15問‐管理業務主任者 H27過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

　本問は、会計・仕訳の問題で、例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。

15問‐会計・仕訳

　

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　本問の難易度は、「ふつう」です。

　なお、解答はこちら（数字のみ）です。

解説：全般

　会計・仕訳の問題で、最も大事なことは、「時間」の把握です。

　本問では、「2月」と「3月」と「4月」が絡んできます。

　どの月に、どのような仕訳を切ったらよいかを、正確に読み取りましょう。

　なお、以下の解説がチンプンカンプンな人は、最後の「仕訳がまったくわからない人に」を一読ください。

解説：「２月以前分」の仕訳を考える

　まず、内訳のうち、「２月以前分」の仕訳を見ていきます。

　「２月以前分」の仕訳対象は…、

　管理費入金内訳のうち、「平成２７年２月以前分 １００，０００円」と…、

　修繕積立金入金内訳のうち、「平成２７年２月以前分 ５０，０００円」です。

　この２つは、『2月』にて、どのような仕訳が切られたのでしょうか？

　これらは、まだ、受け取っていない金銭ですから、2月の時点で、「未収入金」で処理されています。

　管理費の仕訳は…、

　借方：未収入金 100,000

　貸方：管理費収入 100,000

　…と相なります。

　次に、修繕積立金の仕訳は…、

　借方：未収入金 50,000

　貸方：修繕積立金収入 50,000

　…と相なります。

　2つの仕訳を合体すると…、

　借方：未収入金 150,000

　貸方：管理費収入 100,000

　貸方：修繕積立金収入 50,000

　…と相なります。

　要は、２月の段階で、少なくとも、借方に「未収入金 150,000」が計上されていた、ってな寸法です。

　んで、これらの金銭が3月にて入金されたわけです。

　3月では、2月に計上された「未収入金」の取り崩しを行なう、ってな寸法です。

　「普通預金」に入金されたわけですから、「資産の増加」「資産の減少」で…、

　借方：普通預金 150,000

　貸方：未収入金 150,000

　…と相なり、これが答えを構成する仕訳となります。

解説：「３月分」の仕訳を考える‐１

　次に、入金文の「３月分」の仕訳を見ていきます。

　仕訳の対象は…、

　管理費入金内訳のうち、「平成２７年３月分 ２２０，０００円」と…、

　修繕積立金入金内訳のうち、「平成２７年３月分 １１０，０００円」です。

　どういう勘定で仕訳を切るかは、選択肢から推定します。

　選択肢には、それぞれ「管理費収入」と「修繕積立金収入」と表記されているので、これらで仕訳を切ります。

　仕訳はカンタンで、それぞれ「収益の認識」で切るだけです。

　管理費の方は…、

　借方：普通預金 220,000

　貸方：管理費収入 220,000

　…と相なります。

　修繕積立金の方は…、

　借方：普通預金 110,000

　貸方：修繕積立金収入 110,000

　…と相なります。

　２つを合体させると…、

　借方：普通預金 330,000

　貸方：管理費収入 220,000

　貸方：修繕積立金収入 110,000

　…と相なり、これが答えを構成する仕訳となります。

解説：「３月分」の仕訳を考える‐２

　さて、「3月」の仕訳ですが、問題文に「なお、３月分の管理費等の未収入金は、管理費８０，０００円、修繕積立金４０，０００円であった。」とあります。

　これらは、「3月」で発生した収入なので、仕訳を切る必要があります。

　ただ、金銭を受け取っていないので、「未収入金」で処理します。

　細かく１つ１つ見ていくと、管理費の方は…、

　借方：未収入金 80,000

　貸方：管理費収入 80,000

　…と相なります。

　修繕積立金の方は…、

　借方：未収入金 40,000

　貸方：修繕積立金収入 40,000

　…と相なります。

　２つを合体させると…、

　借方：未収入金 120,000

　貸方：管理費収入 80,000

　貸方：修繕積立金収入 40,000

　…と相なり、これが答えを構成する仕訳となります。

解説：「４月分」の仕訳を考える‐２

　最後に、「４月」の仕訳です。

　問題文には、「管理費入金内訳 平成２７年４月分 ９２０，０００円」と…、

　「修繕積立金入金内訳 平成２７年４月分 ４６０，０００円」とあるように、４月分の管理費と修繕積立金を受け取っています。この仕訳を切らないといけません。

　ただ、これらの金銭は、期限が来ていません。本問は「３月」のときだからです。そのため、「前受金」で処理します。

　細かく１つ１つ見ていくと、管理費の方は…、

　借方：普通預金 920,000

　貸方：前受金 920,000

　…と相なります。

　修繕積立金の方は…、

　借方：普通預金 460,000

　貸方：前受金 460,000

　…と相なります。

　２つを合体させると…、

　借方：普通預金 1,380,000

　貸方：前受金 1,380,000

　…と相なり、これが答えを構成する仕訳となります。

すべての仕訳を合体させる‐１

　「2月」と「3月」と「4月」に関する仕訳をまとめます。

　「2月」関連の仕訳は…、

　借方：普通預金 150,000

　貸方：未収入金 150,000

　…と相なります。

　「3月」関連の仕訳は…、

　借方：普通預金 330,000

　貸方：管理費収入 220,000

　貸方：修繕積立金収入 110,000

　借方：未収入金 120,000

　貸方：管理費収入 80,000

　貸方：修繕積立金収入 40,000

　…と相なります。

　「4月」関連の仕訳は…、

　借方：普通預金 1,380,000

　貸方：前受金 1,380,000

　…と相なります。

すべての仕訳を合体させる‐２

　実に見難いので、借方と貸方とで、整理します。

　借方は…、

　借方：普通預金 150,000

　借方：普通預金 330,000

　借方：未収入金 120,000

　借方：普通預金 1,380,000

　…です。

　貸方は…、

　貸方：未収入金 150,000

　貸方：管理費収入 220,000

　貸方：修繕積立金収入 110,000

　貸方：管理費収入 80,000

　貸方：修繕積立金収入 40,000

　貸方：前受金 1,380,000

　…です。

　後は、重複した勘定科目を整理するだけです。

すべての仕訳を合体させる‐３

　重複した勘定の数字を合算すると…、

　借方は…、

　借方：普通預金 1,860,000

　借方：未収入金 120,000

