考えるヒント、などと申しますと、非常に僭越なものがありますが、考えるにあたってなかなかのコツを1つ、ご紹介したく存じます。
それは、タイトルそのままなのでありますが、「最悪を考える」といった次第でございます。
現に今、わたくしたちの頭を悩ましているもの、不安にしているものがあるかと存じますが、それに立ち向かわないといけない時は、まず、最悪を考えます。
例えば、お金を落としたとしましょう。
これだけでもショックなのですが、いろいろと想像や予想を加えてみるのでございます。
はっきりいいますと、1万円落としたとしても、それはそれでものすごくショックですが、取り戻せない額でもありません。
これまでにこの程度のむだづかいはあった筈でございます。
例えば、着れなくなった洋服、結局着なかった服等、被服費のトータル額を計算して見れば、1万円を落としたショックも和らごう、という次第でございます。
ならば、お金を落としたことはもう済んだ事として、すっきり処理できるのではないかと存じます。
株やギャンブルですった額を思い出してみたり、今はもうしていない趣味へ費やしたぞっとする総支出額を思い起こしてみれば、しっくりいただけるのではないかと存じます。
以上は、額についての考えですが、落としたことについても色々と考えられるかと存じます。
会社の売り掛け金を落とした、おろした直後にボーナスを落とした、果てには通帳と印鑑を落とし、婚姻費用やマイホームの頭金でためたすべてがパーになった、老後資金が騙し取られた等々と、お金を落とす最悪なケースを色々と考えられるかと存じます。
個人的にお金を落とすので最悪だなと考えるのは、結婚指輪を買おうとしていいところを見せようと、現金で買おうとして、お金をポケットに入れて、未来の配偶者と一緒に店に入ってあれこれ眺めてさてこれを買おうとしてポッケを探るがお金がない、落とした事に気付く!といった次第でございます。
あなたの気持ちは嬉しいわ、などというでしょうが、指輪を手に入れ損ねた事で心中は煮えくりまくっていることでしょう。
最も大事なところでヘマうつ、へたれ野郎という烙印が一生押されるわけでありまして、最も取り返しの付かないお金落とし、であるかと存じます。
最も酷いケースを想定してみれば、まあ、現実の衝撃も幾分かは和らぎますし、もっと冷静に事態を考えられるものでございます。
さて、お勉強でございますが、最悪のケースを考える事は、損ではないように思います。
最悪の事態とはどうなるか、と考えてみる事で冷静かつ理性的な判断がくだせられるように思います。
試験勉強の最悪のケースといいますのは、数年にわたる試験勉強をしたはいいが、不合格のまま挫折する事になる事態かと思います。
ざっと計算してみますと、テキスト代等の受験費用が1年当たり3万円として、仮に2年間受験したとすれば、総計6万円の損。
1日2時間・2年の730日間勉強したとして、その分働いていたら、時給換算700円としても、511,000円でございます。
総合計¥571,000円分の損が出る、というわけでございます。
まあ、これは計算のあやでありますが、現実実現損失は6万、未実現損失は約60万、とでも考えた方が真実に近いでしょう。
試験勉強が最悪のケースで終っても、実質6万の金銭損失。
勉強時間を労働に充てていた際の時間損失の額は、50万ちょっとなのでございます。
長い人生、そのくらいの額の損なんてものは、なんてことはないように思います。
中古車を選び損ねたくらいのミスでありますし、まったく取り戻せない額ではないように思います。
最悪のケースを考えてみる事で、目の前の事はよりよく見えてくるように思います。
お勉強のお悩みも不安も、上記最悪のケースから割り引いてみれば、1問や1文で悩む事というのは、数百円レベルのことなのでございます。
なあんだ、自分は数百円のことで悩んでいたのか、と思えば、気持ちも軽くなるかと存じます。
最悪の事態を考えてみる事で、目の前の事がよりよく裁けるようになる、とご助言したく存じます。
| カテゴリー: 過去のススメ | | 2010年4月12日 1:05 PM |
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独学におきましては、できるだけ無駄を省くことを第一にしてございます。
例えば、読んでも少しもわからぬテキストはすぐに投げ捨てます。
決して、そんなダメテキストを有効利用しようなんてけち臭いことは考えません。
ダメはダメ。腐った食材は腐ったものであり、早く捨てねば臭うのみでございます。
どんなに優れた料理人であろうとも、腐った食材では料理はできないのと同様なのでございます。
独学に失敗する人といいますのは、得てして、このダメ教材で我慢すると申しますか、なんとか使えないかと苦心惨憺する方が多いと見受けられます。
弘法筆を選ばず、などと申しますので、わたくしも、(ああ、こいつはダメだなあ)と思った教材で、がんばったときもありましたが、ことごとく、ダメであったことを告白したく存じます。
やはり、ダメ教材はダメ教材でございます。
このことを意識の片隅にでもおいていてくださればと存じます。
