毒物劇物取扱者の独学‐文系が1発合格する勉強方法と傾向と対策

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 毒物劇物取扱者を独学で1発合格をめざす文系の人に、足切り点や合格基準点など、必要な試験情報を提供。【文系必読】の勉強方法もある。受験前や申し込み前に読んでおくと有用。理系資格だが、文系でも、本ページで傾向をつかんで対策を執れば、独学合格が可能。序盤・中盤・終盤の勉強方法や科目別勉強方法へのリンクも併せて掲載。

インデックス

  1. はやわかり毒物劇物取扱者
  2. 試験基礎情報
  3. 受験種別について
  4. 必読の試験情報「一概には…」
  5. 試験制度‐2試験
  6. 試験制度‐足切り点
  7. 試験制度‐合格基準点・合格率
  8. 文系向け使用教材
  9. 傾向と対策
  10. 【文系必読】勉強方法
  11. 公式過去問+解説
  12. 勉強方法リンク
  13. 公式過去問+解説リンク

はやわかり毒物劇物取扱者

 

 毒物劇物取扱者は、理系資格ですが、試験勉強のほとんどは「暗記と記憶」なので、文系でも独学で1発合格できます。

 鬼門なのは、「基礎化学」ですが、高校レベルなうえ、試験問題も定番化・定型化しており、文系でも、後述する勉強方法で、合格点の確保は可能です。

 わたしも、ガチ文系でしたが、危険物等の資格もあったことから、“計算問題”で頭を悩ましながらも”、1発合格できました。

 この点、理系の人なら、当該「基礎化学」が余裕なので、合格は“すぐそこ”と言えます。

試験基礎情報

 毒物劇物取扱者試験の主催者は、「都道府県」です。

 本試験は、年1回、各都道府県ごとに試験が行われます。

 合格率は、おおむね「50~60%」で、テキストと過去問題集をきちんと消化すれば、落ちることはありません。

 (ただし、「関西広域連合」のように、合格率が30%を切るところもあるので、各自で公式のデータに当たってください。)

 使用教材は「教材レビュー」にまとめていますが、メンドウな人は…、

 テキストには「 第3版 毒物劇物取扱者 合格教本 」を使用し…、

 んで、過去問兼問題集には…、

 北海道、東北地方、新潟県、長野県、富山県等の人は「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 北海道&東日本編 」を…、

 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県等の人は「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 関東編 」を…、

 関西広域連合(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・徳島県)、奈良県、三重県、愛知県、静岡県、岐阜県等の方は、「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 関西&中部編 」を…、

 九州地方、中国地方、香川県等の方は、「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 九州&中国編 」を…、

 …使用します。

 上述した市販教材を使えば、セミナーや講習会等に行くことなく、合格できます。

 試験勉強期間は、「1~4ヶ月」を見ておけば、大丈夫です。

 さて、試験問題の難易度は、危険物の乙種くらいですが、分量が膨大のため、「カンタンだがメンドウ」です。

 最後に、毒物劇物取扱者試験は、毒物劇物を扱う試験なのですが、実際に薬品に触れることはありません。

 本試験は、完全な「ペーパー試験」です。んで、「実技」も、「ペーパー試験」です。

 危険な作業は、1つもありません。老若男女、ドシドシ挑戦してください。

受験種別について

 毒物劇物取扱者試験の受験種別は「3つ」あって、「一般」「農業用品目」「特定品目」の別となっています。

 会社や組織から、「○○を取ってくれ!」という、強い要望がないなら、「一般」の受験でよいと思います。

 わたしが「一般」を推薦する理由は、「一般」は、すべてを扱える「上位互換」だからのと、何より、試験問題が解きやすいからです。

 受験地によって、“一概には言えませんが”、おおむね、「一般」だと、“広く浅い”出題で、文系でも点が取りやすいのですが、「農業用品目」や「特定品目」だと、“狭く深い”出題のため、点が取り難いのです。

