「35%」前後です。

 合格率は、例年「30%~40%後半」で推移しているので、簿記試験と比べると、格段に受かりやすくなっています。

 また、建設業経理士2級の合格率には、極端な増減がありません。

 たとえば、簿記試験のように、あるときは1ケタ台になり、またあるときは40%超になるようなことは、2建経では、これまでに一度もありませんでした。

 確かに、本試験の一部に解きようのない難問が出ることには出ますが、そういう問題ができなくても、他の問題で、十分に合格点を確保できます。

 繰り返しますが、建設業経理士2級は、「やることさえやれば受かる」試験なので、合格率をシビアに捉える必要は絶無です。

合格基準点について

 建設業経理士2級の合格基準点は、公式に「試験の合格判定は、正答率70%を標準とする。」とあるように、「7割得点」となっています。

 率直な感想として、“7割も取らないといけない”のは、きつそうに見えますが、実際にはそうではありません。

 先に見たように、本試験では、定番の出題が多く、たとえば、「工事進行基準」のような毎年問われる論点をきちんと勉強していけば、想像以上に容易く点数を確保できます。

 また、こういうとアレですが、「計算」さえできれば取れる問題も多く、たとえば、代表的なのは、「第3問」なのですが、当該問題で最も神経を使うのは「電卓入力と、計算結果の転記」です。

 参考:23回試験 第3問‐人件費予定配賦

 参考:24回試験 第3問‐部門費配分

 一度、先のリンク先の問題を解いてみてください。結構、できます。

 こんな次第で、やることさえキチンとやれば、点数は確保できるので、そんなに「7割」を危惧する必要はありません。

 ちなみに私事ですが、わたしが受験したときは、自己採点ですが、「100点」取れたと思っています。

「標準とする」の意味

 さて、先ほど、公式の「試験の合格判定は、正答率70%を“標準”とする。」という文言を挙げました。

 当該“標準”が気になる人もおられるでしょうが、これは、「あまりに点数が低かったら、調整する」という、主催者の意思表示かと思われます。

 新傾向問題や難問を出してみたら、受験生のほとんどが解けず、平均点が50点くらいになったという事態を想定しての文言かと思われます。

 こんな次第で、「7割正解」は、ガチンコの基準ではなく、万が一、全員の点数が低くなったら、「調整」するくらいに、考えておきましょう。

 んなもんで、試験を捨てないでください。

 受験生は似たり寄ったりの実力です。

 あなたができない問題は、他の受験生も無理です。

 難問ばかりに遭遇して、自己採点で50点しかなくても、2建経には「調整」があるので、取れる問題を確保しておくだけで、合格できる可能性が「大」です。

勉強時間について

 簿記2級持ちの方は、ほとんどの論点が学習済みなので、「1日1~2時間」くらいの試験勉強で、早い人で「2週間」、普通の人で「1~2ヶ月」あれば合格ラインに到達します。

 簿記3級持ちの方は、原価計算という慣れない作業があるので、「1日1~2時間」の勉強を、「1~3ヶ月」くらいを、見ておくとよいでしょう。

 こんな次第で、受験を申し込んでから勉強を始めても、間に合います。

 ざっくりと、1日1~2時間くらいの試験勉強で、「1~3ヶ月」を見ておけば、大丈夫かと思います。

 とはいえ、個人差が、あります。

 かなり昔に簿記を取ったので、大半は忘れているかも的な人も居られることでしょう。

 当サイトには、過去問に解説を付与したものがあるので、どういう問題が出ているか等、試験レベルを把握した上で、学習計画を練ってみてください。

 参考:建設業経理士2級 過去問+解説

独学向け教材について

 建設業経理士2級の市販教材は、ほぼ定番化しているので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 どの教材も、詳細な説明と豊富な図示があるので、独学でも、困らない作りとなっています。

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのが面倒なら…、

 簿記2級持ちなら「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」で…、

 3級持ちなら、「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級」を使えばよいでしょう。

 さて、電卓です。

 建設業経理士2級でも、電卓への入力がたくさんあるので、高品質電卓を使用すべきです。計算ミスの数が違います。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

 高品質な計算機

 ところで、当該カシオの計算機の小ネタですが、「AC」「1」「3」「7」を同時押しすると、「CASIO」と表示されるので、試してみてください。

再受験生の方へ

 後述するように、独学では、過去問演習が実に大事になっています。

 落ちてしまった人は、今一度、過去問がきちんと、正確に解けているかどうか、調べてみてください。

 んで、前回・前々回の試験に落ちた人にとって、頭が痛いのは、過去問を「買い直し」です。必要なのは、実質1~2回分なので、『痛い出費』です。

 んなもんで、再受験生用に、過去問に解説と解答を付与しました。参考程度にご利用ください。

第26回試験(R1/9実施)の過去問+解説

第25回試験(H31/3実施)の過去問+解説

第24回試験(H30/9実施)の過去問+解説

第23回試験(H30/3実施)の過去問+解説

 んでは、「2建経の独学:後編‐勉強方法」に続きます。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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