独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

精神の赤字

赤字とは、入るよりも出る方が多い場合に発生するものでございます。
当たり前なのですが、収入に見合わない支出がある場合、赤字に転落いたします。
赤字になると貯金を取り崩したり、借金をして不足分を賄わねばなりません。
同時に、収入を増やす努力をするか、支出をおさえるべく、無駄な経費・出費を見直して行くことになります。
ここまでは、皮膚感覚でわかるものですので、自明のことであるかと存じます。
そう、家計上の赤字、または会計上の赤字というのは、わかりやすいのでございます。
しかしながら、精神の赤字というと、多くの人がピンと来ないのでございます。
精神の赤字とは、やる気が全くでなくなった絶不調や大低調期の精神状態とお考えくださればと存じます。
やる気も満れば欠けるものでありまして、補充しなければ欠けたままであるのは言うまでもないのでございます。
お勉強というのは、その時間の半分を己に強いる性質がございます。少なくとも、アハハと笑いながらできるものではありません。
ときには、精神的にはきついこともあるでしょう。お勉強中においては、やる気は、出て行くばかりなのでございます。
そして、やる気をずーと、無理やりに出し続けていると、最後は蓄えも無くなって、精神の赤字となるのでございます。
お勉強の実際といいますのは、できるまでが大変でございまして、逆に言うと、できるようになると楽になるのでございます。
ときたま、10時間以上も机に向かっている受験生の存在を耳にすることがあるかと存じますが、種を明かせば、やっていることの負担が少ないか軽いが故に、それほどの時間をお勉強に費やすことができるのでございます。
負担が軽いとは、できることの再確認であったり、記憶の改めであったり、見聞きしたことをもう一度チェックしたり、解いたことのある問題を解きなおしてみたり等々、作業の負担はゆるいのであります。
全く知らないことを読んだり理解したり憶えようとするのは、実に負担のある作業なのでございます。
ですから、こうした見知らぬことをするときは、ストレス強度が高いことを意識して、やる気の算段をつけねばならないのでございます。
お勉強といいますのは、読みさえすればいいわけでもなく、書きさえすればいいだけでもなく、調べさえすれば、まとめさえすれば、要事だけつかめばよいというわけではないのです。
きちんと頭に入れてそれを本試験時に紙の上で展開できなければならないのでございます。
机前の作業の中でも、ストレスのかかる作業であるといえましょう。ですから、今日だけでなく明日以降も、どう、やる気を維持するかの視点が大切になるのでございます。
本試験が間近に見えているならまだしも、まだまだ日があるのにやる気を消耗し尽くすようなお勉強は控えたほうがよろしいかと存じます。
また、根を詰めず、お勉強の合間にこまめに雑用でもして、息抜きと気分の転換を図るべきかと考えます。
お勉強といいますのは、短期決戦ではなく長期戦でございます。長期戦で必要になるのは補給でございます。
ちょっと上等な菓子で自分を釣ったり、あれやこれやでやる気の補給線を確保していって欲しく存じます。

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朝のうちに幾分か

これまで、ススメにては、朝のお勉強を推奨して参りました。
朝一番だと脳がそれほど疲労しておらず、大いにお勉強が捗るからでございます。
夜のお勉強だとうんうん唸っていたことが、朝にやるとすっと理解に及ぶことが多い、というのがわたくしの個人的な経験でございます。
ですから、難しいことはできるだけ朝にやって、簡単なこと、確認的なこと、記憶するようなことは夜にやるようにしているのでございます。
夜、眠い目をこすって30分の勉強時間を取り、寝入る時間を30分押すのであるなら、わたくしは、早々に寝入ってしまい、朝30分早く起きてお勉強に取り組むかと存じます。
ポイントは、時間数は変わっていない点でありまして、時間帯を変えていることでございます。
同じ30分なのですが、それを何時やるかで事態は大きく変わってくることを、方法論のひとつに組み入れて欲しく存じます。
朝やると進むというのみならず、朝にやっておくとその日1日、気が楽なのでございます。
まったく何も手が付いていない状態ではなく、多少、終わっている状態だからでございます。
家に帰ってから「必ずやらねばならぬもの」が残されているよりかは、「もうちょっとやればいいもの」「少し終わっているもの」が残されている方が、大いに気が楽なのでございます。
気が楽であれば、やらないとなあとうだうだグダグダする割合も少なくなりますから、お勉強のサボり係数も下がるというものでございます。
少しでも済ませておけば楽になる、このメカニズムを利用しない手はないかと存じます。
難しいことでも、少しでもやっておけば、突破口が開けると申しますか、まったくのゼロに比べれば手が付けやすいかと存じます。
巨大な堤防も、蟻の開けた穴ひとつで決壊すると申します。
油断するなということですが、逆に言えば、どんなに巨大で難しくて量があって頭が痛いものでも、蟻穴ひとつで突破できるというわけでございます。
電車の行き帰りで今日やるところをさっと流し読みするだけでも、違ってくるかと存じます。
今は蒸し蒸しして湿度に消耗する梅雨時、そして、すぐに汗だくの毎日となる真夏日が到来いたします。
体力面、スタミナ面、気力の面からも、朝の方が有利であるかと存じます。
疲れてどろどろの状態でお勉強に臨むよりも、しゃっきりした朝で幾分かすませ、夜は余力を以って残ったものへの掃討戦に臨んだ方が負担は少ないかと思います。
数少ない気合や精神力のカードを使うよりも、まずは、今できる手段とソースの中で現状の突破をお考えくださればと存じます。

