本問は、『完成工事原価報告書 T字勘定』です。1つ1つの作業がカンタンなのですが、いかんせん、ボリュームが大きいです。ですから、本問は、まずもって、「後回し」にして、第4問以降の比較的短時間で解ける問題をやってから、着手するといいでしょう。
◇問題◇
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難しくはないですが、そこそこボリュームがあるので、手間と時間がかかります。
先述したように、本問は、「後回し」にして、第4問や第5問の解ける問題を消化してから、着手するといいでしょう。
なお、先に答えを言うと…、
「T字勘定 解答」
…となっています。
突然、本問を与えらえて、速攻でサクサク解ける人は、まず、いません。
大半の受験生は、手探りで解答しています。
資料と解答用紙とをジックリと観察して、できそうなところから、処理していきましょう。
解答用紙を見ると、「完成工事原価」が一番カンタンそうです。
解答用紙の「完成工事原価」のT字勘定の「貸方」に注目すると…、
借方:□□□ 2,230,000
貸方:完成工事原価 2,230,000
…という仕訳が切られたことが読み取れます。
そもそも、「完成工事原価」は、費用なのですから、期中では、「借方」計上されるものです。
「借方」に計上される「完成工事原価」が、言うなれば「減る」処理というのは、期末の「損益」の振り替えくらいなことがわかります。
「完成工事原価」の「損益」への振り替え処理を行います。
まず、借方の完成工事原価 ¥2,230,000を、「損益」に振り替えます。
先に見た…
借方:□□□ 2,230,000
貸方:完成工事原価 2,230,000
…の仕訳の「□□□」は、「損益」と相なります。
よって、仕訳は…、
借方:損益 2,230,000
貸方:完成工事原価 2,230,000
…と、相なります。
「使用勘定科目」によると、「損益」は、「F」となっています。
さて、「完成工事原価」のT字勘定には、借方に「□□□ □□□□」とあります。
よって、「完成工事原価」が「増える」処理を考えてみましょう。
工事原価に振り替えられて「増える」ものを思い浮かべれば、「未成工事支出金」なことがわかります。
当該未成工事支出金の振替の仕訳ですが…、
借方:完成工事原価 2,230,000
貸方:未成工事支出金 2,230,000
…となります。
この仕訳を切れば、「完成工事原価」が「増える」処理と相なります。
先の仕訳を「完成工事原価」のT字勘定に転記すると…、下の…、
…のようになります。
これで、「完成工事原価」が終了です。
次の作業は、せっかく仕訳を切ったので、「未成工事支出金」を処理していきましょう。
解答用紙の「未成工事支出金」のT字勘定は、上記のようになっています。
先の「完成工事原価」の仕訳の…、
借方:完成工事原価 2,230,000
貸方:未成工事支出金 2,230,000
…から、「未成工事支出金」の貸方部分を埋めます。
「使用勘定科目」によると、「完成工事原価」は、「E」となっています。
当該数字を「未成工事支出金」のT字勘定に反映させると…、
…となります。
問題の資料から、「未成工事支出金」のT字勘定の前期繰越と次期繰越を、処理していきます。
この作業は、単純に足し算です。
前期繰越は、資料の「1.工事原価期首残高」から、「13000+34000+76000+11000」の「134000」となります。
次期繰越は、資料の「2.工事原価次期繰越額」から、「31000+53000+181000+45000」の「310000」となります。
これらの計算結果をT字勘定に反映させると…、
…となります。
さて、「貸方」の残高は、「2,540,000」です。
ということは、「借方」の残高も、「2,540,000」となります。
材料費以外の「借方」の合計は、「134000+140000+1730000+230000」の「2234000」です。
「2540000-2234000」で、材料費が「306000」なことがわかりました。
計算した数字をT字勘定に反映させると…、
…となります。
これで、「未成工事支出金」の完成です。
次に、「完成工事高」に、駒を進めます。
「完成工事高」のT字勘定を見ると、期中に…、
借方:完成工事未収入金 2,350,000
借方:未成工事受入金 500,000
貸方:完成工事高 2,850,000
…という仕訳が切られたことがわかります。
後は、貸方の完成工事高 ¥2,850,000を、「損益」に振り替えるだけとなっています。
よって、仕訳は…、
借方:完成工事高 2,350,000
貸方:損益 2,850,000
…と、相なります。
「使用勘定科目」によると、「損益」は、「F」となっています。
T字勘定に記入すると…、
…となります。
後は、こまごました勘定を処理するだけです。
「販管費」を処理します。
販管費の借方の「183000+112000」の「295000」を、「損益」に振り替えるだけです。
仕訳は…、
借方:損益 295,000
貸方:販管費 295,000
…と、相なります。
「使用勘定科目」によると、「損益」は、「F」となっています。
T字勘定に記入すると…、
…となります。
「支払利息」を処理します。
借方に計上されている「支払利息」を、単に「損益」に振り替えるだけです。
仕訳は…、
借方:損益 58,000
貸方:支払利息 58,000
…と、相なります。
「使用勘定科目」によると、「損益」は、「F」となっています。
T字勘定に記入すると…、
…となります。
「損益」を処理します。
「損益」の絡んだ仕訳を、再掲すると…、
「貸方」に来るのは、「完成工事高」の…、
借方:完成工事高 2,350,000
貸方:損益 2,850,000
…の1つです。
んで、「借方」に来るのは…、
「完成工事原価」の…、
借方:損益 2,230,000
貸方:完成工事原価 2,230,000
と…、
「販管費」の…、
借方:損益 295,000
貸方:販管費 295,000
と…、
「支払利息」の…、
借方:損益 58,000
貸方:支払利息 58,000
…と、相なります。
貸方の方から処理します。
「完成工事高」の仕訳は…、
借方:完成工事高 2,350,000
貸方:損益 2,850,000
…なわけです。
これをT字勘定に記入します。
「使用勘定科目」によると、「完成工事高」は、「A」となっています。
次に、借方の処理です。
「完成工事原価」の…、
借方:損益 2,230,000
貸方:完成工事原価 2,230,000
「販管費」の…、
借方:損益 295,000
貸方:販管費 295,000
「支払利息」の…、
借方:損益 58,000
貸方:支払利息 58,000
…の上記3つの仕訳をT字勘定に反映させます。
「使用勘定科目」によると、「完成工事原価」は、「E」となっています。
「販管費」は、「G」となっています。
「支払利息」は、「C」となっています。
これらをT字勘定に書き入れると…、
…となります。
残るは、「繰越利益剰余金」のみです。
これは、貸借差額で求めます。
「損益」の貸方残高は、「2,850,000」です。
んで、「繰越利益剰余金」以外の借方の合計額は、「2230000+295000+58000」の「2583000」となります。
後は、貸借差額を「2850000-2583000」で「267,000」と求めることができます。
当該数字をT字勘定に反映させると…、
…となります。
これで漸く、全部のT字勘定が埋まりました。
…と相なります.
後は、「完成工事原価報告書」を作成するだけです。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
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建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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