本問は、会計・仕訳の問題で、例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。
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本問の難易度は、「ふつう」です。
会計・仕訳の問題で、最も大事なことは、「時間」の把握です。
本問は、「3月の仕訳」について、問うています。言うなれば、選択肢にある各仕訳は、「3月のもの」です。
2月で切った仕訳や4月で行なう仕訳は、“最終解答”ではないので、注意してください。
問題文を読んで、“何時の仕訳”かを念頭に、解答してください。ここを取り違えると、グダグダになります。
なお、以下の解説がチンプンカンプンな人は、最後の「仕訳がまったくわからない人に」を一読ください。
2月で仕訳を切る取引に当たるのは、「同年2月に代金の一部800,000円を普通預金から支払い」のところです。
当該取引は、工事代金の一部前払いに当たるので、「前払金」勘定で処理します。
従って、当該取引の仕訳は…、
借方:前払金 800,000
貸方:普通預金 800,000
…と相なります。
後段の「残額については、同年4月末日に振込により支払うことになっている。」のところは、要注意です。「そうなっているだけ」の“予定”であり、実際の取引(金銭の移動等)が生じていません。
んなもんで、ここは、仕訳を切りません。よって、「2月の仕訳」は、先の仕訳のみとなります。
次に、3月の仕訳を見て行きます。
まず、「同年3月末をもって工事が完了した」とあります。
当該工事は、「増圧直結給水ポンプ設置工事」です。これは、修理ではないので、修繕費で処理しません。
修繕費ではないのですから、「固定資産の増加」で処理します。勘定科目は、選択肢から推定します。選択肢には「建物附属設備」とあるので、これで処理します。
当該「増圧直結給水ポンプ設置工事の完了」は…、
借方:建物附属設備 4,000,000
…と相なります。
次に、支払いについて見ていきます。
2月の仕訳を思い出して下さい。2月の段階で…、
借方:前払金 800,000
貸方:普通預金 800,000
…という仕訳が切られていました。
つまりは、借方(資産)に、「前払金 800,000」が計上されている、ってな次第です。
3月末の工事完了においては、当該前払金を取り崩します。
んで、残額は、「4,000,000-800,000」の「3,200,000」となります。「3,200,000」は、「残額については、同年4月末日に振込により支払うことになっている。」とあるので、「未払金」で計上します。
よって、貸方の仕訳は…、
貸方:前払金 800,000
貸方:未払金 3,200,000
…と相なります。
先の借方とまとめると…、
借方:建物附属設備 4,000,000
貸方:前払金 800,000
貸方:未払金 3,200,000
…と相なります。
まだ、仕訳は、残っています。
「4月に実施する予定の外壁塗装補修工事に関し、工事費用総額3,000,000円の一部1,000,000円を同年3月31日に工事業者Bに対し普通預金から支払った。」とあります。
3月で仕訳を切る取引は、「1,000,000円を同年3月31日に工事業者Bに対し普通預金から支払った。」のところです。
支払った額は、工事代金の一部前払いなので、「前払金」勘定で処理します。後はカンタンです。仕訳は…、
借方:前払金 1,000,000
貸方:普通預金 1,000,000
…と相なります。
先の2つの仕訳を合体させます。
左の借方は…、
借方:建物附属設備 4,000,000
借方:前払金 1,000,000
…と相なります。
右の貸方は…、
貸方:前払金 800,000
貸方:未払金 3,200,000
貸方:普通預金 1,000,000
…と相なります。
選択肢からこれを探せば…、
正解:4
…となります。
正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。
管理業務主任者のテキストは、記述量が圧倒的に少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しいです。
本試験までに時間のある人は、たとえば、4月~9月にある人なら、いっそのこと、簿記3級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。
簿記3級の勉強については「簿記3級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。
簿記3級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、100%取れるようになります。
簿記3級レベルなら、2~3週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記3級の勉強するほうが賢明です。
次に、試験まで時間のない人です。
テキストを3回読んで、そして、過去問を3回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。
繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。
過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。
仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。
1問:民法‐代理・・・「ふつう」。
2問:民法‐先取特権・・・「ふつう」。
3問:民法‐債権者代位権・・・「ふつう」。
4問:民法‐弁済・・・「ふつう」。
5問:民法‐贈与・・・「ふつう」。
6問:民法‐賃借権・・・「ふつう」。
7問:標管委託契約書‐業務費・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐問合対応・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐出納会計・・・「ふつう」。
10問:時効・・・「ふつう」。
11問:少額訴訟・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐会計・・・「ふつう」。
13問:標準管理規約‐役員・・・「ふつう」。
14問:会計・仕訳・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳・・・「ふつう」。
16問:税務・・・「ふつう」。
17問:建築基準法‐鉄筋コンクリ・・・「難」。
18問:建築基準法‐定義・・・「ふつう」。
19問:石綿・・・「ふつう」。
20問:給排水設備・・・「ふつう」。
21問:受水槽・・・「ふつう」。
22問:電気設備・・・「難」。
23問:非常用照明等・・・「ふつう」。
24問:エレベーター・・・「ふつう」。
25問:省エネ法・・・「ふつう」。
26問:調査検査・・・「難」。
27問:大規模修繕・・・「難」。
28問:給水設備・・・「ふつう」。
29問:区分所有法‐共用部分・・・「ふつう」。
30問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。
31問:標準管理規約‐議事録・・・「ふつう」。
32問:標準管理規約‐団地型・・・「難」。
33問:区分所有法‐規約・・・「ふつう」。
34問:標準管理規約‐管理組合・・・「ふつう」。
35問:区分所有法‐共有・・・「ふつう」。
36問:区分所有法‐団地・・・「ふつう」。
37問:区分所有法‐不法行為・・・「ふつう」。
38問:区分所有法‐債権・・・「ふつう」。
39問:判例問題・・・「ふつう」。
40問:アフターサービス・・・「ふつう」。
41問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。
42問:建替円滑化法・・・「ふつう」。
43問:個人情報保護法・・・「ふつう」。
44問:借地借家法・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:適正化法‐指針・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐書面交付・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐事務報告・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐業者義務・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。
予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。
民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。
お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。
苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。
独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。
また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。
管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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