第28回‐文章問題 過去問(令和3年3月実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『労務費計算』の処理です。経過勘定項目の処理です。制度の要領を理解し、T字勘定を書けば、解答できます。

第3問‐労務費計算

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、スマホを操作したり、配偶者を水攻めするときの方です。

未払賃金

 要は、経過勘定項目が理解できているかどうかが問われています。

 建設業会計では、基本的に、「月」で考えます。

 しかし、賃金には、おおむね「締切日」があり、本問では、「20日」となっています。

 問題は、20日以降から月末までの賃金です。

 その期間の賃金は、支払われていないだけであって、工事原価の計算では、その「月」の費用として計上されます。

 そこで、たとえば…、

 借方:人件費 ×××

 貸方:未払賃金 ×××

 …といった感じに、経過勘定項目の「未払賃金」を使って、「月末」に処理するわけです。

 んで、当該「未払賃金」ですが、月が明けて「月初」に再振替仕訳をします。

 借方: 未払賃金×××

 貸方:人件費 ×××

 このように、「未払賃金」という勘定科目を使うことで、その「月」に支払われる賃金のうち、前月分を控除したり、未払いの当月分を加算したりする、ってな次第です。

仕訳1

 仮に、問題の舞台を「4月」とします。

 そうすっと、前月の「3月31日」には…、

 借方:賃金 863,000

 貸方:未払賃金 863,000

 …という仕訳が切られているわけです。

仕訳2

 月が明けると、「再振替仕訳」をします。

 よって、

 借方:未払賃金 863,000

 貸方:賃金 863,000

 …という仕訳が切られるわけです。

仕訳3

 当月(ここでは4月)の賃金支払いですが、問題文には、「当月の賃金支給総額は¥2,530,000であり、所得税¥230,000、社会保険料¥163,200を控除して、現金にて支給された」とあります。

 一応仕訳を切ると…、

 借方:賃金 2,530,000

 貸方:預かり所得税 230,000

 貸方:預かり社会保険料 163,200

 貸方:現金 2,136,800

 …となります。

仕訳4

 前月同様に、当月でも、「月末」に、「未払賃金」の科目で、賃金締切日から月末までの「賃金」を計上します。

 問題文には、「当月賃金未払高が¥723,000」とあります。

 よって、仕訳は…、

 借方:賃金 723,000

 貸方:未払賃金 723,000

 …となります。

賃金 T字勘定

 先の仕訳を、当月(4月)の「賃金」のT字勘定に転記します。

 そうすっと…、

 

 …と、相なります。

 後は貸借差額の「3253000-863000」の「2,390,000」が答えとなります。

ヒント:図示

 わからないときは、「図」で考えましょう。

 問題文の設定を図示していけば…、

 

 …といった感じになります。

 これに加えて、先のように、T字勘定を書けば、何とか解答できるはずです。

こたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第28回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:当座借越

 2問:売上割引

 3問:売買目的有価証券

 4問:のれん償却

 5問:工事進行基準

第2問:文章問題

 1問:本支店会計の内部利益

 2問:固定資産償却

 3問:労務費計算

 4問:銀行勘定調整表

第3問 計算問題

 1問:人件費 予定配賦率

 2問:予定配賦額

 3問:配賦差異

第4問 個別問題

 理論問題

 工事別原価計算表

第5問 総合問題

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

 精算表:設問11

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

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 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

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建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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