独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

過剰な自粛が不況を呼ぶ

結論から申しますと、被災に遭っていないのであれば、過剰に自粛する理由はありません。

もっと言うならば、自粛してはいけない、努めて萎縮してはならないように思います。

各地で祭りや催しごとの取り止め・延期がされているようですが、全くの誤りでございます。

こういうときだからこそ、遊ばねばならないのでございます。

これは、とても大事なことでございます。

というのも、被災に遭ってもいない人まで、日々の経済活動が鈍ると、共倒れになってしまうからでございます。

先のススメでも申しておりますし、個々の経済評論家の方々も述べられているように、今、このときに萎縮して経済が停滞すると、余計に、被災地の復興は遅れるのでございます。

確かに、東北地方太平洋沖地震のこと、被災地と被災者の方々、福島原発のこと、福島・群馬・栃木・千葉・宮城の農家・酪農家・漁師の方々のことを考えますと、どうにも痛ましい気持ちが沸き起こるのが人情でございます。

しかし、なのでございます。

そこで、萎縮してしまうのは、全くの反対なのでございます。

ニュースで、百貨店の前年同月比の売上がざっと平均して15%以上も落ち込みました。

新車の売上は、なんと、35%も落ち込みました。由々しき事態でございます。

確かに、大震災の直後の混沌とした状況と、計画停電の煽りもあって、売上が落ちるのは、仕方のない面もございます。

しかし、今後は、こうした萎縮が、日本経済全体の足かせになることを、一人一人が意識すべきかと存じます。

日本の経済は、内需型経済でありまして、GDPの4?5割が内需で動いてございます。

輸出以上に、内需の方が大事なのでございます。内需とは、とどのつまり、わたくしたちが日々使っているお金の総額でございます。わたしたちがお金を使うからこそ、回りまわって企業の設備投資の呼び水となるのでございます。

設備投資が順調そうなら、銀行がしぶしぶカネを貸し始めるのでございます。

今後も皆がお金を使わないようになると、いっそう、デフレ不況が進行致します。

こういうとアレですが、今後、東北地方の被災地の復興のみならず、各地で、津波・地震対策の事業が展開されて参ります。

まず、小中学校の耐震化が進みます。防災用物資の備蓄も進むことでしょう。

巨大な需要でございます。巨額のお金が動き始めます。

有効需要が少なくて、多くの資金が国債に還流していた事態は、今後、大きく変化するように思います。

しかし、それには、予算が組まれ、予算が按分されるまでのタイムラグがございます。そこまでに、経済の大底が抜けてしまえば、元も子もありません。

今このときが、10年以上の長きに続いたデフレ不況の脱却点になるかもしれないのでございます。

大震災によって仕事そのものが流れた人・家計もたくさんあるでしょうが、おそらく、需要はおいおいと戻っていきます。

そして、多分、震災前より大きな額が戻ってくるでしょう。

しゅんとしていたら景気が良くなるわけでなし、被災地が復興するわけでもなし。

その不活動ぶりが、いっそう内需を損なわせ、被災地の復興を邪魔しているとお考えくださればと存じます。

わたしは、月初めなので、さっそく、いつもより大目の、肉3キロを買ってきました。じゃんじゃん食べる予定です。

今こそ、お金を使うときでございます。

今財布の紐を締めるのは、回りまわって自分の首を絞めていると、ご認識を改めくださればと存じます。

車を買い換えようと思っていたなら躊躇はせず、春物が欲しいのであればいまこそ、お召しくださればと存じます。

こういうとアレですが、「被災地のため」との錦の御旗で、消費活動にお励みくださればと存じます。きっと無駄遣いも許してくれるでしょう。

遊びと楽しみがあるから復興するの

ジャニーズの動員能力と、それ以上に、婦女子パワーにあらためて感嘆いたしました。

このご時世に、4月1日には10万人が、翌2日には12万7000人、最終日3日目には16万1000人もの人たちが、募金イベント開催地の代々木第一体育館に集結。

首相や元首相が来ても集まるのは5000人が関の山。対してジャニーズは、3日間で38万8000人。

今、これだけの数の人を集められる、組織・人・企業がどのくらいあるでしょうか。天晴れでございます。

数万の女子の歓声は、被災地の同年代の女子に通じたことでありましょう。

必ずコンサートに行きたい!会いたい!見たい!と子宮がざわめいた、被災地の婦女子の方々はたくさんおられるでしょう。

また、上野動物園のパンダの入場者数が2万人。

必ず、子どもに見に行かせようと決意した父母・祖父母の数や、いかばかりでありましょう。

「必ずパンダを見てやる」と復興の念が燃え立っていることでしょう。

非常によろしいかと存じます。

復興に必要なのは、たしかに、木材、コンクリート、合成樹脂、ガソリン、鉄鋼でございます。そして、食料に水、医薬品でございます。そして、お金でございます。

絶対条件でございます。

しかし、それで事が進むのかといえば、そうではありません。必要なものもございます。

お金の方は、実は何とかなります。この10年20年の日本はデフレ不況で、有効需要が無く、資金が余ってだぶついていたからでございます。貸すところがないから、銀行は国債を買っていたわけでございます。そのお金が復興に向かうわけでございます。

