独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

途中だからね

お勉強といいますのは、すっきりしないものでございます。
久しぶりに内容のある、充実したお勉強ができても、何かすっきりしないものが燻っているかと存じます。
何ともすっきりしないといいますのは、お勉強の本質でございます。
といいますのも、お勉強と言うのは、ほとんどが途中であるからでございます。
考えてみれば明白なことでありますが、お勉強の終わる日といいますのは、本試験というその日しかありません。
本試験に至る間、つまり、試験勉強期間の中にあっては、ある日にどんなに素晴らしいお勉強ができたとはいえ、それはあくまで途中の1エピソードでしかないのでございます。
ゴールはまだ先、という意識が、いいお勉強であってもからっと喜べない原因ではないかと考える次第でございます。
また、こうとも言えるかと存じます。
お勉強がすっきりしないのは、常に本試験の間にあるため、どうしても掴み所のない宙ぶらりん状態のためである、と。
たとえば、いいお勉強をしたら試験官が来て、「よくやった」などといって、本試験で使えるクーポン券「最終得点より1割アップ券」や「特別3点プラス券」、「失点から5点バックします」などをくれるのであれば、すっきりして、清々するかと存じます。
しかし、現実にはこんな夢物語のようなクーポン券はありませんので、いくらいいお勉強ができても、それは所詮、本試験までの旅の途中、はかない1物語となるわけでございます。
お勉強におきましては、「継続が基本」とか「無理をしてはいけない」と言われますが、それは、お勉強の大半が途中にあるから、と考えれば合点が行くのではないかと存じます。
山登りと同じ理屈でございます。頂上まではまだなのに、いきなり走り出したり、5分間競歩して後はずーと立ち止まったり、自分のペースを超えて登っても、すぐにばててしまって結局は、普通の歩くよりも遅い上に疲労困憊するといった結果を享受することになりましょう。
この3日間、炎のように燃え上がってお勉強に励んでも、本試験まで数ヶ月という時間が残されているなら、その努力は実効性の少ないものになってしまうでしょう。
そうした意欲があるなら、毎日毎日に取り分けて使っていった方が良い結果を享受できるかと思われます。
「しっくりこない」ことが、お勉強の構造上の問題であることがわかるだけでも、すこしくスッキリできるかと存じます。
それは、家で焼肉をすればリビングだけでなく部屋中が煙り臭くなるのと同じくらい、発生する現象なのでございます。
わたくしたちにおきましては、お勉強とは常に「間」にあることを意識して、日々目の前のことに取り組むのが賢明でないかと考える次第でございます。

