主に独学の人を対象に、1級陸上特殊無線技士(1陸特)の文系ド素人向けの教材を紹介する。テキストには、試験に特化した「一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集」を、過去問は、通年型の「第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集」を使う。それぞれ一長一短あるが、これらで“勉強できれば”、文系ド素人でも合格はできる。
端的に結論を言うと、文系ド素人は、『試験に特化した教材を使う』のがベストです。
というのも、資格の級が「1級」であるためか、教材の編集上、受験者は相応の素養のある人を予定している、または、「文系ド素人の受験」が、想定外なのでしょう、ド素人向けの教材がないからです。
文系ド素人の人は、どのテキストを読んでも、「………」か「???」となること請け合いです。
市販教材のほとんどは、文系ド素人にとっては敷居が高く、どれも“まともにわからない”ので、「試験特化」の教材でゴリ押しする、といった寸法です。人はそれを消耗戦といいます。
挫折率は高いですが、勉強できれば、格段に合格に近づく教材を、以下に紹介します。
テキストには、試験に特化した「一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集」を使います。
本書の特徴を、端的に言うと、『過去問の焼き直し』です。
「過去の本試験で問われたことを、章ごとに整理しただけ」の構成であり、「わかりやすさ」とか「読みやすさ」とか「読者への配慮」といったものは、「絶無」です。
はっきりいって、文系ド素人には、「記述」はあっても、「まともな説明」がないために、ほとんどが「意味不明」であり、読むのにとても苦労します。
しかしながら、本書は、「試験特化」という点で、他の教材より、頭1つ、飛び抜けている特徴があります。
我慢に我慢して本書で勉強すれば、格段に合格が近づくことは、間違いありません。
以下、本書をの利点を3点、挙げていきます。
徹底的した「試験仕様」の当該テキストの特徴は、「練習問題の数が多い」「模擬試験付き」「小冊子付き」の3つです。
まず、練習問題の多さ、ですが、書名に「テキスト&問題集」と名打たれているように、本書には、1章ごとに、過去問から抜粋した練習問題が、「10~20問」程度、掲載されています。
全部で「19章(無線工学11章+法規8章)」ありますから、本教材だけで、「280問」弱の問題演習を確保できる、という手合いです。
そして、本書の巻末には、過去問を編み直した、「模擬試験」が1回分、掲載されています。
当該模試を解くことで、知識の整理と本試験の感触とを、つかむことができます。
最後に、おまけについてくる「小冊子‐重要項目チェックリスト」です。
個人的には、当該小冊子の評価が、とても高いです。
というのも、この小冊子を、試験の前日と試験会場への電車内で消化したことが、ドンピシャで本試験で問われて、2問ほど、正解を稼ぐことができたからです。
上記画像のように、試験の頻出の語句や用語が簡潔に述べられており、最終確認なり、細切れ時間での暗記や記憶なりに、とても有効かと思います。
本書は、かなり得点力が付きますが、テキストとしては、よいものではありません。
機械的に過去問を編み直しただけの代物であり、作者の顔なり工夫なり熱意なりが、少しも感じられない、退屈でつまらないテキストです。
わたしは、あまりのわからなさに、試験勉強を一時、やめたくらいです。
しかし、これまで見たように、『試験特化』という点では、他に類を見ない「品質の高さ」を誇ります。
本テキストは、良くも悪くもあります。
本腰を入れに入れて、我慢に我慢を重ねれば、文系ド素人でも、本書で合格レベルの実力を得られるのは、間違いのない1冊です。文系ド素人が1陸特を受けるのが間違っているだけです。
最短距離で合格を目指せるテキストである反面、挫折率も半端なく高いことは、覚悟してください。
なお、文系ド素人の方は、本テキストだけでは、問題の演習数が不足します。次節の過去問を追加してください。
最後に言っておきますが、試験に特化したテキスト兼問題集なので、「無線工学」の基礎や基本から勉強したいという方には、まったく不適当です。お門違いなので買ってはいけません。
参照:一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集
