毒物劇物取扱者の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 毒物劇物取扱者の独学方法。試験のレベルは、危険物の丙種だが、ボリュームは段違い。試験勉強のほとんどは「暗記と記憶」。このため、ある程度の勉強時間を見ておく必要がある。都道府県ごとに試験に違いがあるので、各自で確認しておく。おおむね「足切り点」あり。文系は「化学」に尽力。合格基準は、おおむね6割正解。勉強方法や使用教材など。

ひとくち毒物劇物取扱者

 毒物劇物取扱者は、文理ともども、独学取得できる資格です。学校等に行く必要はありません。

 理系の資格ですが、試験勉強のほとんどは、「暗記と記憶」なので、文系・理系ともども、メンドクサイ思いをします。

 特に文系は、「化学」の計算問題で苦労しますが、後述するように、やりさえすれば大丈夫ですし、「抜け道」のある都道府県もあります。

 なお、わたしは、ガチ文系でしたが、危険物等の資格もあったことから、“「化学」で頭を悩ましながらも”、1回でパスできました。

 

 試験の主催者は、「都道府県」で、年1回、各都道府県ごとに試験が行われます。

 合格率は、おおむね「50~60%」台で、テキストと過去問題集をきちんとすれば、落ちる事はありません。

 使用教材は「教材レビュー」にまとめていますが、メンドウな人は、「改訂新版 毒物劇物取扱者 合格教本」と「毒物劇物取扱者試験 公論出版」を使用すればいいでしょう。

 試験勉強期間は、「1~3ヶ月」ほど見ておけば、大丈夫です。

 本試験の難易度は、危険物の丙種くらいで、「カンタンだがメンドウ」です。

 なお、毒物劇物とはいえ、実際の薬物に触れることはありません。本試験は、ペーパー試験です。危ない作業はしないので、ドシドシ、挑戦してみてください。

 ところで、「危険物取扱者」という資格があります。これがあると、勉強負担が“すずめの涙”くらい減ります。急がないなら、当該危険物取扱者から取るのもいいでしょう。詳細は、「合格体験記」に述べています。

 以下、ショートカットです。

 試験については「毒物劇物取扱者試験とは?」を、勉強方法は「勉強方法」を、科目別では「法規」「化学」「実技(性質等)」を、参考ください。

一概には言えない

 毒物劇物取扱者の受験に当たっては、1つだけ注意点があります。

 すべてが、一概に言えないところです。

 毒物劇物取扱者試験は、「都道府県」が主催者であり、全国統一試験ではありません。よって、都道府県ごとに、問題数、試験傾向、配点、採点基準、足切り点等々で、絶妙に異なっています。よって、受験予定の都道府県のWebサイトや願書、PDF過去問を、熟読しておく必要があります。

 毒物劇物取扱者がどのくらい異なっているかというと…、

 大阪府や東京都は、「75問」の出題ですが、京都府などは、「50問」の出題です。

 大阪府は「性質等」と「実技」がごっちゃになっていますが、東京都や京都府では、別々に出題されます。

 大阪府は足切りが40%ですが、東京都では足切りが50%です。京都府は採点基準が公開されていません。

 大阪府や東京都は、自腹で合格証書を郵送してもらいますが、京都府はふつうに送られてきます。

 細かい違いはもっとあるでしょうが、ざっとこんな次第で、試験は、都道府県ごとでかなり異なっています。とりわけ、試験傾向の違いが顕著です。

 一生懸命、テキストの表やリストを暗記したが、自分が受けるところでは、ほとんど出題されなかったとか…、

 「化学」の計算問題は捨ててもいいと、Web等で述べられていたので「捨て問」にしてたら、自分の県では、計算問題のウエイトが高かった…、なんてことが多発します。

 情報の齟齬が大きいのが毒物劇物取扱者試験です。試験情報については、すべて、「一概に言えない」と括弧がけで見ていく必要があります。

 毒物劇物取扱者の受験についての注意は、以上の“一概には言えない”です。

毒物劇物取扱者試験とは?