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それが普通

お勉強といいますのは、一本調子では行かないものでございます。
よほどカンタンな試験か、前提となる知識や経験を豊富に持っていないと、すらすらっと進まないものでございます。
大半の方は、お勉強中に、調子が悪いとか、理解が及ばない・足りない、憶えられない、進みが遅いなどなどの障害に遭遇しているものでございます。
これらの現象は、一見だけすれば、よくはないことでございます。
しかしながらお勉強の状態は、「よくない」のが普通であることを、ご理解いただければ存じます。
まずは、この点をしっかり意識しておくことが、現状打破の第一歩であるかと存じます。
お勉強の大半は、よくはないのでございます。
ほとんどの人がよくない状態のなかで足掻いているものでございます。
わたくしのこれまでの人生の中で、圧倒的に余裕だったことは、ほんの数回くらいしか耳目したことがありません。
比較を絶して余裕だった人を見たのは、自動車学校で見かけたある人位でございます。
その人は元プロドライバーでしたが、飲酒運転か何かで免許取り消しをくらってしまい、仕方がないから再び自動車学校に行って授業を受けていた、何ともマヌーな人でございます。
元プロのドライバーですから、実技も路上も余裕の上に余裕でございます。
他の生徒がぎこちなく、それこそ緊張の趣で運転しているのに対し、件の彼は鼻くそをこねるくらいの余裕ぶりを発揮しながら運転していたのでございます。
あれほど余裕と言う二文字を体現した人を見たのは、それっきりでございます。
皆様方におきましては、本当に余裕綽々の人など、極稀にしかいないとお考えくださればと存じます。
お勉強と言いますのは、頭の中の作業でありまして、外からは窺い知れないものでございます。
凄く成績の良い人が、頭の中では本当に苦しみ悩んで不安に苛まれながらお勉強しているのは良くあることでございます。
逆に言えば、心中に大きな不安を抱えているからこそ、お勉強・復習・演習をするといってもよかろうと存じます。
もちろんのこと、「よくない」状態ではなく、良い状態のほうがいいに決まっています。
理解が及んでいる方がいいのは当然ですし、すらすらっと覚えられた方が低ストレスです。
各種問題も、さっさと終わらせる方がいいことでございます。
とはいえ、先ほどもいいましたように、お勉強の全てでこうした状態になるのは、なかなかに時間がかかりますし、ある程度の努力を投下しなければ到れないものでございます。
お勉強の大半は、よくはない状態が続くのでございます。
しかしながら、よくはない状態の全てが悪いというわけではないのでございます。
できない・わからない・忘れているといった状態を、あってはならないものだという風には考えてはならないのでございます。
よくはない状態は、お勉強で言えば当然に遭遇する現象、現われる事態でございます。
言うなれば、歩いたり走ったりすれば息が荒くなったり、汗がじとったりするのと同じくらい、当たり前のことなのでございます。
そうであるのに、無闇に落ち込んだり、やってきたことが徒労に終わったと意気消沈したりするのは、愚かであると存じます。
よくないのが普通の状態であり、それをどう「まあまあ」の状態に持って行くか、そして、本試験のその日に1番良い状態に持っていけるかが、お勉強の眼目であるかと存じます。
よくない状態に一憂することなく、焦りもしなければ過度に背伸びをせず、淡々と目の前のことにお臨みくださればと存じます。

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お悩みの大半は

お悩みの大半といいますのは、後から振り返ってみれば、何と言いますか、くだらないことで悩んでいたなあ、どうでもいいことを拘っていたなあと思うものでございます。
過去のお悩みも、その当時は、まざまざとした現実感を以って、わたくしたちに憑り付いていたはずでございます。
しかしながら、今となっては、そんなことを悩んでいたのかと、きょとんとすることばかりでございます。
昔の日記を読んでみれば、あまりに馬鹿馬鹿しくて赤面すること煮タコの如し、でございます。
過去を振り返ってみれば、多くの問題というのは、時間とともに解決して行くものでありますし、大半は取るに足らないものであることにお気づきになられるかと存じます。
本当に苦しいのは、愛別離苦、病気怪我、負債借金、裏切りなど、十指に足らないと思うものでございます。
逆に言えば、十指以外のことについては、あまり苦しくもないし、言ってしまえば、何とでもなるといえるわけでございます。
お勉強というのはカンタンなものではありませんし、相応のストレスとプレッシャーに見舞われるものでございます。
しかし、人生の十指の問題に比べれば、本当にランクの桁が違うものでございます。
お勉強におきまして、問題や障害に遭遇したときは、独り鬱々としないことが大切であるかと存じます。
お勉強の問題そのものは、高度の独自性もありませんし、あなた個人のみに発生するものでもありません。
おそらくは、多くの受験生が味わっていることでありましょうし、既に合格した人も、お勉強中には味わわざるを得なかったことでありましょう。
あなたがわからないところを、同じようにわからない受験生は数百数千はいるでしょう。
あなたが忘れやすいところを、同じように忘れてしまう受験生も数百数千はいることでしょう。
いわゆる頻出事項と言うのは、受験生の多くがついうっかり間違えたり、憶えにくかったり、混同しがちなところが多いものでございます。
そういったところを出題者は、執拗に狙ってきます。受験生と言うのは、皆が皆違うようで、実は同じようなところを正解し、同じような問題を間違い、似たような引っ掛けに引っかかっているものでございます。
どんな問題におきましても、既に先例がございます。自分だけの問題と考えないことでございます。
わたくしたちは、これまでに幾つかの障害と難関とを超えてきたのでございます。
おそらくは、今回も天はわたくしたちが乗り越えられるトラブルをもたらすことでしょう。
どんな問題も障害も苦難も終わりがあるものでございます。来る幸福な日を思って、自重してくださればと存じます。

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