「運搬」では、通常の知識問題に並行して、ひっかけ問題がしばしば顔を現します。
常識的に“しっくり”くるので、ついつい間違えてしまいます。
以下の要注意ポイントに気をつければ、致命的な失点を抑えられます。直前のチェックにご利用ください。
大原則ですが、「運搬」は、指定数量の倍数に関係なく、「消防法」が適用されます。
つまり、指定数量未満の運搬も、「消防法」で規制されている、という塩梅です。
具体的に言うと、「指定数量未満でも、容器や積み方、混載についての数々のルールを守らないと、罰せられる」という塩梅です。
たとえ、少量であっても、危険物を運搬するなら、指定容器を使わないとダメ、荷物の高さは3メートルを超えちゃダメ、容器の収納口は上側にしないとダメ云々といった塩梅です。
反対に言うと、もし、消防法の適用がないと、危険物を好き勝手に運べることになってしまいます。
極端な例を言えば、法の規制がない以上は、少量のガソリンなら、ビニール袋やペットボトルで運んでもよいことになってしまいます。
…普通に考えて、それはまずい、ですよね。
んなもんで、「指定数量未満」の運搬でも、「消防法の適用がある」ってな次第です。
よくある問題の1例としては…、
「指定数量未満の運搬の場合は、収納口を側方に向けることができる」
…などです。答えは「×」です。
たとえ、指定数量未満であっても、「消防法の適用がある」ので、法で定められた積み方のルール‐容器の収納口は上側‐を守らないといけない、といった寸法です。
まあ、こんな次第で、テキストにつらつら書かれていることは、いくつかの例外を除いて、指定数量未満でも適用がある、といった次第です。
さて、超頻出事項に駒を進めましょう。メインは次の論点です。
以下の3つの「指定数量以上の運搬」は、必ず憶えてください。
先に、「テキストに長々と述べられている諸々のルールは、“指定数量未満”でも適用がある、と述べました。
しかし、そうではないもの、つまり、「指定数量以上の場合」に限って、適用されることもあるので、『ここ』を明白に区別して、憶えておく必要があります。
指定数量以上のときだけ、以下の3つが適用されます。
①標識‐車両の前後の見やすいところに「危」の標識を付ける。
②一時停止‐故障等で一時停止するときは、安全場所を選び、危険物の保安に注意する。
③消火設備‐危険物に応じた消火設備を備え付ける。
上記3つは、どれも、「指定数量以上」のときにやらないといけないことで、逆を言えば、「未満」のときはしなくていい、といった寸法です。
乙4の難易度は、年々上がっているので、こういう問題も出ます。
「指定数量未満の場合でも、「危」の標識を貼らないといけない」
「指定数量未満の場合でも、積み替え・故障・休憩等で車両を一時停止するときは、安全な場所を選ばないといけない」
「指定数量未満の危険物を運搬する際は、当該危険物に応じた消火設備を備え付けなくてはいけない」
すべて「×」です。これらの3つの規制は、すべて「指定数量以上」の場合に、発生するものです。
どれも、“もっともらしい”ので、緊張する本試験だと、ついつい「○」にしそうです。
わたしも間違えました。多くの受験生が、かなりの確率でひっかかるはずです。だから、出るのです。
指定数量未満なら、「危」の標識は要らないし、消火設備も要らないし、どこに車を止めてもいいです。
そして、かなり悪意のある問題ですが…、
「指定数量以上の危険物を運搬する際は、車両の見やすいところに、危険物の品名、数量等の表示を掲げなくてはいけない」
…という、出題もあります。
もっともらしいのですが、「×」です。こんな規定はありません。この規定があるのは、「移動タンク貯蔵所」です。
指定数量以上の運搬時は、「消火設備」「標識」「一時停止」の3つの規定しかありません。
悪意の塊のような出題があるので、よくよく注意してください。
最後に1つ、「運搬」の頻出事項を述べておきます。
「危険物の運搬」には、「危険物取扱者」の免状は要りません。
指定数量以上であろうが、未満であろうが、運搬に免状は要らないのです。酒屋や米屋のおっさん・学生バイトでも運搬は可能です。(地方ではお馴染みです。)
対して、危険物の『移送』…つまり、タンクローリーでの『移送』は、「危険物取扱者」の免状が要ります。
免状の当否は、実務事項でもあり、本当によく出ます。きちんと整理して頭に詰め込んでください。
よくある問題としては…、
「指定数量以上の危険物を運搬する場合は、危険物取扱者の免状を携帯しなくてはいけない」
「指定数量未満の危険物を運搬する場合は、丙種免状が要る」
…といった次第で、すべて「×」です。
これまた、文字だけ読むと、実に“もっともらしい”ので、ついつい間違えそうです。わたしも間違えました。
先に述べた「運搬には、以上だろうが未満だろうが、免状は要らない」と、頭に刻み込んでおきましょう。
危険物取扱者の試験問題は、常識的に考えると、判別できることが多いです。
しかし、中には、このページで述べたひっかけ問題のように、「常識的にはしっくり来るが、試験では間違い」というものがあります。
年々、難化している乙4では、このレベルの問題が出ます。
本試験が近づくと、記憶に混同が生じるためか、いっそう間違えやすくなっています。
多くの受験生が間違えるから『頻出』なのです。念のため、本ページをお気にいりに入れて、試験直前に読み直してみてください。
ここを読んでおくと、かなり1点に近づくはずです。
『心の軍師』に、『ちょっと待て。運搬はひっかけ多し。』と、助言してもらってください。
なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、
独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。
