独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

しないで済む

お勉強におきましては、「しなくてはならない」やら「すべきである」といった風に考えがちでございます。
もちろん、その通りでございます。
やるべきことをやらずしては合格することはできません。ライバルは皆やっているのですから、特段に自分だけがしなくても良いというわけには行かないのでございます。
しかしながら、こうしたべきべき論のみに凝り固まると、ときにお勉強がイヤンになったり、やる気も喪失していくものでございます。
そこで今回のススメでは、義務とは逆方向の考え方を見ていきたいと思います。
即ち、「やる」「すべき」といった観点からではなく、「やらない」「しない」観点から目の前のことを見て行くのでございます。
簡単にいいますと、「どうすればそれらのことをしなくて済むか」と考えるのでございます。
これ以上やらないようにするにはどうしたらいいのか、どういう状態になっておけばやらなくて済むのかを考えていくのでございます。
極論をいいますと、合格さえしてしまえば、いま目の前のすべきことは全てから解放されるものでございます。
しかし、そんなことを考えても何の足しにもならないのは、こま鼠でもわかる道理でございます。
そこで、少し思考の駒を1歩戻して、お考えくださればと存じます。
たとえば、憶えるべき表・リストがあるとして、では、どうすればこれらの暗記作業をやらずに済むかと考えるわけでございます。
しっかり憶えるとだけ考えても、中々に頭には入っていかないものでございます。
しかし、記憶というのは脳に着床するまでが大変ですが、いったん憶えると再記憶は用意になる性質がございます。
ならば、一定の期間を取り、記憶の母体ができるまではそれだけを毎日繰り返してみるのでございます。
ある程度記憶が固まれば、それ以降は短時間の目視確認か移動中等の細切れ時間で消化していけば、やらなくて済むと考えられるかと存じます。
問題演習におきましても、どうしたら演習しなくて済むかと考えていきましょう。
問題演習の目的とは要するに、本試験問題が解けるようになることでございますから、試験に出そうな重要問題さえ完全にマスターしておけば良いのでございます。
間違えた問題とわからなかった問題のみを徹底して繰り返してから、残りのできた問題をざっと見直せば、当分は手にしなくても済むかと存じます。
なお、過去問のみは、済ませられるものではありませんので、本試験まで何度も繰り返すようご助言いたします。
このように、やらないで済むように考えていきますと、自分の最終像といいますか最終形に思いを馳せることになるのでございます。
こうなっておけばいいという状態が具体的に固まれば、日々のお勉強というのは引き算となって参ります。
AをしてBをしてCをする分最終形に近づくのですから、どんどんゴールは近づいてくる感じがするのでございます。やる気は目だって変わってくるものでございます。
べきべき論のみでしか考えないと、やるべき義務ばかりが積み重なって息苦しくなってまいります。
逆の「しないようにするには」と考えることで、幾分か目の前のお勉強の負担が軽くなることを頭の片隅にでも置いてくださればと存じます。

