毒物劇物取扱者試験の「実技」や「性質等」では、毒物劇物の特徴うち、「におい」がよく問われる。本ページでは、「劇物」で「刺激臭」のあるものをまとめている。鑑別の論点以外にも、選択肢の1つで登場したりするので、刺激臭のある劇物は押さえておくべきである。
| カテゴリー: 資格こもごも | Tags: 毒物劇物取扱者, 毒物劇物取扱者‐実技・性質
毒物劇物取扱者試験で問われる劇物のうち、刺激臭系あるものを“ざっくり”まとめています。
たくさんあるので、細切れ時間などで消化してください。
劇物で、刺激臭のあるものは、以下の通りです。
「アクリル酸」は、重合しやすい「無色の液体」です。
冬は凍結します。乙4危険物です。
「アクリルニトリル」は、「無色透明の液体」です。
蒸発しやすく、引火しやすいです。
アクリル酸同様、重合します。
「アクロレイン」は、「無色または淡黄色の液体」です。レインだけに液体です。
不安定で、重合します。
レイン(=雨)だけに、水に溶けます。
可燃性、引火性、揮発性があります。
「アンモニア」は、「無色の気体」です。燃えます!
空気より軽いです。(だから、トイレは、アンモニア臭が鼻に突くのです。空気より重ければ、足元に溜まるので臭わないわけです。)
有名どころなので、よく出ます。テキストで確認しておきましょう。
なお、アンモニア水も、「無色」です。
「塩化水素」は、「無色の気体」です。
空気より重いです。
塩酸の原料です。
んなもんで、腐食性があり、発煙します。空気より重いです。
「塩化チオニル」は、「透明または淡黄色の液体」です。
水より重いです。
「塩酸」は、「無色透明または淡黄色の液体」です。
塩化水素の水溶液が当該塩酸です。
強酸性で、腐食性あります。金属やコンクリートを溶かします。
25%以上のものは、発煙します。
「蟻酸(ギ酸)」は、「無色の液体」です。
弱酸で、腐食性があります。水に溶けます。アルコールに溶けます。燃えます。
アルデヒド基があるため、『還元性』があります。
「クロルスルホン酸」は、「無色または淡黄色の油状液体」です。
スルホ基があるので、発煙しますし、吸湿性が高いです。
「クロルピクリン」は、「無色の油状液体」です。市販品は、「微黄色」です。
催涙性あります。
「ピクリン」とあるように、熱に不安定です。水には溶けません。
「土壌薫蒸剤」で有名な薬剤です。
「臭素」は、「赤褐色の液体」です。
刺激臭系では、数少ない「有色」なので、しっかり憶えましょう。
不燃性です。水に溶けます。腐食性があり、漂白作用があります。
「硝酸」は、「無色または淡黄色の液体」です。
息が詰まる刺激臭です。
発煙します。不燃性です。酸化剤です。
なお、塩酸と硝酸は刺激臭がありますが、『硫酸』は無臭です。ひっかけでよく出ます。
「トリクロル酢酸」は、「無色の結晶」です。
潮解性、腐食性があります。
「トリクロロシラン」は、「無色の液体」です。
発煙します。水と接触すると塩化水素ガスを生じます。
第3類の危険物でもあります。危険物取扱者を受験予定なら、覚えましょう。
「トリフルオロメタンスルホン酸」は、「無色の液体」です。
吸湿性があります。
スルホ基があるためか、水と接触すると激しく発熱して溶けます。
アルコール類にも、発熱して溶けます。
クソ長い名称ですが、出題実績はあるので、憶えましょう。
「ヘキサメチレンジイソシアナート」は、「無色透明な液体」です。
長い名称ですが、出題実績はあります。
まあ、名前と「刺激臭あり」くらいを憶えておけばいいでしょう。
「ホルムアルデヒド」は、「無色の気体」です。
ホルムアルデヒドは、鑑別等でもよく出るので、ガチ暗記が必要です。
「メタノール」が酸化すると「ホルムアルデヒド」に、さらに酸化すると、「蟻酸」になります。これ、本当によく目にします。
刺激臭があるほか、日光に弱く、酸化されて二酸化炭素となります。
なお、ホルムアルデヒドを水に溶かしたものが、「ホルマリン」です。
「ホルマリン」は、「無色透明の液体」です。
刺激臭のほか、催涙性があります。
水、アルコールに溶けるも、エーテルには溶けません。
常温保存します。
「モノゲルマン」は、「無色の気体」です。
「気体」なので注意が必要です。
可燃性です。燃えると有毒な煙霧が生じます。
刺激臭があるので、ときおり、試験で登場します。押えておきましょう。
以上、ざっと「劇物」で、刺激臭のあるものをまとめました。
数が多いのですが、何回も見ていくうちに、頭に残ります。お気に入りにでもいれて、ヒマな時間に眺めてみてください。
なお、刺激臭系は、他にもありますが、それらは、受験予定地の傾向を踏まえて、勉強してみてください。細かいものや出題実績のないものは、捨てましょう。
ところで、一番よく出る論点は、「有臭か?、無臭か?」です。
試験では、たとえば、「モノゲルマンは、無臭の液体である。」ってな感じで問われます。もちろん、「×」です。
少なくとも、「有臭か?、無臭か?」は、区別が付くようになっておきましょう。それで、選択肢が1つ、判別できることがあります。
ところで、勉強方法等は「毒物劇物取扱者の独学」を、使用教材については「教材レビュー」を参考ください。
2018年9月20日 9:36 AM
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