独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

関連会社株式と関係会社株式の区別は、語呂で行なう‐簿記2級ノート

簿記2級において、有価証券は、屈指の論点です。

当該論点は煩雑を極めているので、整理の付いていない受験生は、たちどころに点を失います。

当該有価証券の論点の中で、微妙に厄介なのが、「似た奴」の存在です。

「関連会社株式」は、「勘定科目」です。

「関係会社株式」は、「表示科目」です。

もう一度述べます。

勘定科目は「関“連”会社株式」で、表示科目は「関“係”会社株式」です。

この2つは、受験生泣かせの極め付けの科目で、どっちがどっちやら、「わからん」の1言に尽きてしまいます。

しかし、明白に憶えていないと、とりわけ、第3問で財務諸表の作成問題があった場合に、致命的な失点をしかねません。

そう、うっかりしていると、「投資その他の資産」のところに、「関連会社株式」と勘定科目を記入しかねない…、

または、仕訳問題で、ついうっかり表示科目の方の「関係会社株式」で仕訳を切りかねない、ってな次第です。

イヤらしい出題者は、仕訳問題の語群の中に、両者を置きそうです。

語呂で憶える

憶え方は、語呂です。その表記の違いを、考えようがないからです。

まず、左に勘定科目の「関“連”会社株式」があるとします。で、固定します。

次に、右に表示科目の「関“係”会社株式」があるとします。で、固定します。

『関“連”会社株式 ― 関“係”会社株式』といった感じです。

“連”と“係”で…、

格闘ゲームの定番語句「れんけい(技)」とか…、

ボウリングの「レーン係り」とか…、

「RK」(ローマ字のRENとKEIの略)とか、「ReiKo」(こち亀の使い勝手の良いキャラ)とか、「RiKi」(力道山・長州力:往年のレスラー)とか…、

「連」の方のしんにょうを取って、「車」に「係」で「車係」とか…、

こういう語呂・語句で、無理から頭に入れるしかありません。

「関連会社株式」と「関係会社株式」の表記の違いには、会計学上のウンチクがあるはずです。

しかし、会計学は犬も食いません。

また、どのような理屈も聞きたくありません。わたしたちは、きっちり「科目」の使い分けができればいいだけです。

自然記憶だけだと、後で必ずわからなくなります。

先に挙げた語呂いいですし、自作の語呂でもいいので、関連会社株式と関係会社株式の混同を、語呂で防いでください。

なお、出題によっては、勘定科目のまま、財務諸表上に表記する場合もありますので、問題文の指示に従ってください。

なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、

独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。

有価証券の表示科目は、“超”後回し‐簿記2級ノート

有価証券は、簿記2級の屈指の論点です。

一口で言えば、『出題者が出しやすい』からで、資料上の有価証券の数と種類を、ちょっと増やすだけで、たちまち落伍者続出という、出題者歓喜・ハハハハハハ(受験生泣かせ・ヒイイイイイ)な論点のためです。

で、有価証券の攻略ですが、まず、「表示科目」については、後回しにします。

有価証券が受験生泣かせなのは、「勘定科目」と「表示科目」の2系統の論点があり、それぞれが絶妙に違っているためです。

有価証券の勘定科目

頭が痛くなりますが、有価証券の勘定科目は保有目的ごとに分けられており…、

売買目的有価証券

満期保有目的債券

子会社株式・関“連”会社株式

その他有価証券

…の4つに分類されます。

有価証券の表示科目

で、有価証券の表示科目は…、

有価証券

関“係”会社株式

投資有価証券

…の3つです。

5つ以上はたくさん‐表示は後回し

…読んでいて、わからなくなってきているでしょ?

実はわたしも、テキストで確認しながらの記述となっています。

先述した「表示科目」の後回しとは、「勘定科目」の使い分けがしっくり頭に入っていないのに、「表示科目」までを無理に押えようとすると、必ず、両者の混同が生じてしまうからです。