 毒物劇物取扱者試験は、「筆記試験」と「実地試験」の2つからなります。

 両方とも、「多項選択式(正しいものはどれか?)」で、完全なペーパー試験です。

 筆記試験は、“「法規」「基礎化学」「性質・貯蔵・取扱方法(性質等)」の3科目で構成されます。

 しかし、大阪府のように、「実地試験」が「性質等」と一緒くたになっている都道府県もあります。

 “一概には言えない”のですが、おおむね、科目ごとに、足切り点が設けられているところが多いです。

 よって、1科目でも苦手な科目があると、それに足を取られて、不合格となりかねません。満遍なく勉強しておく必要があります。

 合格基準点は、公開されていないところもあり、“一概には言えない”のですが、おおむね「6割正解」で合格とするようです。

 合格率も、公開されていなかったりするため、“一概には言えない”のですが、おおむね「50~60%」のところが多いようです。

 こんな風に、“一概には言えない”ので、各自で、受験予定の都道府県のWebページや願書、公開データに当たってください。

教材について

 毒物劇物取扱者は、市販の教材だけで独学合格できます。

 しかし、市販のものには、“単に羅列しただけのダメ教材”が多々見られるので、注意が必要です。

 推薦する教材ですが、長くなったので、「教材レビュー」にまとめています。

 読むのがメンドウな人は、「改訂新版 毒物劇物取扱者 合格教本」と「毒物劇物取扱者試験 公論出版」を使用すればいいでしょう。

 

文系ガイダンス

 文系の人への重要なアドバイスです。

 元素記号は覚えなくてはいけませんが、毒物劇物の分子式を憶える必要はありません。

 たとえば、シアン化カリウムは「KCN」ですが、こういうのは、憶えなくてよい、といった次第です。

 ときおり、「毒物○○の分子式はどれか?」という問題が出題されます。

 しかし、大半は、すぐわかる難易度です。たとえば、「酸化第二水銀の分子式は?」という問題でしたら、選択肢には、先の「KCN」のような水銀や酸素の入ってないものが挙げられており、「水銀(Hg)」と「酸化(O)」さえわかっていれば、穏当に解ける、といった次第です。なお、酸化第二水銀は「HgO」です。

 「化学」のページには、ずらっと分子式が載っています。が、一切、無視すればいいでしょう。少なくとも、このわたしは意識した事はありません。

 しかし、例外があります。「化学」です。

 「化学」の「有機化合物」の単元で出てくるものは、たとえば、メタノール・エタノール、ホルムアルデヒドやフェノール等は、分子式や組成式をしっかり押えておかねばなりません。

 この辺りの塩梅には、よくよく注意してください。

勉強方法について

 さて、一概には言えない毒物劇物取扱者試験ですが、試験そのものは、オーソドックスで、出題内容も、ほぼ定番化しているので、勉強さえすれば、どの都道府県でも、合格できます。

 テキストを2~3回読み、過去問題集を2~3回解き、PDF過去問を2回解いておけば、まず合格できるってな塩梅です。

 “一概には言えない”のですが、本試験では、「そっくりそのままの問題」が何問か出ています。

 ホント、問題文も答えも一緒で、過去問さえ解いておけば、100%正解できてしまい、労せずして1点が取れます。

 また、毎年問われる毒物・劇物があったりします。たとえば、大阪府では、毎年「硝酸」や「四塩化炭素」、「酸化第二水銀」が問われていました。

 他の都道府県でも、定番の毒物劇物があるでしょうから、過去問を解いていれば、そこそこ点が取れてしまいます。

 こういう「そっくり同じ問題」や「ド定番問題」を取りこぼさないだけでも、かなりの点数の底上げが可能です。ほいで、上積みする感じで、点を取っていけば、自然と合格点に到達する、ってな塩梅です。

 最初は、見慣れない毒物劇物の名称に、苦痛を“かなり”感じるでしょう。しかし、何回も接して慣れるに従って、どんどんカンタンになるので、そこまで、我慢の毎日です。配偶者を思い浮かべれば、あらゆることに我慢できるはずです。

 ところで、「実地」や「性質等」の、丸暗記・棒暗記するところは、「5回くらい」見ておくようにします。当方は寝る前に、「用途」とか「廃棄」とかのページを暗記していました。すぐに寝れるのでお勧めです。

PDF過去問について

 主催者の都道府県のWebサイトで、過去問がPDF形式で配布されています。

 当該PDF過去問は、傾向把握のために、必ず解かねばなりません。

 先述したように、本試験では、“同じ問題文で同じ答え”という『ボーナス問題』が出る可能性が高く、そういう問題で点数の底上げが可能となります。最高の足切り回避です。

 また、解ける・解けないは別にして、試験勉強のかなり早い段階で、一度は、目を通さなくてはいけません。

 というのも、先に述べたように、都道府県によって、本試験が“そこそこ”異なるからです。最初のうちに、受験予定地の傾向を把握しておけば、以後のロスが“かなり”減ります。

