平成30年度(2018年度)福岡県の登録販売者試験の総評や傾向をまとめています。全体的な傾向のみならず、科目別に述べています。
H30年度(2018年度)の福岡県 登録販売者試験ですが、おおむね、「例年どおり」といえます。
結論から言うと、これまでの試験と同様に、テキストと過去問を3回はやっておけば、大丈夫な問題がほとんどです。
例年のとおりとは言え、少しずつですが、選択肢の1つ1つが、難しくなってきています。
つまり、以前のような、ストレートに解答できる問題は、数が減っています。
とりわけ、テキストを精読していないと、到底、解けない“細かい問題”が増えており、確実に「難化傾向」にあるといえます。
しかしながら、先に述べたように、根本的なところは変わっていません。
徐々に「難化」しているとはいえ、ちゃんと勉強していれば、点の取れる問題がほとんどであり、穏当に、テキストと過去問を消化していれば、間違いなく合格点を確保できる難易度となっています。
しかも、です。
福岡県の試験は、大阪府や東京都と比べると、「シンプルな問題」が多く、この点でも、アドバンテージです。
福岡県では、「正しいものはどれか?」と「誤っているものはどれか?」の問題が多いです。
対して、大阪府や東京都では、「正しい組み合わせはどれか?」の問題ばかりなのです。
このため、大阪府や東京都では、「最終解答のミス」が実に多くなっています。
「最終解答のミス」とは、選択肢の1つ1つの正誤は合っているのに、マークする番号を間違うケアレスミスのことです。
この点、福岡県では、この「最終解答のミス」率が相対的に低いので、くだらない失点を犯さずに済みます。2~3点は、得をしているはずです。
こんな次第で、ちゃんと勉強していれば、福岡県試験には合格できるので、油断せず、時間を取って、テキストの精読と過去問演習と、暗記と記憶に勤しんでください。
以下、科目別に、傾向を述べていきます。
第1問~第20問の計「20問」の「医薬品に共通する特性と基本的な知識」ですが、H30年度も安定しています。
例年通り、凝った出題もなく、難しい問題や捻った問題もなく、きちんと勉強した人なら、満点も狙えるはずです。
後述しますが、「医薬品」で点が取り難くなっているので、当該科目で、キッチリ点を稼いでおくべきです。
第21問~第40問の計「20問」の「人体の働きと医薬品」ですが、H30年では、やや難しい印象を受けました。
テキストの細かいところや、あまり出ない論点が、そこそこ出題されるようになっています。
たとえば…、
「22問:胆嚢・肝臓」の選択肢イ・エ
「27問:腎臓及び副腎」の選択肢ア・イ
「31問:末梢神経系及び中枢神経系」の選択肢イ・エ
…などは、結構、戸惑うように思われます。
人体は、テキストの細かいところまで、精読しておきましょう。
第41問~第60問の計「20問」の「医薬品の適正使用・安全対策」ですが、H30年では、難問が目立ちます。
近年から「適正使用」にて、難問が出てきていたのですが、傾向として、「難・やや難」の問題が“まず”出ることが明らかになっています。
当該年度では…、
50問:相談すること 緑内障・・・「難」。
57問:製造販売業者による副作用の報告制度・・・「難」。
…この2問が目立って難しいと思います。
第50問ですが、毎年、「相談すること」の問題が出ていますが、「医薬品」の横断的な知識が“膨大に”必要なので、確実に解くのは、骨が折れます。
無理そうなら、「捨て問」でもいいでしょう。
んで、第57問ですが、「製造販売業者による副作用の報告制度」という、登録販売者とは、そう関係のない「製造販売業者」がらみの問題です。
つーか、正直言うと、「なんだこりゃ?」的な感想しかもてない問題です。登録販売者と製造販売業者とは、そう関係ないがやといった感じで、無理だなーと思ったら、捨てるのが一番です。
こうした次第で、「適正使用」では、例年、2問強の難問が出る傾向があります。
当該適正使用の難問は取れない、と踏んでおきましょう。
とはいえ、他の問題は、基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。こういう問題を、取りこぼさないようにしましょう。「適正使用」も得点源にできます。
第61問~第100問の計「40問」の「主な医薬品とその作用」ですが、H30年では、漢方処方製剤と生薬の選択肢が目立つようになっています。
選択肢の1~2つが漢方処方製剤なり、生薬なりで構成されている問題が増えています。こういう問題が、「9問」ほど出ています。
んで、1問丸ごと「漢方処方製剤」なのが「2問」。
そして、1問丸ごと「生薬」なのが「2問」。
こんな次第で、「漢方処方製剤」と「生薬」の絡んだ問題が「13問」ほど、出題されています。
これら13問前後の問題は、点が取りにくい・点が取れないと踏んでおきましょう。
つまり、「全40問-13問」の「27問」で、点を稼がないといけない、ってな次第です。
テキストや過去問を繰り返して、取れる問題は、確実に取れるようになっておきましょう。
個人的には、「生薬」は、勉強しておくべきだと考えます。
「漢方処方製剤」は、余裕のある人がやればいいですが、「生薬」は、勉強しておくと、格段に点数が上がります。
「生薬=合格の保険」と考えて、できるだけ、着手してください。
第100問~第120問の計「20問」の「薬事関係法規・制度」ですが、H30年では、例年と比べて、点が取りやすくなっています。
厄介な問題が減っているからです。
例年、条文の定義や目的の問題は、「空欄穴埋め」が多く、ガチで暗記していないと、点の取れない問題が多かったのです。
しかし、当該年度は、シンプルな「択一式」になっており、格段に楽になりました。
難問の類は、1問ほどで、これくらいなら、「例年通り」となっています。
アレレとなる選択肢も、ちらほらしていますが、とはいえども、大半の問題は、テキストと過去問を仕上げていれば取れる問題です。
ちゃんとやれば、得点源になる科目です。しっかりテキストを読んで、過去問を解いておけば、不安ヨウ素はないでしょう。
H30年度(2018年度)の福岡県 登録販売者試験は、ざっと斯くの如しです。
勉強方法や独学の進め方などは、「登録販売者の独学」を一読ください。
2019年3月19日 11:13 AM
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