第2種電気工事士(2電工)の2016年度・技能試験の候補問題‐No.6の作業ポイント。No.6は、全候補問題中、最難関の部類に入るので、念入りに練習しておく。メタルラス壁は作業のときを確定させ、3路スイッチが苦手なら暗記し、露出型コンセントは10回は練習しておく。
2016年度の候補問題6は、難問で、候補問題の全13問中、手を焼く部類に入ります。
本問は、本当にしっかり練習しておかないと落ちるので、本試験の1週間前に一度は組んでおきます。
候補問題6が難しいのは、固有部分が3つもあるからです。
本問には、「メタルラス壁」と「3路スイッチ」、そして、「露出型コンセント」と、本問独自のものが多く、他の候補問題の練習が“効かない”特徴があります。
これらは、全候補問題を通して出題が少ないため、どうしても、手薄になってしまいます。
ですから、練習不足の受験生は、本問に当たると、まず、時間が足りなくなって、“未完成”で即落ちします。
これが、試験時間が1時間も2時間もあれば、大丈夫なんです。
しかし、実際には40分しかないので、立ち止まって考える暇はほとんどなく、考える前に、身体が動くようになっておかねばなりません。
(ん?これはどうしたっけ?)などと考えてしまうようだと、『黄色信号』です。
何も考えず組み立てられる『青信号』状態までに、仕上げておきましょう。
加えて、本問の3つの固有作業は、1つでも間違えると、修正にはかなりの時間が取られるため、致命的な時間ロスとなります。
難儀な作業を、正確かつ素早くやらないといけないという寸法です。
繰り返します。
本問は、特に、念入りに練習しておかないといけません。
テキストの本問ページに、付箋を貼りましょう。すぐに当該問題に着手できるようにするためです。
固有で難儀なのが、「露出型コンセント」です。
本作業は本問くらいしか出題されず、微妙にランプレセプタクルと作業工程が違うため、これだけのために、何度も練習しておかねばなりません。
一口で言えば、「費用対効果」が悪いのです。
しかも、練習しておかないと、絶対に安定かつ素早く正確にできません。
本試験中に作り直す時間などないので、テキストのお手本を見ながら、「1回でできるまで何度も練習」です。
少なくとも、「10回」は練習しておきましょう。
個人的なことを言うと、わたしは、少なく見積もっても20回は練習したはずです。
晩酌のお供に、当該「露出型コンセント」の練習をしましょう。
練習→お酒なら、ツマラナイ練習にも身が入ります。
次に、『3路スイッチ』です。
本作業も、作業に習熟していないと、必ず間違えるので、練習あるのみです。
本問で大事なことを述べますので、ド素人・文系の人は必ず憶えてください。
『複線図が完璧に書けるようになっておく』ことが、3路スイッチ攻略には欠かせません。
複線図が不安だと、いざ接続やいざ結線となった時に異様に焦ります。焦れば、接続を100%間違えます。
ド素人・文系には特に顕著で、接続の際に、ホントにグチャグチャ滅茶苦茶に混乱します。練習なのに手が震えます。混乱し過ぎて。
まず、「複線図」を、“自信”を持って、書けるまで練習です。
反対に言うと、複線図を自信を持って書けないなら、回路を組まなくていいです。
3路スイッチの複線図で厄介なところは、「アバウト」なところです。
3路スイッチの「0番」は「黒」と決まっているのですが、それ以外は、「白でも赤でもいい」ために、独学だと、不安になってしまうのです。
施工上と試験の採点上、黒線以外は問題がないのですが、それでも、不安なのです。
ですから、テキストのお手本を見ながら、「ここはこの色オンリーだが、こことここは適当でOK」という感じで、3路スイッチ独自の複線図の要領を押さえていってください。
そして、自分なりの要領を確定させます。たとえば、「ここの赤とここの赤を繋げることにする」的な手順を、あらかじめ決めておき、本試験での動揺を防ぐわけです。
技能試験は「習うより慣れろ」ではあるのですが、本問の複線図のみは「習っていないと絶対に慣れない」ので、しっかり練習です。
「メタルラス壁」の作業自体が、そこそこ厄介です。
バインド線でねじるだけの作業ですが、「2回以上ねじる」と「2周以上巻く」という採点基準があるので、神経を使います。
しかも、「メタルラス壁」には、「付け忘れ」という、痛恨のミスがあります。
作業そのものがシンプルな分、意識がメタルラス壁から“完全に”飛んでしまうという塩梅で、全部を組んだ後に、ぽつんと机に残る防護管とバインド線を見出す、ってな次第です。
で、組んだものを外して作業するも、時間が足りなくなって、施工不良で不合格、という塩梅です。
「メタルラス壁」は、絶対に甘く見てはいけません。
防護管の付け方を練習するのみならず、『いつ、防護管の作業に入るのか』を、完全に決めておきます。
たとえば、「イ」の引掛けシーリングに結線したら、即、メタルラス壁作業に入る、ってな次第です。
別段、上記のようにしなくてもいいです。自分がシックリ来るタイミングで、たとえば、全部作業を終えて、最終的に接続する前にやる、でもいいです。
「いつするか」を確定させておくことが肝要で、痛恨のミスだけを防ぎましょう。
後述しますが、バインド線がなくなったら、「電気工事士・バインド線」で、追加購入します。
複線図を、自信を持って書けるようになれば、接続は、かなり安定してできるようになります。
反対に言うと、接続で胸が締め付けられる感じがしたり、吐き気がしたり、不安で手が震えるようなら、まだ、複線図が仕上がっていません。
練習しても、上記のような状態が続くようなら、『テキストの複線図のお手本を、そっくりそのまま憶えなさい』。
不安があると、本試験で必ず、とちります。練習の時点で、不安を根絶しておきます。
さて、接続ですが、3路スイッチというややこしい部分があるので、「指差し確認」をすると、劇的にミスを減らせられます。
接続の際は、紙の複線図を指でなぞり…、
次に、ケーブル実物の線と線とを指でなぞり…、
「スイッチの○色→真ん中ケーブルの○色、ヨシッ!」という過程を、
2回確認してから、リングなりコネクタなりで、ガッチャンコと接続します。
3回やるとめんどくさいので、わたしは2回してました。
こうすると、ミスをしなくなりました。
指差し確認を2回しても、ほとんどの練習では時間が余りました。
3路スイッチで失敗をしたことのある人は、ぜひとも、「指差し確認」を導入してみてください。
さて、他は、オーソドックスというか極めて“普通”なので大丈夫かと思います。
「施工省略」は、時折アレレとなるので、作業を手順化しておきましょう。
なお、防護壁の作業に使うバインド線は、もしかしたら練習のしすぎでなくなってしまうかもしれません。
「電気工事士・バインド線」で、バインド線だけを売っているので、必要なら追加購入します。
最後に、技能試験の教材については「第2種電気工事士・技能試験のテキスト・教材・工具」に述べているのですが、文系ド素人にとって、あると便利なものを紹介しています。
たとえば…、
「ホーザン 合格クリップ」や、
「ホーザン 合格ゲージ P-925」や、
「ホーザン 合格配線チェッカー Z-22」です。
絶対に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。
2016年1月15日 11:47 AM
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