 試験勉強に、ある程度、目処が立ったら、メンドウでしょうが、さっさとPDF過去問に手を付けてください。

PDF過去問はタブレットで

 ところで、PDF過去問の問題演習ですが、「タブレット」での閲覧が効率がいいです。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

法規

 一概には言えないのですが、当該「法規」は、最もカンタンで、かつ、最大の得点源となっています。

 ボリューム(条文数)が少なく、そして、試験問題は、制度内容や数字を問うたりするなど、シンプルな出題が多いため、本当に点が“すぐに”取れるようになります。

 「法」などと見聞きすると、ゾッとする人も居られるでしょうが、当該毒物劇物取扱者試験では、全くそうではないので、安心してください。

 テキスト・過去問題集を2回はやっておけば、PDF過去問や本試験で、7~8割は“すぐに”取れます。

 一概には言えないのですが、当該法規で点が取れれば取れるほど、残りの2~3科目で“失点してもよい”ことになるので、集中して取り組むのが賢明です。

 一概には言えないのですが、当該法規で点数を大きく稼ぎ、他の科目は、足切りを免れるくらいに得点するのが毒物劇物の基本方針となっています。

 まあ、四の五を言わず、テキスト・過去問題集に当たってみてください。勉強前の不安は、ほとんど杞憂です。

化学

 難易度は、「高校化学」レベルです。

 知識問題と計算問題の2系統があり、計算問題で出るのは、「mol計算」「濃度計算」「化学反応式」「pH」「中和反応」「ボイル・シャルルの法則」「熱化学反応式」などです。

 本試験は、ある程度、定番化しているので、過去問を繰り返しておけば、致命的な失点をすることはないでしょう。

 よって、理系の人なら、あまり問題ないはずです。テキストと過去問題集をざっくりやってみて、手ごたえ十分なら、そう深く勉強しなくてもよいでしょう。

文系はきけん

 しかし、文系の人は、全く油断できません。

 一概には言えないのですが、多くの都道府県では、足切り点が設けられています。よって、当該化学がまったくダメだと、受験前の時点で、落ちてしまいます。

 文系なら、先の「法規」と「実技(性質等)」は、何とかなるはずです。基本は、「暗記と記憶」だからです。

 しかし、「化学」は、計算問題があるため、それ相応の勉強をすることになります。

 「化学」ですが、先述したように、計算問題と知識問題の2系統から成っています。

 知識問題は、テキストを読み込んだり、過去問題集を繰り返したりすれば、何とか、点数を確保できるはずです。要は、覚えるだけです。

 問題は、計算問題です。

 理想を言えば、点が取れるくらいには、勉強しておくべきです。

 先も述べたように、出題はある程度、決まっているので、勉強しておけば、全滅を避けるくらいには到達できます。

 しかし、頭痛がする、どうしてもダメ、卒倒する、時間がないなどの事情にあるなら、まず、受験予定地のPDF過去問を開いて、計算問題の比重を調べてみてください。

 先述したように、毒物劇物試験は、都道府県ごとによって、かなり異なる試験です。

 ある県では、計算問題の比重が高いため、足切り点に引っかからないためには、どうしても、計算問題を勉強しなくてはならないところがあります。

 これに対して、問題数に余力があったり、計算問題の出題が少なかったりする県では、いっそのこと「捨て問」にできるところがあるのです。

 当方の受験した大阪府がそうで、化学の出題数は「25問」で、計算問題は「5~6問」、足切り点は「40%」だったので、計算問題をすべて捨てても、何とかなったのです。

 実際の試験会場でも、「計算問題は全部捨てた!」と話している人が多々いました。

 このように、「化学」の問題構成や出題数を踏まえれば、“計算問題をやらなくても済む”可能性があります。

 よって、PDF過去問の2~3年分を調べてみて、計算問題の比重が少なく、計算問題を捨てても足切り点を免れる・点数が確保できるのなら、「捨て問」にするのも一手だ、といった寸法です。

 まあでも、試験問題は、メチャクチャに難しいものではありません。テキストや過去問題集を繰り返せば、点数は取れるので、全部捨てるのではなく、取れそうなものは、勉強しておくべきです。

