難易度は「やや難」。本問は、「抵抗とコイルが直列接続された回路の力率」の計算問題である。公式を憶えておけば取れるが、あまりにわからないなら、本問のような三相交流回路の問題は捨ててもよい。平成28年の後期の筆記試験の第5問の過去問解説。文系ド素人や独学者向け。
第5問は、「三相交流回路の線間電圧」を求める問題で、Y(スター)結線の三相交流回路が舞台です。
本問は、公式さえ憶えておけば、解けることには解けます。
しかし、文系ド素人にとっては、「三相交流回路」そのものにアレルギーを持つ人も多いかと思います。
単相ならわかっても、三相となると「???」な次第で、こういった人は、きっぱり『捨て問』にして構いません。
2電工の筆記は「6割合格」です。
「三相交流回路」は、出ても「2~3問」です。んで、そのうち1問は、電圧降下や電力損失なので、暗記で何とかなり、「捨て問」にしても、失点は1~2問です。
よくわからない論点に拘泥するより、テキストをよく読めば取れる論点を消化し切るほうが、最終的な得点は上がります。
いくらでもカバーできるので、ホント、「???」なら、捨ててしまっていいでしょう。
ちなみにわたしは、受験生当時は「ほぼ捨て問」で臨んでいました。
本問のコツは、「捨てるのも一手」です。
本問は、「Y(スター)結線」ですので、線電流の「20A」がそのまま、相電流となります。
んなもんで、「V=IR」ですから、「V=20A×6Ω」で、「V=120V」です。「相電圧」は「120V」です。
「Y(スター)結線」の線間電圧は、「√3(ルート3)×相電圧」です。
んなもんで「120V×1.73」で「207.6V」となり、んなもんで、答えは「ハ」の「208」と相なります。
なお、√3は、問題の最初の「注」にあるように、「1.73」で計算します。
このように、本問は、三相交流回路の基礎的な知識さえあれば、解ける問題です。
「Y(スター)結線」の公式をまとめておきます。
・線電流=相電流
・線間電圧=√3(ルート3)×相電圧
三相交流回路には、「Δ(デルタ)結線」もあり、テキストにうだうだと説明されているはずです。
公式を挙げると…、
線間電圧は、「相電圧」です。
線電流は、「√3×相電流」です。
とはいえ、本試験では、「Y(スター)結線」の方がよくでます。
当該公式は「後回し」でよいでしょう。
三相交流回路は、理論問題では、ほぼ毎回でる論点です。
しかし、文系ド素人にとっては、敷居は高いです。
先述したように、時間がないとか、他の論点が済んでいないなら、三相交流回路は「後回し」でいいです。
「どうしてもしなければならない」なら仕方ありませんが、「別段しなくてもよい」のなら、優先順は低くてもいいからです。
理論の多くの問題は、「食わず嫌い」な面があり、文系ド素人でも「できる」問題は多いです。
ただ、当該三相交流回路は、理解に時間がかかるため、費用対効果は“薄い”というのが実情です。
三相交流回路ができなくても、合格は可能です。
2電工以降、上級の電気資格を考えているなら、本腰を入れるべきですが、「まずは資格」という方は、「捨て問」です。
なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、
独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。
2017年4月7日 10:59 AM
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