独立開業系の国家資格の取得を考えているなら、一度は、日本政策金融公庫の「融資のご案内」の各PDFには目を通しておいた方がいい。
| カテゴリー: 資格の就職・転職事情 | Tags: 合格, 社労士, 行政書士
結論から言うと、独立開業系の国家資格の取得を考えているなら、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)の事業計画書や現況報告書、創業計画書といった各PDFは目を通しておこう、という寸法です。
なぜなら、当該PDFには、試験勉強や本試験以上の難敵が、そこに待っているからです。
試験というのは、難しくても、だいたい受かりますし、受かっていきます。世の中に合格体験記が、腐るほどある所以です。
普通の資格なら、受かって合格証書なり免状を受け取ったらそれでおしまいです。
しかし、たとえば、税理士やら社労士やら行政書士やらの独立開業系国家資格で問題なのは、合格以上に、合格後にいかに顧客を見つけるか・確保するか、です。街の中に「○○士」の看板が氾濫しない所以がそこにあります。
当該日本政策金融公庫のPDFが優れているのは、それらを軽く目を通しただけで、『資格と自分』とをまざまざとイメージさせるからです。
先のPDFの中で、一番重要なのは『主要取引先』の欄です。
今現時点で、どれだけ、埋められるでしょうか?
今現在で、「候補」というか、潜在顧客というか、伝手というか、当てというか、頼もしい親戚の名前で埋まらないなら、合格後も間違いなく埋まりません。
そして、『創業計画書』や『事業計画書』です。
士業といえども、事業には変わりありません。で、ならば、あなたは何をやろうとするのか、です。
生き残っている士業の方は、やはり、賢いし努力をしているし、これまでにないサービスや切り口で、事業を展開しています。一口で言えば、商売人です。
消えていく人は、まあ、『これ』といったアイデアも展望も計画も、そして、熱意もない人です。一口で言えば、サラリーマンです。
別段、自己啓発や自分の勉強として、資格の勉強をするのは構わないのです。わたしもこの口だからです。
しかし、独立開業系国家資格の大半の就職先は、当該国家資格の業界くらいしかなく、「士業系資格を、就職や転職目的で取るのは考えもの」でも述べているように、一般企業からの求人はあんまり当てになりません。
正直言って、地域差や求人のタイミングからすると、「一般企業からの求人はない」と考えておいていいです。
絶対数がそもそも少ない上に、そうそう自分の住んでいるところと、待遇等の条件が合致することなど、ないからです。
もっと言えば、「よほどの経験と知識と能力を有した、企業が涎を流すほど優秀な人材でない限りマッチしない」のです。
独立開業系国家資格は、その名の通りに、「独立」して「開業」するくらいしか、役に立ちません。
受けてみようかという決意の前に、そして、試験勉強の中途で、最低1回は、日本政策金融公庫の「融資のご案内」を見ておきましょう。
かつての、開業してがんばればうまくいった、幸せな時代は過ぎ去っています。
受験生のときから、『顧客』の問題をリアルに把握している人と、そうでない人とでは、『大差』が生じるかと思います。
2015年6月1日 9:57 AM
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