また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 危険物・乙種, 危険物・乙4‐勉強, 危険物・乙4‐法令, 危険物取扱者 | 2016年12月26日 6:42 PM |
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先だって、危険物取扱者の甲種を受験してきました。
法令と性消は、何とでもなるので大船に乗っていたのですが、物理・化学が非常に不安でした。
しかし、例年通りの問題だったので、無事、足切り点の6割を突破できた、ってな寸法です。
以下、恒例のアレです。
合格発表の日なので、さっそく、公式で確認します。
いつもこの瞬間は、どきどきします。
何でもう1回、クッリクさすんだよっ!と、さまぁ~ず三村風につっこみを入れます。
もどかしい思いをしつつ、クリック。
またクリックかよっ!と、再度、さまぁ~ず三村風のつっこみが入りました。
無事、自分の合格番号を確認、ってな次第です。
家に帰ると、試験結果通知書が届いていました。
結果は知っているのですが、念のため、開封します。
ってな塩梅で、点数は「法令:93%」「物化:90%」「性消:95%」といった次第です。
ガチ文系のわたしにとっては、本当に物化が鬼門でしたが、無事、合格といった次第です。
ぶっちゃけ、「物化」さえ何とかできれば、文系でも甲種は受かります。
なお、甲種を取得する実質的なメリットはほとんどありません。危険物取扱者は、「乙4」のみあれば、需要の9割は賄えます。
時間とカネに余裕のある文系の人は、ぜひとも挑戦してみてください。それ以外の人は、無理から甲種を狙う必要はありません。
先も述べたように、甲種には実質的な利点は皆無です。求人も、甲種独自のものはかなり少ないです。
無駄になる可能性が高いので、その分の時間とお金は、配偶者への奉仕に使うとよいでしょう。
対して、学歴・単位等で受験資格のある理系キャリアの方なら、受験する価値はあります。
甲種は、乙4より多少、時間と手間を食いますが、それでも、乙種の全種を取る手間に比べたら全然、どうってことありません。
受けられるなら、甲種1つ取る方が効率的だとしか言いようがありません。
何気に、甲種は、大学や研究機関で求められることがあるので、乙4を取るくらいなら、いっそのこと甲種オンリーで行くべきです。
理系キャリアの方なら、甲種を狙っていきましょう。甲種の合格率は30%と、乙4と相変わりませんし。
以上、甲種-乙種1類・2類・3類・4類・5類・6類・丙種と、全種全類を取得したわたしの助言です。ホント、いくつ日曜をつぶしたことでしょうか!
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 危険物・甲種, 危険物取扱者 | 2016年12月21日 5:51 PM |
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小ネタです。3秒で終わります。
危険物の運搬の際、「収納率」の規制があります。
危険物は、常温でも蒸発したり分解したりするので、容器にぎっちぎっちに入れてはいけないという規制があり、試験では、その収納率の数字が問われます。
当該数字の憶え方ですが、「Windows95とWindows98」で、憶えてしまいます。
まあ、スマホ世代の若い方には、なんのこっちゃわからないでしょうが、ご了承ください。
PC世代なら、即断に数字を覚えられるはずです。
テキストには…、
「“固体”の危険物は、運搬容器の内容積の“95%以下”の収納率で収納しなくてはいけない」
…とあります。
で、憶え方は、「固体(の収納率)はWindows95」です。
で、固体の「固」を「こ」とひらがなにして、濁点を付け「ご」と読み直し…、
「Windows95」の「5」→「ご」と繋げる、ってな塩梅です。
これで、固体と「95」という数字ががっつり引き合ったはずです。
テキストには…、
「“液体”の危険物は、運搬容器の内容積の“98%以下”の収納率で収納しなくてはいけない」
…と、表記されているはずです。
憶え方は固体と同じです。
「液体はWindows98」です。
収納率は、「液体」と「固体」と「95%」と「98%」と、数字と語句が4つもあるため、かなり混同しやすいところです。
本試験では、(あれ…液体が95だっけ?98だっけ?)となりかねません。
しかし、先の「Windows95とWindows98」で数字を憶え、「固体」の「こ」の字と「95%」の「5」とを絡ませれば、さっくり頭に入るかと思います。
数字そのものは、「Windows95とWindows98」で、一発で頭に入るはずです。
ま、こんな次第で、運搬の「収納率」の論点を消化してください。
なお、液体については、「55度の温度で溢れないように十分な空間を設けること」とあるので、併せて憶えておきましょう。
『心の軍師』に、『Windows95とWindows98』と、助言してもらってください。
なお、勉強方法等は、「乙種4類の独学」を…、
独学向け教材については、「乙4のテキスト・問題集」をば、お目汚しください。
また、危険物取扱者について、適当かつ曖昧なことを、たとえば、「乙4合格後に取る資格」などを、ブログにまとめています。「危険物取扱者:ブログ記事」をばお目汚しください。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 危険物・乙種, 危険物・乙4‐勉強, 危険物・乙4‐法令, 危険物取扱者 | 2016年12月21日 10:28 AM |
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