1級陸上特殊無線技士(1陸特)の合格体験記

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 1級陸上特殊無線技士(1陸特)の合格体験記です。文系ド素人ながら、安易に1陸特を申し込んだために、「無線工学」に苦しめられた記録。落ちていたら再受験はしなかった。ほとほと、ワケがわからなかったです。

データ的なこと

・受験回数/1回。

・受験勉強期間/2ヶ月(実質1ヶ月。後述。)

・使用テキスト・問題集/『一発合格! 第一級陸上特殊無線技士試験 テキスト&問題集』を利用。詳しくは「教材レビュー」を。

・使用過去問/『第一級陸上特殊無線技士試験 吉村先生の過去問解答・解説集』を利用。詳しくは「教材レビュー」を。

・予算/教材費(テキストが3,024円、過去問が2,592円)+受験料の5,352円+交通費・弁当代で、総計12,000円強の費えでした。 (免許発行で+2,000円)

「無線工学」に往生-安易な受験で白目

 わたしは、アマ4(アマチュア無線技師の4級)を、遠い遠い昔に取得しています。

 その時、勉強したことなど、きれいサッパリ忘れています。

 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざの通り、4アマの無線工学にすらきりきり舞いした当時のことも、忘れていました。

 で、おおむね本試験の「2ヶ月」前から始まる受験申込みを潮に、1陸特の試験勉強を開始したところ、『無線工学』に白目をむいた、という塩梅です。

 何を「対象」にしているのか、何が「テーマ」なのか、何が「もんだい」なのかもわからない、という次第で、数式や公式がわからないのは、覚悟していましたが、それ以外のものも「皆目わからず」で、呆然としたのでした。

 結果的に、1回の受験で、無線工学「20問正解」、法規「11問正解」で合格できましたが、まあ、苦戦もいいところでした。

 

勉強方法等

 1陸特は、オーソドックスな勉強で受かりました。

 テキストを読んで問題を解き、過去問演習を繰り返すという塩梅で、それぞれ、2~3回はやりました。

 ただ計算問題だけは、「4~5回以上」、繰り返したと思います。

 練習なり演習なりをしていないと、即、わすれてしまったからで、デシベルの真数の計算など、1日置いたら、頭からきれいになくなっていて、往生した次第です。頭じゃなくて、身体で憶えないと痛感しました。

 ま、勉強方法などは「1陸特の独学」にまとめています。

 とりわけ、文系の方は「計算問題を捨ててはいけない」と「計算問題の“挫折しない”勉強方法」をば、お目汚しください。受験放棄を阻止する一助となると思います。

陸上特殊無線技士のなりそめ

 1級陸上特殊無線技士(1陸特)という資格の存在を知ったのは、「消防設備士」の受験資格について、調べていたときでした。

 先の「消防設備士」の「甲種」は、少々受験資格が厳しいのですが、当該受験資格の中に「無線従事者」があったのです。

 で、当該「無線従事者」に、「1級・2級・3級の陸上特殊無線技士に該当するのか」を、消防試験研究センターに問い合わせをした、という次第です。

 わざわざ電話を掛けて確認したのは、当該陸上特殊無線技士が「無線従事者」に該当するかを、確認したかったからです。

 何しろ、陸特の2級と3級は、「合格率が70%」と突出した高さを誇ります。だから、陸特の2級・3級でもOKなのか、疑問に思った、という次第です。

 参考:消防設備士甲種の受験資格の「無線従事者」に、第3級以下の陸上特殊無線技士も含まれる

 これが、「陸上特殊無線技士」との初遭遇で、そこで“やめておけばいい”のに、どういう試験なのか、受けてみるかと、思い立ったのでした。

 1級の合格率が「25%前後」だったので、(まあ、大丈夫だろう)と、あんまり下調べをせず1級を受験したら、以下のような、体たらくという塩梅です。

試験勉強を一時中断、受験放棄の一歩手前

 最初の1章は「多重通信方式」です。この漢字の羅列に、ぶるっと悪寒を感じました。

 『日本語かよっ!』と、さまぁ~ずの三村なら突っ込んだはずです。

 テキストの1ページ目には、『FDM』が出現します。

 アルファベットで、もうわかりません。

 当該略語は、「Freuency Division Multiplex」。

 訳語は、「周波数分割多重通信方式」。

 FDM-Freuency Division Multiplex‐周波数分割多重通信方式

 この文字群を目にしたのが、小学生なら泣くでしょう。中学生なら病気になるでしょう。高校生なら近づかないでしょう。大学生なら逃げるでしょう。社会人なら仕事に精を出すでしょう。

 受験の申込みをしてから、おもむろにテキストを買ったわたしは、最初の1ページ目から、(ヤバイヨヤバイヨ)のピロピロ状態に到ったのでした。

 1ページ目が「こう」ならば、2ページ・3ページも同じ。

 えんえんと同じ調子で展開される「無線工学」に、やる気ゼロになってしまい、勉強を一時中断した次第です。

 わたしは社労士等、いくつか資格を持っていますが、試験勉強の『中断』は、基本情報技術者以来のことでした。

 そのくらい、1陸特の試験勉強は、ワケがわからなったという次第です。

 そら、ガチ文系が、突然「大地反射がある場合の電界強度は、|E|=28πh1h2√GP/λ*dの2乗です」なる文言に接したら、失神するでしょうよ。

1万円を超えていたので止められない

 本試験の1ヶ月前になって、“仕方がないので”試験勉強を再開しますが…、

 もう受験すんの、やめようかな。

 あーもうこんな苦労すんのヤダ。

 なんでいい歳してこんなことせんとあかんの?年齢的に部長やで。

 …などなど、やめたくてやめたくて仕方がありません。

 …が、受験料とテキストと過去問で、もう「\10,968円」も支払っています。

 これが、1万円を切っていたら、『いい勉強だった』とか『まあ、高いランチ食べたことにして目を瞑ろう』とか『ダメなコに当たったことにしよう。安い店はダメだね』的に、考えられたのです。

 しかし、1万円をわずかばかり超過していたために、1万円以上は捨てられない!と、近江商人並の金銭感覚を発揮し、試験勉強を再開。

 脂汗の次は、脳汁が出て、最後には白目をむくという、壮絶な消耗戦を展開しつつ、過去問の問題を解き、テキストの掲載問題を繰り返して、本試験に漕ぎ着けた、という塩梅です。

安易に受験しない

 先述したように、得点状況は、無線工学が「20問正解」で、法規が「11問正解」と、運に助けられての合格です。(先に紹介したテキストのおまけ小冊子がドンピシャ。)

 まあ、こんな次第で合格だけはできましたが、ホント、しんどかったです。

 慣れたら、多少は楽になりますが、もし、落ちていたら再受験はしなかったと思います。

 当体験記の最後にお伝えしたいのは、『文系ド素人は、1陸特に安易に受験しない方が賢明』ということです。文系ド素人は、覚悟して受験すべきです。

 合格後、胸に去来するのは、アマ4のときと同じように、いまだに、「インピーダンス」の意味がわからない、です。茫漠とした2ヶ月の試験勉強でした。

1級陸上特殊無線技士(1陸特)のこまごましたもの

 1陸特に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「 陸上特殊無線技士の投稿記事 」をばご参考ください。

みんなとシェアする