結論から言うと、銀行勘定調整表の処理は、「両者区分調整法」のやり方だけを憶えます。
残る「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」は、「×(ばってん)」の1語で済ませてしまいます。
銀行勘定調整表が出題されたら、まず、下のように、テキストでお馴染みの「図」を書きます。
で、調整項目を地味に記入していきます。
ここでのポイントは、「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」での処理が指定されていても、まず、下書き用紙に「両者区分調整法」の図を書く、という塩梅です。
端的に言うと、「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」は、「両者区分調整法」の図さえ書ければ、すぐに処理できます。
これを、「企業残高基準法」では、「銀行上の加算項目を、企業上の減算に」とか、「銀行上の減算を、企業上の加算に」などと、「頭」で考えると、クソややこしくて、面倒くさいことこの上ありません。
「企業残高基準法」や「銀行残高基準法」から処理しようとすると、脳細胞がちりちりと焼け始めます。
ですから、まず、「両者区分調整法」で処理して、後は、それぞれの方法に加工する、ってな次第です。
当該加工法が、先述した「×(ばってん)」です。
先に述べたように、まず、「両者区分調整法」で処理してしまいます。
で、次は、下の図のように、「×(ばってん)」してしまいます。
これだけです。
上の画像で「企業残高基準法」、下の画像は「銀行残高基準法」です。
補足ですが、「企業残高基準法」とは、「企業側の当座預金」から「始まる」ので、そう名づけられています。
「銀行残高基準法」も同趣旨で、「銀行の残高証明書」から「始まる」ので、当該名称となっています。
「基準=スタート地点」なわけです。名前が悪いです。「企業残高スタート法」とかの方がはるかに理解しやすいですね。
上の画像のように処理できたら、矢印の方向に対して、それぞれの調整事項と数字を転記する、ってな塩梅です。
ここでのポイントは、頭の中で、「減算が加算云々」は考えない、ということです。
考えはじめると、頭の回路が焼け付いて、焦げ臭くなります。何も考えず、(ここはここ)(ここはここ)と、単純明快に処理してください。考えるとダメです。
「×(ばってん)」を通して転記すれば、「両者区分調整法」から、「企業残高基準法」なり「銀行残高基準法」なりの処理になった、という次第です。
「銀行勘定調整表」の処理は、「両者区分調整法」からの「×(ばってん)」で、「企業残高基準法」なり「銀行残高基準法」に対応させるってな次第です。
シンプルな処理なので、試験問題を前にして懊悩することもなくなります。
言うまでもありませんが、当該「×(ばってん)」方式は、大元の調整項目がきちんと正確に処理できてこその解き方です。
まずは、調整項目を、正確に処理してください。ここが間違っていると、青菜にシュガーです。
なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、
独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 建設業経理士, 簿記2級, 簿記2級‐勉強, 簿記2級‐銀行勘定調整表 | 2016年9月6日 10:05 AM |
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この近年、あまり注目されていなかった「銀行勘定調整表」ですが、大改定の影響を受けて、何気に油断できない論点となっています。
以下は、未渡小切手についてのノートです。
まず憶えてほしいのは、銀行勘定調整表の論点の中で、当該「未渡小切手」が、際立って危険であり、ほぼ必ず問われる、という次第です。
銀行勘定調整表上の修正に加え、修正仕訳が必要で、また、当該修正仕訳が爆弾で間違いやすいという塩梅で、ゆえに、出題者は執拗に当該「未渡小切手」を狙ってくるわけです。
「未渡小切手」は、他の時間外預け入れやら未取付・未取立と比べたら、何倍も注意しなくてはいけません。
「未渡小切手」は、超主力論点です。目にしたら、慎重に接してください。
未渡小切手のポイントは、「主語・わたしを付ける」と「修正仕訳は爆弾」です。
「銀行勘定調整表の勉強‐未取立小切手と未取付小切手」でも述べましたが、銀行勘定調整表の小切手には、主語を付けるとわかりやすくなります。
未渡小切手には、「わたし」を付けます。「み・わたし」だけに「わたし」です。
なお、「わたし」とは、自分が企業側の人間(経理職員なり経営者)として考えます。
「わたしが、未渡し小切手」→「わたしが、まだ渡していない小切手」です。
「小切手を渡していない」ということは、手元に小切手が“残っている”わけで、「銀行口座から出金されていない=減っていない」ことになります。
ですから、実際に合わせるため、銀行勘定調整表では「企業側の帳簿残高に加算」する、という手合いです。
で、「わたし」が、まだ渡していない小切手ですから、当該取引の効力は発生していないわけで、先の「小切手振出時」に行った仕訳の「修正仕訳」をしなくてはいけない、という次第です。
未渡小切手で一番注意しないといけないのは、「修正仕訳」です。
当該未渡小切手の修正仕訳は、かなり注意しなくてはいけません。
これが「買掛金の支払いのために小切手を振り出した」なら、カンタンです。
振り出し時は「買掛金○○ / 当座預金○○」と仕訳を切っていますから…、
