危険物取扱者 乙種の1類、2類、3類、5類、6類のみを受けることになった人への受験ガイド。危険物取扱者試験とは、ほとんど「乙種4類」の試験といっていいくらいに、「乙4」に偏っている。乙4以外「のみ」を受験することになった人へのアドバイスと注意事項。
会社や勤務先の要請で、危険物取扱者の乙1・乙2・乙3・乙5・乙6“のみ”を受験することになった場合の対処法を述べておきます。
危険物取扱者の乙1・乙2・乙3・乙5・乙6”のみを受験する場合、最も困るのが「教材」です。
乙1なり乙2なり乙3なりの、単独のテキスト・過去問が売ってないからです。
本屋には、「試験免除者用の、乙1から乙6(乙4除く)」までが、一緒くたになった教材しか売られていません。
しかも、このテキスト・問題集は、試験科目のうち、「性消(危険物の性質および消化の方法)」の1科目しか、掲載されていないのです。
ですから、当該市販教材では、試験科目の「法令」と「基礎的な物理化学(物化)」が勉強できない、という次第です。
このため、それら2科目が掲載されている「乙種4類」のテキストと過去問で、それらを勉強することになります。
なお、使用教材の詳細は「乙4のテキスト・問題集と「乙1~6類のテキスト・問題集」を参考ください。
(※ 乙種試験は、「性消(危険物の性質および消化の方法)」、「法令」、「基礎的な物理化学(物化)」の3科目で構成されています。)
初めて危険物取扱者試験を受ける人に、当該試験の前提を述べておきます。
先に、「乙1~乙6」のセットのものしか売ってない、と述べましたが、その背景には、「乙4が一番人気」という実情があります。
乙4の受験生は「30万人/年」で、それ以外の乙種は「15,000人/年」と、乙4と他類とでは『20倍差』といった次第で、受験生は乙4に一極集中しています。
乙4以外の乙種需要は“極端に”少ないといった塩梅で、このため、出版社は類単独の教材に二の足を踏む、ってな手合いです。
加えて、「試験の一部免除」という制度があるため、ますます、乙種単独の教材が売られないのです。
乙種は、1つの類に合格すると、以降の試験は「法令」と「物化」が免除され、本試験は「性消」の10問のみになる、という『試験の一部免除』制度があるのです。
ほとんどの受験生は、「乙4」から受験し、次いで、他の類を受験していきます。
言うなれば、「乙1~乙6」の大半の受験生は、もう既に「乙4」を持っているという手合いです。
乙4を持っていて、乙1等を受ける場合、ほとんどの人が、「法令と物化の免除を受ける」ので、仮に、乙1や乙2の教材に「法令」や「物化」が掲載されていても、「必要がない」のであります。
こうした受験事情があるため、「乙1~乙6」の教材は、「性消」のみになる、といった寸法です。
まとめます。
乙1・乙2・乙3・乙5・乙6のみを受験する場合、先に述べた「単独の教材はない」、しかも、「性性しかない」理由から、「乙4」を受験する意図はないけれども、「乙4」の教材を買わざるを得ない、といった次第です。
こんな次第の、乙1・乙2・乙3・乙5・乙6の受験ですが、難易度については、そう心配することはありません。
「法令」「物化」は、乙4と共通なので、難易度に「差」はありません。
ですから、乙1・乙2・乙3・乙5・乙6を受けるにしても、乙4と同等の勉強を消化しなくてはいけません。
反対に言えば、「乙4」の教材で「物化」と「法令」を勉強しても、乙1等の受験に支障は全くない、といった次第です。
次に、「性消」の難易度ですが、「性消」は、『ある程度の調整』がなされており、ある類は楽勝だが、この類は難しいといった「受験差」がありません。
たとえば、乙種6類ですが、当該類の酸化性固体は「6つ」しかないため、試験勉強の負担は、他の類と比べて格段に少ないです。
しかし、先述した「類間の調整」によって、乙6の試験は、格段に難しい、時には凶悪な出題がなされる傾向があります。
ちなみに、他の類は「10~20前後」の危険物があります。
ちなみにわたしは、乙1・乙2・乙3・乙5は「おおむね8割」得点でしたが、乙6だけは「6割」のギリギリ合格でした。ホント、乙6試験では頭を抱えました。
こんな次第で、難易度に差はないので、どの類を受けるにしても、相応の勉強をしておかないと受からない、といった寸法です。
試験勉強等は…、
「乙種1類の独学」…、
「乙種2類の独学」…、
「乙種3類の独学」…、
「乙種5類の独学」…、
「乙種6類の独学」…、
…を参考ください。
「法令」と「物化」は、乙4の「乙種4類の独学」にまとめています。
ま、どの類でも、テキストと過去問とを、3回ほど繰り返しておけば、合格点は確保できます。
乙1・乙2・乙3・乙5・乙6のみを受験する場合、余計な出費がかかります。
受ける必要のない「乙4」の教材を使わないといけないからです。
まあでも、乙4も“ついで”に取っておいて、全く損はありません。
ぶっちゃけ言うと、乙種は、「1つ」受かるまでが大変です。
1つでも免状が取れたら、以降は、「試験免除」で「10問試験」になるからです。
取らないといけないのが乙1・乙2・乙3・乙5・乙6でも、せっかく乙4の教材を買ったのですから、併願受験なり越境受験で、乙4を受けることを勧めます。
乙1・乙2・乙3・乙5・乙6と、乙4とが、2つとも受かれば、それでよし。
乙1・乙2・乙3・乙5・乙6だけが受かれば、目的達成でそれでよし。
乙4だけしか受からなくても、次は「試験免除」で格段に楽になるので、“合格は目の前”で、それでよし。
…といった塩梅です。
最後に、教材についてまとめます。
教材の詳細は「乙4のテキスト・問題集と「乙1~6類のテキスト・問題集」にまとめていますが、読むのが面倒な方は…、
「性消」用には、テキスト「チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版」と…、
過去問「乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験」を使います。
次に、「法令」「物化」ですが…、
テキスト「チャレンジライセンス 新訂版」と、
過去問「乙種4類 危険物取扱者試験」を購入します。
上記テキストと過去問で、わたしを含めて、多数の方が独学合格しているので、これらでそろえれば万全でしょう。
なお、昨今は、試験が難化しているので、テキストのみならず、過去問まで解いておく方が賢明です。
2016年10月16日 2:20 PM
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