その他有価証券で仕訳を切らないといけないのに、投資有価証券で切っていたりします。

表示科目で仕訳を切っていたり、その逆もあったりで、物凄くわからなくなってきます。

でも、それは、ごく普通の反応で、時間を追うごとに、わからなくなってくるんです。

5つ以上はたくさん」です。

勘定科目の4つに、表示科目の3つで、計7つのものを、一時に習得しようとするのは、無理です。

人は、5つ以上のものは、すぐに把握できません。だから、手足の指は5つなのです。

んなもんで、まずは、おおもとの「勘定科目」の4つの使い分けが頭に入るまでは、「表示科目」のほうは、『おまけ』程度に押えて、後回しにするといった次第です。

問題演習の際、有価証券の処理のみならず、表示まで問われていたら、無理をせず、テキストを見ながら解答しましょう。

無理は、誤答の元です。

「有価証券の表示」は、第3問での超頻出論点なので、押えておきたい気持ちは良くわかります。

しかし、なぜ、有価証券の処理と表示が、頻出なのか考えてみてください。

受験生の多くが、有価証券の論点を、しっかりと整理ができておらず、ぽろぽろ失点するから、出題者は微笑しながら出題を続けている、といった次第です。

ホント、無理に憶えようとすると、ごちゃごちゃになってきて、後々、面倒なだけです。

まず、有価証券の4つの分類(勘定科目)を、完全に頭に入れること、です。

なお、4つの勘定科目が頭に根付いていたら、「表示」はすごくカンタンになります。

勘定科目あっての表示科目なので、まず、前者の完全制覇からです。

固定資産の割賦購入で、薄っぺらい受験生が落ちる‐簿記2級新論点ノート

新論点の仕訳のうち、やや注意なのが「固定資産の割賦購入」です。

新旧の論点が入り組んで出題されるので、何気にウザイ論点です。

特にウザイのが「支払利息‐前払費用」を計上しなくてはいけない点で、問題文中には「利息」云々の文字がないので、殊更に厄介な論点です。

個々の論点を、きちんと理解しておく必要があります。

主要論点は、「3つ」

「固定資産の割賦購入」には、主要な論点が「3つ」あります。

その3つとは、「割賦購入時の仕訳」と「固定資産の取得原価」と「手形振出」です。

これら3論点が入り組んでいるので、それぞれをきっちりおさえてないと、まず、ポカをするという塩梅です。

「固定資産の割賦購入」の問題を見たら、まず、「注意点が3つあったな」と思い出して、慎重に解答しましょう。敵は、どこぞに、罠をしけてくるはずです。

割賦がらみの処理

「固定資産の割賦購入」で厄介なところは、「前払利息‐支払利息」が絡んでくるところです。

固定資産を割賦で(分割払い)で購入すると、支払いが長引くので、その分だけの「利息」が発生するという塩梅で、当該利息を、仕訳に落とし込まねばならない、といった手合いです。

公式のサンプル問題は以下。

『(1)静岡商店は、X1 年 11 月 1日に営業用軽トラック(現金販売価額 ¥1,200,000)を割賦契約で購入した。代金は毎月末に支払期限の到来する額面¥250,000の約束手形 5枚を振り出して交付した。』

『(2)X1 年 11 月 30 日 静岡商店は上記約束手形のうち、期日到来したものが当座預金口より引き落とされた』

解答の仕訳は以下。

まず上の(1)の仕訳は…、

…となっており、下の(2)の仕訳は…、

…となっています。

このように、割賦で買うと、「支払利息」を計上するよう指示されており、加えて、購入時には、返済期限が到来していないので、「前払費用」で処理するよう、指示されている塩梅です。

で、支払期限が来たなら、前払利息を、該当する支払利息に振り返るといった次第です。

利息分の把握は、問題文に明記がない場合は、貸借差額で求めるようです。(手形支払額と現金販売価額との差)

「固定資産の割賦購入」の論点で第1は、このように割賦に絡んだ「前払利息‐支払利息」の仕訳が切れるかどうか、です。

先に述べたように、問題文のなかには、「利息」云々の表記がないので、“知っていないとまず仕訳が切れない”という、殊更にイヤらしい論点といえましょう。

「固定資産の割賦購入」を目にした場合は、割賦分の「利息」処理に意を払ってください。

なお、公式では、購入時に支払利息を全額を計上し、決算時に未到来分を前払費用で処理してもよい、とも指摘しており、「決算整理」の問題としても、出題可能性が“大”です。

付随費用の存在‐取得原価に入れる・入れない

「固定資産の割賦購入」が、上記のように「支払利息」がらみだけなら、「ふーん」で終わりなのですが、そうは問屋がおろさないのです。

思い出してください。

固定資産を購入する際、当該購入に費やした諸費用は、「取得原価に含めて」処理したはずです。

先の割賦購入に、当該付随費用の論点が加わると、途端に頭が混乱してきます。

先のサンプルの問題文に、たとえば、「購入にかかる運送料と整備料の計40,000円は現金で支払った」などとあれば、当該費用を「車両」に含めて仕訳を切らなくてはいけません。

このとき、先の「支払利息‐前払利息」の計上を忘れてしまって、当該利息分までも、固定資産の取得原価に入れかねない、という塩梅です。

こんな感じです。

正しくは…、

こんな次第で、「固定資産の割賦購入」は、固定資産の取得原価の論点まで含めて出題されかねないので、それぞれの理解が殊更に必要となっています。

当該取得原価云々は、簿記3級の論点であり、だからこそ、簿記2級では手薄になって、ついウッカリ間違えやすくなっています。

出題者は、大いに突いてくると思われます。

営業外支払手形にも注意

最後に、「固定資産の割賦購入」では、「営業外支払手形」が絡んでくるはずです。

これが、「支払は翌月末である」ならば、「未払金」だけで済むのですが、出題者はそう甘くありません。

営業外目的で手形を振り出した場合の処理も、突っ込んでくるはず、という塩梅です。

ウッカリした受験生だと、サンプル問題文の…、

『額面¥250,000の約束手形 5枚を振り出して交付した。』

…のところで脳髄反射して、「支払手形」の仕訳を切りかねません。

おそらく、5%くらいの受験生は、当該「支払手形」勘定で仕訳を切って、貴重な1点を落とすはずです。

固定資産の購入は「営業外」ですので、「営業外支払手形」で仕訳を切ることを、頭の片隅に置いておきましょう。

まとめ

こんな次第で、「固定資産の割賦購入」には、論点がてんこ盛りであり、新論点の中ではかなり要注意なものとなっています。

新論点の「割賦購入」時の処理のみならず、旧論点の「取得原価の算定」と「営業外支払手形」まで、きちんと把握しておく、といった手合いです。

まず、新論点の「割賦購入」の際は、「利息計上」しなくてはいけません。勉強不足の薄っぺらい受験生はここでまず失点します。

付随費用発生時の「取得原価」の計算が加われば、薄っぺらい受験生は即死でしょう。

そして、「営業外支払手形」で、おっちょこちょいな受験生をふるい分けします。

こんな次第で、「3つ」も受験生を陥れる罠ポイントがあるといった塩梅で、慎重に、丁寧に理解しておく必要があります。