独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

割り

先日のススメにおきましては、試験問題の大半は「できなくはない」ことを述べさせていただきました。
おさらいしますと、本試験の問題というのは、できなくはないのでございます。
一部の特定・特殊な人しか解き得ない問題というのは、試験という公正かつ公平さの理念に反するからでございます。
ですから、できない問題・解き得ない問題は出ないのでございます。
しかし、そうはいっても、全くできない問題に、多々遭遇するかと存じます。
そうなのです。試験問題を出す側は、「解けない」「できない」問題が出せないが故に、解けそうにもない問題を意図的に作成して出題してくるのでございます。
「解けない・できない」問題と、「解けそうにもない」問題とはどこが違うのか?と、これらの違いが判らないかもしれません。
前者は全くどうにもならない、対策不能の問題を指します。
試験範囲からぶっ飛んでいたり、一般では入手不可能な資料やデータに基づいて作成された問題を思い起こしてくださればと存じます。
一方、後者の「解けそうにもない」問題というのは、その問題を正解するために払わねばならない作業量・努力量・投下時間数があまりにも高いので、現実的にはやりようがない問題を指します。
1日24時間の勉強時間があれば、まあ、抑えられなくはないけれども、そうでなければ到底対策不能な問題、重箱の隅のそのまた隅を突いてくるような問題を思い浮かべてくださればと存じます。
理論上はできるけど、実際にはできない、そういった塩梅の問題を、出題者側は出してくるのでございます。
お勉強におきましては、目の前の問題が割に合うかどうかを、強く意識すべきかと存じます。
300ページ以上の資料やら何やらを読み込まねば取れない1点など、完全に無視の範疇でございます。
100〜200ページを読んで1問出題されるかされないかいう傾向であるなら、こんな割に合わない問題は、やらずに捨て問題とする方が懸命でありましょう。
50ページくらいに1問であれば、まあ、手が空けば、テキストを3回精読し過去問をみっちり繰り返した暁に、着手すればよろしいでしょう。
30ページに1問なら、そう割りに悪いわけではないので、お勉強対象に含まれることでしょう。
10ページで1出題なら、割りはいいです。しっかり復習して必ず点が取れるようになって起きましょう。
わけのわからぬ判例集や条文集、通達集、規定・ルールブックを読んで憶えて、一体、何点稼ぐことができるのか。
「それ」をする時間があれば、テキストや問題集、過去問はどのくらいできるのか。
「それ」に向かわしめる時間や手間を復習にまわしたら、どのくらいのことができちゃうのか。
一旦は、こう考えてみるべきであるかと存じます。
全くできなくても、300ページクラスの手間を払わねば取りえない問題なら、鼻歌交じりにばっさり切って捨てれば良いのでございます。
もちろん、その他の頻出箇所で点をしっかり稼ぐことは言うまでもありません。
割に合うかどうかを見極めるのも、お勉強のひとつの重要且つ重大なコツでございます。だって、それが見極められれば、多くの徒労を防ぐことができるからです。
出題傾向を調べ、各種の情報を集め、やるべきところはしっかりと、そうでないところはそれ相応にやって頂ければと存じます。

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できなくはありません

お勉強といいますのは、取り敢えずは「難しい」ものでございます。
お勉強中に遭遇する文章や用語は一般的に難解で、小学生なら見向きもしないものでございます。
しかしながら、皆様におきまして憶えて頂きたいのは、できなくはないということでございます。
お勉強といいますのは、特に、試験というものが前提とされているお勉強は、絶対的にできなくはないのでございます。
専門家でもできないもの、答えが導かれないものは、問題とされないからでございます。
普通の人がやればできるもの、それが試験問題というものでございます。
一部の特殊な人、特別な訓練、特異な教養を持った人にしか解きえない問題は、試験制度の制度上の建前から忌避されるものでございます。
たとえば、、、
『作品○○の文体は、主観と客観の両方の視点を、一層自由に交錯させている。(ブレヒトのいう)Verfremdungseffekt(異化効果)のお陰である』
こういった評論めいた文章は、一部の人にしかわからないために、本試験では問われることはないのでございます。
まず、文章中の主観と客観の意味がよくわかりません。自分が思うことが主観で、他人(会社、組織、学会、)が思っていることが客観でしょうか。考え出すと、このあたりから難しくなってまいります。
交錯・・・混ぜて述べている?混ざってるの?
ブレヒトって誰?鳩山?
Verfremdungseffekt、、、日本語で言ってくれないとわからない等々、小学生が読めば何のことやらさっぱりわからないことでしょう。
良いことを書いているのか悪いことを書いているのか、褒めているのかけなしているのか、最も基本的な部分もわかりかねます。
こうした難しい文章以外に、政策的に意見が割れていたり、学説によって異論があるところも、試験には問われません。問題にしにくいからでございます。
まず、指しあたって、お勉強では「できないもの」は出題されないことを意識の片隅に置いてほしく存じます。
つまり何かしらの努力、試験の傾向に適した努力さえしていけば、大概の問題を取れるようになるのでございます。
ただ一部、できなくはないのだけれども、やろうとすると膨大な量の資料を読み込み、数字を憶えないといけないような出題はございます。
こうしたものは、解答はできなくはないけれども、とてもじゃないか、実際のお勉強では消化できないものでございます。
「解答可能対策不能問題」とでも、言うことができましょうか。
こうした問題はできるかもしれませんが、やるにはあまりにも不合理なので、手を付けずに捨て問題にするのが良いでしょう。
試験問題といいますのは、やれば必ずできるものではありますが、「割り」というものがございます。
このあたりを見切るのが、試験勉強をうまく運ぶコツであるかと存じます。

