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有価証券の「表示科目」への処理は、念のためT字勘定で‐簿記2級ノート

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

有価証券を「表示科目」別に整理するときは、1手間かかるが、T字勘定にまとめると良い。この際、「2段階」に作業を分けると、さらに精度が増す。有価証券の表記でよく間違う人にお勧め。多数の有価証券を処理しなくてはいけない場合にも、威力を発揮する。

結論から言うと、第3問の財務諸表の作成で、有価証券を表示科目別に分類するときは、念のため「T字勘定」で整理すると良い、といった次第です。

5つの勘定科目を、3つの表示科目に整理しなくてはいけない「表示科目への処理」には、「2作業」が入り組んで来るので、実に混沌としてきます。

当該2作業とは…、

勘定科目の有価証券を、表示科目ごとに分ける。

同時に、「1年基準」を適用して、分類する。

…となっています。

この表示科目への分類は、一見するとカンタンなのですが、何気に手間取ります。

ちなみに、「1年基準」の適用とは、「1年以内に満期が到来する、満期保有目的債券とその他有価証券は、流動資産の「有価証券」で計上する」といった塩梅です。

「勘定科目」で小難しい処理したものを、こんどは、「表示科目」で整理し直す、しかも、この整理の際に「どれが1年物かをチェックする」という、手間感が満載です。

このため、混沌とした受験生が“よく間違えてくれる”といった次第で、出題者の「お気に入り論点」となっています。

T字勘定で整理する

先ほど言ったように、出題者が好むこの論点は、間違いやすいです。

出題者は、ここぞとばかりに、資料中に、「×年○月に満期が来る」とか「○年まで保有する意思がある」的な、心がささくれ立つ文言を挿入してきて、受験生の脳みそをウニにしようと躍起になります。

このため、頭の中だけで作業すると、必ず、ケアレスミスを犯してしまいます。

ささっと整理できる人はしなくて結構ですが、よく間違う人は、いっそのこと、一手間かかりますが、「T字勘定を切って、慎重に、分類していく」ようにします。

全部ぶち込む

「2段階」かけて、処理していきましょう。

T字勘定を切ったら、とりあえず、勘定科目ごとの取り決めどおりに、T字勘定にぶち込んでいきます。

売買目的有価証券を、資料からピックアップして、「有価証券」のT字勘定にぶち込みます。(もちろん、借方に。)

で、“とりあえず”満期保有目的債券とその他有価証券を、「投資有価証券」のT字勘定に、ぶち込みます。(もちろん、借方に。)

これで、第1段階は終わりです。だいぶ、すっきりするはずです。

1年基準ものを探す

で、第2段階です。

資料に目を通して、「1年以内に期限が来る」ものをピックアップします。

で、その1年物ごとに、「投資有価証券」のT字勘定の貸方に記載します。(減らす感じです。)

で、当該記述を、今度は、「有価証券」の借方に転記する、ってな塩梅です。(増やす感じです。)

後は、「有価証券」と「投資有価証券」の残高を計算する、ってな次第です。

こうやって、2段階で整理すると、「頭の中だけの作業」より、格段に間違いが減るはずです。

まとめ

計算用紙に、いちいち「有価証券」と「投資有価証券」のT勘定を設けて、数字を転記するのは、めんどうです。

しかし、「ここ」で間違えてしまうと、これまでの苦労が水の泡です。

手間と時間をかける価値はあるのです。

有価証券の個々の処理は、クソメンドクサイこと、この上がありません。

売買目的有価証券は、意図的に売買をはさんで取得原価を変動させて、売却損益を出すのを手間取らせます。

満期保有目的債券は、社債の償却原価法をやらせて、手間取らせます。時には、期中売却をはさんで、端数利息の計上までやらせてくることでしょう。

子会社株式・関連会社株式では、わざと「時価」の額を資料中に入れてくることでしょう。

こんな次第で、その処理に苦労したはずです。

しかし、「表示」を間違えると、その苦労は点に結びつかないのです。

だからこそ、ケアレスミスを犯さないやり方をしなくてはいけない、ってな次第です。

とりわけ、処理する有価証券の数が多い場合は、当該T字勘定が、激烈に威力を発揮するはずです。

有価証券の表記で、煮え湯を飲んだ方は、「T字勘定」という1手間かけて、処理してみてください。

なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、

独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。

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