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お気楽ベース

独学の基本姿勢は、「気楽に」でございます。
うんうんと腕組をして唸り続けるなら、机の前を離れてお茶でも飲みながら考えてみましょうといった塩梅でございます。
といいますのも、ほとんどの試験では、6〜7割取れれば合格する事実があるからでございます。
うんうんと唸る価値があるのかどうか、まずはその見極めが独学では大切でございます。
90点や100点を取らないと合格できない試験であるならば、がむしゃらに一本気でやっていけばいいのでございます。
目の前の教材の最初から最後までを満遍なくおさえて、失点を阻止するお勉強をしていかなければ合格できないからでございます。
とはいえ、先ほどいいましたように、大概の試験では7割取れればまず合格、6割取れれば合格ラインでございます。
ですから、いってしまえば、わたくしたちのすることも、全体的に6〜7割程度の完成ができていれば良いのでございます。
しかしながら、6〜7割仕上げの意味を取り違えてはいけません。試験範囲の6〜7割ができていれば良いという意味ではないのです。
言っておきますが、試験範囲が6〜7割しかできていなければ、まず落ちると考えてもらって結構でございます。
未学習部分から1点の取れる基本的な問題が出た時点で、凄まじい点差を背負うからでございます。
全試験範囲を済ませておくのは当たり前の話ですので、取り違いなさらぬようにご警告しておきます。
さて、では、何をもって6〜7割なのかといいますと、平均的に見た数字なのでございます。
当ススメでも何度も述べてまいりましたが、試験勉強で重視すべきは、試験に出るところでございます。
わたくしたちは知識や教養を得るためにお勉強をしているわけではないのでございます。
合格するためにお勉強をしているわけでございます。
お勉強の眼目は、試験に出るところ・頻出するところ・重要なところについては、100%点が取れるようにしておくことでございます。
言葉を換えていえば、「テキストや問題集、特に過去問に出たことは100%解けるようになっておこう」ということができるかと存じます。
或る試験に出るところは100%きっちりですが、まず出そうにない単元は30%くらいしか見ないのでございます。つまり、全部が全部、完全にできるようになっておかなくても良いのでございます。
力を入れるところを意識してくださればと存じます。
繰り返しますが、試験に出るところ・頻出するところ・重要なところについては、きっちり確実に記憶・理解して、点数が取れるようにしておくのでございます。
試験に合格する人というのは、試験に出るものをしっかりとおさえた人ということができるかと考えます。事実として、テキスト丸々1冊を全て丸暗記しなくても、試験には合格するものでございます。
試験に出ないことを一生懸命になっても、結果には繋がらないことが多くなってございます。
いま、目の前のことは、本当に試験に出るものなのかをお考えくださればと存じます。
過去問に出たのか、テキストには黒線が引かれているのか、問題集で、模試で問われたのか、どうしてそれを一生懸命にやるのか、その根拠をしっかりお掴み下さればと存じます。
出るところであれば全力を、そうでないなら「なるほど」程度で済ませておくことでございます。
力を入れなかったところは、後々余裕の出たときや直前期に見直しておけばよろしいかと存じます。
独学の基本が気楽なのも、目の前のこと全て100%を憶え理解しなくても良いからでございます。
10年に1回しか出ないものよりも、毎年の如く出るものをしっかりおさえた者が勝つのが試験。
出るところは100%で他は適当。全体から見れば6〜7割完成といった塩梅でございます。
「全体的」に6〜7割の完成という意味を忘れないようにしてくださればと存じます。

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地図なみ

地図というのは便利な道具でございます。
老若男女、誰がどう使っても各自の目的地に到達することのできる道具でございます。
市役所に行こうと思えば、下は小学生から上はお年寄りまで、地図を見れば行くことができるのでございます。
まさに、この地図を見る能力・知識は、わたしたちの生活の中で確かなものということができそうでございます。
わたくしたちのまわりには、さまざまなテクニック、ノウハウ、技、技術、知識に知恵、智が溢れてございます。たとえば、料理のレシピやダイエット法・健康法でございます。
わたくしたちは、こうした物に接するときには、「地図の見方」を基準に考えていけば過ちを犯さないように考える次第でございます。
こうした物には、誰でもできる・すぐできる・簡単などと明記されておりますが、いざやってみるとめんどくさいものでございます。
実際には、さまざまに必要なものが出て来るのでございます。気力とか根気さとか、手間隙を惜しまない心といったものでございます。
しかしながら、そうした物には、それ以外に必要となるものは列記されておりません。ですから、大量のレシピを買い込んだといえどもひとつも作らずじまいとなったり、痩せるために毎日ランニングだとシューズを買っても埃を被ることになるのでございます。
それで本当に十分なのか、それは本当に正しいやり方なのか、こう考えるときに地図なみにできるものなのかを考えていけば、妖しい・危険・要注意のランプが点灯するのではないかと存じます。
○×式体操や○○ダイエットなどに何度も騙された方は、地図なる簡明な道具を「1」と見立てて、それらの方法論がどれほどの難易度を含むものであるかをお考えくださればと思います。
きっと、嗚呼やっぱりダメだったと臍を噛むことも少なくなるかと存じます。
さて、お勉強についてでございます。
お勉強においても、さまざまな方法論がございます。
そのひとつひとつを見ていくわけには行きませんが、お勉強におきましては、続けること・復習して記憶を新たにすること・過去問を何度も解くことの3つが地図なみの明快さで実力を伸ばすものであるかと考える次第でございます。
続けることは記憶と理解の元でありますから、実力アップに欠かせないものでございます。
復習も記憶の維持と更新に欠かせません。復習によって記憶は出来上がるものでございます。
過去問は試験の中で最も重視すべき教材ですから、これまたしっかりとやっておかねばなりません。
大小さまざまの方法論がありますが、上記3つさえカバーできていれば、誰でも実力を伸ばすことのできる方法ということができましょう。
逆にいえば、これら3つのうち何かが欠けていたり記述が少ないときは要注意であるといえましょう。
わたくしたちが求めているのは、確実なものであることを思い出してくださればと存じます。
ダイエットの真髄が腹八分であるように、外見に惑わされずに地図並みの明快さをお求めくださればと存じます。

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