さて、ダメ教材のような目に見えて無駄な事は避けるのが独学ではありますが、だからといって、お勉強の試行錯誤を否定するものでは、「決して」ないのでございます。
このあたりの線引きは微妙でありますが、うまくいかないからといって即、無駄であるというわけではないのでございます。
うんうんとテキストの1文や問題集の問題、解説に頭を悩ます時間と作業とを、否定するものではないのでございます。
わたくしは基本的に、うまくいかないのがお勉強、と考えてございます。うまくいかぬが恋の道、果てに恨むが愛の道、から盗んだ次第でございます。
逆に言いますと、読んですぐわかるようなこと・できるようなことといいますのは、他の誰も事情は同じでしょうから、問題にされないのではないかと考えるわけでございます。
恋もすらすらいくようなら、スケコマシか何らかの意図があると踏んだ方が賢明でありましょう。
うんうんとするからこと、問題となる、だから、点となりうるというわけでございます。
もし、こうした試行錯誤を無駄と考えてやらずじまいだと、点差を生むような力は身に付かないように思う次第でございます。
試行錯誤と無駄作業との違いは、こうなったらこうといった条件付けや、数字によるデータの裏づけもなく、きわめて経験的なものとなってしまいます。
しかし、この2点の区別が物事の本質的なコツのように思う次第でございます。
何でこんな無駄なことをやらねばならないのか、とつぶやくバイト君がおられます。
例えば、徹底した商品の品出しや商品の棚の入れ替え・置き換え、でございます。
皆様におきましても、多くのお店で品出しを続けまくる店や、行く度に商品の配置が違っている店が記憶にあるかと存じます。
それらにも十分な意味があるのでございます。
前者の品出しは販売の機会ロス防止・心理ロスの防止でございます。
後者は客の滞留時間を延ばして衝動買いを催すためでございます。または、新たな商品との接触数を増やすためでございます。
なんでこんなことをするのか、には意味があるのでございます。
丸投げした言い方ではありますが、試行錯誤と無駄作業との区別とを、しっかりと付けてくださればと存じます。
無駄と試行錯誤の区別が付くようになれば、今以上にお勉強の効率が伸びるように思う次第でございます。
| カテゴリー: 過去のススメ | | 2010年4月9日 11:31 AM |
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いま一度、改めて確認しておきたい事がございます。
全力を尽くす、と言いますが、わたくしたちが全力を尽くさねばならないのは、本試験というその日のみでございます。
本試験当日に、わたしたちは全力を尽くし、自身の持つ実力を100%出し切らねばならないのでございます。
ということは、でございます。
本試験以外の日々は、全力を尽くさなくても、100%の力を出さなくてもよい、というわけでございます。
この点、考え違いをなさらないようにしてくださればと存じます。
人間と言いますのは、まあ、うまくできたものでありまして、緩急・強弱があるものでございます。
一生懸命がんばったなら、それなりの休養が必要なのでございます。
もっといえば、意思に反してでも、身体は休もうとするのでございます。
毎日毎日、全力を尽くす勉強をしておりますと、必ずといっていいほど、やりたくなくなってくるのでございます。
嫌になってくるのでございます。
これが、本試験はまだまだ先というときに起これば、まだましなのですが、本試験直前に発生すると悲惨でございます。
身体がいうことを聞かないのでございます。
どんなにやろうと思っても、テキストを開いただけでウンザリしてしまうのでございます。
先ほども申しましたが、わたくしたちは、本試験当日に全力を尽くせばよいわけであります。
ですから、その他の日々は、本試験で全力を尽くせるように用いなければならないのでございます。
毎日全力ならば本試験でも全力が出る、というのでしたら、毎日全開パワーでよろしいかもしれませんが、実際にそうではないことは自明でございます。
本試験で全力を尽くすためには何をしたらいいか、どうしていけばいいかを、いまいちどお考えくださればと存じます。
穏当なお勉強を続けて、本試験で自分の実力を100%出し切れば、かなりの高い確率で合格できます。
やることさえやった人は、目の前に配られた問題冊子と解答用紙に、自分の持っている力を100%発揮できれば合格できるのです。
試験といいますのは、不足によって不合格になることもありますが、逆に、余分なことや余計なことで落ちることもあるのでございます。
意外にも、本試験前にお勉強で燃え尽きて灰色になってしまった御仁はたくさん居られます。
言い換えますと、本試験に全力を尽くすための準備が試験勉強である、ともいえるかと存じます。
お勉強のしすぎで落ちるなんて、大変もったいない事でございます。
宜しくご調整の程を、ご助言する次第でございます。
| カテゴリー: 過去のススメ | | 2010年4月8日 11:35 AM |
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