過去問は、「第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集」を使います。
なお、過去の本試験問題と解答は、公式にアップロードされているので、“自信のある方”は、当該過去問を買う必要はありません。
しかし、文系ド素人の方は、以下の理由から、当該過去問を使うことを、強く推奨します。
当該過去問には、1陸特の4年分の過去問が掲載されています。
試験は、1年に3回実施されるので、「3×4」の「12回分」の試験問題がある、ことになります。
当該12回分の過去問を、2回繰り返しておけば、問題演習の数は、十分過ぎるほどです。
テキストに載っていない、様々な問題を解くことで、本試験での取りこぼしが格段に少なくなります。
先に述べたように、1級陸上特殊無線技士の過去問は、公式からダウンロードできます。
しかし、当該過去問には、解説がないため、文系ド素人は、実力アップに貢献しません。
この点、当該過去問には、良質な解説が付されており、テキストだけの利用に比べて、理解度は増し増しになります。
さて、解説ですが、ネットで探せば、あるかと思います。
しかし、1問1問の解説をネットで調べるのは、時間を食います。
過去問をお金を出して購う理由は、「調べる時間がかからない=時短」のためです。
当方、「2ヶ月」の試験勉強で合格できましたが、ネットでいちいち調べていれば、もっと長引いたに違いありません。
やはり、過去問は使い勝手のよい「冊子」の方を推薦します。お金を出して買う価値はじゅうぶんにあります。
市販の過去問には、内容ごとに分けた「精選型」と、本書のように年別・回別に試験問題を編んだ「通年型」があります。
本書のよいところは、「本試験の傾向が、実によくわかる」ところです。
たとえば、「無線工学の2問目と3問目は、計算問題」とか、「法規の1問目か2問目は、大概、難問が出る」といった「試験の実際」です。
本試験をそのままの形式で、それも、年度を通して解くことで、格段に本試験が「見えてきます」。
わたしが、当該過去問を推薦するのは、本書がターニングポイントになったからです。
往時、計算問題のあまりの難儀さに試験を捨てそうになったのですが、過去問を一通り解いて、「計算問題は、確かに、合格のキーではあるが、そう数もないし、難問も数えるほどなので、2~3問さえ取れば何とかなる」ことを、身をもって知ったのです。
わたしは、テキストだけの試験勉強だったら、おそらく、詰んでやめていたはずです。
本書で試験の傾向をつかんで、ようやく、計算問題への身の処し方をわかり得た、合格までの見通しを得た、ってな次第です。
当該過去問の「悪いところ」は、問題のすぐ下に解説と解答があるところです。
このため、何かしらの工夫をしないと、つい答えに目が行ってしまい、まともな問題演習ができません。
当方は、ハガキ代のメモ用紙を用意して、解答と解説を隠しながら問題を解きました。
「隠す」という手間がかかるのには、少しばかり閉口しました。
ページのレイアウトに多少の不満はありますが、まあ、大きな支障ではありません。
こんな次第で、当該過去問は、文系ド素人なら、利用すべき1冊です。
多少レイアウトが悪いために、手間を食いますが、内容が充実しているので、欠点を補って余りある価値があります。
参考:第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集
文系ド素人の方は、試験に特化した「一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集」を使い、何とか、最後まで読み通し、問題を解き通します。
苦しい勉強でしょうが、忍んでください。
ある程度、テキストを消化できたら、過去問の「第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集」に駒を進めます。
当該過去問は通年型なので、1級陸上特殊無線技士という試験がどういうものか、肌で実感できるように思います。
捨て問にした計算問題以外は、ぜんぶ取れるまで、繰り返し解いてください。2~3回解けば、合格はかなり近いです。
1陸特に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「 陸上特殊無線技士の投稿記事 」をばご参考ください。
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