難易度は「ふつう」。文系ド素人でも十分取れるので必ずできるようになっておく。本問は、「分岐回路の開閉器・過電流遮断器」の問題である。テキストに出てくる分岐回路の数字を憶えておけばよい。憶えるべきことは少ないので、費用対効果は高い。平成28年の後期の筆記試験の第10問の過去問を解説。文系ド素人や独学者向け。
第10問は、筆記で定番の「分岐回路の開閉器・過電流遮断器」の問題です。
「分岐回路」のド定番の問題に、先の第9問「分岐回路の種類」があります。
第9問の「分岐回路の種類」を正解するには、コンセントの定格電流やら電線の太さなど、細々した数字をたくさん憶えなくてはいけません。
参考:表:分岐回路の種類
しかし、本問の「分岐回路の開閉器・過電流遮断器」は、憶えることが少しで、2~3つしかありません。
んなもんで、「分岐回路の種類」はできずとも、本問の「分岐回路の開閉器・過電流遮断器」だけは、正解できるようになっておきましょう。
本問のテーマ「分岐回路の開閉器・過電流遮断器」は、長々と書いているので難しそうですが、根っこは実にカンタンです。
まず、原則「分岐回路には、原則として、幹線の分岐点から、3メートル以内の場所に、分岐開閉器(開閉器・過電流遮断器)を設置しなくてはならない」を憶えましょう。
本試験で問われることは、この原則に関する『例外』です。
本来なら、常に、絶対に、必ず「分岐点から、3メートル以内の場所」に、開閉器・過電流遮断器を設置しないといけないのです。
しかし、開閉器・過電流遮断器は安いものではなく、無闇矢鱈に取り付けると、作業も増えるしお金もかかるしメンテも馬鹿になりません。
んなもんで、「こういう場合なら、問題もそうないので、規制を緩和する」、つまり、3メートルを超えて設置してもよい、という例外規定が生まれたという塩梅です。
例外規定とは、テキストでおなじみの…、
「分岐点からの電線の許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上であれば、3メートルを超え8メートル以下に施設」と…、
「分岐点からの電線の許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格電流の55%以上であれば、距離に制限なく取り付けられる」といった次第です。
漢字が多く頭が痛くなりそうですが、まずは、コアとなる…、
「35%以上…3メートルを超え8メートル以下」
「55%以上…距離関係なし」
…を頭に入れましょう。
先の説明文がわかりにくいなら…、
…の表のように、言い換えた形で、憶えるといいでしょう。
本問の舞台は、「幹線の過電流遮断器の定格電流」が「60A」です。
そして、分岐点から、分岐回路の過電流遮断器までの距離が「10メートル」となっています。
先の文言や表に当てはめると、「8メートルを超える」に該当するので、「55%以上」で施工することになります。
んなもんで、「60*0.55」で「33A」となり、答えは「ニ」となります。
本問が厄介なのは、漢字が多く、意味がわかりにくいところです。
幹線やら、分岐回路やら、定格電流やら、過電流遮断器やらで、文系ド素人だと、目が回ります。
しかし、本試験で問われていることは、非常にシンプルです。
一度理解してしまえば、得点源となりますし、憶えることは少ないので、費用対効果は大です。
文系ド素人にとっては、貴重な問題です。必ず、1点取れるようになっておきましょう。
なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、
独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。
2017年4月7日 10:46 AM
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