本問は『工事別原価計算表』の問題。資料をキッチリ読んで、やるべき作業をつかめば、それで終わる問題です。怖いのは、ただただ、計算ミスです。カンタンな部類なので、落ち着いて解きましょう。
◇問題◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
奇を衒わない、ふつうの計算問題です。
落ち着いて計算して行きましょう。
解答用紙は…、
…です。
まず、資料を読み、次いで、解答用紙を眺めましょう。
解答用紙には、「月初未成工事原価」という項目があります。
んで、資料には、NO.100とNO.110の「未成工事支出金」の表があります。
よって、この表を足し算すれば、解答用紙の「月初未成工事原価」の枡目を埋められることがわかります。
NO.100ですが、材料費等を集計すると、「432000+352000+840000+144000」の「1,768,000」となります。
NO.110ですが、材料費等を集計すると、「720000+563000+1510000+254000」の「3,047,000」となります。
計算ミスが怖いので、それぞれ、再計算して、間違いがないか、チェックしてください。
検算が済めば、次の処理に進みます。
資料を眺めていくと、次の作業は、「労務費」だなと見当が付きます。
資料には、「労務費計算は予定賃率を用いており、当会計期間の予定賃率は時間当たり\1,200である。」とあります。
んで、「当月の直接作業時間…No.100工事 138時間、No.110工事 216時間、No.200工事 314時間」とあります。
要は、時間当たりの「1,200」を、各工事の直接作業時間と掛けるだけです。
No.100工事は、「138時間×1,200」で「165,600」となります。
No.110工事は、「216時間×1,200」で「259,200」となります。
No.200工事は、「314時間×1,200」で「376,800」となります。
最後に、「GT(グランドトータルキー)」を押せば、計算結果が集計され、合計の「801,600」を計算できます。
先と同様、計算ミスが怖いので、再度、検算しましょう。転ばぬ先の杖です。
先の作業は、電卓の「定数計算」が可能です。
当方は、カシオの計算機なので、「数字を入力して、掛けるを2回押し(××)」をすれば、定数計算モードになります。
つまり、ここでは、「1200××」ってな次第です。
んで、個々の時間を、No.100工事なら「138」を入力して、「=」を押せば、「165,600」と表示されるはずです。
1回計算が終わっても、まだ、定数計算モードです。
次いで、「216=」で「259,200」が、「314=」で「376,800」の計算ができます。
最後に、「GT(グランドトータルキー)」を押せば、計算結果が集計され、合計の「801,600」を計算できます。
こっちの方が、計算も楽で、検算も楽なので、試してみてください。
参考:計算機の小技-定数計算
労務費が計算できました。解答用紙を埋めていきましょう。
材料費や労務費、外注費や経費は、資料の数字を、そのまま書くだけです。
カンタンな作業ですが、だからこそ、ケアレスミスが起きます。指差し確認して、転記してください。
いよいよ「工事間接費」の計算となります。
資料には…、
『工事間接費については直接原価基準による予定配賦法を採用している。』
『当会計期間の直接原価の総発生見込額は¥72,300,000である。』
『当会計期間の工事間接費予算額は¥2,169,000である。』
…とあります。
配賦率を求めます。
「2,169,000/72,300,000」の「0.03」で、「3%」であることがわかりました。
後は、当該配賦率を、個々の工事の直接原価に掛ければ、間接費が求められます。
配賦率ですが、だいたいにおいて「予算額/総発生見込額」なので、理屈はさておき、“こういう処理をする”と、憶えてしまいましょう。
工事の直接原価ですが、「材料費・労務費・外注費・経費」の合計額です。
No.100の直接原価は、「238,000+165,600+532,000+84,400」の「1,020,000」となります。
これに、配賦率の「3%」を掛けると、「30,600」となります。
No.110の直接原価は、「427,000+259,200+758,000+95,800」の「1,540,000」となります。
これに、配賦率の「3%」を掛けると、「46,200」となります。
No.200の直接原価は、「543,000+376,800+1,325,000+195,200」の「2,440,000」となります。
これに、配賦率の「3%」を掛けると、「73,200」となります。
計算した数字を、解答用紙に、“落ち着いて”転記しましょう。
解答用紙の枡目の大半を埋めることができました。
では、最後の「当月完成工事原価」と「月末未成工事原価」を集計してしまいましょう。
No.100の「当月完成工事原価」ですが、「1,768,000+238,000+165,600+532,000+84,400+30,600」の「2,818,600」となります。
この計算の際、上の枡目にある月初未成工事原価の「1,768,000」を、忘れずに計算してください。
No.110は、まだ完成していないので、「月末未成工事原価」を計算します。
「3,047,000+427,000+259,200+758,000+95,800+46,200」の「4,633,200」となります。
これまた、月初未成工事原価の「3,047,000」を、忘れずに計算してください。
No.200の「当月完成工事原価」ですが、「543,000+376,800+1,325,000+195,200+73,200」の「2,513,200」となります。
NO.200も、一番上の枡目の「月初未成工事原価」を忘れないでください。
後は、空いている枡目を、個々に計算して、記入するだけです。
答えは…、
…です。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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