難易度は「難」。実物に触れていないと答えられない「実物問題」。しかし、工具の実際を知っていたら絶対に間違わないので、テキストだけではなく、工具に触れておくことが大事。平成28年の後期の筆記試験の第48問の過去問解説。文系ド素人や独学者向け。
第48問は、写真鑑別の中では割かし「難」の問題で、紙の上だけの勉強になりがちな文系ド素人は厳しいです。
というのも、選択肢の工具を、1回でも触っていないと、判別できないからです。
反対に言うと、「知っていたら」、「ここにこれを使うのはありえない」という形で、正解が導けるのです。
本問は、技能試験の必須工具である、「ロ」のリングスリーブ用圧着工具を、触れたことがあるなら、正解に漕ぎ着けます。
「技能試験の教材」でも述べているのですが、技能用の工具は、どのみち買うことになるので、筆記のときから買っておくことを推奨します。
本問のポイントは、「14mm2のIV線を接続」するところです。
ですから、「太い電線を圧着接続するとき」に使われる「手動油圧式圧着器」を使うことになります。
反対に言うと、「細い電線を圧着接続するとき」に使う工具は、使わない、といった塩梅です。
ですから答えは、すなわち、問題の施工に“不適切なもの”は、「ロ」と相なります。
本問のポイントは、「ロ」の「リングスリーブ用圧着工具」と、「二」の「手動油圧式圧着器」の“使い分け”です。
「ロ」の「リングスリーブ用圧着工具」は、「細い電線を圧着接続するときに使う工具」となっています。
技能試験では、「1.6ミリ(まれに2.0ミリ)」のIV線を接続しまくるのですが、その作業に当該リングスリーブ用圧着工具が使われます。
「1.6ミリ」ですから「半径は0.8ミリ」なので面積は「0.8*0.8*3.14」で「約2mm2」です。
対して、本問の舞台は、断面積「14mm2」となっています。
約2mm2 VS 14mm2
太さに7倍もの開きがあるわけで、言うなれば、にんじんを切るのに牛刀を使うような如しです。
んなもんで、本問は、「電線を接続する工具」であるけれども、「対象電線の太さ」が合わないので、「ロ」のリングスリーブ用圧着工具が不適切となる次第です。
なお、当該リングスリーブ用の圧着工具は…、
…となっており、問題文の太さの電線は、まず使えません。
本問は、文系ド素人キラー問題です。
というのも、「二」の「手動油圧式圧着器」も、「ロ」の「リングスリーブ用圧着工具」も、『同じ、電線の接続器具』であるところです。
ぶっちゃけ、テキストだけの勉強では解けないはずで、実際に器具に触ったことがないと、判別できないと思います。
一度でも、当該「リングスリーブ用圧着工具」を操作していれば、「14mm2」もの太さの電線をはさむ「口径」がないのがわかるはずなので、「ロ」はありえない、となる次第です。
ホント、実物さえ触っていれば、どこでガッチャンコするんだよっ!的な突っ込みが思わず出るほど、即答できてしまいます。
「イ」の「ケーブルカッター」は、その名の通り、太い電線やケーブルを切る際に使う器具です。
「ハ」の「電工ナイフ」は、被膜を剥ぎ取るときに使われます。当該電工ナイフも、技能試験用の工具にあるので、触っておくべきです。
「二」の「手動油圧式圧着器」ですが、これは、技能試験用の工具には入っていません。
しかし、ホームセンター等の専門店で置いているはずなので、一度、触っておきましょう。今後、絶対に間違わないはずです。
写真では同じような大きさに見えますが、実物は大きさが全く違います。
本問は、『実物さえ知っていれば、カンタンに解ける』問題です。
反対に言うと、『実物を知らないと、もの凄く難しい』問題という次第です。
最近の試験では、こうした「実物問題」が増えています。テキストだけの勉強には、限界があります。
下手に写真を見て憶えるより、実物で勉強する方が、圧倒的に点になります。
まず、工具はどのみち必要になるので、定番の「HOZAN 電気工事士技能試験セット S18第2種電気工事士の独学」を…、
独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。
2017年4月3日 11:53 AM
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