危険物取扱者 乙種4類の動植物油類のポイントを列挙。独学者向け。「憶えなくていいところ」と、試験に出る最低限度のポイントである、乾性油、アマニ油、自然発火などを説述する。動植物油類は、出るところがほぼ決まっているので、費用対効果は高い。
動植物油類も、第4石油類と同様に、あまり試験に出ません。出るにしても、1問がせいぜいです。
というのも、動植物油類は、特殊引火物や第1石油類と比べたら、“だんぜん危なくない”からです。
本試験は、やばい物ほど試験に問うべき、といった傾向が強く、そうそう試験問題には採用されない、といった寸法です。
とはいえ、出ることには出るので、対策だけは取っておきます。捨ててはいけません。
動植物油類は、第4石油類より難しいです。
というのも、動植物油類には、「乾性油」と「自然発火」という独自の論点があるため、第4石油類より、学習量が多いからです。
これがため、動植物油類は、第4石油類以上に狙われやすくなっています。
しかしながら、動植物油類で出るところはほぼ決まっており、しかも、出たらまず点の取れる構成の問題です。
動植物油類は、出たら取れるラッキー問題であり、費用対効果は他の石油類に比べると、高いです。
(テキストの動植物油類は約1~2ページです。そこから1問出るので、かなりの出題“濃度”ではないでしょうか?)
以下に述べるポイントだけ押さえて、ダメ押しの1点を確保してください。
動植物油類で憶えなくてもよいのは、「油の名称」です。
ヤシ油やサラダ油、大豆油、オリーブオイル、イワシ油、配偶者油などが動植物油類に該当しますが、これらの油名は一切憶えなくていいです。
本試験では、たとえば、「以下の選択肢のうち、動植物油類はどれ?」的な問題は出ません。
ですから、細かい名称を憶える必要はない、といった次第です。
ただ、「アマニ油」の名称だけは、記憶してください。
アマニ油とは、アマの種子を絞った油で、塗料・ワニス(上塗り剤)・印刷インキに使われています。
当該アマニ油は、後述する「乾性油」「自然発火」に絡めて出題され、動植物油類で屈指の出題ポイントです。
こういった次第で、取りあえずは、アマニ油だけ頭に入れておけば、御の字です。当該アマニ油は、甲種でも顔を出します。
動植物油類でよく問われるのは、その定義です。
動植物油類とは、「1気圧において、引火点が250度未満」のものをいいます。
当該定義の数字部分がよくよく問われます。
たとえば、「ヤシ油の引火点は、300度前後である」といった感じで出されます。
先述したように、動植物油類は、引火点が250度未満のものです。ヤシ油も動植物油類なので、引火点が300度になるはずがありません。
こうした塩梅で、この種の問題は、引火点の数字さえ憶えておけば取れるので、「第1石油類・第2石油類・第3石油類・第4石油類・動植物油類の分類の数字暗記(語呂つき)」を参考にして、暗記してください。
なお、ごく稀に、「1気圧」の部分を突っ込んでくるときがあります。
たとえば、「動植物油類とは、10気圧で云々」「動植物油類とは、0気圧で云々」と問われることがあります。
何気に盲点なので、「1気圧」まで、しっかり憶えておきます。
動植物油類の固有の論点が「乾性油」です。
動植物油類には、「乾きやすくて酸化・硬化しやすい油」である「乾性油」があります。
乾性油は、空気中で徐々に酸化し、酸化熱を蓄積するところに特徴があり、かなり危ない油です。
この乾性油が、ぼろ布などにしみ込んで、加えて、通風の悪いところに放置されていると、酸化熱で自然発火する危険があります。
この自然発火の危険性ゆえに、本試験では、「乾性油」について、しばしば問われます。
動植物油類は、名前がそう危険ではないので、甘く見がちです。たとえば、大豆油と耳目にして危機感を募らせる人はいないでしょう。
しかし、乾性油は「自然発火」して火災の原因となるので、試験には出ます。しっかりと、その性質を押さえましょう。
動植物油類で問われるのが、「ヨウ素価」です。
ヨウ素価とは、自然発火の危険性を示す数値です。
ヨウ素価の高いものほど、自然発火の可能性が高いです。
細かい数字は憶えなくていいですが、テキストには…、
ヨウ素価100以下・・・不乾性油→ヤシ油
ヨウ素価100~130・・・半乾性油
ヨウ素価130以上・・・乾性油→アマニ油
…といった数字が挙がっているはずです。
先述したように、数字部分は憶える必要はありません。甲種ですら試験に出ないので、乙4なら、さらに出ることはないでしょう。
憶えるべきは、「ヨウ素価」という文言と、「アマニ油」という存在だけです。
「ヨウ素価」という文言は、動植物油類にしか出てきません。そのほかではまず出てこない文言が「ヨウ素価」です。
んなもんで、出題者は、「ここからしかないから、出しとくか~」的なノリで、ヨウ素価を試験に出してきます。手薄な受験生なら討ち取られることでしょう。
このように、「ヨウ素価」は、動植物油脂の固有の論点なので、しっかり憶えます。
次に、「アマニ油」ですが、当該アマニ油が一番ヨウ素価が高く、従って、自然発火しやすいものとなっており、これまた頻出の論点となっています。
先の「ヨウ素価」に絡めて出題されるので、しっかり記憶です。
このように、「アマニ油」と「ヨウ素価」は、動植物油類の2大ポイントですので、しっかり憶えておきましょう。
ところで、不乾性油である「ヤシ油」の名前は憶えなくていいのですが、ごく稀に、「アマニ油は乾き難い不乾性油で、ヤシ油は乾きやすい乾性油である」といった、ひっかけ問題があります。
答えは「×」です。アマニ油が乾きやすい乾性油で、ヤシ油が乾きにくい不乾性油です。
こうした出題もあるので、しっかり憶えて、極悪同盟の出題者の魔の手から逃れてください。
動植物油類でよく出るポイントを列挙します。
まず、「消火困難」です。
第3石油類・第4石油類と同じで、動植物油類も、ひとたび火災が起きると、消火に手間取ります。
試験では、「動植物油類は、燃焼温度が高いので、消火が困難である」といった風に問われます。
次に、「加熱しない限り、燃えない」です。
動植物油類は、先も言ったように、引火点が高く、加えて、蒸発もしないので(引火性液体は蒸発燃焼です!!)、“比較的燃えにくい危険物”となっています。
おおむね、加熱しない限りは燃えないといった塩梅です。
当該規定は、問題のメインにはなりませんが、ちょこっと顔を出すことがあります。
また、動植物油類は、「霧状だと引火しやすい」「布にしみこむと引火しやすい」という論点もあり、ごく稀に出てくるので、併せて押さえておきましょう。
以上、動植物油類のポイントを見てきました。
ポイントは、まず、引火点の定義。250度未満でしたね。
で、「自然発火」。
で、「乾性油」「ヨウ素価」「アマニ油」です。
出るとしたらこのくらいなので、通勤や通学時に、ざっと憶えこみましょう。
『心の軍師』に、『動植物油類は、第4石油類より難しい。甘く見ない。』と、助言してもらってください。
なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、
独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。
また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。
2017年1月25日 11:58 AM
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