　…です。

　貸方は…、

　貸方：未収入金 150,000

　貸方：管理費収入 300,000

　貸方：修繕積立金収入 150,000

　貸方：前受金 1,380,000

　…です。

　選択肢からこれを探せば…、

　正解：1

　…となります。

仕訳がまったくわからない人に

　正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。

　管理業務主任者のテキストは、圧倒的に記述量が少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しかったはずです。

　本試験までに時間のある人は、たとえば、４月～９月にある人なら、いっそのこと、簿記３級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。

　簿記３級の勉強については「簿記３級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。

　簿記３級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、１００％取れるようになります。

　簿記３級レベルなら、２～３週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記３級の勉強するほうが賢明です。

　次に、試験まで時間のない人です。

　テキストを３回読んで、そして、過去問を３回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。

　繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。

　過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。

　仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。

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H27過去問一覧

　1問：民法‐代理・・・「ふつう」。

　2問：民法‐先取特権・・・「ふつう」。

　3問：民法‐債権者代位権・・・「ふつう」。

　4問：民法‐弁済・・・「ふつう」。

　5問：民法‐贈与・・・「ふつう」。

　6問：民法‐賃借権・・・「ふつう」。

　7問：標管委託契約書‐業務費・・・「ふつう」。

　8問：標管委託契約書‐問合対応・・・「ふつう」。

　9問：標管委託契約書‐出納会計・・・「ふつう」。

　10問：時効・・・「ふつう」。

　11問：少額訴訟・・・「ふつう」。

　12問：標準管理規約‐会計・・・「ふつう」。

　13問：標準管理規約‐役員・・・「ふつう」。

　14問：会計・仕訳・・・「ふつう」。

　15問：会計・仕訳・・・「ふつう」。

　16問：税務・・・「ふつう」。

　17問：建築基準法‐鉄筋コンクリ・・・「難」。

　18問：建築基準法‐定義・・・「ふつう」。

　19問：石綿・・・「ふつう」。

　20問：給排水設備・・・「ふつう」。

　21問：受水槽・・・「ふつう」。

　22問：電気設備・・・「難」。

　23問：非常用照明等・・・「ふつう」。

　24問：エレベーター・・・「ふつう」。

　25問：省エネ法・・・「ふつう」。

　26問：調査検査・・・「難」。

　27問：大規模修繕・・・「難」。

　28問：給水設備・・・「ふつう」。

　29問：区分所有法‐共用部分・・・「ふつう」。

　30問：区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。

　31問：標準管理規約‐議事録・・・「ふつう」。

　32問：標準管理規約‐団地型・・・「難」。

　33問：区分所有法‐規約・・・「ふつう」。

　34問：標準管理規約‐管理組合・・・「ふつう」。

　35問：区分所有法‐共有・・・「ふつう」。

　36問：区分所有法‐団地・・・「ふつう」。

　37問：区分所有法‐不法行為・・・「ふつう」。

　38問：区分所有法‐債権・・・「ふつう」。

　39問：判例問題・・・「ふつう」。

　40問：アフターサービス・・・「ふつう」。

　41問：瑕疵担保責任・・・「ふつう」。

　42問：建替円滑化法・・・「ふつう」。

　43問：個人情報保護法・・・「ふつう」。

　44問：借地借家法・・・「ふつう」。

　45問：宅建業法・・・「ふつう」。

　46問：適正化法‐指針・・・「ふつう」。

　47問：適正化法‐書面交付・・・「ふつう」。

　48問：適正化法‐事務報告・・・「ふつう」。

　49問：適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。

　50問：適正化法‐業者義務・・・「ふつう」。

独学向け教材

　使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

　テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

　過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。

　予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー：管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。

民法入門

　民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。

　お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。

会計・仕訳問題

　苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。

　時間があるなら、いっそのこと、簿記３級で勉強します。１００％取れるようになります。簿記３級は、２週間あればマスターできます。

　独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「１点」取れるようになります。

PDF過去問演習

　また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。

管理業務主任者のこまごましたもの

　管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

　興味のある方は、「管理業務主任者：ブログ記事」をばご参考ください。

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