 「一般」の試験範囲は、広くてやることは多いですが、逆を言えば、やることさえやれば、確実に点が取れるのです。

 対して、「農業用品目」や「特定品目」は、試験範囲が狭いため、テキストや過去問を逸脱する問題に、遭遇するおそれがあります。

 たとえば、「関西広域連合」のR1試験などは、「農業用品目」が鬼のように難しく(合格率は何と7%!)、「一般」が最もカンタンでした。

 んで、R4の「関西広域連合」の試験では、なんと!「特定品目」の合格率が「0%」でした。初めてわたしは、合格率「ゼロ」の試験を見ました。

 

 まあ、受験予定地の「農業用品目」や「特定品目」の試験問題が固定化しており、対策が容易等の事情があるなら、受験しても結構です。

 でも、受けるのなら、全部を扱える「一般」でよいかと思います。市販の教材も、おおむね「一般」を想定して作られていて、勉強しやすいです。

必読の試験情報‐“一概”には言えない

 毒物劇物取扱者の受験に当たって、文系・理系ともども、必ず、知っておかねばならない試験情報があります。

 それは、『すべてが、一概に言えない』です。

 毒物劇物取扱者試験は、「都道府県」が主催者であり、全国統一試験ではありません。

 よって、都道府県ごとに、問題数、試験傾向、配点、採点基準、足切り点等々で、絶妙に異なっています。

 毒物劇物取扱者が、都道府県で、どのくらい異なっているかというと…、

 東京都は「75問」の出題ですが、関西広域連合は、「50問」の出題です。

 関西広域連合は「貯蔵・取扱・性質」と「実技」が一緒ですが、東京都では、別々に出題されます。

 関西広域連合は足切りが30%ですが、東京都では足切りが50%です。

 こんな風に、各都道府県が独自に試験を行っているので、各自で、受験予定地のWebサイトや願書、PDF過去問を、熟読しておかねばなりません。

致命的な齟齬も

 受験生にとって、致命的な影響があるのが、「試験問題の傾向」です。

 問題なり論点なりの「出る・出ない」が、都道府県によって明白に異なります。

 一生懸命、テキストの表やリストを暗記したが、自分が受ける県では、ほとんど出題されないとか…、

 計算問題は捨てていいと、Webで述べられていたので「捨て問」にしてたら、自分の県では、計算問題のウエイトが高かった…、

 …なんてことが発生します。

 このように、「都道府県」ごとに、がらっと変わるのが毒物劇物取扱者試験です。

 試験情報については、すべて、「一概に言えない。自分の受けるところでは、どうなのか?」と、慎重に見ていく必要があります。

試験制度‐2試験

 毒物劇物取扱者試験は、「筆記試験」と「実地試験」の「2つの試験」からなります。

 「筆記試験」と「実地試験」ともに、「多項選択式(○○なものはどれか?)」で、完全なペーパー試験です。

 両試験は、おおむね、区分されて出題されるのですが、関西広域連合のように、「実地試験」が、「筆記試験」の「性質等」と一緒になって出題される都道府県もあります。

 まあ、ぶっちゃけ言うと、「筆記試験」と「実地試験」は、両方とも、知っているかいないかを問う知識問題で、そう大きな「差」は、ありません。

 よって、受験生の人は、試験区分を、気にしなくていいです。

 最後に、注意事項です。前者の「筆記試験」は、「法規」「基礎化学」「性質・貯蔵・取扱方法(性質等)」の3つの試験科目から構成されます。

 後述しますが、“試験科目ごと”に、「足切り点」が設けられているので、注意が必要です。

試験制度‐足切りあり

 毒物劇物取扱者試験ですが、おおむね、科目ごとに、「足切り点」が設けられているところが多いです。

 よって、1科目でも苦手な科目があると、それが原因で不合格となります。

 毒物劇物取扱者試験は、試験科目を満遍なく勉強する必要があるので、この点、ゼッタイに認識しておいてください。

 多くの人が、「足切り点」の存在を忘れて、あっさりと不合格となっています。

 さて、当該足切り点ですが、各都道府県ごとに、数字が異なっています。

 参考までに、「関西広域連合」を挙げると、「試験科目ごとの正答率がおのおの30%以上」となっています。

 しかし、東京都のように50%のところもあるので、繰り返しますが、必ず、受験予定地のHPやPDF等で、「足切り点」を確かめてください。

 ところで、都道府県によっては、「足切り点」を公表していないところもあります。

 そういうところは仕方がないので、とりあえずは、「5割正解」を目処に、勉強していってください。

