宅建士(宅地建物取引士)の「都市計画法」では、「開発行為」が頻出論点であるが、本試験では、「未満」の使い分けを問う問題が出題される。そこで、このページでは、語句の整理と閾値(しきいち)チェックを行う。
| カテゴリー: 宅建 | Tags: 宅建, 宅建‐法令上の制限, 宅建ノート‐都市計画法
「都市計画法」の「開発行為」は、誰もが判別できる数字ではなく、(アレレ)となる微妙な数字が問われます。
当該論点では、「未満」の「閾値(しきいち)」に絡んだ出題がされるので、本試験で混乱しないために、整理して憶えておくべきです。
「都市計画法」の「開発許可の適用除外」ですが、皆さんにとっては、お馴染みの論点かと思います。
その内容ですが、「開発行為」には、『原則』として、「許可」が「必要」です。
しかし、『例外』として、以下の…、
・市街化区域で、「1,000平方メートル“未満”」の開発行為。
・区域区分が定められていない都市計画区域で、「3,000平方メートル“未満”」の開発行為。
・準都市計画区域で、「3,000平方メートル“未満”」の開発行為。
・都市計画区域および準都市計画区域外の区域で、「10,000平方メートル“未満”」の開発行為。
…場合には、「許可」が「無用」となります。
しかし、試験では、「閾値(しきいち)」が、つまり、「数字」のギリギリのところが問われるので、慎重に憶える必要があります。
参考:以下・以上・未満・超える
「未満」の場合に、「許可」が「無用」となります。
「未満」は、その数字を“含みません。”
たとえば、「1,000平方メートル“未満”」とは、「999.999999…平方メートル」などが該当するわけです。
んなもんで、「1,000平方メートル」ぴったりだと、1,000平方メートル“未満”ではなくなるので、「許可無用」ではなくなって、許可が「必要」となります。
たとえば、「3,000平方メートル“未満”」とは、「2,999.999999…平方メートル」などが当てはまります、
よって、きっちり「3,000平方メートル」だと、3,000平方メートル“未満”ではなくなるので、「許可無用」ではなくなり、許可「必要」となります。
最後です。
たとえば、「10,000平方メートル“未満”」とは、「9,999.999999…平方メートル」とかが該当し、ちょっきり「10,000平方メートル」は該当しなくなり、よって、許可が「必要」となります。
“未満”だけで憶えると、(アレレ)となりがちです。
“未満”の前の数字に注目して、内容を整理して、憶えましょう。
・市街化区域で、1,000平方メートル“未満”の開発行為は、許可『無用』。
・市街化区域で、“1,000平方メートル”の開発行為は、許可『必要』。
・区域区分が定められていない都市計画区域で、3,000平方メートル“未満”の開発行為は、許可『無用』。
・区域区分が定められていない都市計画区域で、“3,000平方メートル”の開発行為は、許可『必要』。
・準都市計画区域で、3,000平方メートル“未満”の開発行為は、許可『無用』。
・準都市計画区域で、“3,000平方メートル”の開発行為は、許可『必要』。
・都市計画区域および準都市計画区域外の区域で、10,000平方メートル“未満”の開発行為は、許可『無用』。
・都市計画区域および準都市計画区域外の区域で、“10,000平方メートル”の開発行為は、許可『必要』。
さて、当該論点では、「ひっかけ」として、「未満」が「以下」に変えられているときがあります。
本節では、その対策を述べていきます。
「以下」の場合は、その数字を“含みます。”
例題で見ていきましょう。
たとえば、「市街化区域で、1,000平方メートル“以下”の開発行為には、許可が無用となる。」です。
「×」です。
「以下」は、その数字を含むので、「1,000平方メートル」の開発行為が含まれます。
先に見たように、「1,000平方メートル」だと、許可が「必要」です。
もう1問、例題を挙げておきます。
それは、「市街化区域で、1,000平方メートル“以下”の開発行為には、許可が“必要”である。」です。
「×」です。
先に見たように、「1,000平方メートル」だと、許可が必要ですが、それ以下の、たとえば、「999.999…平方メートル」の規模なら、原則どおり、許可は無用となります。
こんな風に、出題者は“わざと”混乱させてくるので、注意してください。
「未満」が「以上」に変えられたケースを見ておきましょう。
例題は、「市街化区域で、1,000平方メートル“以上”の開発行為には、許可が無用となる」ってな次第です。
“以上”場合、その数字を“含みます。”
例題の場合、「市街化区域の1,000平方メートル」の開発行為も、含まれるわけです。
「市街化区域」だと、1,000平方メートル未満が許可無用でした。
例題は、1,000平方メートルなのですから、許可が必要となります。
よって、例題は、「×」となります。
「未満」が「超」に変えられたときを見ておきましょう。
例題としては、「市街化区域で、1,000平方メートル“超”の開発行為には、許可が無用となる」ってな次第です。
「超」は、その数字を“含みません。”
よって、例題の「1,000平方メートル“超”」とは、「1,000.1111…平方メートル」的な開発行為なわけです。
「市街化区域」だと、1,000平方メートル未満が許可無用でした。
んで、「市街化区域」は、1,000平方メートルなら、許可が必要でした。
例題は、具体的には「1,000.1111…平方メートル」の開発行為ですから、当然、許可が必要となります。
よって、例題は、「×」です。
こんな風に、当該論点は、個々の数字の「裏」を取っておきましょう。
不安がある人は、最初の方に挙げた「以下・以上・未満・超える」も、一読願います。
2020年7月25日 9:40 AM
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