 わたしは、酸化還元反応などの2~3の論点は捨てましたが、過去問に出た計算問題は、解けるようになっておきました。

実技・性質等

 実技・性質等ですが、一口で言うと、「膨大なボリューム」です。

 ですから、毒物劇物の1つ1つを、テキストで覚えていくような、『苦行』をしてはいけません。必ず挫折します。

 本格的な「暗記と記憶」の作業に入るのは、中盤以降です。

 まず、ざっくりテキストに目を通します。覚えようとせず、確認程度くらいでOKです。

 一通り読めたら、即断に、問題集に挑戦します。

 ほとんどの問題は解けないでしょうが、それが普通です。

 んで、テキストを見ながらでいいので、選択肢をテキストで調べるような態で、問題を解いていきます。

 んで、テキストで調べたところは、蛍光ペンでマークして、復習の目印とします。

 とりあえずは、上記作業を、過去問題集の最後までやっていきます。

よく出る論点は決まっている

 一通りやれば、試験で最も多く問われているのは、「固体か液体か気体か」、「色」、「臭い」であることがわかります。

 反対に言えば、「廃棄」とか「用途」といったものは、あまり出ていないことがわかります。

 んなもんで、まずは、「固体か液体か気体か」、「色」、「臭い」に着目して、憶えていけばいいわけで、反対にいえば、「廃棄」等は、「後回し」にすればいい、ってな次第です。

 各毒物劇物には、かなりの記述がありますが、どこがよく出るかがわかれば、憶える苦労も減ります。

 どこに尽力すればよいか、納得してから、「暗記と記憶」の作業に入っていきましょう。

 ところで、毒物劇物の名称ですが、あまりに数が多く、そして、カタカナの長ったらしいものが多いため、最初は、絶望するはずです。しかし、テキストや問題集にて、何回も接するうちに、次第に憶えていくので、あきらめず、根気よく接していきましょう。わたしもその数の多さに唖然としましたが、本試験時には大体は把握できるようになってました。

実技(性質等)は、問題演習中心で

 テキストの各毒物劇物のキーワードを憶えるのは、実に骨が折れます。

 んなもんで、まずは、「問題演習」を繰り返します。

 テキストの文言を覚えこむより、問題を解きながらの方が記憶に残ります。

 問題演習を繰り返せば、ある程度、記憶に残ります。んで、問題演習では覚えられなかったものをを、テキストで腰を据えて暗記していく、といった寸法です。

暗記と記憶のコツ

 ご存じのように、「実技(性質等)」は、膨大です。

 ですから、暗記と記憶は、主に、通勤・通学時間や、空き時間・細切れ時間を中心にして、憶えていくようにします。

 机の前で憶えるよりも、こうした“使われていない時間”で憶えた方が記憶のノリがいいです。時間の有効利用にもなります。

 机の前では、問題を解いたり、過去問を解いたり、テキストを読んだりする時間に充てましょう。

用途、廃棄等

 「鑑別」や「用途」、「廃棄」等の論点は、正直、機械的に憶えていくしかありません。

 わたしは、テキストのリストや表を、先の空き時間のほか、夜寝る前に10個なり20個を憶えるようにしていました。

 もちろん、すぐ忘れるのですが、やはり、何回も見ていくうちに、頭に残るようになります。

 ざっと眺める・目を通すだけでも、かなり効果があります。

 いっぺんにやると大変な苦痛ですが、毎日少しずつなら、嫌気も差しません。すぐ眠れるので、酒量も激減します。肝臓にもいい勉強法をお試しください。

まとめ的なこと

 毒物劇物取扱者ですが、要は、「回数」です。

 とっつき難い毒物劇物も、何回も目を通せば、頭に残っていきます。憶えられないと愚痴る前に、「回数」を確保してください。

 使用教材は、「教材レビュー」を参考をば。

 テキストと過去問題集は「2~3回」を、PDF過去問は「2回」をやっておけば、まあ、穏当に合格ラインに入れるはずです。

 「法規」は、問題演習をしていれば、まず大丈夫です。小理屈は無視していいです。

 「化学」は、理系なら大船に乗った気でいいです。文系なら浮き輪1つ状態なので、早々に対策を練ってください。まあ、問題演習中心で大丈夫です。

 「性質」「実技」での毒物劇物の暗記は、細切れ時間を最大限に活用しましょう。スマホよりテキストです。

 ちゃんと勉強すれば受かります。受験料は、かなり高額なので、「お布施」にならないよう、1回で合格しましょう。

こまごましたもの

 毒物劇物取扱者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「毒物劇物取扱者の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。

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