令和3年度(2021年度)の登録販売者を受験予定の人へのアドバイス。R2の東京都・関西広域連合・福岡県の本試験を元に、今後の傾向を探り、チェックポイントを挙げている。生薬対策や事例問題、ひっかけ問題について言及。
登録販売者試験は、だいたい似たり寄ったりで、そして、しばしば、他県の試験を“大いに参照した”問題が出ます。
以下に、先年度(令和2年度:2020年度)の東京都・関西広域連合・福岡県試験で気になったところを挙げていきます。
傾向把握の一環として、他の都道府県の方も、お目汚しください。
それでは、「生薬難化」と「医薬品の事例問題」「マイナー出題」、「新ひっかけ」などを見ていきます。
「生薬」が難化しており、これまで、あまり見られなかった論点が、“積極的”に出題されています。
次に、ストレートに「基原」が問われる選択肢があり、今後の定番になりそうです。
まず、「注意事項のある生薬」ですが、R2の「東京都」試験で、問われています。
「第96問‐サイシン」です。
これまでの生薬の問題は、スタンダードな「名称‐効能」と「基原」くらいだったのですが、他のカタカナ成分同様に、「注意事項」までもが、問われるようになっています。
これまで出てない記述だからといって油断せず、「逆」に、出ていないところこそ、テキストで精読しておきましょう。
参考:登録販売者「注意事項」のある生薬のまとめ‐セネガ,オンジ,サイシン,センソ,ブシ,モクツウ,ボウイ,モッコウ
「日本薬局方のある生薬」が出題されています。
ときおり見られた論点ですが、R2の「東京都」試験にて…、
「第72問‐センブリ」と…、
「第79問‐コウカ」といった感じに出題されています。
日本薬局方での効能まで、押えておきましょう。
参考:日本薬局方のある生薬
このように、生薬では、新手の出題が増えています。
そこで、あまり出題されていない生薬の論点を、「登録販売者「その他の記載」のある生薬のまとめ」にまとめました。
余裕があれば、チェックしておいてください。
これまで、「基原」が正面から問われることは、少なかったです。
「基原」が問われるにしても、ブシやジャコウなどのメジャー生薬であり、何とか、受験生も対応ができていました。
しかし、「ガチ基原」問題ともいうべき出題が、R2の「福岡県」試験の「第66問‐カノコソウ」にて出題されました。
この選択肢の解ける受験生は、ごく少数だったでしょう。
当該「ガチ基原」の出題が続くかどうかは不明です。
現状では、ブログの「基原と名称が同じ生薬一覧」くらいで、対応可能な基原だけは、押えておきましょう。
これまでの「医薬品」の出題は、シンプルなものが多く、単に「名称‐効能‐使用上の注意」を聞くものが多かったです。
たとえば、「○○は、××成分である」とか「○○は、××な人は使用を避ける必要がある」とかです。
しかし、最近では、新しい出題形式として、「事例問題」が定番化しています。
たとえば、「妊婦の方から質問があった」とか「持病のあるお年寄りが来客」といった感じで、実際の「実務」が意識された問題が増加しています。
「事例問題」は、従来の医薬品の「知識問題」で、医薬品の適否を問うものですが、ケースに応じて、考えないといけません。
当該「事例問題」は、いい問題だし、実務にも有用なので、今後とも、増加すると思われます。
過去問等で遭遇したら、その出題形式をチェックするようにしてください。
ご存知のとおり、「医薬品」は、年々難化しているわけですが、これまでに出なかった「マイナー」な出題に、備えるようにしてください。
これまでは、「試験に出ていない」テキストの記載は、「軽くチェック」するくらいで良かったのです。
しかし、昨今では、「試験に出ていない」マイナーなものほど、“狙われている”という感が強いです。
たとえば、R2の「東京都」試験の「第94問‐滋養強壮保健薬」です。
これまでは、「ビタミンなんたら」での出題が多く、ときどき、「別名」で問われていたのですが、これまで問われてなかった「ピリドキサールリン酸エステル」や「トコフェロール酢酸エステル」といった「別名」が、正面から出題されています。
テキストの読み込みが浅い受験生なら、討ち取られたはずです。
このように、「別名」ですらが、グイグイと攻めて来ています。
過去問演習の後は、テキストの「試験に出ていない細かい記述」を、意識して読み取って行きましょう。
ずっこけた問題が、R2の「福岡県」試験の「第91問」で、出題されました。
内服薬と外用薬のある薬で、個々の成分の「内服‐外用」が問われています。
一種の「ひっかけ」ですが、これまでにないタイプです。
わたくし事ですが、初遭遇のときは、問題と解答のPDFの前で、15分ほど、ムムムと頭を捻り続けました。ホント、何が問題になっているのか、わからなかったのです。
こういう『手口』もあることを、把握しておきましょう。
「漢方処方製剤」は、“ふつう”に、そこそこの数(7~8問)が出題されています。
丸々1問が漢方という問題は微減ですが、選択肢の1つとして、よく出題されるようになっています。
全国的に、今後も、この傾向が続くと思います。
漢方処方製剤の『全部をやれ!』とはいいませんが、最低でも…、
・第1節:かぜ
・同節:疳の薬(特に、小建中湯)
・第6節:婦人薬
・第14節:漢方処方製剤・生薬製剤
…の生薬くらいは、見ておきましょう。
上記4つの節の漢方処方製剤を見ておけば、「漢方で0点」という事態は、避けられるように思います。
参考:漢方処方製剤対策
「法令」にて、気になる応用問題がありました。
R2の「東京都」試験の「第53問‐指定第2類医薬品」です。
これまで、ここまでの「応用」はなかったので、注意してください。
傾向変化については、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や試験情報等については、「登録販売者の独学」をば、参考願います。
2021年6月10日 10:01 AM
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