復興に必要なのは何か。

それは、やはり、遊びと楽しみでございます。

瓦礫の片付けの後で、プロ野球の中継を楽しみにしている人もおられるでしょう。野球してえなーと思う人は、必ずいます。

サッカーもそうでございます。ボール蹴りたい中高生は、きっとたくさんいるでしょう。

相撲みたい、取りたいと思う人も、必ずいます。白鳳負けろ!稀勢の里、もう1回土をつけろ!と思う人は必ずいることでしょう。

花見のニュースを見聞きする人もいるでしょう。ああ、来年こそ行きたいね、と思うご婦人方は多数おられるでしょう。

先々に、楽しみがあるからがんばれるのは、わたくしたちの常識でございます。

花見でどんちゃんしてます、と聞いて、腹を立てる被災地の人は、あまりいないように思います。

なぜなら、被災地ではそれどころではないからでございます。

瓦礫を目の前にして、くそあいつら、いい思いしやがって、と思ってくさくさするのは、最初の1週間で、後はそんなことを思うのは作業を遅らせるのみと、考えが改まるように思います。あーさっさと終わらせて、次にいきたい!と思い奮起するのが、人情ではないでしょうか。

被災地の方々は、被災地のことを思って祈祷し、自宅待機して祈りを捧げております、みたいな陰気臭いニュースと、花見で盛り上がるニュースと、どちらをこれからの励みにするか、でございます。

こうした点からも、わたくしたちは、下手に自粛することが、いかに被災地の人々の復興への気持ちをくさくささせるか、考えるべきかと存じます。

人の世は、遊びをせんとや生まれけん、戯れせんとや生まれけん、でございます。

追記:ユニクロとソフトバンクの寄付額小話

ある人は、巨額の寄付をした、それも、個人で億単位。

しかし、ある人は、1円も寄付していない。

これは一体どういうことなのか、という次第でございます。

その答えは、ごく単純に、計算が合わないからでありましょう。

前者の方は、衣料品の販売がご商売でございます。

震災の惨状が明らかになるに連れて、多くの物が失われたことが明白になってございます。もちろん、衣料品もその1つでございます。

ほとんどの方が、着の身着のままで非難してきたのでございます。

今後、復興に際して、大きな需要、つまり、売上が見込めるからこそ、巨額の寄付をした、と考えられます。

寄付した額は、回りまわって、会社の売上として還流してくることでしょう。先を見据えたよい寄付であり、投資であるかと存じます。

被災地のためにもなり、自分も儲かり、名も挙がる、一挙三得でございます。

なお、ユニクロの柳井社長をいっているわけではありません。

かたや、少しも寄付の話が聞こえてこない人がございます。

寄付をしないのは、考えますに、そろばんが合わないからでありましょう。

つまり、被災地に寄付をしたとしても、たとえば、ADSL・光回線が増えるわけでもなく、携帯の回線数が伸びるわけでもなく、その他もろもろのサービスが今より使われるわけでもない、といった次第でございます。

つまり、いくら寄付しても、こっちには還流してこないわけで、それならする必要はない、といった計算なのでしょう。

なお、ソフトバンクの孫社長を言っているわけではありません。

こんな風に、寄付には、色々な計算が働いているものでございます。商売人・企業人としては、働かせて何ぼのものでありましょう。

こういう計算ができるからこそ、彼らは、ここまでの企業を築きあげることができたのです。慈善行為にのめり込んで会社が傾くなど、企業人として言語道断であります。

色々な計算のもとでの判断であれば、それでよろしかろうと存じます。被災者のためになるのが一番でございます。

最後に一言。

多くの企業・人たちの巨額の寄付、本当に素晴らしい、天晴れな行為だと思います。

寄付をしたのに叩かれる人もおられますが、知名度のもたらす有名税だと思って、ぐっとお堪えください。

いくら寄付金控除されるといっても、寄付しなかったら半分は手元に残ったのです。

こんなことを言うとアレでアレですが、おそらく事実として、被災地の人たちのためになるのは、小口の寄付よりも、富豪・大企業による大口の寄付でしょう。

一時金で数千円まわってくるよりも、百万単位で数か月分の生活費が回ってくる方が、よほど被災者達の生活の支えとなります。

現実は、「そう」でしょう。

しかし、わたくしは、今日の日当分の8000円を募金箱に入れる人や、今日のおかずを一品減らしてスーパーの店頭で寄付する人と、お茶を飲んで語り合いたく思います。

詠み人知らず、為し人知らず。本当に大切なことは、ネイムレス。

論旨が混沌としてますので、このへんで。

追記:2011/04/04

ソフトバンクの孫氏、個人で100億の寄付すると発表。面目躍如!!すっごい。

下種の勘ぐりは承知でいいますが、「100億でました、さあさあさあ」という感じです。

また、役員報酬(1億円相当)を震災孤児に寄付するとのこと。

毎年1億、安定した資金があれば、孤児の学費や生活費の大きな支えになります。これもえらい。孤児たちの就学の機会だけは、設けておいて欲しく思います。

今回の孫氏の100億寄付で、日本の寄付文化が変わる予感が「大」です。

「当社の商品の内、○○の売上は、被災地や震災孤児に寄付する」といった形の寄付が増えれば、これまでとは違う形で企業の社会的貢献になるように思います。