単純は反対仕訳「当座預金○○ / 買掛金○○」をすればいいだけです。
しかし、これが費用項目なら、慎重にならなくてはいけません。
たとえば、「旅費の支払いのため小切手を振り出した」の場合、単純な反対仕訳の「当座預金○○ / 旅費○○」では誤りです。
「旅費」は旅費で認識・計上されていますから、「当座預金○○ / 未払金○○」と、「未払金」で処理しなくてはいけません。
「当座預金○○ / 旅費○○」としてしまうと、発生したはずの「旅費」がどっかに行ってしまいます。
もっと言うと、この仕訳では、旅費の値引きを受けたとか、旅費が実際には少なかった仕訳となってしまいます。
このように、修正仕訳をする際は、「元の仕訳」がどうだったかを踏まえて、行わなくてはいけません。
なお、費用が「家賃」等々だったら、費用の見越し計上云々も関ってくるので、さらにややこしくなって、さらなる注意が必要となってきます。
このように、未渡小切手は、銀行勘定調整表上の修正、修正仕訳が必要、修正仕訳が爆弾と、なかなかに論点が詰まっているので、「未渡小切手」と遭遇したら、解答スピードを落として、慎重かつ丁寧に見ていってください。
なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、
独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 建設業経理士, 簿記2級, 簿記2級‐勉強, 簿記2級‐銀行勘定調整表 | 2016年9月3日 11:11 AM |
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この近年、あまり注目されていなかった「銀行勘定調整表」ですが、簿記2級の大改定を受けて、何気に油断できない論点となっています。
以下は、未取立小切手と未取付小切手についてのノートです。
どうしても憶えられない、憶えてもしっくりこない方は、参考にしてみてください。
ポイントは、「主語・銀行を付ける」と「両者は対(つい)」です。
未取立小切手と未取付小切手は、漢字が似ているので、考えれば考えるほど、ごちゃごちゃしてきます。
しかし、両者を区別して覚える必要はなく、どちらか「1つ」を頭に入れたらいいです。
というのも、未取立小切手と未取付小切手は「対(つい)」なので、片方の理屈を押さえたら、もう片方はその逆、とでも考えたら事が済むからです。
未取立小切手は、銀行残高に「“加算”」です。
ならば、対の未取付小切手は、反対の銀行残高に「“減算”」と相なる次第です。
未取立小切手と未取付小切手を考える際は、「銀行」という主語を付けると、わからなくなったときの手助けになります。
未取立小切手は、「銀行が、未取立な小切手」→「銀行が、まだ取り立ててない小切手」と考えます。
未取付小切手は、「銀行が、未取付な小切手」→「銀行が、まだ取り付けていない小切手」と考えます。
このように、「銀行」という主語をつけると、「銀行が行う処理」であることが、きっちり憶えられます。
つまり、企業側である当方は「何もしなくていい=修正仕訳なし」なわけでありかつ、銀行勘定調整表上では、「銀行」側で処理する、という塩梅です。
未取立小切手と未取付小切手は、文言が似ているので、本当にわからなくなります。
ですから、無理して2つを憶えるより、どちらか片方だけを憶えます。
わたしが推薦するのは、「未取立小切手」の方を憶える、です。
もう片方の「未取付小切手」の「取り付け」という言葉には、馴染みがないからです。
未取立小切手は、「銀行が、まだ取り立ててない小切手」と、日本語として意味が通じやすいので、いざというとき、考えやすいです。
未取立小切手とは、「銀行が、未取立な小切手」→「銀行が、まだ取り立ててない小切手」という塩梅で、数日もすれば、銀行が取ってきて“口座に入金される”でしょうから、ゆえに、「銀行残高に加算」と考えられる、ってな次第です。
で、残る「未取付小切手」ですが、先も言った様に、この2つは「対」なので、未取立小切手の反対くらいに憶えておいて、試験に出たときは、未取立小切手の理屈を思い出して、未取立小切手が加算なら、その反対の「減算」と考える、ってな次第です。
未取立小切手と未取付小切手は、両者は対・コンビと、しっかり頭に入れます。
なぜかというと、小切手の処理には「未渡小切手」という、名前が良く似た厄介小切手があるからです。
「未取付と未取立がコンビ」と、コンビ対象を明確にして憶えましょう。
まとめます。
未取立小切手と未取付小切手は、主語「銀行」を付けて考え、両者は「対」なのでどっちか一方はその反対と憶える。
「未取立小切手」とは、「銀行が、まだ取り立ててない小切手」で、しばらくすれば、銀行が取り立てて口座に入金する、だから、銀行残高に加算する(加算しても支障がない)、です。
「未取付小切手」は、その逆で「銀行残高に減算」。
「銀行」側の処理ですから、企業側である当方の処理はない、つまり、「修正仕訳なし」、という塩梅です。
こう踏まえておけば、混同も少なくなるかと思います。
なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、
独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 建設業経理士, 簿記2級, 簿記2級‐勉強, 簿記2級‐銀行勘定調整表 | 2016年9月2日 10:04 AM |
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