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違う種のストレス

お勉強といいますのは、ストレスのかかるものでございます。
あれこれどう試して見ても、お勉強のストレスを「ゼロ」にすることはできないかと存じます。
わたくしたちにできるのは、ストレスを和らげるのみでございます。
考えてみれば、長時間机の前にじっとするだけでも、人によっては苦痛でありましょう。
そして、長ったらしい難解な文章群と格闘するのは、骨の折れる作業でございます。苦痛です。
そのうえ、お勉強独自のわながございます。つまり、お勉強が進めば進むほど、お勉強事自体を止めることが難しくなって行くのです。ここまでやったからにゃ受からないと大損だというわけでございます。
ですから、いっそう、受からなければ!合格しなくては!というプレッシャーが強まって行くのでございます。
しかも、こうしたストレスやプレッシャーは、お勉強の進展とともに強度が増す性質がございます。
お勉強の序盤なら多少出来なくてもアハハで済みますが、中盤から終盤に差し掛かれば、受験生なら誰でも点を取る基礎・基本レベルの問題を落とすと、足元から崩れ行くような大きな不安に襲われてしまいます。
お勉強のストレスやプレッシャーというのは、徐々に徐々に、しかも確実に大きくなって行くのでございます。
ストレスやプレッシャーに多大の免疫のある方であれば結構なのでございますが、多くの方は、お勉強のストレスやプレッシャーに慣れていないというのが現実であろうかと存じます。
というのも、お勉強のストレスやプレッシャーといいますのは、普通の生活では似たようなものがないからでございます。
人間関係のストレスといいますのは、小学生から成人になるまで、成人になってもあれやこれやとあるものでございます。
ですから、何とか人間関係のストレスやプレッシャーへの対処法・心構えというのは出来上がって行くものでございます。
しかし、お勉強のストレスやプレッシャーというのは、目に見えない、確かなものがない、把握し難いという特色があるのでございます。
お仕事であれば給金という形で報われますが、お勉強というのは、目に見えた「ごほうび」というものがないですし、お勉強の成果や結果も実にわからないものがございます。
傍から見れば「合格間違いなし」の人が、内心では不安におびえていたりするものでございます。
お勉強のストレスというのは、意外に類型がなく、仕事のプレッシャーやスポーツ等で緊張を強いられても平気な人がころっと負けてしまうのでございます。
わたくしの知り合いで、もう何年もギャンブル(パチンコ・スロット)で食べている人がございます。
毎日10時間、台に座って打っておりますが、こうした一箇所に長時間じっとするストレスを抱え、負けるかもしれないプレッシャーに耐えうる人でも、毎日1〜2時間のお勉強には、からっきし我慢ができないのでございます。
やはり、お勉強のストレスとプレッシャーは独自のものがあるかと存じます。
特に、長期間お勉強から離れていた人には、お勉強のストレスとプレッシャーはとっつきにくくて対処し難いかと存じます。
お勉強が3日坊主、1週間坊主、1ヶ月坊主で終わる人というのは、お勉強独自のストレスやプレッシャーに耐え切れずというよりも、お勉強独自のストレスにどう対処したらいいかわからずに煮詰まってしまった観がございます。
お勉強のストレスやプレッシャーには、他にはそう見られない異種のものがございます。ボディブローのように後々で効いて参ります。
こうした性質があることを頭の片隅にでもおいていてくださればと存じます。きっと、進め方の過ちが見えやすくなるかと思います。
ストレスやプレッシャーに強くなるよりも、それらを上手に受け流せるように、一旦受けてから対処できるようになる方が賢明であるかと存じます。

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