試験制度‐合格基準点・合格率

 合格基準点は、都道府県ごとに違うので、“一概には言えない”のですが、おおむね「全体の6割正解」で合格とするようです。

 合格率も、公開されていなかったりするため、“一概には言えない”のですが、おおむね「50~60%」のところが多いようです。

 こんな風に、“一概には言えない”ので、各自で、受験予定の都道府県のWebページや願書、公開データに当たってください。

文系向け使用教材について

 毒物劇物取扱者は、市販の教材だけで独学合格できます。

 しかし、市販教材の中には、ガチ理系向けのものや、単に文言を羅列しただけのダメ教材が多々見られるので、文系の人は、注意が必要です。

 文系に推薦できる教材ですが、長くなったので、「教材レビュー」にまとめています。

 読むのがメンドウな人は、テキストには「 第3版 毒物劇物取扱者 合格教本 」を使用し…、

 んで、過去問兼問題集には…、

 北海道、東北地方、新潟県、長野県、富山県等の人は「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 北海道&東日本編 」を…、

 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県等の人は「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 関東編 」を…、

 関西広域連合(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・徳島県)、奈良県、三重県、愛知県、静岡県、岐阜県等の方は、「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 関西&中部編 」を…、

 九州地方、中国地方、香川県等の方は、「 令和6年版 毒物劇物取扱者試験 問題集 九州&中国編 」を…、

 …使用します。

 過去問兼問題集ですが、わたしが使った旧版のは全国一括だったので、使い勝手がよくなかったのですが、現在は、地方別・県別になっているので、ぐっと、傾向が掴みやすくなりました。

 公論出版は、危険物取扱者等でも定評のある出版社です。わたしも、甲種でお世話になりました。

 他にこれといった候補がないなら、過去問・問題文は、先のものを選べばよいでしょう。

傾向と対策

 毒物劇物取扱者の傾向は、『試験問題の大半は、定番化・定型化している』です。

 よって、対策としては、『テキストを2~3回読み、過去問題集を2~3回解き、PDF過去問を2回解く』となっています。

 試験問題は、“毎年出る問題”や“よく似た問題・同種の問題”、“使いまわされている問題”が目立ちます。

 それに、です。“一概には言えない”のですが、本試験では、「そっくりそのままの問題」が何問か出ています。

 ホント、問題文も答えも一緒で、過去問で解答番号さえ知っていれば、100%正解できてしまい、労せずして1点が取れます。

 また、毎年同じ毒物・劇物が問われる傾向があります。

 たとえば、旧大阪府試験では、毎年「硝酸」や「四塩化炭素」、「酸化第二水銀」が問われていました。

 他の都道府県でも、定番の毒物劇物があるでしょうから、その傾向に沿って、ピンポイントで憶えてしまえば、そこそこ点が取れてしまうのです。

 こういう「そっくり同じ問題」や「ド定番問題」を取りこぼさないだけでも、かなりの点数の底上げが可能です。ほいで、他の論点を、上積みする感じで勉強すれば、自然と合格点に到達する、ってな塩梅です。

 特に、文系の人ですが、「基礎化学」の傾向も、「定型化・定番化」しているので、過去問をしっかり解いておくことで、足切り点には、引っかからないくらいには、点が取れます。

 こういうとアレですが、過去問の「基礎化学」は、理屈がわからなくても、解き方と答えを、憶えてしまいましょう。暗記で2~3点は取れます。

【文系必読】勉強方法

 毒物劇物取扱者の勉強方法ですが、まず、文系の人へ、独学上、最も重要な勉強方法を述べます。

 『元素記号は覚えなくてはいけませんが、毒物劇物の化学式を憶える必要はありません。

 元素記号、たとえば、「酸素:O」とか、「窒素:N」とかは、「基礎化学」で必要になるので、これらは暗記する必要があります。

 しかし、「性質等」に出てくる毒物・劇物の化学式は、たとえば、シアン化カリウムは「KCN」でフッ化水素は「HF」ですが、こういうのは、憶えなくてよい、といった次第です。

