独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

数ある中のひとつ

基本的に、方法というのは数限りなくございます。
例えば、ある場所に行くにしても、電車で行くこともあれば、バスで行くのも、歩きでも、自転車で、または、タクシー・ハイヤーを使うことだってできるわけでございます。
いろいろ手段があって経路も様々、それぞれに趣あるかと存じます。
進め方・やり方・方法というのは、数あるうちのひとつであることを、意識の片隅にでも置いてお勉強くださればと存じます。
「いい」といわれるやり方でも、所詮は数ある手法のひとつでしかないのでございます。
お勉強におきましては、「それ」でなければならない、絶対的な理由など無いのでございます。
お勉強というのは、本当に人それぞれでありまして、ある人にはいいやり方が他の人には効かなかったりするのでございます。
わたくし自身のことでいいますと、暗記ペンというのが全く性に合わなかった記憶がございます。
クラス中で大いに流行ったのでわたしもやってみたのですが、目がチカチカするし引くのが面倒だしで、結局数ページじか使わなかったのでございます。
わずか数ページだけ引かれた紫マーキングが鮮やかだったことを、合わなかった証として今でも憶えているのでございます。
お勉強というのは、どうしても人それぞれにならざるを得ない面がございます。
お勉強といいますのは、憶えたり、理解したりするために行うのでありますが、実感として、憶える瞬間や理解したときというのははっきりしないのでございます。
電球が点くように何かを憶え理解したことを把握できるのは、数えるほどしかないように思います。
実際のところ、気が付いたらそうなっていたのではないでしょうか。
ですから、Aという方法論ゆえにできるようになったのかどうかは、確かめ難いし、はっきりということができないわけでございます。
独学が、「自分からやる」「自分で決める」「自分で合う方法でやる」ことを重視していますのは、まさに、この理解や記憶の不確かさを踏まえているからでございます。
何がうまくいって、何がよくないのかは一概には言えないのでございます。
例えば、酒を飲みながらの勉強は、9割の人がダメでしょうが、意外にお酒を飲むと頭が覚醒する人も居られます。ですから、このような人は、難しいところや難所のお勉強は一杯やりながらでもよろしいでしょう。しかし、わたくしには絶対的に無理ですし、他の人にもこんな特殊なやり方を推奨致しません。しかし、それでうまく行く人もいるのは事実でございまし、うまく行くならやるべきなのでございます。
結局、わたくしたちの頭の中のメカニズムが曖昧でよくわからない以上は、どの方法が良いか悪いかではなくて、自分に合っているかどうかが大切になってくるかと存じます。
朝学習はわたくしが大推奨する勉強のやり方ですが、低血圧の人にとってはトンデモナイものでありましょう。ならば、朝学習などやらず、もっと他のやり方を模索してみよう、ということに相成るのでございます。
お勉強といいますのは、もっと自由にやっても良いものですし、もっと自分に適したようにやっていっても支障はありません。
刃物や機械の取り扱いには一定の手順を守らなければいけませんが、お勉強ではそうではありません。
もっと頭を柔らかく、先入観を捨て、凝り固まった勉強へのイメージを緩めて、自分の勉強というものを見直してくださればと存じます。

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悪化の論

思いますに、人間の意識といいますのは、本当に困った仕組みをしてございます。
例えば、ああ、困ったなと思うことがあると致しましょう。
わかりやすいように数字で表しまして、難易度「5」の困ったことがあったとしましょう。
しかし、この「5」の事柄は、そのときの気分や体調によって、感じ方は大きく異なってくるのでございます。
ちょっと疲れていたり、睡眠不足なだけで、受け取り方が全く違ってくるのでございます。
元気なときですと、さっさと済ませてしまおうと、ちゃちゃっと片付けるのですが、こちらの事情如何によっては、7にも8にも、ときには10にも見えてくるのでございます。
そうなると、やはり、やる気というのは常よりも大きくもって、気合を無理してでも入れてやらなければならなくなります。
その結果、余計に疲れると相成るわけでございます。
そら、難易度5に対しては5の力で済むのに、7や8を出していれば2割3割増しで消耗するわけでございます。
受け取り手の事情、つまり、わたくしたち自身がどうであるかで、物事の感じは異なってくることを意識の片隅にでもおいていてくださればと存じます。
季節の変わり目でぐったりしているときや、残業に疲れているときに、難解なことを考えても全く詮はありません。
仕事明けでありましたら、身体の状態は魂の抜け殻で、やる気の残りかすばかりでありましょう。
そんなときは、「5」のことでも大きく見えてしまうのでございます。
運の悪いことに、そういう元気のないときに、忘れてしまったところばかりにあたったり、極端に難しい論点にぶつかったり、問題を間違えてばかりしてしまうのでございます。
通常なら、(ああ、またかいな)で終わるのに、こちらが疲れて気落ちしているものですから、なんでもない普通のことなのに、(ああだめだなあ)と深く意気消沈してしまうわけでございます。
よくよく考えてみれば、これまでにも、よく忘れよく間違って来たのでございます。
いまさら、という気分すらあるものですのに、その日に限って、なんだかなあという心持ちになってしまうのでございます。
落ち込みつつあるときは、自身の体調をよくよく見てみることでございます。
毎日の飲酒と仕事の過労が祟って、体力の最も少なくなっているときかもしれません。
季節の移り変わりで弱っているときや、未知のウイルスと体内の白血球が戦っていて、身体全体が弱っているときかもしれません。風邪を引いているときかもしれません。心配事が心を巣くっていて気重であるかもしれません。
そんなときには、やはり、つられて悪い方に、よくない方に考えがちなのでございます。
そうすると、ますます悪い方に考えてしまい、これまた、余計に立て直すのに手間がかかるわけでございます。
我が身を見て、こいつぁ悪い方に考えちゃダメだなと気付いたときは、さっさとやめて布団に入るのが1番でございます。体力の回復とともに気力の方もしっかりして参ります。
それかきっぱり、悪くなりそうなことを考えないことでございます。どうしても考えてしまうなら、お勉強はいったん中止して、その考え事とがっぷり四つに相対すべきでございます。
戦力の逐次投入は兵家のもっとも忌むべきことでございます。
弱っているときに、弱りそうなことをしない、考えないだけでも、事態は好転していくかと存じます。
天国と地獄は胸先三寸で決まると、古人は申しております。