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やってく理由は

小人閑居して不善を為すといいますが、まさに言の通り、人間まったくヒマで1人の状態で居ると邪なことをしだすのでございます。
「ひとつ」というのは不安定なのでございます。
現在、合法的にコカを摂取できる国に、ボリビアという国がございます。
コカの葉をほっぺたと葉の間に何枚か詰め込んで、リスが木の実を蓄えるようにふっくらさせ、アルカロイドが解けやすくなる小道具を口に放り込む姿が、ごく日常的にあるとのことでございます。
コカインは言うまでもなく、コカの葉や種子を所持することすら禁じられている日本では考えられない情景でございます。
さて、では、100%解禁されているボリビアではコカ中毒者がたくさんいるかというとそうではないのでございます。
実際に多いのはアルコール中毒の方で、コカを求めて街をさまよったり、犯罪に手を染めるコカ中毒者というのはそれほど居ないのでございます。
居ない理由のひとつに、1人でこっそりやらない点がございます。隠れる必要がないので、皆堂々とコカの葉を口に含みます。
なんでもそうですが、あまりに過剰に摂取している人が居ると、人はそれを止めるものでございます。
たとえば、毎日、コーラを10本20本以上飲んでいたら、毎食ケーキを食べていたら、流石に友人家族同僚近所は止めに入ります。「健康に悪いよ」と。
コカも同じ理屈で、膨大な量のコカを口の中に詰め込んでいると家族等周りの人が止めに入るので、中毒にまで至らないのでございます。
また、2000年以上コカを摂取してきたボリビアには、コカの過剰摂取の治療・対応策が出来上がっていることでありましょう。
逆に言えば、中毒や依存症にまで到るというのは、こっそり、ひとりで、隠れて、継続的に摂りうる環境が成立するときに、発生しやすいということができましょう。
たとえば、マンションの一室で毎日浴びるように酒を飲む人と、飲み会など人の居るところや配偶者と一杯やるのが趣味という人では、明らかに前者の方がアルコール中毒になりやすいといえるのでございます。
以上は、本から読んだ知識ですし、わたくし自身、コカについては見たことも吸ったことも無いのでわかりませんが、アルコールに関しては、さもありなんと思った次第でございます。
依存症・中毒になる過程のキーに、孤独があることがわかっただけでも、勉強になったなあと思うのでございます。
さて、話はお勉強に戻ります。
「ひとつ」は不安定、ということを思い出してくださればと存じます。
お勉強は単に、資格を取りたいと思っているだけでは、続かないかと存じます。
目の前のことをやる理由が、単に資格取得では、1週間から1ヶ月ほどしかもたないのではないかと考える次第でございます。
ひとつの理由でやっていくのは、潔ぎよくはありますが、やる気の持続には不適当であるかと存じます。
Aのため、Bのため、Cのため、Dのため、Eのためなどなど、4つか5つくらいはお勉強をする理由をもっておくと、めんどくさくなったときの建て直し材料になるかと思います。
知識・教養を付ける(物を知らないで恥をかいたではないか)、時間を有効に利用する(テレビだらだら生活に戻るのか!)、次のステップにする(履歴書に書くことが無いではないか!)、お菓子を食べる口実だなど、いろいろにお勉強の理由は考えられるかと存じます。
お勉強というのは困難とめんどくささに彩られた不安定な作業でございます。
4つか5つの理由をもって、お勉強をする意欲の補強をしてくださればと存じます。

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