 化学式の1つ1つを憶えるのは、大変な手間を食います。

 それなのに、出題は、ごくわずかです。

 参考までに挙げると、「関西広域連合」のR1試験では、「貯蔵・取扱・性質」の15問中で1問出たくらいです。

 参考:関西広域連合 R1 第43問:亜塩素酸ナトリウム

 こんな次第で、毒物・劇物の化学式を憶えるのは、費用対効果が極悪なので、絶対にしてはなりません。

 化学式の問題は、おおむね、出ても「1問」なので、速やかに、「捨て問」としましょう。

 また、「○○の化学式はどれか?」という問題が出題されるにせよ、すぐわかる難易度なのです。

 たとえば、「酸化第二水銀の分子式は?」という問題でしたら、選択肢には、「KCN」のような水銀や酸素の入ってないものが挙げられており、「水銀(Hg)」と「酸素(O)」さえわかっていれば、選択肢を絞り込めたりするのです。なお、酸化第二水銀は「HgO」です。

 こんな次第で、テキストの「取扱」や「実地」のページに、ずらっと並ぶ化学式は、一切、無視すればよい、といった寸法です。少なくとも、このわたしは、1つとして憶えていません。

 しかし、例外があります。

 「基礎化学」の「有機化合物」の単元で出てくるものは、たとえば、メタノール(CH3OH)やエタノール(CH3CH2OH)、ホルムアルデヒド(HCHO)やベンゼン(C6H6)、アセチレン(C2H2)等は、頻出論点のため、分子式や組成式をしっかり押えておかねばなりません。

 憶えるべきところと、そうでないところを意識して、暗記に取り組んでください。

勉強方法リンク

 さて、具体的な試験勉強の方法ですが、長くなったので、別ページにまとめています。

 時間別・時期別の勉強方法は…、

  1. 序盤・中盤・終盤の独学

 …です。

 科目別の勉強方法は…、

  1. 法規の勉強方法
  2. 化学の勉強方法
  3. 貯蔵・取扱・性質+実技の勉強方法

 …を参考ください。

公式過去問+解説

 毒物劇物取扱者のうち、「関西広域連合」の「一般」の過去問に、解説を付与したものをアップしています。

 オーソドックスな問題がまあまああるので、模試感覚で解いてみてください。

 興味のある方は、「毒物劇物取扱者 関西広域連合 過去問+解説」を一読願います。

まとめ的なこと

 毒物劇物取扱者ですが、要は、「回数」です。

 文系にとっては、とっつき難い毒物劇物も、何回も目を通せば、頭に残っていきます。憶えられないと愚痴る前に、「回数」を確保してください。

 計算問題も、「回数」で、足切りは免れます。

 使用教材は、「教材レビュー」を参考にします。

 テキストと過去問題集は「2~3回」を、PDF過去問は「2回」をやっておけば、まあ、穏当に合格ラインに入れるはずです。

 「法規」は、文系なら、大丈夫です。過去問を解いていれば、点は取れます。

 「基礎化学」は、文系にとって、“最大の不合格要因”です。

 問題演習を中心に、手に負える問題は、確実に取れるようにしましょう。

 “一概には言えませんが”、ダメなものは、「捨て問」です。3~4個までなら、ぜんぜんOKです。

 「性質」「実技」での毒物劇物の暗記は、細切れ時間を最大限に活用しましょう。

 要は、「暗記と記憶」なので、文系でも、きちんとやれば、必ず、そこそこの点は取れます。

 都道府県が公開しているPDF過去問は、必ず解いて、傾向を掴んでおきます。

 こうした次第で、文系でも、正しく試験情報を得て、傾向に沿った対策を執っていれば、大丈夫です。

 受験料は、1万円強と、かなり高額なので、「お布施」にならないよう、1発合格しましょう。

こまごましたもの

 毒物劇物取扱者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「毒物劇物取扱者の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。

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