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「若さ」は理由に

確かに、年齢を経ると記憶力というのは落ちるかと存じます。
それは事実ではありますが、しかしながら、だからといって憶えられない言い訳にするのは、いかがなものかと存じます。
記憶力が落ちた分、何かしらをわたくしたちは得ているものでございます。
例えば、忍耐力は格段に上がっているのではないでしょうか。
隣で寝る人の顔を毎日見れば、それはもう、忍耐力も増すばかりでございます。
集中力というのも、増したように思います。かつては落ち着きがなくて、30分と同じことができない人でも、いまや、何時間と同じ作業が可能になっているのではないでしょうか。
失った分、何かを得ているのでございます。
失ったものだけを殊更に述べても事態は何も変わりません。逆に得たものから、どうしたらそれをカバーできるかを考えるのが穏当であるかと存じます。
また、こうともいえるのではないでしょうか。
かつての若いときの自分と今の自分とでは、どちらが頭がいいかと考えてみるのでございます。
やはり、多少、ものがわかってきたと言えるのは、今の現状の自分であって、過去の自分ではないように思うのでございます。
昔は頭が良かったけど、今は馬鹿だぜという人は、そんなに数いないかと存じます。
少なくともわたしは、若いときの自分の無知さ加減を恥ずかしく思っている一人でございます。
ほとんど何も知らなかったというのが今の実感でございます。
おそらく、同じように思う人が多いのではないでしょうか。
さて、では、記憶力が良くて頭が悪い方がいいのか、記憶力はそれほどでも頭はまあ良い方のどちらがトクか、というわけでございます。
やはり、後者の頭のいいほうを選ぶのではないでしょうか。
ならば、多少、記憶力が欠けたにせよ、嘆くことはないように思います。
実際問題、体力の問題はあるかと存じます。若いときに比べてみれば、やはり、体力も落ち気味であるかと思います。
かつては、一晩二晩寝なくても平気でしたが、今や全くという方が多いかと存じます。
しかし、一晩二晩寝ずにやったことというのはなんだったのでしょうか。あんまりたいしたことはなかったように思います。
といいますか、寝なくていいことはできるのでありましょうか。やはり、きちんと睡眠をとらねば質の良いものはできませんし、また、質の良いものを生み「続けること」もできないでしょう。
体力や元気の問題はあるにせよ、やはり、一長一短であるかと存じます。
また、体力などは、食生活、特にお菓子類、加工食品の摂取量、飲酒、喫煙によって大きく変わってきます。
まずアルコールです。少し酒を断つだけでも、全く身体の調子は変わります。
次に、脂質や糖質が多量のお菓子です。
和菓子や果物に変えるだけでも、肌や健康の状態は変わってきます。特にお勧めできるのは、林檎です。毎日1個食べていると本当に風邪を引かなくなります。喉の調子も上々です。
そら、毎日それほど歩かず運動もしなかったら体力は落ちるし、本を読むなど知的なことをしなければ脳も退化することでありましょう。
失ったものがあれば何かを得ているのでありますし、失ったと思ったら単に自分の生活がよろしくなかったというだけのことが多々ございます。
「若さ」で煙に巻かないことでございます。それは多くの場合、一種の逃げなのでございます。

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